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黒羽麻璃央&鳥越裕貴&眞嶋秀斗ら“小山内三兄弟”が結婚式に参列!? ドタバタ・コメディ舞台「結婚しないの!?小山内三兄弟」で泣き笑い

黒羽麻璃央&鳥越裕貴&眞嶋秀斗ら“小山内三兄弟”が結婚式に参列!? ドタバタ・コメディ舞台「結婚しないの!?小山内三兄弟」で泣き笑い

YouTubeでの総再生回数約700万回、ドラマ化もされ、話題沸騰中のシチュエーションドラマ「小山内三兄弟」。初の舞台化となる「結婚しないの!?小山内三兄弟」が、3月3日(水)に草月ホールにて幕を開けた。“結婚”という人生の一大イベントを題材に、小山内三兄弟、そして仲間たちの笑いあり涙ありの物語。
小山内三兄弟の長男・唯一(ゆいち)には黒羽麻璃央、次男・天授(てんじゅ)は鳥越裕貴、三男・外(がい)を眞嶋秀斗が演じ、唯一の後輩・楢原快人(ならはら・かいと)を高橋健介、小説家の青年・蒔苗(まかない)を橋本祥平、コンビニの元店長の白藤(しらふじ)かつきを長江崚行、農家で働く青年・太地(たいち)を横田龍儀と、ドラマ版のキャストがそのまま登場。さらに、楢原家の執事・猪俣(いのまた)の田中涼星、唯一の上司・大橋課長の長谷川 忍(シソンヌ)、外が所属する芸能事務所の社長・江里山(えりやま)の植田圭輔も日替わりのスペシャルゲストとして出演する。
個性豊かなキャストが揃った舞台「結婚しないの!?小山内三兄弟」の初日前日に行われたゲネプロの模様をレポートしよう。

※ゲネプロの日替わりゲストは田中涼星が務めた。

取材・文・撮影 / 竹下力


俳優たちの瞬発力も毎ステージごとに様々な化学反応を起こす

儀式は反復することで日常化する。そうすると、本来持っている大切な意味が失われていく。近代日本の“婚姻制度=結婚”が成立したのは1898(明治31)年に公布された“明治民法”。そこから数多(あまた)の結婚が繰り返され、時代の変化と共に制度の持つ本質的な意義は気薄になり、良きにつけ悪しきにつけ、“結婚”というものはステータス化し、生き様を縛りつけるルールにもなってしまった。

舞台「結婚しないの!?小山内三兄弟」は、“結婚”だけでなく制度という息苦しさをもコメディにして笑い飛ばす。批判するのではない。現状を受け入れて肯定してみようというポジティブなバイブスに溢れている。ひと時つらい日常から解放されて、生きることが楽しくなる。

結婚しないの!?小山内三兄弟 WHAT's IN? tokyoレポート

ある日、小山内家の三兄弟、長男の唯一(黒羽麻璃央)、次男の天授(鳥越裕貴)、三男の外(眞嶋秀斗)の住む家に、結婚式の招待状が届く。送り主は、唯一が幼い頃から何かにつけライバル視していた“あっくん(北村 諒、映像出演)”だった。

喜ぶ天授や外のそばで、“あっくん”への嫉妬の炎をメラメラと燃やし始める唯一は「結婚は概念だ!」「相手がいなくても結婚していると思えば、俺も結婚していることになる!」と無茶苦茶な論理を撒き散らし、ベッドに潜り布団をかぶって現実逃避。

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迎えた結婚式当日。唯一の後輩の楢原快人(高橋健介)、天授のことが気になって仕方がない小説家の蒔苗(橋本祥平)、天授が勤めていた元・コンビニ店長の白藤かつき(長江崚行)、三兄弟のおじさんの農家で働いている太地(横田龍儀)ら、いつもの面々も“あっくん”の祝福に訪れる。ところが、イヤイヤながらも参列するはずだった唯一の姿が会場にない。

「兄ちゃんがいない!」と、唯一を探し始める天授と外。そうして小山内ファミリーを中心にドタバタなファルス(喜劇)が巻き起こる……。

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“物語”というフィクションの枠組みに、即興的なコントやアドリブ、いくつもの小ネタを挟み、現実感を盛り込むことで高揚感や多幸感を感じさせてくれる、祝祭のための演劇。あるいは、思いっきり笑わせ、つらい現実をトリップできるエンターテインメント作品だった。

演出の大歳倫弘(ヨーロッパ企画)が生み出す“今、ここ”でしか起こらない、たった一回だけの奇跡という演劇のダイナミズムが炸裂。観客にストーリーを感動させたり、キャラクターを愛してもらったり、ドラマとの共通点を見出してクスクス笑ってもらうだけでなく、その場の“ノリ”を優先させ、舞台上から俳優たちのリアルな息づかいを伝わらせることに尽力していた。それこそがこの時代の演劇のあり方だという信念をも感じる。

また、脚本を手がけた じろう(シソンヌ)の、コント、天丼ギャグ、ドラマを含めた様々な作品のパロディ、幕間ではスクリーンを使った“ザ・ドリフターズ”のオマージュのようなシチュエーションネタを差し込み、即興ボケ、回しのツッコミ、ありとあらゆる笑いの要素を詰め込んでも破綻することなく成立していた作劇にも感動する。

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しかも、それを楽しんでいる俳優たちがいて、彼らを統括する総合演出の橋本和明がドラマに流れていた脱力系の笑いのエッセンスを大きく広げ、演出の大歳が物語と偶然に起こるハプニングのバランスを取りながら、きちんと演劇に仕上げている。“カンパニー力”の強さというものも熱気となって劇場に渦巻いていた。

俳優たちの芝居は即興劇のようで、お笑いのネタを披露しているライブの感覚に近い。話の展開はスリリングで、観客の心のテンションはつねに高く維持される。エチュード的ゆえ、キャラクターを演じているだけでなく、思わず素の自分も曝け出してしまう。そのおかげでキャラクターに親しみやすさを生み出していることにも注目したい。毎日違うゲストによって物語も変化するだろうし、俳優たちの瞬発力も毎ステージごとに様々な化学反応を起こすだろう。

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まず、ゲネプロでのスペシャルゲストとして登場した猪俣 役の田中涼星の秒殺で笑わせるギャグが圧巻だった。田中以外のゲストがどんな芸や芝居を披露するのもか楽しみだ。

太地 役の横田龍儀は、田舎の青年で東京に憧れる訛りの強い癖のあるキャラクターを熱演していた。ノスタルジックな雰囲気を醸しつつ、「こんなちょっとズレた人いたな」と思わず笑ってしまうほど。

長江崚行が演じる白藤かつきは過去に苦労した影を背負っているのだけれど、そんなことを微塵も感じさせないボケキャラで、それを長江が痛快に演じてみせた。

また、楢原快人 役の高橋健介は、ボケ倒して笑いの沸点を幾度も作り、作品のグルーヴを増幅させていくトリックスターだった。本来あった設定なんてものともせずにボケまくるので、舞台でしか見られない楢原快人になっていた。

今作の白眉は蒔苗 役の橋本祥平だろう。蒔苗もおとぼけ路線だけれど、スタンドプレーでボケることが多く、ツッコミもなくスルーされてしまうこともあるので、ひとりだけ別次元にいる宇宙人みたいで、狂気を孕んだ近寄りがたい存在にも見える。なのに、橋本はみんなに愛されるキャラとして丁寧に演じていた。キャラクターから“実直さ”が滲み出る芝居は、彼自身の人徳だろう。根暗なのに清々しく、彼の魅力が詰まった役だったと思う。

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三男・外 役の眞嶋秀斗は、基本的にスカし担当。ボケる必要がないのにあえてボケてしまう“天然”キャラであり、時々、眞嶋の素を思いきり出させることを狙った役だと思う。周りがボケているのを眺めながら、恥ずかしげに笑っている様を観ていると、舞台で楽しげに素を出していることがわかる。脚本や演出の思惑どおり、眞嶋の芝居の魅力である、どんなキャラクターを演じても可愛らしくなる本質が滲み出ていて、愛すべきキャラクターとして存在していた。

次男・天授 役の鳥越裕貴は、お笑いライブ的に言えば回し役。とにかく、周りがボケまくりアドリブを飛ばすなか、ほぼひとりツッコミで物語を進める“司会=語り部”に徹していた。兄・唯一の暴走に振りまわされながらも、ツッコミと進行だけは忘れない冷静さが板についていて感心する。当然、彼がツッコめば笑いが生まれるわけだが、ノリツッコミなどで笑いを倍増させる点火剤にもなっていた。鳥越は器用で、周りの状況を的確に捉えられる芝居ができる稀有な俳優だと思う。

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長男・唯一 役の黒羽麻璃央は、他のキャストよりアドリブを抑え、役に神経を研ぎ澄ませている印象。その凛とした佇まいが美しい。キャスト陣の中で最もフラットに演じているのに、周りが弾けまくるおかげで、かえって存在が際立つという脚本や演出の意図をきちんと体現していたと思う。周りに飽きられながらも誰からも嫌われない、憎めない唯一を黒羽は真摯に作り上げていた。
誰もが一度は考える“結婚”に対してどんな想いを抱けば正解なのかを問いかけながら、同時に誰にも答えを求めていない。そのせいか、彼の芝居にはスペースができて、観客の感情が入り込める余地が生まれ、“唯一=観客”という図式を作り上げる。一見さらりと演じているように見せながら、とてつもなく多層的なキャラクターに仕上げ、不思議な魅力を持った俳優だと確信させてくれた。

結婚しないの!?小山内三兄弟 WHAT's IN? tokyoレポート

純粋に愛する誰かを見つけ、手を繋いで行動を共にしたいと願うことは、いつの時代でも誰にとっても持ち合わせるものだ。兄弟でも、仲間でも、自分の知らない誰かだろうと、“あなたと私”の心根が繋がり合えば、“結婚”という制度は関係がないのではないか。大仰だが、人間の有様を肯定する人間賛歌の作品にも感じられた。カーテンコールで流れたドラマ主題歌「一人で寝たくnight!」に合わせて屈託のない笑顔で踊るキャストたちに、盛大な拍手を。

結婚しないの!?小山内三兄弟 WHAT's IN? tokyoレポート

公演は3月7日(日)まで草月ホールにて上演。また、3月3日(水)、7日(日)のマチネとソワレ公演が、「Streaming+」および「Huluストア」で配信される。アーカイブは各サービス1週間。さらに、本作の模様を収めたBlu-rayが8月25日(水)に発売される。期間限定の公式特設サイトから予約すれば、予約特典としてステージブロマイドセット(18枚組)がついてくる。詳細は公式サイトをチェックしよう。

「結婚しないの!?小山内三兄弟」

2021年3月3日(木)〜7日(日)草月ホール


<ライブ配信>
[配信公演]3月3日(水)14:00公演/18:00公演<日替わりゲスト:田中涼星>
      3月7日(日)13:00公演/17:00公演<日替わりゲスト:植田圭輔>
[配信サービス]Streaming+(イープラス)
        Huluストア
[生配信チケット販売]Streaming+(イープラス)はこちらから
           Huluストアはこちらから
[アーカイブ期間]各公演生配信終了から1週間

<「結婚しないの!?小山内三兄弟」Blu-ray発売>
発売日:2021年8月25日(水)
価格:Blu-ray 9,000円(税別)
発売・販売元:小山内三兄弟 製作委員会
収録内容:
【本編】
本編公演
【特典】
メイキング映像(稽古場風景、バックステージ)
爆笑必至! 日替りコーナー映像集(全景映像)
一緒に踊ろ! カーテンコールスペシャルダンス(全景映像)
【特設サイト予約特典】
ステージブロマイド18枚セット
※特典内容は変更する場合あり。
※本編、特典映像収録時間未定。
※特典内容・商品仕様は予告なく変更になる場合あり。
詳細はこちらから


【STORY】
小山内三兄弟のもとに、唯一の永遠のライバル・あっくんから結婚式の招待状が。
喜ぶ天授と外だったが、唯一は負けず嫌いから自分の殻に閉じこもってしまう。
結婚式当日、一緒に参列する楢原、蒔苗、太地、白藤たちが到着すると……。
参列するはずの唯一の姿がない。「兄ちゃんがいない!!」と探し始める天授と外。
そして、披露宴で巻き起こるドタバタな事件の数々……。
唯一を探す天授と外が見つけたものとは?
はたして無事にみんなで結婚式に参列できるのか?
小山内ファミリーが、パジャマとスーツでお届けする、ドタバタコメディが幕を開けます!

脚本:じろう(シソンヌ)
総合演出:橋本和明
演出:大歳倫弘(ヨーロッパ企画)
主催:小山内三兄弟 製作委員会

出演:
唯一 役:黒羽麻璃央
天授 役:鳥越裕貴
外 役:眞嶋秀斗
楢原快人 役:高橋健介
蒔苗 役:橋本祥平
白藤かつき 役:長江崚行
太地 役:横田龍儀

<特別映像出演>
北村 諒

<日替わりゲスト>
3月3日(水)田中涼星
3月4日(木)田中涼星
3月5日(金)植田圭輔
3月6日(土)長谷川忍(シソンヌ)
3月7日(日)植田圭輔

公演オフィシャルサイト
オフィシャルTwitter(@osanai3brother)