Interview

『砕け散るところを見せてあげる』で三度目の共演。中川大志×石井杏奈の役作りの信念。「自分を知ることが大切」

『砕け散るところを見せてあげる』で三度目の共演。中川大志×石井杏奈の役作りの信念。「自分を知ることが大切」

漫画家の浅野いにおやヤマザキマリ、作家の伊坂幸太郎らが絶賛した竹宮ゆゆこの小説『砕け散るところを見せてあげる』が中川大志と石井杏奈のW主演で実写化される。曲がったことが大嫌いな清澄(きよすみ)に壮絶ないじめから救われた玻璃(はり)。二人の出会いは高校生の青春物語からサスペンスへと展開し、やがて壮大なラブストーリーへと広がっていく。「小説の新たな可能性を示した傑作」と称されたベストセラーの映画化に、1998年生まれの同級生である中川と石井はどう挑んだのか。ドラマ『GTO』、映画『四月は君の嘘』に続いて三度目の共演となる二人に話を聞いた。

取材・文 / 永堀アツオ 撮影 / 冨田 望


幸せな瞬間と受け入れがたい残酷さは隣り合わせ。衝撃的だけど、シュールなコメディ要素もあるクオリティの高い映画になった。(中川)

砕け散るところを見せてあげる 中川大志 WHAT's IN? tokyoインタビュー

まず、W主演を務める心境から聞かせてください。

中川 初めて共演したのが中学校2年生の時だったんですよね。今回3回目の共演でW主演ということで、最初に杏奈ちゃんがこの役をやりますって聞いた時は、すごい安心感というか、信頼感がありました。それと、これまでの杏奈ちゃん自身のイメージとは全然違う役柄だったので、どんな玻璃になるのか、すごく楽しみでもありました。とにかく、こういう難しい作品に一緒に挑む相手としては本当に心強いなっていう印象でした。

石井 中学2年生の時に出会った大志くんとご一緒できて、しかも、W主演ということで、すごく感慨深いです。でも、いい意味で変わってないなと思って。大志くんの真っ直ぐさやお芝居にかける情熱は刺激的でしたし、撮影中も毎日、清澄としている大志くんに、改めて尊敬の念を感じていました。私は頼りっぱなしで、支えていただいていたのですが、すごく演じやすかったですし、三度目の共演だからこその空気感もあったのかなと思います。

石井さんは「いい意味で変わらない」とおしゃってますが、中川さんは当時、石井さんのことをどう思ってました?

中川 僕たち当時は年頃で思春期だったので(笑)、そんなに喋った記憶がないんですよね。最初に会った時は学園もので、同級生が何十人いる中の二人だったこともあって。けど、基本的には溌剌として、元気で明るい、健康的な女の子っていうイメージです。

砕け散るところを見せてあげる 中川大志 石井杏奈 WHAT's IN? tokyoインタビュー

お互いに成長したなと感じたところはありますか。

中川 変わらないですね(笑)。

石井 お酒が飲めるようになったくらい?

中川 そうだね。もちろん、お互いにその間に積み重ねてきてる経験はあるんですけど、一緒に作品をやっていく中で、ここ成長したなとか、考えてる暇も余裕もなくて、今のことに精一杯でした。ただ、コミュニケーションという意味では変わってる部分はあって。撮影の合間とか、こういう取材の時も、歳が離れてるとないんですけど、同い年なので、なんか、同級生の女の子と、あんまり喋れない時期があるじゃないですか(笑)。そういうのは今はもうないですね。そこは変わったところかな。当時は年頃だったので(笑)。

石井 あはははは。そこが大事なんだね。

中川 すごい自然体でいやすいというか。ね。

石井 そ、そうですね。

中川 ……僕だけだったかもしれないです(笑)。

石井 いやいや、同じくです!

砕け散るところを見せてあげる 石井杏奈 WHAT's IN? tokyoインタビュー

(笑)。脚本は読んでどう感じました? 

石井 純粋に好きな作品でした。どういうお話か知らずに読み始めて、きれいなラブストーリーで終わるのかなと思ったら、結構衝撃的で。

原作を知らないで観るとびっくりしますよね。高校生の青春ラブストーリーかと思いきや……。

中川 あまり身構えないで観ていただいたほうが、衝撃的だと思いますね。最初に脚本を読んだ時は、これは大変だなって感じました(苦笑)。残酷的な部分もリアリティを持って観ていただくためには、徹底的に生々しくやらないと刺さらない話かなと思って。だけど、残酷な瞬間と何気ない幸せな瞬間が絶妙なバランスでこの映画の中に共存しているんですよね。それは、全く別々のものでもなくて、意外と幸せな瞬間と受け入れがたい残酷さは隣り合わせであって、観る人によって、観る角度によって、見え方が変わってくるような、180度違うように見えても、意外とそうでもないような本だなと思って。どの瞬間も大切に演じたいなって思っていました。

石井 そうだね。大志くんが言ったように、私が感じたように、お客さんも同じ気持ちになってほしいな。なので、まだ読んでないという方は、映画を観てから読んで欲しいです。私は脚本を読んで、度肝を抜かれましたし、人間はこういう風に愛を作っていくのだなと不思議な気持ちになりました。

そうですね。本作はあまり情報を入れずに、フラットに観に行って欲しいなと思ってます。撮影で特に印象に残ってるシーンを1つだけ挙げていただけますか。

石井 たくさんありますが、私が素に戻ったのは、保健室でお汁粉の話をしている時の大志くんがすごい面白くて(笑)。

中川 監督がカットを全然かけないから、ずっと喋ってたんですよ。

石井 アドリブで。あれはキツそうだった。

中川 キツかった! あと、おはぎを顔面に喰らうシーンがあるんですけど、結構、難易度が高くて。何回もやったんですよ。

石井 そうそう。しかも、硬いんだよね。

中川 「おはぎ、案外、固ぇ」みたいなセリフもあったんですけど、おはぎ、痛いんですよ、まじで!あのシーンは好きですね。そのあと、尾崎妹(清原果耶)がガムを捨てるのに使ったティッシュくれてね。ああいうシュールな場面をやりすぎず、やらなさすぎず、どうやるか。その瀬戸際を攻めるのが楽しかったです。

清澄の家でお汁粉を食べるシーンも面白かったです。もっと観ていたかったくらい。

石井 あのシーンも長かったんです。

中川 すごく長かった。ほんとに1シーン10ページ以上とかざらにあって。結構、長回しでやってました。

砕け散るところを見せてあげる 中川大志 石井杏奈 WHAT's IN? tokyoインタビュー

重くシリアスなテーマを扱ってるけど、日常の会話では思わずクスッとしてまうようなやりとりも多くて。その匙加減が抜群でしたね。

中川 そうですね。二人の会話もそうなんですけど、ひと言しか喋らない尾崎姉(松井愛莉)が尺を食ってたり、誰も突っ込んでくれない時間が続いてたりもして。そういうシュールな時間がやってて楽しかったですね。

二人のコメディ作品も見たいです。

中川 僕はもうコメディのつもりでやってました。

石井 あはは。強いな!

(笑)。完成した作品をご覧になってどう感じました?

中川 僕の全体的な印象はカッコよく仕上がったなって感じですね。言語化できないような抽象的なものも映像としてカッコよく描かれていたと思いますし、時系列の崩し方もお洒落でカッコよかった。映画として、様々な要素がギュッと詰まった、クオリティーの高い作品になっているし、そんな作品に参加できてよかったなって思います。

石井 すごく壮大なラブストーリーであり、ミステリーであり、ヒューマンドラマでもあって。全部が、受け止められないくらい壮大だったなという印象です。

化けるためにも常に染まれるようになりたいなと思う(石井)

砕け散るところを見せてあげる 石井杏奈 WHAT's IN? tokyoインタビュー

劇中で玻璃は清澄に救われますが、ご自身の人生で救われたなっていうエピソードはありますか。

中川 僕は同級生ですね。小学生からこの仕事をしていて、仕事の現場と学校を行ったり来たりだったんですけど、僕を色眼鏡で見ずに、ただの同級生として接してくれてたんです。当時、よく「学校と仕事でオンオフを切り替えてますか?」って聞かれてたんですけど、学校に行けば、僕はただの学生に戻れるので、自然に切り替われていました。それは同級生のおかげだし、すごくありがたいことでもあって。友達に恵まれてたなって思いますね。

石井 私は、仕事と学校を両立しないとならない中学生の時に、学校も行きたくないし、仕事も嫌だ、みたいな時がありまして(苦笑)。反抗期でしたし、自分の中でもモヤモヤした状態が続いていた時に、母から「じゃあ、どっちかやめろ」と、きつい言葉で怒られました。その時に、泣きながら「どっちもやる!」と言って今に至るのですが、当時、そういう風にきついことを言われていなかったら、きっと今でも中途半端だったなと思っています。その時は、腹も立ちましたし、対抗心が剥き出しになってしまっていたのですが、今になって振り返ると、あの時の渇が人生を左右したなと思います。

砕け散るところを見せてあげる 中川大志 WHAT's IN? tokyoインタビュー

玻璃は清澄を「ヒーローみたい」だと思い、清澄は「本当のヒーローになる」と心に誓います。お二人のとってのヒーローは?

石井 お母さんかな。自分の将来像は、お母さんみたいなお母さんになりたいなと思ってて。私、4人兄弟がいるのですが、4人だからといって、愛が偏ったなと思うこともなく、友達のような感じで接してくれるんです。そういう、ふざけたというか、おかしなお母さんなので(笑)、自分の子供とずっと等身大で立てるような人になりたいなと思います。

中川 僕は、スパイダーマンですね(笑)。初めて映画を見たのは幼稚園の頃だと思うんですけど、主人公が蜘蛛に刺されるだけなので、もしかしたら自分もなれるかも? って思わせるじゃないですか。お父さんにスパイダーマンのマスクを玩具屋さんで買ってもらって、それを被ったまま幼稚園に行ったら、無茶苦茶怒られましたけど(笑)、小さい頃からすっごい好きですね。

あはは(笑)。では最後に、劇中で語られる「ヒーローの三箇条」にかけて、それぞれの「役者の一箇条」を教えてください。

中川 映画やドラマは基本的には作り物ですが、それをいかに“本当っぽく”ではなく、”本当”にできるかです。だから、まず台本を読んだときに、自分の経験や記憶から似た感覚を引っ張ってくるんですね。例えば、誰かを殺しちゃう役であれば、自分にとって殺したいものはなんだろうって考えて……ゴキブリとか。

石井 あはは。ゴキブリ!

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中川 本当にそういうことなの(笑)! 自分の感情に嘘があってはいけない。それは常にテーマですね。だから、自分のことを知っておくというのがとても大切だなと思ってます。自分がどんな時に腹が立って、どんな時に嬉しくなって、どんな時に涙を流すのか。自分の経験をちゃんと積み重ねていかないといけないなと思ってます。

石井 私は染まりたいなと思っています。この作品だったら、玻璃に染まること。現場の風景に馴染みたいですし、役柄にちゃんと染まりたい。東京で生まれ育った自分が、どこかで生まれた役を演じる時に、そこに馴染んだり、染まらないとリアリティが出せない。化けるためにも常に染まれるようになりたいなと思います。

中川大志:スタイリスト / 徳永貴士 ヘアメイク / 堤紗也香
石井杏奈:スタイリスト / 粟野多美子 ヘアメイク / 内田香織

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中川大志

1998年、東京都生まれ。近年の主な出演作に映画『坂道のアポロン』(18)『虹色デイズ』(18)、連続テレビ小説『なつぞら』(19/NHK)ドラマ『G線上のあなたと私』(19/TBS)『親バカ青春白書』(20/NTV)などがある。2021年公開予定の映画『FUNNY BUNNY』『犬部!』に出演。2022年のNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』への出演も決定している。

オフィシャルサイト
https://www.stardust.co.jp/section3/profile/nakagawataishi.html

オフィシャルInstagram
@taishi_nakagawa_official

石井杏奈

1998年、東京都生まれ。「E-girls」のパフォーマーで女優としても活躍。近年の主な出演作に映画『四月は君の嘘』(16)『心が叫びたがってるんだ。』(17)、ドラマ『チア☆ダン』(18/TBS)、配信ドラマ『東京ラブストーリー』(20/FOD)などがある。出演映画『ホムンクルス』が現在公開中。

オフィシャルサイト
https://www.ldh.co.jp/management/ishii_anna/

オフィシャルInstagram
@anna_ishii_official

フォトギャラリー

映画『砕け散るところを見せてあげる』

4月9日(金)新宿ピカデリー、イオンシネマ他にて全国公開

出演:中川大志 石井杏奈 井之脇海 清原果耶 松井愛莉/北村匠海 矢田亜希子 木野 花 原田知世 堤真一
監督:SABU
原作:竹宮ゆゆこ『砕け散るところを見せてあげる』(新潮文庫nex)
主題歌:琉衣「Day dream ~白昼夢~」(LDH Records)
配給:イオンエンターテイメント
映倫:PG12指定作品

オフィシャルサイト
https://kudakechiru.jp/

©2020 映画「砕け散るところを見せてあげる」製作委員会