LIVE SHUTTLE  vol. 115

Report

ORANGE RANGEの壮大なカーニバル!15年の想いを込めた武道館公演

ORANGE RANGEの壮大なカーニバル!15年の想いを込めた武道館公演

15年分の想いを、この一本のライブに込めて──。2月25日、東京・日本武道館、〈ORANGE RANGE LIVE TOUR 016-017~おかげさまで15周年!47都道府県DEカーニバル~〉の46本目。バンドの歴史を彩るヒット曲と、豪華なコラボと、未来へ描く希望。バンドのすべてを詰め込んだ、壮大なカーニバルの模様をレポートする。

取材・文 / 宮本英夫
写真 / 平野タカシ


みんなの遊び場が、ORANGE RANGEだったら嬉しいな

一番心に残ったことを最初に書いてしまおう。ライブ中盤のHIROKIのMC。開演前の楽屋に来たスタッフが会場外に集まったファンの様子を見て「同窓会みたいだったよ」と報告してくれたエピソードを紹介し、「ちょっと間があいた人もいるだろうけど。みんなの遊び場が、ORANGE RANGEだったら嬉しいな」と、笑顔でひと言。そうか、レンジもそういうバンドになったんだな。そりゃ15年も経ったんだもんな。ヒット曲の大盤振る舞いにウキウキしつつ、ひとり感慨を噛み締める。時の重みと、変わらぬ軽やかさ。何が変わって、何が変わらないのか。バンドとオーディエンス、それぞれの15年を振り返る47都道府県ツアー、今日はそのセミ・ファイナルだ。

「さあ、カーニバルを始めますよ!」

開演は、17時ジャスト。RYOの威勢のいい掛け声を合図に、いきなり「以心電信」「ロコローション」の大ヒット2連発。スタンディングのアリーナフロアから2階のてっぺんまで、満員の武道館が一気に沸騰する。ステージセットはなく、背後の3面スクリーンと照明と音のパワーだけでストレートに突っ走る。NAOTOのギターはいつも以上に大音量だが、YOHの重低音もしっかりクリアに響く。バンドは絶好調だ。「Special Summer Sale」を歌う前に、HIROKIがサビのコール&レスポンスを練習させようとしたが、練習するまでもなく初めから全員歌っている。今ここには、ORANGE RANGEが好きな仲間しかいない。

「コラボ・コーナー行きます!」とHIROKIが叫び、「チャンピオーネ」と「イカSUMMER」では初々しいゲストが来てくれた。武道館のある九段下駅にほど近い、二松學舍大学付属高等学校の吹奏楽部から、総勢8名の女子ホーン・セクションが制服姿で登場。豪快かつしなやかなプレーで、アッパーな曲をさらに盛り上げる。いやあ、若さって本当にいいなあ。即席インタビューに「めちゃくちゃ緊張しました!」と笑顔で答える吹奏楽部のリーダーと、「おじさんたちも緊張しました!」と返すHIROKI。ツアーの全会場で行われてきたであろう、地元学生との嬉しい交流を、みんな笑顔で見守っている。

盛り上がり過ぎたあとは、ちょっとクール・ダウン。「*~アスタリスク~」と「ミチシルベ~a road home~」、そして「君station」は、彼らのメランコリック&メロディアス・サイドに焦点を当てた、じっくり聴かせるパート。「ミチシルベ~a road home~」は、「ラララ~」のコーラスが会場全体の大合唱になった。「君station」はスロー・チューンなのに、全身を使ってエモーションを表現するYAMATOの激唱に目が釘付けになった。とぼけた言動と、危ういほどキレキレのパフォーマンス。初めて見たその日から、YAMATOの印象はずっと変わらない。

「ここからディープなほうへ行きます!」

HIROKIの宣言に続いて、「SUSHI食べたい feat. ソイソース」「ウトゥルサヌ」「リアル・バーチャル・混沌」と、カオスでシュールなやりたい放題3連発。妙ちきりんなディスコ・ファンク「SUSHI食べたい feat. ソイソース」でゴージャスなミラーボールの演出をカマしたり、異形のEDMチューン「リアル・バーチャル・混沌」にレイブ・パーティさながらのド派手なストロボ・ライティングをあしらったり。ナンセンスな曲に最高にかっこいい演出をぶつけてくる、これがORANGE RANGEのセンス。もう楽しさが止まらない。

「今のバンドのテーマは“縁”です。昔は何も考えていなかったけど、いろいろやってきて見えてきたものがあります。いろんな人に支えられてると感じてます」

真面目なHIROKIの挨拶のあとは、本日2度目のコラボ・コーナー。同期デビューでバンドの親友・Kを呼び込み、名曲「花」と「キズナ」をしっとり、じっくりと。ステージでは初共演とのことだが、歌心溢れるKのピアノをバックに、3人がアカペラで歌い出す「花」のイントロですでに息はぴったり。この曲、あまりにヒットし過ぎて、代表曲と思われ過ぎて、歌いたくない時期があったとメンバーに聞いたのはいつ頃だっただろう。たかが15年、されど15年。いい曲はいいと、素直に思える時期、それは、今。HIROKIが三線を弾きながら歌う「キズナ」も、年輪を加えて温かみと説得力を増した。Kを送り出したあと、ファンに捧げる「SP Thanx」の、柔らかい歌の表情にも、15年分の彼らの想いがたっぷりと詰まっている。

「演奏してると、いろんな人の顔が出てきて、ちょっとヤバいです。ツアーでたくさんの街を回ったけど、自分たちの曲が届いていたって伝わってきて、とても嬉しいです。これからも、ひとりひとりの想い出に入っていく。それを続けていきます」

YOHがマイクの前に立ったときのどよめきが、武骨で生真面目なMCのあとに熱烈な拍手へと変わった。すかさずHIROKIが「ここから後半です!」と叫び、間髪入れずに「上海ハニー」へとなだれ込む。水をかぶって気合を入れ直したYAMATOが、いかした指笛を聴かせる。「イケナイ太陽」ではHIROKIとRYOがステージ左右へ突進して東西スタンドのオーディエンスを煽りまくり。武道館はもはや無礼講状態だ。

「GOD69」では本日3組目のゲスト、ドラムに有松益男(BACK DROP BOMB)、ベースに岡峰光舟(THE BACK HORN)、さらに男鹿なまはげ太鼓チーム6名が荒れ狂い、背後のスクリーンには炎がぶちあがる。前半よりあきらかに音がデカイ。この日初めてNAOTOとYOHも最前線に飛び出し、5人がセンターに並んで猛烈な爆音をぶちかます。しっとり聴かせた「花」や「キズナ」との、なんという鮮やかなギャップ。ロック? ポップ? いや、これがORANGE RANGEでしょ!

「俺たちの始まりの曲、大切な曲を」

HIROKIの言葉を受けて演奏されたのは、もちろん「キリキリマイ」。突然、初めて彼らを観た原宿ラフォーレ前のフリー・ライブが鮮やかに脳裏に甦る。演奏は、あの頃よりもとんでもなくうまくなった。が、何をしでかすかわからないやんちゃなパフォーマンスと圧倒的なエナジーの量は、まるであの頃のままだ。

そしていよいよ本編ラスト。総勢8名の華やかな琉球國祭り太鼓のサポートを得て歌った「Silent Night」の、なんと壮大でドラマチックなことか。歌心溢れるラウドなロック・バラード。ステージから溢れ出すすさまじい白光は、まるでホワイトアウト。ジャスト2時間、19曲、ORANGE RANGEにしかできないカーニバル。

このあと、ファイナルの沖縄公演を控えているため、アンコールの模様には触れないでおく。ただHIROKIの「今も純粋無垢な気持ちで音楽をやれてます」という言葉と、YAMATOの「最近はライブ中心で、メディアに出ないけど、自分たちで選んだこと。みなさんの気持ちを大切にライブに励みます。いつでも遊びに来てください」という言葉だけは書いておきたい。

おめでとう、ORANGE RANGE、15年。そして明日から始まる新しい日々も、末永く共に。どうぞよろしく。

ORANGE RANGE LIVE TOUR 016-017〜おかげさまで15周年!47都道府県DEカーニバル〜 2017年2月25日@日本武道館

M01. 以心電信
M02. ロコローション
M03. Special Summer Sale
M04. チャンピオーネ w/ 二松學舎大学付属高等学校
M05. イカSUMMER w/ 二松學舎大学付属高等学校
M06. *〜アスタリスク〜
M07. ミチシルベ〜a road home〜
M08. 君 station
M09. SUSHI食べたい feat. ソイソース
M10. ウトゥルサヌ
M11. リアル・バーチャル・混沌
M12. 花 w/ K
M13. キズナ w/ K
M14. SP Thanx
M15. 上海ハニー
M16. イケナイ太陽
M17. GOD69 w/ 岡峰光舟(THE BACK HORN)、有松益男(BACK DROP BOMB)、男鹿なまはげ太鼓
M18. キリキリマイ
M19. Silent Night w/ 琉球國祭り太鼓

ORANGE RANGE

YAMATO(vox)、HIROKI(vox)、RYO(vox)、NAOTO(guitar)、YOH(bass)。
2001年に結成。2002年2月22日にアルバム『オレンジボール』でインディーズ・デビュー。2003年にシングル「キリキリマイ」でメジャー・デビューを果たし、同年7月にシングル「上海ハニー」をリリース以降、数々のヒット作を連発。2004年発表のシングル「花」がロングセールスを記録。2007年には自主レーベルSUPER ((ECHO)) LABELを設立。2016年にはバンド結成15周年を掲げ、アニバーサリー・イヤーを展開。7月に『縁盤』を発表後、9月より2017年まで続く全県ツアー《au presents ORANGE RANGE LIVE TOUR 016-017 ~おかげさまで15周年! 47都道府県DEカーニバル~》を開催。

オフィシャルサイトhttp://orangerange.com

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