Interview

Only Oneな存在感を放つ“Anly”。楽曲に込めた「希望を抱いて欲しい」という揺るぎない想い。

Only Oneな存在感を放つ“Anly”。楽曲に込めた「希望を抱いて欲しい」という揺るぎない想い。

沖縄本島からフェリーで30分、人口約4200人の伊江島に生まれ、父親が奏でるブルースやロックで音楽に親しんでいったという。ファースト・アルバム『anly one』には、だから、ブルースやロックっぽいものもあるが、ドラマティックに展開するポップなもの、アコースティック・ギターの生音を響かせるものまで、バラエティに富んでいる。にもかかわらず、少しも散漫な印象を受けないのは、歌たちを一つの大きな物語につなぎとめる圧倒的な歌声に恵まれ、体幹のようなものにもしなやかな強さがあるからだろう。背筋を凛と伸ばした姿勢からして、真っ直ぐに明日を引き寄せる力が頼もしい20才だ。

取材・文 / 天辰保文 撮影 / 荻原大志


私の喜怒哀楽に寄り添ってくれるようなアルバムができた

初めてのアルバム『anly one』に関しては、どんな感想をもたれてますか。

16才の時からシンガー・ソングライターとしていろんなライブハウスだったり、ストリートライブとかをやらせてもらって、そこで生まれた曲とか、東京に来るようになってできた曲とか、デビューする前からいままでの私が沢山詰まったアルバムだなと、だから、原点を感じる1枚だと思います。

原点というのは、歌を歌い始めたとか、音楽を聴き始めたとか、そういう意味ですか。

というよりは、夢とか目標とかに向かってここからスタートを切るような気持なので、このアルバムが、私にとっての故郷みたいなものになればいいなと。この先、いろいろあると思うんですが、私の喜怒哀楽に寄り添ってくれるような1枚になったと思うので、同じようにこのCDを手に取ってくれた人が、今日はこういう気持ちだから、Anlyのこの歌を聴こうと思ってくれるといいなあと。

出来栄えに関しては、満足していますか。

もっと入れたい曲は沢山あったんですが、満足しています。そもそも、私が音楽に触れたきっかけは父で、夕暮れになると、父が縁側に座ってギターでエリック・クラプトンを弾いていたり、ZZトップやCCRを歌ったりしていて、私はその隣に座って一緒に歌ったり、ギターいいねとか言いながら過ごしていました。そうやって、父から教わった曲や聴いていた曲、自分の根っこに栄養みたいに蓄えていたものが、15、16才のときに私のフィルターを通して出てきた。そういうロック、ブルースみたいなものも入っているし、沖縄本島の高校に進学してから、インターネットやYoutubeで、それまで見たこともない、聴いたこともない音楽に触れて、刺激されてできたポップな曲とか、そうやって私が触れてきた音楽たちを詰め込んだので、満足のいく内容になったんじゃないかと思います。

お父さんからクラプトンやCCRを聴いたのはいつ頃からですか。

3、4才の頃から聴いてて、5才くらいのときに父がギターを買ってくれました。もちろん、その頃はコードを押さえるとか、そういうのはできなくて、小学校3年生くらいになって、コードを押さえられるようになり、CDとかを聴きながら、コードを探したりして遊んでいました。ギターは遊び相手みたいな感じでした。

沖縄の伊江島という環境に感謝

そのお父さんとの音楽の話も素敵ですが、そもそも、情報が有り余る環境よりはむしろ、隔離されたというのも変ですが、ある程度情報が手に入りにくい環境からのほうが個性的な音楽が出てきたりする。そういった意味では、沖縄の伊江島で育ったというのも、Anlyさんには恵まれていましたね、そう感じたことはないですか。

いまふり返ってみると、そうだなと思います。いろんな音楽を聴いていたら、いまの私のようにはなっていないし、父がそういうブルースとか、ロックが好きで良かったと思います。東京に出てきて、クラプトンとかを聴くと懐かしくて、伊江島に帰ったような気がします。それに、生音の素晴らしさを、最近、いろんな音楽を聴いてさらにわかるというか、だから、環境には感謝しています。

いま改めて、クラプトンとかの、どういったところに惹かれると思われますか。

音楽を他人のためにやっているような気がしないんです。不安とか葛藤とかを含めて、他人のためじゃなく、自分のためにやってて、それに共感する同じような人たちが集まってきたような感じがします。いま、私がやっていることは、こういうこと思うよねとか、そういうのをやっているような気がします。でも、本当に他人を惹きつける人って、そんなの関係なく、自分の思いだけでやっていて、そこがソウルフルで、惹かれるんだと思います。だからと言って、いまの私たちにそれを求められないし、きっとできないけど、できないからこそ惹かれるんだと思います。

初めて買ったCDとか覚えていますか。

ダニエル・パウターです。ラジオから流れてきて、なんて良い曲なんだと思い、絶対にお金を貯めて買いに行くぞ、と。最近だと、エド・シーランが衝撃的で、特にライブの、ループペダルを使ったスタイルがすごいなと思います。私はだいたいアコースティック・ギター1本でライブをするので、その可能性みたいなものに関してすごく刺激されるというか、いま、いちばん尊敬しているアーティストです。

「太陽に笑え」は、ロック・バンド・スタイルでやられてますよね。

そうですね。初期の作品は、私の根っこにあるブルースとか、ロックとか、そういうのが出ているサウンドです。アレンジも、私の好きな音楽をわかっている根岸(孝旨)さんにしていただいたんで、その傾向が強いと思います。ただ、アルバムの中で、「カラノココロ」というのがあるんですが、いまの私をいちばん出せたかなと、そして、次のアルバムにも繋がる曲になったかなと思っているんです。

「レモンティー」はどうですか、ぼくは好きなんですが。

あれは、アコースティック・ギターにエレキ・ギター、ベース、ドラムスと、楽器はすべて私がやっているんです。Anly度が高い楽曲なんで、そう言われると嬉しいです。

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