「今年は本気でハロウィンする!」No.1
映画で活躍する特殊メイクアップ・アーティストに
本気のハロウィン・メイクを学ぶ!
今年もハロウィン・シーズンがやってきた。各地でイベントや仮装コンテストなど、ハロウィン関連イベントが盛り上がりを増しているが、やはり見ているだけではイマイチ面白くない。そこで、「今年は本気でハロウィン」をテーマに、楽しく盛り上がれるトピックスをお伝えする。
ここ数年でさらなる盛り上がりをみせている「ハロウィン」イベント。
今年こそは気合いの入ったメイクとコスプレを施して、イベントやパレードに参加したいと思ってる人も多いかもしれない。とはいえ、ハロウィン・コスプレやホラーメイクというのは、やってみると意外と難しいものだったりする。お店で買ってきたハロウィングッズを適当に身につけてるだけでは、酔っぱらいが調子にのってハシャいでるようにしか見えず、妙に浮いてしまうことも多い。
特に難しいのが、ハロウィンっぽさを醸し出すホラーメイク。ゾンビを目指して顔を青く塗ったら「アバター」になってしまったり、口のまわりに血のりを塗りたくって怖くしたつもりがナポリタンを喰い散らかした子供にしか見えなかったり…。
どうすれば、怖くて、リアルで、注目を集めるメイクに仕上がるのか。
そこで、実際に映画界で活躍する特殊メイクアーティストにご登場いただき、本気の特殊メイクの過程をレポート。さらにハロウィンで使えるホラーメイクのコツを伝授していただいた。
いいメイクをするにはいいモデルが必要。ということで、今回は謎の美少女として雑誌グラビアで話題騒然、女優としても活躍する百合沙さんに特殊メイクに初チャレンジしていただいた。

百合沙
モデル・女優
1992年生まれ 静岡県出身 T163cm B86W60H90
週刊現代のグラビアシリーズ連載「美少女 百合沙がいる街」で話題をさらう。写真集の発売や主演映画の企画が進行中。
●メイク過程

美しい素肌の百合沙さんをホラー化してしまうのは恐れ多い気もするが、まずはシンプルな「傷メイク」を施していただく。

口角の端から傷をつける「口裂けメイク」を実践。シンプルながらもインパクトのある顔に変貌するので、初心者にもおすすめ。赤だけでなく、黒などを混ぜることで、傷をリアルに、立体的に描くことができる。

使っているメイク道具は、ほとんどが市販品で、一般人でも簡単に手に入るものばかり。

小さく切った糸を貼付けて「縫いあと」を再現する。
今回、メイクをお願いしてた藤原鶴声さん。「簡単なメイク」というオファーだったが、その手は止まることなく本格的な「特殊メイク」が仕上がっていく。

藤原鶴声
特殊メイクアップアーティスト・造型デザイナー
幼い頃から映画・映像に親しみ、独学で技術を習得。
特殊メイク/造型工房ダミーヘッド(dummy head)を設立し、国内外の映画、テレビ、展示イベントなどで活躍。近年の参加作品に『寄生獣PART1&PART2』など。

顔の左側は、質感を変えたメイクに。

同時に細かな血管を描き込んでいく。あまりのリアルさに、解剖学的な知識が必要なのかと思うが、鶴声さんは「それもありますけど、あんまり意識しないでセンスにまかせたほうがいいですよ」

最後に縫い目のキズ部分に皮膚が剥がれ落ちたようなパーツを貼付けていく。この皮膚の正体は「TKBです。一般的にはとろろ昆布と呼ばれてます(笑)」。なんと、食品のとろろ昆布をちぎって貼付けていく。「普段から、特殊メイクに使えそうなモノを探してて、見つけました」

約1時間ほどで完成。正直、怖すぎて正視できない。これでハロウィンに出向いたら、いろんな意味で注目を集めるだろう。


美少女が最怖ホラーキャラに大変身。見慣れてくると『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』のサリーのようで、コワ可愛さも感じる。
最後に、鶴声さんにハロウィンメイクのコツを聞いてみた。
「特殊」とはいえ、やっていることはメイクなので、普段から化粧をしている女性だったら、誰でもうまく出来ると思います。参考になる写真などを用意して、丁寧にメイクをしていけば、怖い顔にも、可愛めにも仕上がりますよ」
さらに、100円ショップで売っていた「血のり」グッズをは、プロの目からみて使えるかどうかもか聞いてみた。
「ちょっと赤みが強いですけど、充分に使えると思います。ただベチャベチャ付けると赤味が広がるだけなので、メイク用の筆や綿棒などを使って丁寧に塗れば、それなりにリアルに仕上がりますよ。ただ、体内に入れるとよくない成分が入ってるので、口に含んだりする使い方は避けた方がいいです。口に含む場合は、ハチミツやメープルシロップを水で薄めて、食紅を少しずつ混ぜた血のりを自作してみてもいいかもしれません」
プロの技術はさすがのひとことだが、使ってるメイク道具は普通に手に入るものばかり。あと必要なのは、ちょっとしたテクニックとセンスだけ。あとは、リアルなキズメイクをしたいなら、まずはキズをよく観察することからはじめてみなくてはならないので、わずかな勇気も必要かも。とはいえ、ハロウィンの仮装にもメイクにもルールはない。あっと驚くハロウィンデビューを目指して、大胆な変身を狙ってみては?
「本気のハロウィン・メイクを学ぶ」関連作


『パンズ・ラビリンス』
2006年 スペイン・メキシコ合作
スタッフ
監督/脚本 ギレルモ・デル・トロ
特殊メイクアップ ダビド・マルティ
キャスト
イバナ・バケロ
ダグ・ジョーンズ セルジ・ロペス
DVD 5,800円+税
発売元: カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社
販売元: アミューズソフトエンタテインメント株式会社
特殊メイクアーティストとして映画界のキャリアをスタートとしたギレルモ・デル・トロ監督が、『へルボーイ』(2004年)で培った特殊メイク技術をさらに発展させ、幻想的なダーク・ファンタジー世界を作り上げた感動作。内戦で父親を亡くした少女オフェリアが、過酷な現実と妖精やおとぎ話の世界を行き来しながら、パンズ・ラビリンス<牧神の迷宮>で冒険を繰り広げる…。)第79回アカデミー賞で、美術賞とメイクアップ賞を受賞している。

『ハンニバル』
1988年 アメリカ
スタッフ
監督 リドリー・スコット
脚本 デヴィッド・マメット スティーブン・ザイリアン
キャスト
アンソニー・ホプキンス
ジュリアン・ムーア
ゲイリー・オールドマン
DVD 1,900円+税
発売・販売元:東宝
『羊たちの沈黙』から10年後を描いた続編。刑務所から脱獄したハンニバル・レクター博士の行方をFBI捜査官のクラリスが追う姿を描く。レクター博士の優雅な言動と猟奇的なシーンが多く登場するが、特殊メイク的な見どころは、顔面の皮膚を食べられてしまった大富豪メイスン・バージャーのグロテスクな顔。演じているのはゲイリー・オールドマンだが、クレジットを見るまでは絶対にわからないはず。


『ビートルジュース』
1988年 アメリカ
スタッフ
監督 ティム・バートン
音楽 ダニー・エルフマン
キャスト
マイケル・キートン
アレック・ボールドウィン
ウィノナ・ライダー
DVD 1,429 円+税
発売元ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
ティム・バートン監督のイマジネーションとブラックユーモアが爆発したホラー・コメディ。事故死して幽霊になってしまった若夫婦が、自分たちが住むはずだった新居に引っ越してきた家族を追い払おうと霊界のトラブルメーカー「ビートルジュース」を呼び出すが…。クラシックなモンスター映画や特撮映画にオマージュを捧げたようなキャラクターが続々登場。手作り感のある特殊メイクやセットもたまらない!

『ザ・フライ』
1986年 アメリカ
スタッフ
監督 デヴィッド・クローネンバーグ
特殊メイク クリス・ウェイラス
キャスト
ジェフ・ゴールドブラム
ジーナ・デイビス
ブルーレイ 2,381円+税
発売元 20世紀フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン
©2010 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.
物質転送機「テレポッド」を開発した科学者ブランドルが、自らの体を使った転送実験中に1匹のハエが紛れ込んでしまったことにより、徐々にハエ人間と化していく…。80年代特殊メイク界のスターだったクリス・ウェイラスがそのテクニックをすべてつぎ込み、醜悪だが、どこか哀しみを秘めた「ブランドル・フライ」を創造。アカデミー賞メーキャップ賞を受賞した。クリス・ウェイラスは、続編『ザ・フライ2 二世誕生』では監督も務めている。