Interview

西野七瀬が大きな声に奮闘中!? 初参加となる劇団☆新感線『月影花之丞大逆転』に挑む素直な気持ち

西野七瀬が大きな声に奮闘中!? 初参加となる劇団☆新感線『月影花之丞大逆転』に挑む素直な気持ち

劇団☆新感線が「密にならず、短い上演時間で、観たお客様が元気になる、新感線らしい作品」を届ける新プロジェクト“Yellow/新感線”を立ち上げ、11人のキャストによる『月影花之丞大逆転』を2月26日(金)より上演する。
演目は、1996年に初演、2003年に再演された『花の紅天狗』のスピンオフ。爆発的なテンションの劇団「月影花之丞」の座長・月影花之丞として木野 花が再登場し、個性的な劇団員には、古田新太、阿部サダヲ、浜中文一、西野七瀬といった面々が集結。
本誌では、劇団☆新感線初参加の西野七瀬にインタビューを敢行。2018年いっぱいで乃木坂46を卒業後、ドラマ『あなたの番です』や『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋』など映像作品で活躍している彼女に、意気込みを語ってもらった。

取材・文 / 永堀アツオ 撮影 / 冨田望
ヘアメイク / 野口由佳(ROI) スタイリスト / 市野沢 祐大(TEN10)


すごく好きだった新感線に、絶対に出たい

あらためて、劇団☆新感線の舞台への出演オファーが来たときの心境から聞かせてください。

嬉しい気持ちよりも先に“ビックリ”が勝っていました。

舞台は普段観られたりするんですか?

(乃木坂46の)メンバーが出ている作品が多いんですけど、ドラマで共演させていただいた方の舞台も観に行ったりしていました。観るのは好きだったので、いつか舞台のお仕事をやってみたいなという気持ちもずっとあって。今回お話をいただいて、初めは「何かの間違えじゃないか!?」とすごくびっくりしたんですけど、「絶対にやりたい」と思いました。

月影花之丞大逆転 西野七瀬 WHAT's IN? tokyoインタビュー

どうして“絶対”と思ったんですか?

劇団☆新感線の舞台も何本か観させてもらっていて、すごく好きだったこともあり、そんな新感線に出演できるなら、絶対に出たいと思いました。もちろん、劇団☆新感線はひとつのジャンルを確立しているし、いのうえ(ひでのり)さんの演出も完成しているイメージだったので、その世界に自分がうまく入れるのかなって不安は大きかったんです。できるという自信があったわけではないですけど、絶対にやりたい!と思ったんですね。

どの作品を観られましたか?

初めて観たのは、松山ケンイチさんと向井 理さんが出られていた『髑髏城の七人』 Season風(2017年)でした。めちゃめちゃ楽しかったし、上演時間があっという間に感じました。特に歌舞伎のように見得を切るシーンがめっちゃカッコいい!と思いました。台詞回しも独特で耳あたりもいいし、“カカンッ”っていう効果音もカッコよくて。そのあと、生田斗真さんの『Vamp Bamboo Burn~ ヴァン!バン!バーン!~』(2016年)もDVDで観て、去年上演された『偽義経冥界歌(にせよしつねめいかいにうたう)』も観させていただきました。今は、『花の紅天狗』のDVDをお借りしてお家で観てるんですけど、もっともっとたくさん観たいなと思ってますね。

西野さんが感じる劇団☆新感線の魅力というのは?

たくさんありますけど……ずっとハイテンションっていうところですかね。初めから最後まですごく勢いがあって、観ているほうも巻き込まれる感覚があるし、カッコいいのに笑える要素もある。効果音も、新感線らしさがありますよね。今回も“カーン”っていうビブラストラップの音が入っているので、秘かに「あ、新感線だ!」って思ったりしてます。

月影花之丞大逆転 西野七瀬 WHAT's IN? tokyoインタビュー

では、出演することが決まって周りの反響はいかがでしたか?

家族には先に言ってたんですけど、発表されたあとに友達から結構、連絡が来ましたね。地元の友達とか、今でも付き合いのある乃木坂46の元メンバーとか、ドラマやバラエティの共演者の方からも「すごいね」「頑張ってね」とかいっぱい声をかけていただきました。ただ、一番多かったのは、「アレに? あなたが!?」っていう反応でした(笑)。「大きな声を出せるの? 大丈夫?」って。自分でも思いました、大丈夫かなって(笑)。

(笑)。声のヴォリュームに関してはまたおいおい聞くとして、それでも、舞台というものに対する憧れがあったんですね。

そうですね。舞台は観るだけですごく刺激をもらえるから、大好きなんです。一日2回公演の間に挨拶に行かせていただくこともあって、裏がバタバタしているのとかも見て、みんなすごいなと思っていました。体力もそうだし、気持ちもゼロにリセットして夜公演を始めるじゃないですか。観る側としては、ずっと尊敬の気持ちを抱いていて。その大変さや楽しさ、達成感をまだ知らなかったので、自分も味わえるなら味わいたいなって思っていました。

劇中の、あるアニメのオマージュ、そこはひとつの見せ場

ここから順を追ってお伺いしたいのですが、出演が決まり、次に中島かずきさんの脚本を受け取ったときはどう感じましたか。

いろいろ混同しているというか、台本だけで読み解く能力がまだまだなので、文字だけで見ると「あれ、どういうことなんだろうな?」ってなったりもしてて。どういうものになるのか想像がつかなかったんです。稽古が始まって、皆さんが動いているのを見て、繋がったという感じでした。

月影花之丞大逆転 西野七瀬 WHAT's IN? tokyoインタビュー

若いからわからないコメディ要素の元ネタとかもあるでしょうし。

もしかしたら、私が元ネタと気づいていない部分もまだある気がします(笑)。……あるアニメのオマージュを劇中でやるんですけど、そこはひとつの見せ場かなと思っています。

西野さんは劇団員の水林星美(みずばやし・ほしみ)を演じられますが、先に発表されたビジュアルではアニーのような髪型で真っ赤なセーラー服を着てマシンガンを抱えています。

星美が劇団月影花之丞で上演されたであろう、もしくはこれから上演するであろう作品の登場人物を演じているという設定なんですけど、実は私、元ネタを知らなかったんですよね。撮影現場で、「マシンガンをバーッと撃って“快感”って言うようなイメージ。そういう気持ちで、そういう表情をしてください」というお話がありやってみました。すごくお気に入りですし、好きな写真ですね。

星美というのはどんな女性ですか。

ワケありの“元トップ女優”という設定なんです。演出で“可愛い仕草”っていうのもあるんですけど、やっていてすごく恥ずかしくなるんですよ。だから、恥ずかしいと思わないようにちゃんとしないとなって思ってます。今はマスクを着けたまま稽古をしているのでまだ大丈夫なんですけど、マスクが取れたときに顔がひきつってしまいそうで、そこが不安です(笑)。

(笑)でも、元々は国民的アイドルグループである乃木坂46で歴代最多となる7回もセンターを務めたじゃないですか。

世間的なイメージでは、アイドル=可愛い仕草っていうイメージもあるかもしれないんですけど、私自身はアイドルをやらせてもらいつつも、そういうタイプではなかったんですよね。わりとそのままというか、素のままだったので、今回の劇の中で挑戦しているような感じがします。

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役との共通点はあまりない?

あまりないと思っているんですけど……。星美ちゃんは「心に闇がある」キャラクターなんですけど、自分にはそこまで大きな闇もないと思いますし。ただ現時点では、お客さんがちゃんと聞き取れるようにって、発声のほうにすごく意識が強い段階なので、そこがクリアできたら、もうちょっと星美ちゃんの内面を考えていけるのかなって思っています。

星美ちゃんを演じつつも、星美ちゃんが別の役を演じたりもするんですよね。

今の段階で考えだすと、できないかなって思うので、星美オン違う役っていうのは今は考えないようにしています!(笑)

言い切った(笑)。そのスイッチの切り替えは大変ですか?

今はまだそこまで意識はしてないんですけど、今後ちゃんと区別できるように稽古でしていかないとなと思っています。

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集団で創っていく楽しさをあらためて感じています

稽古場の雰囲気はいかがですか?

すごく楽しいです、毎日。皆さん優しいですし、安心感があるというか。

先日の製作発表会では「昨日くらいに居心地のいい場所だなって思うようになった」と発言されていましたよね。何か緊張が解けたきっかけがありましたか。

あまりはっきりとではなかったかもしれないですけど、私を含めて劇団員の6人くらいで集団芸みたいなのを演出で付けていただいたときがあって。それが面白かったんですよね。皆さん笑いながらやっていたんですけど、そのときなのかな? すごく楽しさを感じて。集団で創っていく楽しさをあらためて感じましたね。

また、製作発表会では「古田(新太)さんやいのうえさんに『もっと声を張ったほうがいいよ』とアドバイスをいただいた」ともおっしゃっていました。

発声は……今日の稽古でもありましたし、昨日の稽古終わりにはいのうえさんに「お腹に力を入れてお腹から声を出してみて」と教えていただいて。あと、「台詞の中の名詞をもう少し立ててハッキリと言ったほうがいいよ」など、いろいろとアドバイスをいただいてます。

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それを克服するためにしていることはありますか?

お家ではあまり大きな声を出した練習はなかなかできないので、稽古場に来て、自分の台詞のときに「このくらいかな」と思っていろいろと試したりしている感じですね。

少しずつ大きな声は出せてきていますか?

自分の中では大きな声プラス、言葉を立てて流れないようにということは意識するようにしています。

歌うときの発声とは全然違うんですか?

違うみたいです(笑)。自分はまだ客観視して見れないんですけど、自分が舞台を観に行ったとき、一生懸命に台詞を言っていてもたまに聞き取れないなっていうことがあって。観ていてもどかしくなるなぁという気持ちはよくわかるので、そうならないようにしないとっていう気持ちが強いです。

月影花之丞大逆転 西野七瀬 WHAT's IN? tokyoインタビュー

発声が課題だとおっしゃっていますが、お芝居自体も映像とは違いますか。

まったく異なりますね。今回稽古の初日に思ったのが、まず、“引く”お芝居がないんだなってことです。全部、“出す”。「え?」っていうひと言でも、映像だったらひそめるというか、引くというか、自分の内側に入れる感覚があるんですね。映像ではここの台詞はもうちょっとひそめて言うなと思っても、それを“出す”ほうで表現する必要があります。そこは課題だなと思ったし、やったことがないお芝居だったので初めは違和感もありましたけど、これがひとつの違いなんだなとわかったので、そっちに変えていけるように、使い分けられたらいいなと思います。

手応えはどうですか?

手応えは……まだ感じておりません(笑)。稽古中にたくさん失敗をしようと思っています。

発声以外で印象に残っている、いのうえさんからの演出はありますか?

動きや段取り、所作みたいなものも付けていただいているのですが、振付感覚で覚えられるので、そこは問題なさそうかなと思います。みんなで歌ったり踊ったりする場面もあるし、少しだけ殺陣もあって。まだ振りがついていないシーンもあるので、これからが楽しみです。

月影花之丞大逆転 西野七瀬 WHAT's IN? tokyoインタビュー

共演者の方の印象も聞かせてください。

古田さんには特にいろいろなアドバイスをいただいてます、発声のことで(苦笑)。今のところ、不思議な方という印象です。そんなにたくさんお話はできていないんですけど、妖精みたいな感じなんですよね。

あはははは。妖精ですか。すでに“なぁちゃん”って呼ばれてましたね。

私が出演させていただいているドキュメントバラエティー『ライオンのグータッチ』をずっと観てくださって、「あれ、大好きなんだよ」って言っていただいたんです。初めてお話ししたのも、『グータッチ』の放送があった日の稽古で。「おはようございます」って入ってこられたときにこっちを見ている気がしたので、私もじっと目を合わせたら、「今日のバトミントンは悔しかったね〜」って話しかけてくださって。「観ていただいてありがとうございます」っていう話をして……そこで少し距離が縮まったのかなと思います。

阿部サダヲさんの印象は?

まだあんまりお話はできていないですけど、「稽古着いっぱい持ってるよね」って言われて。そんなとこ見られてたんだって、恥ずかしくなりました(笑)。阿部さんは両親と同い年なので、それがびっくりしましたね。だから、お父さんみたいな感覚です。

ワクワクしに来てほしい

妖精とお父さんと一緒の舞台への出演はご自身にとってどんな経験になりそうですか?

公演が終わるまでに、舞台でのお芝居の表現や感覚を学んでいたいなと思います。そこが自分にないものなので、少しでも「こういう感覚なのか」っていうのがわかることができたらいいなと思います。

コメディの難しさや魅力は感じますか?

難しさもまだ理解できないレベルだと思うんです。あまり人を笑わせることもやったことがなかったり、やり方自体がわかっていないと思います。皆さんプロなので、周りを見ながらですかね。でも、あんまり考えないように、演出どおりにやろうと思っています。

周りの芝居で笑いそうになるくらい濃いメンバーだと思うのですが。

そうですね。それも我慢しなくてもいいのかなと思ったりもします。絶対に笑っちゃいけないシーンではもちろん耐えますけど、周りを見て「あ、あの人、笑っちゃってるな」って思ったら自分もいいのかなって(笑)。

月影花之丞大逆転 西野七瀬 WHAT's IN? tokyoインタビュー

(笑)今、一番楽しみにしていることは何ですか?

公演が始まって、皆さんの感想を聞くことですかね。

お客さんを目の前にステージに立つというのは乃木坂46を卒業してからはなかったことですか?

なかったです。なので、初日の公演を想像すると、どうなるんだろう……自分は緊張しているのかどうかもわからないし、たぶん緊張しているとは思うんですけど、そのことを考えると少し怖いなという気持ちですね。ひとりでしゃべるところで頭が真っ白になったらどうしようという不安もあります。稽古中は楽しいなって気持ちでずっとやっているんですけど、ふと本番のことを考えるとちょっと怖くなりますね。

最後に舞台に足を運ぶお客さんにメッセージをお願いします。古田さんは「皆さん、本当にガッカリすると思うので、ガッカリしに来てください」と言ってましたが。

いえ、きっと観終わったあとは、観て良かったって思ってもらえると思います。だから、ワクワクしに来てほしいですね!

衣装協力 / ドレス[EAUSEENON /SUSU PRESS]、イヤリング[MEX/ロードス]、ネックレス[masae/ロードス]、シューズ[ZUCCa(A-net Inc.)]


■西野七瀬 撮影風景(公式サイトに上がっているビジュアル撮影の映像)

■CM


2021年劇団☆新感線41周年春興行 Yellow/新感線『月影花之丞大逆転』

東京公演:2021年2月26日(金)~4月4日(日)東京建物Brillia HALL
大阪公演:2021年4月14日(水)~5月10日(月)オリックス劇場

作:中島かずき
演出:いのうえひでのり

出演:
古田新太 阿部サダヲ / 浜中文一 西野七瀬
河野まさと 村木よし子 山本カナコ 中谷さとみ 保坂エマ 村木 仁 / 木野 花

企画・製作:ヴィレッヂ 劇団☆新感線

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西野七瀬(にしの・ななせ)

1994年5月25日生まれ、大阪府出身。2012年に乃木坂46のメンバーとしてCDデビュー。2019年に卒業後は、女優、モデルとして活躍。近年の主な出演作品には【映画】『一度死んでみた』、劇場アニメ『コルボッコロ』、『あさひなぐ』【TVドラマ】『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋』、『あなたの番です』、『よつば銀行 原島浩美がモノ申す!~この女に賭けろ~』などがある。

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