Interview

climbgrow、新作『EL-DORADO』を掲げる。彼らが目指す黄金郷とは?

climbgrow、新作『EL-DORADO』を掲げる。彼らが目指す黄金郷とは?

滋賀県出身で現在20歳の4人組バンド。〈閃光ライオット2014〉で準グランプリを受賞し、注目を集めたclimbgrow(クライムグロー)。リアルな言葉で感情をぶつけるボーカルスタイルとテクニカルなサウンドを持ち味とする彼らが、最新ミニアルバム『EL-DORADO』をリリースする。4人が声をそろえて自信作と語る“黄金郷”の話を聞いた。

取材・文 / 岡本明


“黄金郷”。自信がありすぎてすごいタイトルになった

まず、バンド結成のいきさつなんですが、みなさん、地元が一緒なんですよね?

杉野泰誠 近藤(和嗣)と田中(仁太)と僕が中学校が一緒で、最初その3人で組んでて、高校はバラバラになって、4人共別の高校なんですけど、谷口(宗夢)と高校生のときに知りあって入ってきたんですよ、俺が誘って。で、今に至ります。

みなさんの音楽の趣味は近かったんですか?

杉野 というより、「バンドがやれたらいいな」ぐらいでバンドを組んだんです。だから、それぞれの個性を活かしながらやっています。

ちなみに、どんな音楽が好きだったんですか?

杉野 当時は、エレファントカシマシが好きで。

今でもその名残りがありますね、感情をストレートにぶつけるタイプで。

杉野 そうですね。

田中仁太 僕はアジカン(ASIAN KUNG-FU GENERATION)とかストレイテナーとか。

谷口宗夢 周りでRADWIMPSが流行っていて、友達がコピーしてたんですよ。僕も中学からバンドを始めて。そこからですかね。

中学生がコピーするには難しいですよね。

谷口 全然できてなかったと思いますけどね(笑)。

近藤和嗣 僕もアジカンとかラッド、あとは歌謡曲とか好きでした。

本気でバンドをやろうと思ったのはいつ頃ですか?

田中 高1の冬ぐらいにモックン(谷口)が入ってきて、そこでオリジナルを作り始めてからですね。

最初の段階から手ごたえがあったんですか?

杉野 何曲か出来てきて、「これはいける」と(笑)。

その根拠は何だったんですか?

田中 まずは、泰誠の声。

当時から今のようなしゃがれた声と吐き出すような歌い方だったんですか?

田中 そうですね、変わった声ではあるけれど(笑)。

近藤 最初に曲を作ってきたときから、このバンドでいけるなという手ごたえはありましたね。

L→R:田中仁太(bass)、近藤和嗣(guitar)、杉野泰誠(vocal, guitar)、谷口宗夢(drums)

曲調も当時から今みたいな感じだったんですか?

近藤 最初はロックンロール色が強かったんです。歌詞がなかったし。

杉野 今でも「ラララ~」で作るんですけど、そのままライブでやってましたね。高1の冬ぐらいにやっと歌詞が出来て。

谷口 その頃から曲調は今の感じに近かったですね。

近藤 今でもその頃の曲をやっていますよ。

でも、歌詞がないのにライブをやるって、ムチャじゃないですか?(笑)

杉野 ホント、頭おかしいですよね(笑)。

谷口 (歌詞が)あるふうに歌うんですよ。最初観たときに「英語で歌ってる、すごい!」と思って、バンドに入ってみたら、歌詞がない。「何やこれ!?」と(笑)。

杉野 それでレコーディングもしましたからね。

谷口 「ウソやん!」って思いました(笑)。

杉野 感情で進めるタイプなんです(笑)。

普段から歌詞を書いているんですか?

杉野 思ったことはすぐにメモを取るようにしています。見返してみて、「じゃあ、こういう曲を作ろう」とか「この一節を使おう」と思うこともあるし、様々ですね。

どの曲も歌詞が溢れていますよね、言いたい言葉がありすぎて。そこは自分に正直にというか。

杉野 そうですね。

何かに例えるよりも素直に叩きつけようという姿勢は一貫していて?

杉野 例えることもありますけど、自分がかっこいいと思うワードを使うようにしています。

会話よりもフィーリングでできる

今回のミニアルバム『EL-DORADO』を作るにあたって、どういうふうに臨みました?

谷口 いっぱい曲を作って、プリプロしたんです。本番のレコーディングまでに結構時間があったので、そのなかで確立していったというか、絞っていきました。

曲自体は以前からやっている曲が多い?

谷口 新しい曲もありますけど、前からやっている曲もありますね。ほとんど、ライブで最近やっている曲ばかりです。

ということはライブのアレンジそのままでやろうと?

谷口 「ラスガノ」は、ほぼライブのアレンジですね。

アレンジはみなさんで意見を出し合うんですか?

田中 セッションで決めたり。

杉野 決まる曲と決まらへん曲もあって。「ラスガノ」はわりとすぐに出来たかな。

谷口 何度か演奏するうちに形になっていくというか。

杉野さんが具体的なイメージをメンバーに伝えることもあるんですか?

谷口 「バーンとした感じ」とか言うことはありますけど(笑)。でも、だいたいわかるんですよ。

杉野 一緒に作っているので、「こうきて欲しいな」というのが一緒なんです。もちろん違うときもあるけど、今回はそういうのはまったくなくて。

近藤 会話よりもフィーリングでできますね。

杉野 おー、今のかっこええな(笑)。“フィーリングでできとる”ね。

谷口 意味わからんときもあるけど(笑)、結構まとまるんですよ。

近藤 「ラスガノ」「KLAXON」とかは、演奏を合わせていくなかで出来ていきました。

馴染んでいる曲が多いとレコーディングもスムーズだったんじゃないですか?

杉野 そうですね、全曲、地元で録ったので。

近藤 音にもこだわって、ギターテックさん(機材の調整スタッフ)と1日かけて音作りをしたり。

それはどんなふうに?

近藤 棘のある感じにはしたかったので。かといってジャキジャキしすぎてよくわからない音も困るので、うまい塩梅を探すのが難しかったです。

そういうことは以前にもあったんですか?

近藤 前回のアルバム(『Enter Here』)もテックさんに付いてもらったんですけど、レコーディングの時間がなくて。時間のないなかでやれることは全部やったんですけど、妥協した点もいくつかあって。今回はそういうのを一切なしにできました。

ドラムに関しては?

谷口 こだわったのはグルーヴですね。音もそうですけど、納得できるまでやりました。ドラムの音作りもテックの人にやってもらったり、自分でもやったり。個人的には「mold Hi」のAメロが好きです(笑)。

ベースに関しては?

田中 ドラムとの絡み合いを意識しました。なおかつメロディを感じながら弾いて。音作りは思ったとおりにできたんですけど、録るときのドラムとの合わせ方とかはちょっと大変で。でも「納得いくまでやっていい」と言われたので、そこはめっちゃこだわりました。

歌録りに関しては?

杉野 時間があったので、満足できるまでやりました。

谷口 めっちゃ、時間かかってたな?

近藤 いいテイクが出るまで、というか、結構探したよね。

杉野 何度も歌い直してな。

近藤 いろんな歌い方ができるので、逆に困ってましたね。

いろいろ試して録って、組み合わせてみる?

杉野 そうですね。それも納得いくまでやれて。

谷口 今回、合宿して録ったんですよ。

田中 朝から晩まで、録ってましたから。

では、レコーディングで印象に残っていることというと?

近藤 レコーディング中に、なまはげが入ってきました。頭を噛んでもらって、おかげでいいレコーディングになりました。

なまはげって、秋田じゃないですか?

谷口 あれ、獅子舞やで(笑)。でも、運気が上がったと思います。

杉野 獅子舞の話は、もうええから(笑)。

田中 録り直しをしたのも印象に残ってるよね?

近藤 途中でレコーディングに使っているパソコンを変えたので、それまでに録った音と違ってしまって、録り直したりしました。

谷口 そう、びっくりするぐらい違うんですよ。

近藤 今の話、伝わるかな……それやったら、獅子舞のほうが面白かったか(笑)。

谷口 あはは。ま、そのぐらいですかね。

そのぐらい(笑)いろんなことがあった、と。

谷口 何せ、長かったんですよ。トータルで言うと、半年ぐらいかけてたので。

お前の“好き”は、細かいな(笑)

個々に気に入っている楽曲というと?

田中 僕は「KLAXON」です、ベースはシンプルなことをやっているんですけど、右手の刻み方というか、ピッキングの力加減の微妙なところを考えて。しかも、ドラムに合わせて粒もそろえてできたので、気に入ってます。

「KLAXON」、ギターも細かいですね?

近藤 ずっと一緒のフレーズを弾いてるんですけど、ジャンルをいい感じに混ぜられたと思います。

熱い要素とクールな要素のバランスが取れていて。

近藤 あったかいかき氷みたいですね。

谷口 ん? それ、かき氷ちゃうやん、お湯やん(笑)。

(笑)。谷口さんはどうです?

谷口 僕も「KLAXON」ですね。でも「ラスガノ」も好きです。理由は最後の絡みが好きなんです、テンション上がるんですよ。その曲が終わったら、“始まった”感があるんです。ライブでもわりと最近は最初にやることが多くて。

そこからあとのテンションを高めるにはもってこいの曲ですね。

谷口 僕はその流れが好きですね。

杉野 俺も「KLAXON」が好きですけど、「mold Hi」の始まりが好き。ギターの音と自分の声の感じが渋いから好きです。

近藤 僕は「極彩色の夜へ」も好きですね。サビにGの倍音を入れたんです。でかい音で聴くと高域の音が鳴っていていいんですよ。

杉野 お前の“好き”は、細かいな(笑)。

そして、タイトルの『EL-DORADO』ですけど。

杉野 “黄金郷”という意味なんですけど、自信がありすぎてすごいタイトルになったかなと(笑)。

自分たちにとっての“黄金郷”になったアルバムと言えますね。改めて、出来上がってみていかがですか?

杉野 手ごたえは大きいですね。だから、いろんな人に早く手に取って聴いてもらいたいです。

近藤 聴いてもらえたらわかると思います。

谷口 やれることは全部やったので、これ以上ないぐらいです。これが無理だったらもう無理ですというぐらい。

田中 今すぐにでも聴いて欲しいぐらい、めっちゃ自信のある作品になったと思います。

そして、8月からツアーが始まりますが、このアルバムに合わせた内容になりそうですか?

杉野 未知数ですね(笑)。でも、アルバム曲は全部やると思います。今、準備しているところですけど。

谷口 ファイナルはワンマンなんですけど、久しぶりなんですよ。11月でまだ先ですけど、めっちゃ楽しみですね。

climbgrow「EL-DORADO」 release tour 2017

8月11日(金)滋賀 B-flat
8月12日(土)高松 DIME
8月14日(月)大分 club SPOT
8月15日(火)福岡 Queblick
8月16日(水)広島 CAVE-BE
8月24日(木)大阪 MUSE
8月28日(月)神戸 太陽と虎
9月6日(水)名古屋 APOLLO BASE
9月7日(木)金沢 van van V4
9月8日(金)長野 JUNK BOX
9月10日(日)上越 earth
9月12日(火)仙台 enn 2nd
9月13日(水)静岡 UMBER
セミファイナル
10月15日(日)下北沢 ReG
10月29日(日)心斎橋 BRONZE
ファイナルワンマン
11月23日(木)滋賀 B-flat
*各公演の詳細は追って随時発表

climbgrow(クライムグロー)

杉野泰誠(vocal, guitar)、近藤和嗣(guitar)、田中仁太(bass)、谷口宗夢(drums)。滋賀県出身。2012年に結成。〈閃光ライオット2014〉で準グランプリを獲得。2015年10月にミニアルバム『Enter Here』を発表。2016年9月に配信リリースされた「BLOOD MONDAY」が「ぱちんこCR蒼天の拳天帰」挿入歌となり、iTunesミュージックビデオ部門デイリーチャート20位を記録。2017年7月に本作をリリース後、8月よりツアーを開催。
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