12月15日(土)に手塚治虫の作品『アラバスター オリジナル版』が発売される。
『アラバスター』は、『週刊少年チャンピオン』誌に1970年12月~1971年6月まで、計26回にわたって掲載された“黒手塚”を代表する作品。しかし、単行本化にあたっては物語の本筋は変わらないものの、主人公の設定からコマ割り、セリフなど随所に変更が見られ、改変箇所は実に200ページにもおよんでいる。
また、単行本では使用されなかった連載時の扉やカラーページ、カラー扉が存在するため、本書ではできる限り連載時のオリジナルの状態に近づけて単行本化。巻末には関連資料も掲載され、『アラバスター』の世界観が遺漏なく1冊に収められている。

P011:巻頭のカラー部分。主人公の設定が全集版では黒人に変更されている
本作の主人公は、F光線で体が半透明化したことから、自身の醜さゆえに美しいものを憎み、「畸型城」をアジトに破壊工作を繰り返す怪人・アラバスターと、呪われた出自を持つ美少女・亜美。物語は彼らを取り巻く人々を巻き込みながら、悲劇的な結末へと導かれていく……。

P058:全集版では、警官の帽子や髪の色が米国仕様になっている
作品の主題となるのは、人間の奥底に潜む“復讐/憎悪”の心と“歪んだ愛”。欲望が渦巻く世界で翻弄される人々の運命を描いた問題作だ。手塚治虫の自己評価は低かったと言われている本作だが、連載時からのファンも根強く存在し、さらには“黒手塚”を再発見した若い世代からも注目の作品となっている。

P096:亜美の幼児期の表現。オリジナル版では体が透けている
書誌情報
『アラバスター オリジナル版』
12月15日(土)発売
著者:手塚治虫
定価:4,104円(本体3,800円+税)
仕様:B5正寸/528ページ
発行立東舎/発売リットーミュージック

P135:オリジナル版のカラー扉を収録

P224:スタイル画のような亜美のカットは、全集版では掲載されなかった

P242:ロックのナルシシズムが全開で名高い鏡のシーンも、オリジナル版はより濃厚

P289:書き文字のセリフが、全集版では活字化されている場合も多い

P485:オリジナル版では迫力のある見開き表現だが、全集版では左ページは非掲載