ハリウッド生まれハリウッド育ちのレオナルド・ディカプリオが明かす夢の街の現状。『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』記者会見レポート

ハリウッド生まれハリウッド育ちのレオナルド・ディカプリオが明かす夢の街の現状。『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』記者会見レポート

8月30日(金)より全国公開される、映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』の記者会見が本日8月26日(月)に都内で行われ、来日中のレオナルド・ディカプリオとクエンティン・タランティーノ督作、シャノン・マッキントッシュ プロデューサーが出席した。

クエンティン・タランティーノ督作&レオナルド・ディカプリオ質疑応答

いかした映画でした! シャロン・テート事件の史実に基づいた作品でありながら、リック(ディカプリオ)とクリフ(ピッド)という架空の人物を加えるというアイディアはどこからきたのでしょうか?

監督:作品で描いた時代というのはハリウッドでは、カウンターカルチャーの変化がみられた時代だったんです。その時期をシャロン・テートの事件に至るまでの時間軸にすれば、歴史的な部分が掘り下げられることができて面白いんじゃないかなと思ったのと、実際の人物とフィクションの人物が一緒に描かれている、70年代に出版された本からインスパイアされました。僕もハリウッドの一時期を描くにあたり、当時のロスに住んでいた方とフィクションのキャラクターを組み合わせてたら面白いんじゃないかと思いました。

『ジャンゴ 繋がれざる者』(2013)以来のタランティーノ作品ですが、お話をいただいた時のお気持ちは?

ディカプリオ:今回はリックという役に惹かれました。リックは1950年代のTVでスターとして西部劇に出演していたわけですが、今では、アンチヒーロー的な好かれない役を演じることが多くなり、彼としては考えられない状況になっているんですが、なんとかして俳優として時代についていこうとするんですね。その変化の中で、クリフとの友情、表裏一体という関係の2人が、どうやってこの2日間で変わっていくのかということ、リックの魂の部分をどうやって作り上げていくかということを話し合いました。非常によかったのは、リックのバックグラウンドを監督が全て教えてくれました。あとは若い女の子に出会って、リックの内に秘めた力を押し出してくれるような存在になって彼は変わっていくという物語は、ブラッドもそうだったと思うけど、僕たちをやりたいという気持ちにさせてくれました。

リックとクリフのバディぶりがとてもよかったのですが、起用理由は?

監督:ふたりがこのキャラクターにぴったりだから(笑)。でも正直、自分が選んだではなく、2人が僕を選んでくれたんだと思うんです。忙しい2人が自分の企画を選んでくれたのはとてもラッキーだったし、過去に一緒に仕事をしたことがあったこと、彼らが自分の作品を好きでいてくれたこと、依頼される山積みの脚本の中でも僕の脚本が上のほうにあったこと(笑)、そして内容的にも響くものがあってやりたいと思ってくれたんだと思いますが、個人的にもキャスティングができたということは世紀のクーデターだったんじゃないいかなぁって思います(笑)。

そしてなんといってもバディものですから、素晴らしい役者だから、大物スタントマンだからというだけではうまくはいかないわけです。必要だったのは、内面のキャラクターが違っても、ある俳優のスタンドダブルとして、つまり同じ衣装に身を包めば、同じように見えたりなど、外見の部分でどこか近しい感じにならなくてはいけなかった。それを2人が持っていてくれたことは本当に幸運でした。

ブラッド・ピットとの親友という役柄での共演はどうやって準備しましたか?

ディカプリオ:徹底的にリサーチしました。リックもクリフもこの業界に属しているが、ちょっと落ちぶれていて、ハリウッドの変化から取り残された感じがあるんです。この業界がどういったものであるかというのは、実際に見てきて分かっていますし、この2人がどういった状況にいるのかよく分かる。リックもクリフも、お互いに依存しあっているような関係で、この業界で戦っていくにはお互いが必要な状況なんです。そういった、どういう映画に一緒に出演したのか、どういった関係性なのかというバックグランドを全て監督が用意してくれていていたので、撮影するときにはある程度知れていましたし、もちろん撮影中にもたくさん情報を教えてくれました。

リックの涙が印象的でした。ディカプリオさんは人生の中で悔し涙を流したことはありますか?

ディカプリオ:全ての人があると思いますよ(笑)。具体的な記憶ははっきり思い出せないですが、何度もあると思います。

登場人物を創造するにあたって、インスピレーションを受けた作品やキャラクターは?

監督 背景に50年代にテレビが登場してテレビスターが誕生し、TVから映画へ活躍の場を広げたんですね。だけど、成功するスターがいる一方、活躍できなかったスターが当時たくさんいた。一人というわけではないですが、実際にいらした役者たちの要素を組み合わせて作り上げました。

何を大切にキャラクター作りをしましたか?

ディカプリオ:たくさんの俳優たちを参考にしました。僕たちが愛した作品に貢献していた多くの俳優さんたちの多くは忘れ去られていると思うんですけど、リックというキャラクターを通して、そういった俳優さんたちのことを知ることができたと思いますし、そういったリサーチができたことは僕にとっても素晴らしい経験になりました。

タランティーノ監督の撮影現場はどういったものなのでしょうか?

マッキントッシュPD:タランティーノ監督作品は本当に魔法のような作品。現場もとても素晴らしく、ある意味、家族がまた戻るというような感じ。タランティーノ監督が脚本を書き始めると、私のところに「いつできあがるんだ?」という連絡が来るくらいスタッフは監督と仕事をしたがっていますし、撮影の合間にはタランティーノ監督の歴史の授業が始まって、いろんなことから彼から学べることができるので、スタッフはみんな監督と一緒に仕事をしたがっているの。

印象深い出来事は?

マッキントッシュPD:実は撮影でOKを出した後、また撮るんです。キャストやスタッフは「なんで?」と質問すると、全員で「だって僕たちは映画づくりが好きなんだ」ってお決まりの言葉を言うです。それだけ、本心から映画が好きなんです。

劇中ものすごい奇跡が作品では起きますが、みなさん周りで起きた、とんでもない奇跡は?

監督:映画業界のなかでキャリアを築けているのがミラクルだと思います。9本も映画を作ることができて、こうやって日本に来ても自分を知ってくれている。ビデオストアで働いていた自分がと思うと本当にミラクルだと思います。映画業界の中で、仕事ではなく一人のアーティストとして映画を作ることができているのは本当に幸運だし、そのことを絶対に忘れないでいようと思います。

ディカプリオ:監督の意見に完全に同意です。僕はハリウッドで生まれ育っているんですけど、この業界がどれだけ大変か知っていますし、たくさんの人が世界中から夢をもって来ますが、99%の人が夢を叶えられないのが現状だと思います。僕は幸いなことに、子供のころからハリウッドに住んでいたので、学校が終わったらオーディションを受けにいくことができた。ですから、今、仕事がある俳優であるということ、それから、自分で決定権や選択肢があるということ自体が、俳優としては奇跡だと思っていますし、日々感謝しています。また、一緒に仕事ができる仲間を持つことができているといことも、ミラクルだと思います。

マッキントッシュPD:大好きな仕事・業界・人たちと仕事ができること。私の仕事を理解してくれる旦那、2人の息子がいること自体が奇跡だと思っていると思います。

1969年の古き良きハリウッドのセット、ファッションなども見どころで、監督の知識が大爆発した作品でした。監督がこの作品を作り上げるうえで一番楽しかったのは?

監督:本当に楽しいこと満載の作品。この時代の登場人物に息を吹き込む作業はとても楽しかったです。今も実在するLAという街を40年間、逆回しにして、CGも一切使わず、スタジオでの撮影もせず、実際に車や人通りもある場所、映画で使用されるトリック、衣装などを駆使してこの時代を再現できたことが一番満足しています。

ご自身にとってハリウッドとは?

監督:1つは映画業界 1つはハリウッドという街。市民が住んでいる街であり、業界として成功や失敗が隣り合わせにある町なんです。そこで2、30年仕事をしていると、感覚的には同じ高校に通っている気分です。

ディカプリオ:僕にとって、生まれ育ったところなので、家族もいるし友達もいるし自分の一部です。ある意味ここは夢の工場であり、成功も失敗も生み出す。世界中から集まったたくさんの人出会えるし、政治的な意見が合う人もいる。僕にとってはハッピーな気持ちになれる場所です。

マッキントッシュPD:監督やレオと違って生まれた場所ではないですが、20年住んでいるので今は自分の古郷ですし、とても大好きな場所です。

【STORY】
リック・ダルトン(ディカプリオ)は人気のピークを過ぎたTV俳優。映画スター転身を目指し焦る日々が続いていた。そんなリックを支えるクリフ・ブース(ピット)はスタントマンかつ親友でもある。目まぐるしく変化するハリウッドで生き抜くことに精神をすり減らしているリックとは対照的に、いつも自分らしさを失わないクリフ。パーフェクトな友情で結ばれた二人だったが、時代は大きな転換期を迎えようとしていた。そんなある日、リックの隣にロマン・ポランスキー監督と女優シャロン・テート夫妻が越してくる―。そして、1969年8月9日―それぞれの人生を巻き込み映画史を塗り替える【事件】は起こる。

作品情報

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
8月30日(金)全国ロードショー

監督:クエンティン・タランティーノ
出演:レオナルド・ディカプリオ、ブラッド・ピット、アル・パチーノ、バート・レイノルズ、マーゴット・ロビー、ダコタ・ファニング、ジェームズ・マースデン、ルーク・ペリー、ティム・ロス、マイケル・マドセン、カート・ラッセル、エミール・ハーシュ、ティモシー・オリファント、ダミアン・ルイス
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント

オフィシャルサイト
http://www.onceinhollywood.jp/