Interview

日本のロックバンドとして浸透したFTISLAND。ニューアルバムに投影した10年の光と影の物語

日本のロックバンドとして浸透したFTISLAND。ニューアルバムに投影した10年の光と影の物語

平均年齢25歳ながら、今年、韓国ではデビュー10周年。高校生によるアイドルバンドとしてスタートした彼らも、日本で活動するうちに、バンドとしてメキメキ成長。日本ではメジャーデビュー7年の間に毎年のアリーナツアーはもちろん、ロックフェスにも出演するまでに。楽曲もメンバー自身の作になり、5周年記念アルバム『5…..GO』(2015年)のリード曲「Primavera」では、朋友であるONE OK ROCKのTakaとの共作も果たした。韓国バンドではなく、日本のロックバンドとして浸透したFTISLAND。7枚目となるアルバム『UNITED SHADOWS』は、紆余曲折の彼らのバンド人生を色濃く反映させたハードな1枚に仕上がった。

取材・文 / 坂本ゆかり


僕らは未来を見ています。ここからまた、新しいFTISLANDが始まるんです

イ・ホンギ(Main Vocal)

イ・ホンギ(Main Vocal)

日本ではメジャーデビュー7年、韓国では今年、デビュー10周年ですね。10年は長かったですか?

ホンギ もう、10年か~。10年って早いですよ。10年一緒にやってるメンバーはもちろん、後から入ったスンヒョンとの友情は本物。これは10年変わってないとこだって言えますね。変わったのは、事務所が大きくなったってことかな(笑)。だって、10年前は僕たちしかいなかったのに、今やCNBLUE、AOA、N.Flyingが日本でもデビューして、もうすぐSF9も日本デビューするじゃないですか。後輩たちもたくさんできて、ライブもたくさんやってキャリアを重ねてきたました。僕らはこの10年を有意義に過ごせたのかなって考えたりするけど、過去は過去じゃないですか。僕らは未来を見ています。ここからまた、新しいFTISLANDが始まるんです。僕らにはまだやりたいことがいっぱいあるから!

次の10年に向けて、ですね。10年前はまだ全員が高校生で、「アイドルバンド」って言われてましたけれど、10年経った今は、日本でも韓国でもアルバム全曲が自分たちの自作曲になりました。もう、胸を張って「アーティスト」って言えるんじゃないですか?

ジェジン でも、プレッシャーも増えましたよ。必ずしも売れる曲が「良い曲」だってわけじゃないし。どんな曲を作るべきかって、難しいですよね。

韓国で自作曲をリリースするようになってからのリード曲はハードな曲が続いてましたが、日本で今作の「Shadows」のようなハードなタイプの曲がアルバムのリード曲になるには、久々ですね。

 

ジョンフン そうだね。韓国では「Take Me Now」とか「PRAY」とか、自分たちの曲で活動できるようになってからハードな曲が続いてましたけど、日本ではアルバム『NEW PAGE』の「BE FREE」以来だから、3年ぶりですね。去年の『N.W.U』はポップな曲、一昨年の『5…..GO』はバラードがリード曲だったから。久々に日本で派手な曲がやりたくなったんですよ。

FTISLANDの10年って光だけじゃなかったし、暗闇に落ちたことだってありました

チェ・ジョンフン<br />  (Guitar & Keyboard)

チェ・ジョンフン
(Guitar & Keyboard)

それはなぜ?

ジョンフン さっき、ホンギが10年って話をしたけど、リード曲「Shadows」では、10年ずっとメンバーたちの背中を見て来て思ったことを書きました。FTISLANDの10年って光だけじゃなかったし、暗闇に落ちたことだってありました。歌詞の中にある「名もなきShadows」は僕ら5人のこと。今はこうやって自分たち大好きなライブができて、自分たちの曲を演奏できるようになった。未来には、もっと明るい光が射してくるって思うんです。そうなるとやっぱり、こういう力強い曲調になりますよね。

3月のファンミーティングでアルバムのリリースが発表されましたが、そこでリード曲「Shadows」を初披露したのには驚きました。ツアーは5月なのに、もうライブでできるくらいに仕上げてきてるんだって。

ホンギ ただ「アルバムが出るよ!」ってお知らせだけじゃイヤだったんです。せっかく僕らのファンが集まってくれてる場所なんだから、新曲を一番先に聴いてほしかったんです。だから、どうしてもファンミーティングでやりたかったんだ。

ファンミーティングのときはホンギさんのお尻が大変なことになってて(笑)。「ロックな曲ができない!」って言ってたのにね。

ホンギ あの時はお尻に腫れ物ができちゃって、動くのも辛かったんですよ(笑)。でも「Shadows」はどうしてもやりたくて。キーも高いし大変なんだけど、気持ちよく歌えました。

ジェジン ファンのみなさんもいきなり新曲を演奏したし、すごくハードな曲だったし、ビックリしてましたよね。最初はちょっと戸惑ったみたいだけど、すぐに「いいね!」って言ってくれてホッとしました。

ところでホンギさんはもう、大丈夫なの?

ホンギ 大丈夫です! もう万全なので、安心してツアーに来てください(笑)。

人生の光と影の物語が詰まっているアルバムだから

イ・ジェジン(Bass & Vocal)

イ・ジェジン(Bass & Vocal)

アルバムタイトルは『UNITED SHADOWS』じゃないですか。「名もなきShadows」であるメンバーが集結したFTISLANDって意味なのでしょうか。

ジェジン さっきジョンフンさんが僕たち5人が「Shadows」だって言ったように、それもひとつ。もうひとつは、光があるから影ができるじゃないですか。光はいろんなところから差し込むし、どこに反射するかわからない。そんな光が当たると物体は輝くし、その裏に影ができる。それって失敗と成功、過去と未来みたいなもので、僕らもみなさんも絶対経験してるし、ずっと一緒に生きていかなきゃいけないもの。そういう人生の光と影の物語が詰まっているアルバムだから。

ミンファン そして、このアルバムには僕たち5人のうち4人のメンバーの曲が収録されています。

ホンギ 俺とジョンフンの曲が多いけど、俺らの曲は同じロックでもぜんぜんタイプが違う曲だよね。俺が作るロックはシンセサウンドを使うけど、ジョンフンの作るロックはダブステップを使ったリギターのトーンも違う。ジェジンの曲はまた、ぜんぜんタイプが違うし。今回はミンファンの曲もあるし。

ミンファン メンバーそれぞれのいろんな種類の曲が入っているから、集まるって意味のUNITEDが合うでしょ?

ジョンフンさんの曲はリード曲の「Shadows」以外にも、「CRAZY LOVE」「TURN UP」「Go Again」「I’ll be there」がありますね。「Go Again」は女性目線の曲だったり、「TURN UP」ではスンヒョンさんのラップが久々に聴けたりと、チャレンジも感じられます。

ミンファン 「TURN UP」のスンヒョンのラップ、久々すぎてライブで聴いたらみんな笑うんじゃない? 入った時の担当は、「ラップ&ギター」だったよね(笑)。この曲は、聴けば聞くほど好きになる曲なので、ライブで早く演奏したいな。

スンヒョン ラップのレコーディングの時に、作曲者のジョンフンさんだけじゃなくて、ジェジン君も来てたんだけど、「もっと楽しく!」って何度もやり直しさせられたんです(笑)。

コンセプトを決めて2時間くらいで曲を固める。メロディができたら、そこからアレンジもしていくって感じで

チェ・ミンファン<br />  (Drums)

チェ・ミンファン
(Drums)

「Shadows」は、クレジットを見ると海外の作家さんとのコライト(共作)になっていますが、これも初の試みですよね。

ミンファン そうですね。今回は、ソングキャンプという方式で、海外の作家さんに韓国まで来てもらって、セッションしながら曲を一緒に作っていきました。まず、コンセプトを決めて2時間くらいで曲を固める。メロディができたら、そこからアレンジもしていくって感じで。いろんなパターンの曲やアレンジが出て来て楽しかったです。

ホンギさんは、自分のコライトチームを組織していますが、今回は?

ホンギ 今回はいつものメンバーとは別に、チャン・グンソクさんとTEAM HというユニットをやっているBIG BROTHERさんと一緒に作った曲がありますよ。「1234」と「Champagne」っていう曲。元々友だちで、僕のスタジオとBIG BROTHERさんのスタジオが近いから、よく行き来してて。それで、煮詰まったときに「ちょっと来て!」って電話して、助けてもらったの(笑)。今回僕は、「Mystery」「JUST DO IT」「1234」「Champagne」って4曲を書いてるけど、一番のお気に入りは「Champagne」かな。ライブで一番盛り上がる曲だと思います。

ジェジンさんの「A light in the forest」は、アコースティックなサウンドがアルバム全体の中でアクセントになっていますよね。

ジェジン 最近、疲れてるのかもしれないけど、リフレッシュするためには自然の力が必要なんじゃないかと思って、オーガニックなアレンジにしてみました(笑)。僕はひとりで曲作りをしてるので、ソフトの使い方とかミックスのやり方とか、まだわからないことが多くて。そこが上手くなれば、もっといい曲が書けそう!

ミンファンさんの曲は久々ですが、「REASON」のテーマは?

ミンファン これからも頑張って、僕たちを信じてやっていこうという曲。「Shadows」とテーマは似ていますよね。僕も自宅で作業しているので、まだこれからかな。曲はたくさん作ってるんですけど、まだ発表できるまでになってなくて。勉強の日々です。

バンドとしての力を見せたいライブなんですよ

ソン・スンヒョン
(Guitar & Vocal)

あとは、スンヒョンさんの曲が入れば、全員の曲が!

スンヒョン 僕も曲を作ってはいるんですが、バンド向きのものがまだなくて……。もう少し時間がかかるかも(笑)。

アルバムがリリースされて、5月6日の日本ガイシホールから、6月2日の日本武道館まで、『FTISLAND Arena Tour 2017 – UNITED SHADOWS -』も開催されます。間もなくですね。

スンヒョン 今回は、バンドとしての力を見せたいライブなんですよ。

ホンギ そう、いつも俺は「遊ぼう!」って言ってるけど、今回は「音楽を聴きにきて!」って言いたいライブです。バンドの基本はライブじゃないですか。ライブで良い音楽を聞かせたいっていうのが、10年の活動で感じている僕らの本心です。

その他のFTISLANDの作品はこちらへ

ライブ情報

FTISLAND Arena Tour 2017 – UNITED SHADOWS –

5月6日 (土) 日本ガイシホール
5月12日 (金) 大阪城ホール
6月1日(木) 日本武道館
6月2日 (金) 日本武道館

FTISLAND

2007年、現役高校生バンドとして韓国で結成された5人組バンド「FTISLAND」。
10代の圧倒的な支持を得てゴールデンディスク新人賞を獲得するなど、韓国の各音楽新人賞を総なめ。
近隣諸国を駆け巡り精力的にツアーを行いながら、アジア圏で名を轟かせる。
日本では2008年にインディーズデビュー。インディーズ期にはBLITZ、AX、ZEPPを満員にし、オリコンチャートTOP10入りを果たしている。
2010年、J-POPをも凌駕するといわれるK-POPブームの最中一際異彩を放つバンドというスタイルを武器に堂々の日本メジャーデビュー決定。
そして、今年韓国デビュー10周年となる記念すべき7thアルバム『UNITED SHADOWS』リリースする。
作品をリリースする毎に進化してきたFTISLANDが新たなる高みを目指して、ロックバンドとして次のスタートを切る挑戦的なアルバムをリリースする!

オフィシャルサイトhttp://ftisland-official.jp