LIVE SHUTTLE  vol. 445

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乃木坂46 そして新しい歴史が刻まれていく。満9周年から10周年目に突入。「9th YEAR BIRTHDAY LIVE」を振り返る。 

乃木坂46 そして新しい歴史が刻まれていく。満9周年から10周年目に突入。「9th YEAR BIRTHDAY LIVE」を振り返る。 

乃木坂46がデビュー記念日の翌日となる2021年2月23日に無観客の生配信ライブ「9th YEAR BIRTHDAY LIVE」を行った。

2012年2月に22日に1stシングル「ぐるぐるカーテン」でメジャーデビューをした乃木坂46は、2016年と18年(は夏に開催)を除き、毎年2月に持ち歌全曲を披露するバースデイライブを開催してきた。今年も全メンバーで1公演、各期別ごとで4公演の合計5公演に及ぶ有観客ライブの開催を準備していたが、新型コロナウィルスの感染状況の影響を受け止めて、満9歳を迎えた2月22日のデビュー記念日に前夜祭イベントを生配信し、ライブは1公演に縮小。前夜祭ではこれまでの「BIRTHDAY LIVE」を振り返るトークショーを行い、「きっかけ」、「設定温度」、「ぐるぐるカーテン」の3曲を披露。

2月23日に行われた「9th YEAR BIRTHDAY LIVE」では約3時間にわたって全36曲をパフォーマンスし、キャプテンの秋元真夏は「いまは会えない日々が続いていますが、必ず会える日が来ると信じて、私たちも頑張っていきます。ここから10周年に向けて走っていきます!」と意気込みを語った。

4日間で全200曲を披露した前回と比べると物足りなさを感じるかもしれないが、世界中が同時に外出自粛に見舞われた2020年を振り返るとともに、これまでのような活動ができない中でも新世代が成長し、チームの新たな戦力として台頭してきていることを実感させてくれる内容になっていた。

デビュー時の映像と打ち上がる花火をバックに踊ったデビュー曲「ぐるぐるカーテン」では1期生8人に続き、2期生8人、3期生12人、4期生16人の合計44人が集結。2期生で加入直後の7thシングル「バレッタ」でセンターを務めた堀未央奈は先日リリースされたばかりの26thシングル「僕は僕を好きになる」の活動を持って卒業することを発表しているため、グループ全体でのライブはこの日が最後となる。また、乃木坂の表題曲のセンターといえば、生駒里奈、白石麻衣、西野七瀬、齋藤飛鳥の4人が主に思い浮かぶ。齋藤以外は卒業しているが、本公演でセンターに起用された3期生と4期生たちは堂々たるパフォーマンスを見せてくれた。

西野と白石のWセンターだった「インフルエンサー」は3期生の山下美月と与田祐希がWセンターを担い、椅子を使ったセクシーで情熱的なダンスを繰り広げた。加入時から3期生の顔として記者会見などに出ることが多かった与田は、山下が最新曲のセンターに起用されたことでどこか肩の力が抜けてリラックスしているように感じた。白石から3期生の梅澤美波にバトンが渡された「シンクロニシティ」では静と動をダイナミックに展開。生田絵梨花が白鳥のように可憐に華麗に舞った「何度目の青空か?」に続き、西野の卒業シングルだった「帰り道は遠回りしたくなる」では、広い空間でたった一人で佇んでいた4期生の遠藤さくらが振り向いて笑顔をみせ、メンバーが待つステージへと駆け寄って歌唱。「君の名は希望」では、センターの生田から同期の松村沙友理、2期生の堀、4期生の遠藤、3期生の久保史緒里と4期生の田村真佑と歌い継いでいき、最後は再び44人での大合唱となった。

2チームに分かれて、代表曲を6曲続けた最初のブロックを経て、<期別ブロック>へと移行。

4期生は無観客のフロアを使って大きな青い布をはためかせて夜の空を表現し「夜明けまで強がらなくてもいい」を、新曲のファンクナンバー「Out of the blue」では早川聖来をセンターにキュートな猫パンチを繰り出した。

3期生は明るくポップに弾んでいた。18thシングル「逃げ水」でWセンターを務めた大園桃子と与田、最新シングルでスリートップを形成した山下、梅澤、久保だけでなく、アンダーライブでセンターに抜擢された阪口珠美や、選抜入りを何度も経験している岩本蓮加も目立つようになってきた。

「バレッタ」をはじめ、堀を中心とした構成となっていた2期生は、これまでに重ねてきた経験を生かし、シルエットとのシンクロや映像エフェクトなど、一段上の演出が加わっており、くるっと回っただけで雰囲気を一変させた堀の表情も素晴らしかった。

1期生はさらにレベルを上げ、レーザーを使ったダンスパートやストップモーションを繰り出し、「狼に口笛を」ではメンバーだけでなく、オオカミ姿のダンサーと踊り、樋口日奈は忘れられない笑顔を残していった。

ここからは、2020年という誰にとっても想定外だった1年をゆっくりと振り返っていった。同年3月にリリースされた白石の卒業シングル「しあわせの保護色」では3期生の大園がハスキーな歌声を響かせ、3月に開催予定だった2期生ライブからは「ゆっくりと咲く花」をチョイス。堀と北野日奈子が向き合って微笑んでいるシーンが印象的だった。5月にメンバーがそれぞれの自宅で撮影した映像が話題となった医療従事者に向けた支援ソング「世界中の隣人よ」では、私服のようなワンピースを着たメンバーが、齋藤飛鳥を中心にミュージカルの1シーンのようなパフォーマンスを披露。7月には配信シングル「Route 246」をリリースし、9月末には延期になっていた映画「映像研には手を出すな」が公開され、白石卒業後の11月上旬には3期生の岩本がセンター務め、4期生の遠藤と筒井あやめが脇を固めた新曲「明日がある理由」を発表し、11月末には3・4期生ライブを開催。賀喜遥香センターの4期生曲「I see…」が懐かしの歌謡ファンクとしてYouTubeの総視聴回数1400万越えを記録。3期生の阪口がセンターを担った12月のアンダーアイブは久しぶりの有観客ライブとして武道館で開催され、大きな盛り上がりを見せた。

この日は、2期生の鈴木絢音を中心としたカメラを使ったギミックも繰り出し、同じく2期生の北野は<嫌だ!嫌だ! 流されるのは>と感情を込めて「日常」を熱唱。アンダーライブでしか感じられない、苦悩や葛藤も含めた熱気を再現してみせた。

2期生の新内眞衣の小芝居からは、2020年も終わり、いよいよ2021年へと向かっていく。ゲーム『荒野行動』内でヴァーチャルライブでも披露した「Wilderness world」。44人のメンバー全員で手を繋ぎ、抱き合い、大きな円を作り、「乃木坂46のことが大好き!」と叫んだ「おいでシャンプー」、「Sing Out!」を挟み、3期生の山下が新センターとなった最新曲「僕は僕を好きになる」へ。

山下はMCで「初めてセンターをやると聞いた時は、今の自分にはあまりに背負うものが大きすぎて、逃げちゃダメだ逃げちゃダメだって、最初は自分に言い聞かせていました。でも、そんな時に手を差し伸べてくださった、メンバーだったりスタッフさんだったり、ファンのみなさんだったり、本当にたくさんの方々のおかげで、自分は一人じゃないんだなということを実感することができました。乃木坂のセンターという大きすぎる場所に、私が今、ちゃんと立てているのかは、正直、まだ自信がありません。でも、こんな私でも、笑顔で迎い入れてくださって、居場所を作ってくださった皆さんがいてくださったおかげで、自分のことをちょっとだけ好きになれたような気がしています。皆さんにちゃんと恩返しができるように、これからもたくさんの笑顔と幸せを届け続けることを約束します」と宣言。

楽曲の最後には画面越しのファンに向けて「乃木坂46を見つけてくれて、好きになってくれて、愛し続けてくれて、本当にありがとうございます。離れていても、私たちの心は皆さんのそばにいます。これからもずっと私たちと坂を登ってください」と語り、白と紫の紙吹雪が盛大に舞う中で9回目のバースデーライブは大団円を迎えた。

アンコールではメンバーからの堀への愛が爆発していた。「そんなバカな…」は2期生8人で歌いはじめ、3期生、4期生、最後に1期生が加わっていき、最後は堀が全力の変顔で締めくくった。美容やメイクに人一倍こだわりながらも、バラエティ番組では感情を表に出したリアクションを見せてくれていた彼女が卒業してしまうのは残念でならない。

続く「ダンケシェーン」の歌い出しでは生田が<未央奈の/その温かい背中が好きだった>と歌詞を変えて歌うが、キャプテンの秋元は締めのフレーズをいつも通りに言ってしまうポンコツぶりを見せながらも、再トライを要求し、<やっぱ未央奈だな!>と締めくくった。

ライブの最後に歌われた「乃木坂の詩」で真ん中に立っていたのは3期生の山下。秋元は「ここから10周年に向かって走っていきます。これからも上を向いてどんどん成長できるようにまだまだ走っていきたいと思います」と呼びかけたが、1年後のバースデーライブでグループを牽引しているのは誰だろうか。3期生が中心になっていくのか、4期生の躍進があるのか。

ちなみにアフター配信では、期別対抗イントロクイズに最後の1問で逆転勝利を収めた4期生が16人で「4番目の光」を歌った。早川が歌う<この坂道登れ!>のフレーズにグッときたのだが、のちに、後ろで見ていた1期生の生田がオンマイクで一緒に歌っていたことが明かされた。まだまだ1期生や2期生の力と経験が必要だと痛感した9年目のライブでもあった。

文 / 永堀アツオ

乃木坂46 「9th YEAR BIRTHDAY LIVE」
2021年2月23日

<セットリスト>

1.ぐるぐるカーテン
2.インフルエンサー
3.シンクロニシティ
4.何度目の青空か?
5.帰り道は遠回りしたくなる
6.君の名は希望
7.夜明けまで強がらなくてもいい
8.キスの手裏剣
9.Out of the blue
10.逃げ水
11.トキトキメキメキ
12.毎日がBrand new day
13.バレッタ
14.アナスターシャ
15.ライブ神
16.制服のマネキン
17.サヨナラの意味
18.狼に口笛を
19.しあわせの保護色
20.ゆっくりと咲く花
21世界中の隣人よ
22.Route 246
23.明日がある理由
24ファンタスティック3色パン
25.I see…
26.口ほどにもないKISS
27.自惚れビーチ
28.日常
29.Wilderness world
30.いつかできるから今日できる
31.おいでシャンプー
32.Sing Out!
33.僕は僕を好きになる
<ENCORE>
EN1.そんなバカな・・・
EN2.ダンケシェーン
EN3.乃木坂の詩

ライブ情報

2021年3月28日(日):9th YEAR BIRTHDAY LIVE 〜2期生ライブ〜
2021年3月29日(月):9th YEAR BIRTHDAY LIVE 〜1期生ライブ〜
※詳細はオフィシャルサイトにて。

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オフィシャルサイト
http://www.nogizaka46.com/

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