LIVE SHUTTLE  vol. 446

Report

22/7 リーダー・帆風千春の卒業公演でもある、パシフィコ横浜でのイベント。笑顔と涙と希望で駆け抜けた、夜公演を振り返る。

22/7 リーダー・帆風千春の卒業公演でもある、パシフィコ横浜でのイベント。笑顔と涙と希望で駆け抜けた、夜公演を振り返る。

22/7が2月28日(日)にキャリア最大規模となるパシフィコ横浜国立大ホールで1日2公演のワンマンライブを開催した。本公演はニューシングル「僕が持ってるものなら」の発売記念ライブで、2020年9月20日の「Anniversary Live 2020」以来の有観客に加え、生配信も実施。昼公演では6月30日(水)に1stアルバム『11という名の永遠の素数』をリリースすることを発表し、夜公演をもって、グループ結成から約4年に渡ってリーダーを務めてきた帆風千春が卒業した。

天城サリー

海乃るり

河瀬詩

17:30に始まった夜公演は、通算7枚目のシングル「僕が持ってるものなら」のリリースイベントという形をとってはいるが、メンバー、スタッフ、ファン、そして本人を含め、このライブに関わった全ての人が、帆風のナナニジとしてのラストライブであり、卒業公演だという心持ちでいただろう。オープニングナンバーは甘酸っぱい初恋を歌った2ndシングル「シャンプーの匂いがした」だったが、西條和は冒頭からこれまでにないほどの大きな笑顔を見せ、メンバーの中でも特に二人で話し合うことが多かったという海乃るりは<両手を広げ留(と)めてくれたか?>というフレーズを帆風を目で追いながら歌唱していた。河瀬詩がセンターを務める「未来があるから」では帆風は右手をまっすぐに上に掲げ、目をつむって揺れていたが、脳裏にはどんな未来が描かれていただろうか。

そんな彼女が最初のMCで「22/7、佐藤麗華役の帆風千春として最後まで走り抜けていきたいと思います」と明るく挨拶したが、「最後までちはるんに可愛いって言ってもらえるように頑張ります」と意気込んだ涼花萌はすでに涙目となっており、メンバーから「はやいよ!」というツッコミが飛んだ。帆風とともにグループを引っ張ってきた天城サリーも「7thシングルの収録曲全部をこのメンバーでやるのは最後なので……」と話したところで一瞬泣きそうになるが、かぶりを振って太陽のような笑顔を見せ、「いっぱいいっぱい楽しみましょう!」と大きな声で観客に向かって呼びかけた。

倉岡水巴

西條和

白沢かなえ

涼花萌

高辻麗

宮瀬玲奈

3曲目から11曲目までは昼と夜で同じ構成となっていた。西條、帆風、河瀬の3人から始まる前作「風は吹いてるか?」や4thシングル「何もしてあげられない」ではメンバーそれぞれが、言葉の1つ1つに感情をたっぷりと込めて力強く歌い、指先にまでしっかりと意識して踊っていた。そして、西條が「私のことは見ないでほしい」と本音を吐露し、高辻麗が「いっぱいいっぱい恥ずかしがってね」と声をかけたユニットコーナーでは、キウイのキャラクターになった白組は、西條が照れくさそうに歌唱する中で、白沢かなえはセクシーなスパイスを加え、海乃と涼花はぶりっ子ポーズもきゅんポーズも堂々と披露。一方、サリーの語りからスタートする赤組は帆風と倉岡水巴が背中を合わせてクールに決め、全員による「タチツテトパワー」では相変わらず恥ずかしそうな西條に対して、他のメンバーはTポーズでステージを所狭しを動き回り、おんぶに抱っこするメンバーもいた。西條と帆風が手を繋いで歌った爽やかなラブソング「好きと言ったのは嘘だ」では河瀬、高辻、天城の順で投げキッスも繰り出し、最新シングル「僕が持ってるものなら」では雰囲気が一変。ワルツナンバーをしなやかに踊りながら、宮瀬玲奈や白沢は歌とダンスだけではなく、表情でも物語って見せた。

終盤に入り、帆風の卒業が刻一刻と現実として迫ってくる感覚があった。TVアニメ『22/7』のOPテーマ「ムズイ」では帆風と倉岡が抱き合うシーンがあるのだが、二人はなぜか爆笑していた。西條と白沢が作ったアーチをメンバーがくぐる「願いの眼差し」では希望を湛えて卒業する帆風を笑顔で見送るような晴れやかな表情も垣間見えた。帆風の「最後の曲です」という言葉の後、本編最後の「循環バス」では帆風と向き合った天城がキュンを送ったが、2番の歌い出しを涙で歌えなくなり、<卒業するまで二人 この距離で>というフレーズはこの日だけのニュアンスで胸に響いてきた。帆風はもう、この循環バスに乗ることは二度とないのだ。

帆風千春

アンコールでは帆風が佐藤麗華の衣装で登場し、キャラソン「優等生じゃつまらない」を骸骨マイクでシャウト。<僕は変わりたいんだ>、<さらば 青春よ>と熱く歌い上げた彼女は、ナナニジとしての4年と5ヵ月を涙ながらに振り返り、「私、帆風千春はこのライブをもちまして、22/7を卒業させていただきます。22/7に入ったのは2016年12月24日でした。これから何が始まるんだろうと、すごくワクワクしたのを覚えています」とコメント。

続けて、「ここでしか見られない景色をたくさん見ることができました。私にとって特別だったのは、佐藤麗華というキャラクターとの出会いでした。すごく真面目で優等生でしっかりしてて。今まで人にたくさん甘えてきた自分の人生を変えてくれるきっかけになってくれました。そして、たくさんの夢を叶えさせてくれました。その中で、私の新しい目標を見つけることができました」と、声優としてステップアップしたいという思いを語り、メンバーへの感謝を伝え、「みんなに追いつけるように頑張ります。今日までありがとうございました」と挨拶すると場内からは温かい拍手がわき起こり、チャット欄も<8888888>という文字で溢れた。

最後の曲に入る前に、メンバー一人一人が帆風に向けた手紙を朗読した。白沢は「千春と過ごす毎日が本当に楽しかった。声優として、アーティストとしてのちはるんが本当に大好きで、何度も心を打たれてきました。ちはるんには人を魅了して、活力を与える才能があるので自信を持ってこれからも頑張ってください。間違いなく、22/7の帆風千春が、私の誇りであり、大好きな存在でした!」と涙ながらに絶叫。皆、涙を流しながら自身の思いを伝え、西條は手を震わせながら、手紙を開かずに、「初期の頃から外を歩くときはちはるんの腕を掴んで歩いてて。この4年間、ずっと守ってくれたんやなと思って。いつか恩返しをしようと思ってたはずやのに、いざ、ちはるんが泣いてる時に何をしていいかわからんくて……。そういう時に、ちはるんがるりるりやサリーちゃんに話しているのを見てて、私にも話してほしいなって思ってて。やから、いつか、ちはるんに強くなったねって言ってもらえるように、ちはるんが私に相談してくれるくらい、ちはるんがおらんくても、ちゃんと22/7で頑張ります。この4年間、誰よりも強く正しくいてくれてありがとう。大好き」と珍しく地元・関西弁のままで本音を吐露。

学業のために活動休止中の武田愛奈から手紙が届き、10人分の手紙を受け取った帆風は「皆さんが受け入れてくれたから、私は今、自分らしくここに立てています。これからの私にとっても、22/7はとてもとても大切な場所です」とまっすぐに前を見て語った。

天城の発案で最後の円陣を組んだあと、この10人での最後の曲として選ばれたのはTVアニメ『22/7』の EDテーマ「空のエメラルド」。歌い出しは帆風で、間奏には彼女のソロダンスもあった。<ここから始まるんだ 眩しい一日が>というフレーズを泣き顔のままで歌い、最後に帆風は「これからは自分で決めた道を胸張って歩いて行けるように頑張っていきます」と力強く誓った。メンバーがステージを去った後、一人残った彼女は、「またどこかでお会いできますように」と再会の約束をしながらも、「これからも22/7の応援をよろしくお願いします」と呼びかけた。彼女は最後まで22/7のリーダーであった。

彼女が退場した後も拍手は止まずに、再び帆風は登場。「帆風千春と出会えて良かったな。俺、帆風千春の頃から知ってるんだぜって言ってもらえるくらいに頑張るので、また会えるように頑張ります。本当にありがとうございました」と手を振り、佐藤麗華役の帆風千春は新たな未来の境界線を渡っていった。

文 / 永堀アツオ 写真提供 / ソニー・ミュージックレーベルズ

22/7「僕が持ってるものなら」発売記念LIVE(夜公演)
2021年2月28日(日) パシフィコ横浜

<セットリスト>
overture
1. シャンプーの匂いがした
2. 未来があるから
3. 風は吹いてるか?
4. ロマンスの積み木
5. Rain of lies
6. 何もしてあげられない
7. (白組曲)キウイの主張(海乃・西條・白沢・涼花)
8. (紅組曲)雷鳴のDelay(帆風・宮瀬・河瀬・高辻・天城・倉岡)
9. タチツテトパワー
10. 好きと言ったのは嘘だ
11. 僕が持ってるものなら
12. ムズイ
13. 願いの眼差し
14. 循環バス
<ENCORE>
15. 優等生じゃつまらない
16. 空のエメラルド

リリース情報

2021年6月30日リリース
1stアルバム『11という名の永遠の素数』

完全生産限定盤A(SRCL-11780~11783)
完全生産限定盤B(SRCL-11784~11787)
完全生産限定盤C(SRCL-11788~11791)
通常盤(SRCL-11792)

完全生産限定盤A

完全生産限定盤B

初回盤

通常盤

22/7
「僕が持ってるものなら」

2021年2月24日リリース
①完全生産限定盤A(SRCL-11690〜11692) 7,000円(税込)
<収録物>CD+Blu-ray+フォトブック+三方背BOX+トレカ(完全盤A アーティストトレカ11種のうちランダムで1枚を封入)
②完全生産限定盤B(SRCL-11693〜11695)7,000円(税込)
<収録物>CD+Blu-ray+フォトブック+三方背BOX+トレカ(完全盤B アーティストトレカ11種のうちランダムで1枚を封入)
③初回盤(SRCL-11696〜11697) 1,850円(税込)
<収録物>CD+Blu-ray
④通常盤(SRCL-11698) 1,250円(税込)
<収録物>CD only

<曲目>
①完全生産限定盤A
DISC1(CD)
1.僕が持ってるものなら
2.タチツテトパワー
3.好きと言ったのは嘘だ
4.僕が持ってるものなら -off vocal ver.-
5.タチツテトパワー -off vocal ver.-
6.好きと言ったのは嘘だ -off vocal ver.-
DISC2(Blu-ray)
『22/7 Anniversary Live 2020』昼公演@LINE CUBE SHIBUYA(2020.09.20)
Overture
01.君はMoon
02.叫ぶしかない青春
03.ムズイ
04.理解者
05.地下鉄抵抗主義
06.願いの眼差し
07.循環バス
08.半チャーハン
09.タトゥー・ラブ
10.ソフトクリーム落としちゃった
11.ポニーテールは振り向かせない
12.未来があるから
13.ロマンスの積み木
14.風は吹いてるか?
15.何もしてあげられない
16.韋駄天娘

②完全生産限定盤B
DISC1(CD)
1.僕が持ってるものなら
2.タチツテトパワー
3.好きと言ったのは嘘だ
4.僕が持ってるものなら -off vocal ver.-
5.タチツテトパワー -off vocal ver.-
6.好きと言ったのは嘘だ -off vocal ver.-
DISC2(Blu-ray)
『22/7 Anniversary Live 2020』夜公演@LINE CUBE SHIBUYA(2020.09.20)
Overture
01.Rain of lies
02.不確かな青春
03.空のエメラルド
04.シャンプーの匂いがした
05.人格崩壊
06.願いの眼差し
07.循環バス
08.半チャーハン
09.タトゥー・ラブ
10.ソフトクリーム落としちゃった
11.ポニーテールは振り向かせない
12.未来があるから
13.ロマンスの積み木
14.風は吹いてるか?
EN1.何もしてあげられない
EN2.11人が集まった理由

③初回盤
DISC1(CD)
1.僕が持ってるものなら
2.タチツテトパワー
3.キウイの主張
4.僕が持ってるものなら -off vocal ver.-
5.タチツテトパワー -off vocal ver.-
6.キウイの主張 -off vocal ver.-
DISC2(Blu-ray)
Making of LIVE at LINE CUBE SHIBUYA

④通常盤
DISC1(CD)
1.僕が持ってるものなら
2.タチツテトパワー
3.雷鳴のDelay
4.僕が持ってるものなら -off vocal ver.-
5.タチツテトパワー -off vocal ver.-
6.雷鳴のDelay -off vocal ver.-


その他の22/7の作品はこちらへ。

22/7(ナナブンノニジュウニ)

秋元 康総合プロデュース、Sony MusicとANIPLEXがタッグを組んだアイドルプロジェクト22/7(ナナブンノニジュウニ)。
日本を代表する有名クリエイターがてがけたキャラクターを演じる声優アイドルを募るオーディションで結成された。
メンバーは、滝川みう、佐藤麗華、斎藤ニコル、立川絢香、神木みかみ、東条悠希、藤間 桜、戸田ジュン、河野 都、柊 つぼみ、丸山あかねからなる。現在、TOKYO MX、BS11にて毎週土曜日23:00から『22/7 検算中』も放送されている。

オフィシャルサイト
https://www.nanabunnonijyuuni.com

vol.445
vol.446
vol.447