LIVE SHUTTLE  vol. 441

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UVERworld TAKUYA∞生誕祭 密着リポート! バンドが踏み出した未来への一歩と新たなる「音」のメッセージ

UVERworld TAKUYA∞生誕祭 密着リポート! バンドが踏み出した未来への一歩と新たなる「音」のメッセージ

これまでだったら当然のごとくスタンディングブロックとなっていたセンター席には椅子が並べられ、アリーナ席、スタンド席もすべて1席おきの着席。新型コロナウイルス感染症対策のガイドラインに徹底して則った目の前の光景は、UVERworldのライブとしてはかなり異質だが、それでも場内に足を踏み入れた途端、真っ先に込み上げてきたのは“帰ってきた!”という安堵と昂揚が入り混じったような、なんとも言えない感覚だった。一介のライターに過ぎない筆者でさえそう感じるのだから、メンバー、そしてここに集ったCrew(※UVERworldファンの呼称)の心の内はどれだけたぎっていることだろう。待ちに待ったツアー、加えてボーカル・TAKUYA∞のバースデイとなれば、それは想像するに余りある。そう、今回はツアーだ。2020年11月5日、Zepp Tokyoにて実に257日ぶりの有観客ライブを大成功に収めたUVERworldが次に挑むのは有観客ツアー、それも規模を一気に拡大したアリーナツアー、そのタイトルも“UVERworld ARENA LIVE 2020”。12月20日、神奈川県・横浜アリーナからスタートし、東京都・日本武道館、福岡県・マリンメッセ福岡と3ヵ所5日間で、しかも全日昼夜2公演・トータル10公演を敢行するというバンドにとっても初めての、ある意味、無謀とも言える試みだ。筆者が訪れたのは横浜アリーナ2日目、“TAKUYA∞生誕祭”と銘打たれた12月21日の夜公演。数々の伝説を打ち立ててきた、もはやUVERworldのホームとも呼びたいこの会場で、そして4連続公演のひとまず締めくくりとなるこのステージで、6人はどんなメッセージを届けてくれたのか。コロナ禍という困難の渦中で彼らが見出だし、我々にその身で実証してみせた新しいライブの在り方をここにレポートしよう。文末には終演後に直撃したTAKUYA∞のコメントも掲載、彼らが踏み出した未来への一歩とは果たして。なお、本公演は12月25日18:00から12月29日まで、ライブ動画配信サービス「PIA LIVE STREAM」を通じて期間限定配信された。

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UVERworldは次のフェイズに入ったのだと確信する

ステージ上の巨大なLEDスクリーンに浮かぶデジタル時計の表示が開演時刻まで1分を切ると、一斉に拍手が起こり、30秒を切ったときには盛大なハンドクラップに変わった。客席ではマスク着用が義務づけられ、みだりに声を発することも禁じられているが、歓声を上げられなくともオーディエンスから立ちのぼる熱量は変わらない。いや、むしろ一段と高まっているのではないか。そして19時きっかり浮かび上がる“UVERworld SPECIAL LIVE”の文字。暗転した場内に響き渡るのは真新しいSEと先陣切って現われた真太郎のドラムソロ、さらに誠果のサックスがそれと掛け合う。このオープニングだけでもUVERworldのニューモード突入を充分に予感させるが、目を見張ったのは2人の演奏が止んだ次の瞬間のこと。LEDスクリーンがゆっくりと上がると、そこには横一線で並ぶ彰、TAKUYA∞、信人、克哉の姿があった。なんという登場感! 派手に花火を打ち上げるのとは違う、彼らの存在そのものに圧倒されるような、ひと回り大きな迫力を感じさせる。ステージに4人が降り立ち、最初に繰り出されたのは「Making it Drive」。Crewの興奮を内側からじっくりと温めて、いっそうの高みに誘ってゆく。「今日は本来、みんなが歌っていたところも全部、俺が歌ってあげるから楽しもうよ」とTAKUYA∞が呼びかけてなだれ込んだ「stay on」ではコーラスパートになるとメンバーもマイクに向かって声を重ね、歌えないCrewのぶんもカバー。2番では息の合ったパーカッションワークでオーディエンスを腹の底から鼓舞させる。

「誕生日は祝わってもらう側が祝ってくれるほうを幸せにする日。そう思いながらUVERworld、毎年メンバーの誕生日には生誕祭をやってます。今日もみんなが喜んでくれるような曲をたくさん持ってきたんだけど、そのなかでも特に聴いてほしいなと思っていた新曲を」

そう告げたTAKUYA∞は「どんなに不自由でも心だけは自由であるべき」と言葉を続け、タイトルコール。新曲「HOURGRASS」がライブ序盤にして早くも披露された。2021年3月12日に全国公開される映画『ブレイブ-群青戦記-』主題歌ともなっているこの曲、ミディアムテンポでスケール感に溢れたアンサンブルが歌詞に綴られたTAKUYA∞のメッセージを乗せて切々と聴く者の胸の奥深くに迫りながら、同時にその肩を優しく力強く包み込んでくれるかのようで、その格段の包容力にやはりUVERworldは次のフェイズに入ったのだと確信する。

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TAKUYA∞の生誕祭に華を添えるべく、AK-69、愛笑む(徳川eq.)がサプライズ参戦

自身のMCコーナーでは、声を出せないCrewに「メンバーが問いかけたら拍手とか頷きとかで反応をくれると、それだけでホントにうれしい」と語りかけ、「TAKUYA∞くんの誕生日ということで、本来なら3密どころかものすごい密だし、みんな、自分の言葉でTAKUYA∞くんに“おめでとう”と言いたいと思うけど、今日はその気持ちを大きな拍手で表わしてもらっていいですか」と促して割れんばかりの拍手をTAKUYA∞に贈る真太郎。TAKUYA∞は「どうにかして最高の夜を俺たちが演出するよ。声を出してはいけないルールは守るべきだと思うし、守ってるみんなはカッコいい」とCrewを称えつつ、今日のために名古屋から駆けつけたヒップホップ界のキング、AK-69を呼び込んだ。「ハッピーバースデイ! 愛する兄弟のために参上!」と颯爽とやってきたAK-69とTAKUYA∞の、マイクとマイクで交わす本気のバトル、演奏されたのはもちろん「Forever Young feat.UVERworld」だ。前半戦でこんなにビッグなサプライズが投下されようとは思いもよらなかったが、UVERworldからのプレゼントはこれだけに止まらず、続いてこちらも名古屋から、愛笑む (徳川eq.)が登場。これまた新曲「来頂江」を疾駆感たっぷりに歌い上げるという驚喜のタッグで場内を大いに沸かせるあたり、まさに「誕生日は祝ってもらう側が祝ってくれるほうを幸せにする日」の言葉に偽りはない。ちなみに、この日はまだ明かせないが「来頂江」にはもう一人ボーカリストが参加しているのだという。2020年はライブができないぶん、集中して制作に時間を注いでいたUVERworld。きっとこれまで以上の進化を遂げているに違いない。早くその全貌を知りたい気持ちでいっぱいになってしまう。

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「そもそも俺は速く走るために走ってんじゃねぇぞ! 今日みたいな日に、ここぞという日に、全力で、ライブ4本ぶち抜けるように走り続ける!」(TAKUYA∞)

ステージ中央に張り出したスペース、通称“でべそ”に6人がぎゅっと集まって「GO-ON」「Don’t Think.Feel」とアグレッシブナンバーを畳み掛けて突入した中盤戦。1年で1日、誕生日を迎える深夜だけはCrewも一緒に走っていい日としているTAKUYA∞だが、今年はコロナ禍でそれもできず、どうしようかと思っていたところ東京マラソン財団の厚意により貸し出されたアプリ「ONE TOKYO APP」を使ってバーチャルランを開催できたこと(ただし女性Crewは危険なため、別のアプリでTAKUYA∞を応援)を報告。「オマエがどれだけ速く走ろうが、俺は8年間走り続けてるんだよ。走りの重さと走った距離は絶対ぶっちぎれねぇからな。そもそも俺は速く走るために走ってんじゃねぇぞ! 健康のため、ダイエットのためでもねぇ! 今日みたいな日に、ここぞという日に、全力で、ライブ4本ぶち抜けるように走り続ける!」と高らかに声を張り、歌い上げた「PRAYING RUN」のなんと刺さってくることか。“Lalala run…”とコーラスする克哉と彰がそろって右手を突き上げている光景にも胸が熱くなる。かと思えば、「自分の大好きな音楽を求めてくれてる人たちの前で歌える幸せ。なんか俺、一人でしゃべくり倒して終わっちゃいそうだけど。何かないの?」と信人に近づき、「しゃべりたそうな顔してるくせに、どうせマイク渡したら何もしゃべれないんだろ?」とイジっては克哉も加わってのわちゃわちゃトークを繰り広げる一幕も。

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この日に合わせて婚姻届を出したというカップルのために、最上級のラブソングを用意

最初のハイライトはここまでの4公演で初めて演奏された「THE OVER」だろう。TAKUYA∞の誕生日を結婚記念日にと、この日、婚姻届を出して横浜アリーナにやってきたカップルがいるらしいと聞きつけたTAKUYA∞が、本当にいるならその人たちのために歌いたいと密かに用意していたのだという。それを隠してステージから「ホントにいる? いるなら拍手して」と呼びかけるとなんと2組も! そこで曲を用意していることを告白、「君の好きなうた」との2択から、その他のCrewも一緒になって選ばれたのが「THE OVER」だったのだが、これがもう沁みて沁みて仕方がなかった。愛する人とともに人生を歩むこと、何があろうとも手を離すことなく最後まで君を守り、すべてを超えて想い抜くと誓う、UVERworldのなかでも最上級に位置する大きな大きなラブソング。新曲「Teenage Love」から「ConneQt」と立て続けにバラードを披露して、そのとどめに「THE OVER」とはあまりに容赦がないではないか、いい意味で。

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できないことをただ無策で受け入れるのではなく、どうすればもっと楽しめるもの、喜び合えるものになるのかを諦めず探し求める情熱と強さ

インストナンバー「Spreadown」から後半戦はもはや天井知らずの盛り上がり。出せないのは声だけで、全身を使って音楽を味わい、分かち合う客席のムードは最高潮を極めていく。その頂をマークしたのは、やはり「IMPACT」だった。スマホでつながる音楽コラボSNS「nana」とのコラボレーション企画として事前にCrewたちの歌声を募り、それを編集した音源が演奏のスタートと同時に流れ出した瞬間のえも言われぬ快感。「いい声だな、おい! オマエの声だろ? 君の声だろ? これでいつも通りだ!」と叫ぶTAKUYA∞の嬉々とした表情、メンバーも心底うれしそうだ。できないことをただ無策で受け入れるのではなく、どうすればもっと楽しめるもの、喜び合えるものになるのかを諦めず探し求める情熱、果敢に実行する強さをこの日のライブから教えられた気がする。配信ライブでは一度もセットリストに並ぶことがなかった「IMPACT」。ステージと客席、生身と生身で放ち合う熱がこの曲を完成させる。Crew渾身のクラップと想いを託した声の集積が、コロナ禍にあってもライブはライブとして成立しうることをしっかりと証明してみせた。

「音楽家である以上、いつかこれ以上ない、この1曲が自分にとって世界でいちばんの1曲だっていうものをやっぱり作りたいって思うんだよ。そう思ったとき、いちばんに大事にしなきゃいけないのは、特定の友達たちではなくて不特定多数の、俺の夢のために一緒に俺たちの音楽を聴いてくれたりする人たちだと俺は思ってるのね。友達が聞いたら寂しいと思うかもしれないけど、そんなことない。だって友達は会わなくなったからって、いなくなるものじゃないから。だから俺は今日、いちばん大事にすべきものをちゃんと守りきれた、しっかりと全うできたんだなって思ってます。ありがとう」

ラスト1曲を前に、TAKUYA∞はそう言った。「不満を言うヤツはどんなに満たされてても言う。かっこいいヤツ、すげぇヤツっていうのは決められた範囲のなかでちゃんと自分の世界を作るんだ。今日の「IMPACT」、あれは俺たちが作ったんだよ。できる範囲のなかで楽しんだんだよ。それは俺、かっこいい姿勢だと思う」とも。彼が口にした“俺たち”とはUVERworldとCrew、そしてスタッフも含めたかけがえのないチームのことだ。

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これほどに途方もないスケール感をたたえているのかと心震え、涙腺が緩んだ

チーム一丸となって作り上げた最高の夜を締めくくったのは「EN」、またしても新曲だった。この世の真実をてらいなく暴き、突きつけるリリック。悲しみと慈しみを綯い交ぜにして、それでも前に進むエネルギーを宿した朗々たるサウンドが横浜アリーナを丸ごと希望へと導く。それは誰かに与えられるものではなく、自分でつかみ取るものだと、一人ひとりの背中を押し、魂を揺さぶりながら、どこまでも果てなき高みへと引き上げていく。今のUVERworldはこれほどに途方もないスケール感をたたえているのかと心震え、涙腺が緩んだ。最初の登場シーンに圧倒された理由が少し分かった気がした。

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それにしても4公演ぶっ続けとは思えないくらいに6人が6人、最後の最後までパワフルに音を、歌を、響かせていたことは瞠目に値する。その後、毎年のクリスマス恒例となった12月25日の東京都・日本武道館公演、12月30、31日の2日間に渡って行われた福岡県・マリンメッセ福岡公演と、ツアーファイナルに至るまで彼らの勢いは失速するどころか、むしろいや増していったことを思えば、やはり音楽の力というのは途轍もない。未曾有の事態に見舞われた2020年を彼ららしいやり方で駆け抜け、2021年もUVERworldならではの道を模索し、果敢に突き進んでいくのだろう。今日聴いた新曲はその先を照らす光となるに違いない。

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明るい達成感に満ちる横浜アリーナのバックステージにてTAKUYA∞に終演直後の心境を聞いた。

「こんな年もあってよかったとは絶対に思わないですけど、いろいろとルールがあるなかで、ちゃんとやりたいライブがやれたなって。それはすごくよかったです」

新曲がどれも素晴らしかったです。

「ありがとうございます。とにかく今回のツアーには絶対に新曲をたくさん持っていきたいと思っていたんですよ。むちゃくちゃ自信がありますね。「EN」なんてもう、ここにきてヤッバい曲ができてもうたな、と。みんなの前で演奏できて、最高でした」

UVERworldがまた新たなモードに突入したことを感じさせてもらえるライブでした。

「消費されていくんじゃなく、しっかり更新していけたらと思ってます。急にバーンと変わるのではなく、自分たち自身も飽きひんように常にアップデートしていけたら」

まだ3日間6公演が残っていますが、この連続4公演を終えてみて、いかがですか。

「これができたら、もう怖いもんないなと思いました(笑)。考えてみれば毎年この時期、ライブのスケジュールはヤバいことになってるんですけど、ちゃんとクリアできてますしね。頑張ります!」

撮影 / ヤマダマサヒロ 取材・文 / 本間夕子

UVERworld ARENA LIVE 2020
TAKUYA∞生誕祭
2020年12月21日(月) 神奈川県・横浜マリーナ

〈SET LIST・夜公演〉
01.Making it Drive
02.stay on
03.ODD FUTURE
04.ROB THE FRONTIER
05.HOURGLASS(新曲)
06.Forever Young(Guest:AK-69)
07.来頂江(新曲/Guest:愛笑む(徳川eq.)
08.GO-ON
09.Don’t Think.Feel
10.PRAYING RUN
11.Teenage Love(新曲)
12.ConneQt
13.THE OVER
14.Spreadown
15.Touch off
16.IMPACT
17.AFTER LIFE
18.EN(新曲)

ライブ情報

※詳細は公式サイトなどでご確認ください

UVERworld(ウーバーワールド)

滋賀県出身の6人組ロックバンド。TAKUYA∞(Vocal)、克哉(Guitar)、彰(Guitar)、信人(Bass)、真太郎(Drums)、誠果(Sax,Manipulator)からなる滋賀県出身のロックバンド。
バンド名は“自分たちの世界を超えて広がる”というドイツ語を変形させたUVERとworldから名付けられた。2005年に「D-tecnoLife」でメジャーデビュー。2008年に発表した12thシングル「儚くも永久のカナシ」で初のシングルウィークリーランキング1位を獲得。同年11月には初の東京ドーム公演を実現した。デビュー以降サポートメンバーだった誠果が2014年3月、正式メンバーとして加入し6人編成となり、同年7月に開催した京セラドーム大阪公演を成功させた。2019年12月4日に10枚目のオリジナルアルバム『UNSER』をリリースし、初のアルバムウィークリーランキング1位に。12月20日には東京ドームで前代未聞の男性限定ライブ「男祭り」を45,000人のソールドアウトで動員するという偉業を達成した。
そして2020年、結成20周年&メジャーデビュー15周年を迎え、3月4日に映画『仮面病棟』主題歌「AS ONE」をリリース。さらにはYouTubeメンバー公式チャンネルを開設や、結成記念日とメジャーデビュー記念日に無観客配信ライブを実施するなど、様々なトピックスを発信している。

UVERworldオフィシャルサイト
https://www.uverworld.jp

UVERworld Official YouTube Channel
https://www.youtube.com/user/uverworldSMEJ/

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