Interview

初参加の押田 岳&新加入した多和田任益&総合演出を手がける伊藤今人が、梅棒の“挑戦”を語る。2月上演の梅棒11th STAGE『ラヴ・ミー・ドゥー!!』に向けて

初参加の押田 岳&新加入した多和田任益&総合演出を手がける伊藤今人が、梅棒の“挑戦”を語る。2月上演の梅棒11th STAGE『ラヴ・ミー・ドゥー!!』に向けて

梅棒が新たなステージへと突き進む。
演劇のようなストーリー性ある物語を、キャッチーなJ-POPに乗せて、ダンスで表現するハイブリッドエンターテインメント集団・梅棒。台詞はないのに、ちゃんと伝わるエンタメ性の高いパフォーマンスが、今、世代を問わず多くの人々を熱狂させている。
その最新作が、梅棒11th STAGE『ラヴ・ミー・ドゥー!!』だ。新メンバーである多和田任益、そして客演に『仮面ライダージオウ』の押田 岳を迎え、幼馴染みの男女3人の友情劇を、熱く、楽しく描き出す。
さらにパワーアップした梅棒がどんなステージを見せてくれるのか。「新しい挑戦」と意気込むリーダーの伊藤今人を加え、多和田、押田の3人で、『ラヴ・ミー・ドゥー!!』に向けた想いを語ってもらった。

取材・文 / 横川良明 撮影 / 青木早霞(PROGRESS-M)


新しい梅棒を目指していきたい

梅棒もついに第11回公演。今回から、新たに多和田さんがメンバーに加わり、またひとつ次のステージという感があります。

伊藤今人 そうですね。僕らは30(歳)過ぎてから劇場に進出して、8年かけて第10回公演まで辿り着いて。ひとつの節目を迎えた反面、“こういうのだったら梅棒っぽいかな”みたいなものが僕らの中で出来上がってきた感じがあったので。何か違うことに挑戦して、新しい梅棒を目指していきたいなという想いが、この第11回公演にはあります。

多和田任益 僕は前回(2019年・梅棒EXTRAシリーズ『ウチの親父が最強』)は客演で呼んでいただいて。そのときから皆さんにはすごく良くしていただいて、心地の良い関係性だったんですけど。メンバーとなった今は今で毎週、梅棒会議があって、リモートなので画面越しなんですけど、皆さんと話をする機会が増えたことで、より人柄を知れたというか。この方はこういう繊細なところがあるんだとか、この方はこういう豪快なところがあるんだとか。そういうことを知っていく日々がすごく楽しいです。

梅棒11th STAGE『ラヴ・ミー・ドゥー!!』 伊藤今人 WHAT's IN? tokyoインタビュー

伊藤今人

毎週、会議をやってるんですか。

多和田 これ、言って大丈夫でしたか?

伊藤 全然全然。“週5ぐらいでやっている”と言ってもらっても構わない。

多和田 それはやりすぎ(笑)。

梅棒11th STAGE『ラヴ・ミー・ドゥー!!』 多和田任益 WHAT's IN? tokyoインタビュー

多和田任益

じゃあ、そこで多和田さんもアイデアを出したり?

多和田 新人ってなかなか発言できないのかと思っていたんですけど、梅棒って本当にひとりひとりの意見を汲んで、みんなで考えてGOを出していく団体なんですよ。だから、皆さんの方から「どう?」って振ってくださることも多くて。まだまだですけど、僕なりに思うこととかがあれば言ったり、今人さんにこっそりLINEしたり、地味にやっています。

伊藤 多和田からはキャスティングの部分でアイデアを借りることが多いですね。梅棒は小劇場の出身やダンス畑の人間が多いので、大きい舞台やテレビの経験もある多和田の方がよりいろんな人たちと関係性を持っている。「この役に向いている子いないかな?」というときとか、よく頼りにしています。

梅棒11th STAGE『ラヴ・ミー・ドゥー!!』 押田 岳 WHAT's IN? tokyoインタビュー

押田 岳

もしかして今回の押田さんのキャスティングも?

伊藤 そうなんです。

多和田 がっくん(押田)の役がワイルド系の男の子で。誰が合うだろうと考えたときにパッと浮かんだのが、がっくんでした。『仮面ライダージオウ』で共演させていただいたというのもありますが、その前から一方的に仮面ライダーゲイツが僕の推しで(笑)。人柄も気持ちいいし、ガッツのある子だから、絶対今人さんも好きだろうなとピンときたんです。

押田さんが踊れることは前からご存知だったんですか。

多和田 『ジオウ』の現場に入る前に「どういう子なんだろう?」と勝手に調べていたら、がっくんのダンス動画を見つけて。その印象もあったので、がっくんの名前を挙げたら、今人さんを筆頭にみんなが「いいね」って言ってくださって。当たって砕けたらしょうがないぐらいの気持ちだったんですけど、言って良かった〜と思いました(笑)。

押田 岳 ありがたいです。ダンスは好きでずっとやっていたんですけど、まさか仕事としてステージで踊る機会がくるとは思っていなかったので。しかもそれが一度共演した多和田さんからというのも嬉しかったですし、梅棒さんのことはダンスをやっているときから知っていたので、本当に光栄です。

梅棒11th STAGE『ラヴ・ミー・ドゥー!!』 伊藤今人 多和田任益 押田 岳 WHAT's IN? tokyoインタビュー

梅棒のことはご存知だったんですね。

押田 そうですね。関東大学学生ダンス連盟Σという団体があって、そこのステージに梅棒さんが出ているのを観ていて。アマチュアの学生として踊っていた僕からすると、梅棒さんはまさにプロのダンサー集団。こっちが勝手に知っている存在だったので、まさか一緒の舞台に立てることになるとは当時はまったく考えてもいなかったです。

ダンスで2時間くぎづけにできるのが梅棒のすごさ

まだ梅棒を知らない読者に向けて、ぜひ梅棒の魅力を伝えていただければ。

多和田 僕が梅棒を初めて観たのは、2018年の梅棒8th SHOW『Shuttered Guy』で。世田パブ(世田谷パブリックシアター)の2階席の一番後ろで観たんですけど、初めてこうしたくなったんですよ(と、オペラグラスを覗き込む仕草をする)。

一同 (笑)。

多和田 踊りは引きの画で見たいんですけど、同時にそれぞれの表情も見たくて。あんなに熱が上がったのは、あれが初めて。いつもオペラグラスで舞台を観てくださっているファンの皆さんの気持ちが、あのとき初めてちゃんとわかった気がします(笑)。

押田 わかります。ダンスだけじゃなく、表情とか、こっちで今こういう動きをしているけど、後ろでこの人は何をやっているんだろうとか、すごい細かいところまで気になるんですよね。

多和田 そう! 梅棒は踊りが好きな人が観てもお芝居が好きな人が観てもマジで楽しめるなって、初めて観たときに思ったんですよ。ダンスもお芝居も両方好きな僕にとっては、まさにドンピシャ! 言葉がなくても伝わるってこういうことなんだということを体現している団体だし、エンタメの真骨頂という印象があります。

押田 ダンスカンパニーのショーケースって、ダンスを好きな人が観たら、こんな細かい音のとり方をしているのとかがすごいっていろいろ楽しめるんですけど、ダンスを知らない人が観たら、正直どう楽しんでいいかわからないことってあると思うんですね。でも、梅棒さんはダンスだけなのに、2時間近い時間、お客さんをくぎづけにできる。そこは本当に素晴らしいなと思います。

多和田 老若男女に愛される舞台をつくっている団体だなって思います。客席を見ても、若い女性の方もいればお父さんお母さん世代の方もいるし、子供もいる。あとは、僕とがっくんに共通することで言うと、特撮好きの方にもめちゃくちゃ刺さると思います。表現に通じるところがあって、ヒーロショーが好きな人が観ても超ドンピシャのはず!

押田 たしかに!

多和田 J-POPの懐かしい楽曲もあれば流行りの楽曲もあって。ダンスの良さもわかるし、お芝居の良さもわかる。笑って、泣けて、こんなにハッピーな気持ちになって家に帰れるのって梅棒くらいだと思います!

押田 そんな舞台に参加できるのはすごく嬉しいですし、気合い入れなきゃというのが率直な今の気持ちですね。

梅棒11th STAGE『ラヴ・ミー・ドゥー!!』 多和田任益 WHAT's IN? tokyoインタビュー

観ているこちらは本当に楽しい気持ちでいっぱいになるんですけど、やっている側は体力的には相当ハードだろうなと思います。

多和田 それが、僕は前回やったときに大変だった記憶がまったくなくて。とにかくずっと楽しかったんですよ。その年の現場で一番楽しかったのが梅棒だった。あの楽しさには勝てないと思ったし、だから自分も入りたいって思ったんです。

伊藤 多和田はまだ若いからいいけど、ほかはみんな30オーバーですからね。正直、終演後は毎公演コナゴナになっています(笑)。実は踊っているときの方がセーブの仕方を心得ているぶん、まだラクで。大変なのは、「おい!」「お前!」「早く!」「何やってんだよ!」みたいなアクトをやっているとき。これは舞台袖に戻ってくるなり倒れ込むヤツもいるぐらい、めちゃくちゃ疲れる(笑)。最近は、終演直後に氷水が入っているでっかいバケツに足を突っ込んでケアしないと持たないです。

梅棒11th STAGE『ラヴ・ミー・ドゥー!!』 伊藤今人 WHAT's IN? tokyoインタビュー

今回はメインロールの皆さんがお若いから、バリバリやってもらえますね(笑)。

伊藤 そうですね。前に立って作品を背負ってもらう3人にはその瞬間その瞬間で自分のフルパワーを出すところを狙い定めてやってもらえれば。ただ、体力的には稽古段階から相当しんどいとは思います。

押田 そこはもう飛び込んで慣れていくしかないですよね……。

伊藤 あとは稽古休みの日と舞台の休演日にほかの仕事を入れないよう事務所と交渉することかな(笑)。

押田 わかりました(笑)。個人的に、体力はある方なんで頑張ります!

梅棒11th STAGE『ラヴ・ミー・ドゥー!!』 押田 岳 WHAT's IN? tokyoインタビュー

押田さんはどんなジャンルのダンスをやってきたんですか。

押田 それがかじりすぎて。ストリートダンスなんですけど、ブレイクダンス、ポップダンス、ロックダンスと結構やっていて。

伊藤 役柄的にも、押田くんはヒップホップベースのダンスになると思います。それだけいろんなダンスを踊れるセンスや経験則があると、どんなスタイルがきても大丈夫だと思うので、踊りに関してはストレスを感じることはないんじゃないかと思いますね。

この顔のうるささを発揮できて嬉しい

梅棒と言えば表情豊かなダンスも見モノです。

多和田 そうですね。今まで「顔がうるさい」とずっと言われ続けてきたんで、やっとこの顔のうるささを発揮できて嬉しいです。(押田に)“顔がうるさい”とか言われたことある?

押田 どうなんだろう。「オーバーリアクションだね」と言われることはあります。

多和田 いいことですね、これは。

伊藤 けど、多和田でさえ梅棒の中では顔のうるささランキングは下位ですからね。

多和田 全然低いですよ。上には上がいるんで。

梅棒11th STAGE『ラヴ・ミー・ドゥー!!』 伊藤今人 多和田任益 押田 岳 WHAT's IN? tokyoインタビュー

ちなみに顔のうるささトップは誰なんでしょう……?

伊藤 飯野(高拓)という、顔のインパクトで戦っているヤツがひとりいるんですけど(笑)。

多和田 出てきただけで残りますもんね(笑)。

伊藤 梅棒はダンスの技術ではなく、顔のうるささで頑張ってきたところもあるんで(笑)。

押田 やばい。今の僕だとランキングには全然入らないと思います。圏外です(笑)。

じゃあ、ぜひ読者に向けて『ラヴ・ミー・ドゥー!!』の見どころをお願いします!

伊藤 お話としては、あることで離れ離れになってしまった3人の幼馴染みの人生が、年月を経て再びクロスするという内容でして。その3人となるオタクの男の子を多和田、暴走族の男の子を押田くん、そしてアイドルの女の子を新垣里沙さんに演じてもらいます。
当初は第3回公演の『男なら、やってやれ!!』(2014年)の再演の予定だったんですが、新しいことに挑戦したいと思っている今だからこそ、単純な再演にするのはやめようと。設定も現代的にアップデートして、表現の仕方もさらにアップデートした梅棒を観てもらえると思います。メインの男2人が多和田と押田くんというのも、今までの梅棒にはなかなかなかった組み合わせ。完全に絵が見えていないぶん、どんな作品になるかという楽しみもありますし、きっとこの2人なら僕らの期待を超えてくれるであろうと信じています。

梅棒11th STAGE『ラヴ・ミー・ドゥー!!』 伊藤今人 多和田任益 押田 岳 WHAT's IN? tokyoインタビュー

多和田 普段からオタクだと公言している僕としては、ちょっとジャンルが違うオタクではあるんですけど、やってみたいと思った役なので、役者の面でも念願叶ったという喜びがあります。“こいつがやるオタクが好きだ”と愛していただけるように役をまっとうしていきたいですね。それに、梅棒はほかの役にも視点を当てるとすごく世界観が広がる作品づくりをしているので、お客さんにはそれぞれの推しの役を見つけて、それぞれの視点で観ていただけたら、また全然違った印象になると思います。そんなふうに何回も観たいと思ってもらえる作品になるよう、僕もしっかり頑張っていきたいです。
あとは何より、梅棒に入って1発目の作品なので、僕を応援してくださっている方に向けて、この団体のこういうところが好きなんだ、こういうことを一緒にやっていくんだという決意表明の舞台でもある。自分のこれからの道を皆さんに示せる作品になれば嬉しいです。

押田 独自のスタイルをつくり上げてきた梅棒さんの作品に、こんなにも重要な役で参加させていただけることが本当に嬉しいです。きっと梅棒さんのファンの方からすると“誰だよ、こいつ”ってなっていると思うんですけど(笑)、そのイメージを覆せるようなパフォーマンスを見せたいですね。
あとは、役柄的にも多和田さんと新垣さんの3人の関わりがすごく重要になってくる作品だと思うので。それを僕の代表作である『仮面ライダージオウ』でご一緒させていただいた大先輩の多和田さんとできることが本当に心強いです。多和田さん、新垣さんの3人でつくり上げたものをさらにキャスト全体へと広げていって、2階席の一番奥のお客さんにまで届けられるよう精一杯頑張ります。

梅棒11th STAGE『ラヴ・ミー・ドゥー!!』

東京公演:2021年2月19日(金)〜2月28日(日)サンシャイン劇場
愛知公演:2021年3月6日(土)〜3月7日(日)ウィンクあいち
大阪公演:2021年3月11日(木)〜3月14日(日)COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール

<チケット一般発売>
東京公演:発売中(※SS席は完売)
愛知公演:2021年1月30日(土)AM10:00〜
大阪公演:2021年1月30日(土)AM10:00〜

作・総合演出:伊藤今人[梅棒]

出演:
伊藤今人、鶴野輝一、遠山晶司、塩野拓矢、櫻井⻯彦、楢木和也、天野一輝、野田裕貴、多和田任益[以上、梅棒]
押田 岳、新垣里沙、鎮⻄寿々歌、池田 遼[少年王者舘/おしゃれ紳士]、YOU
涼宮あつき[RAB(リアルアキバボーイズ)]、J[KoRocK/WEBER]、野元 空、えりなっち

公演特設サイト
梅棒オフィシャルサイト
梅棒OFFICIAL FANCLUB『ひのまる弁当』

伊藤今人(いとう・いまじん)

1983年1月14日生まれ、東京都出身。ダンスエンターテインメント集団「梅棒」代表。演出家、振付家、俳優、MCとして活動。梅棒公演外の近年手がけた作品には、宝塚歌劇団 星組『GOD OF STARS-食聖-』(振付)、2019 GReeeeN LIVE TOUR「GReeeeNと不思議の管〜配水の人〜」(脚本・演出・振付)、AKB48 Team8結成5周年記念コンサート「富士山麓エイト祭り2019」(振付)、嵐「夏疾風」(振付)、『家庭教師ヒットマンREBORN!』the STAGE(振付)、MANKAI STAGE『A3!』(振付)などがある。

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多和田任益(たわだ・ひでや)

1993年11月5日生まれ、大阪府出身。2011年に舞台デビュー。2020年8月に「梅棒」に加入。近年の主な出演作品には【舞台】「舞台 PSYCHO-PASS サイコパス Virtue and Vice 2」、舞台「文豪ストレイドッグス 序」太宰治の入社試験、「改竄 熱海殺人事件」モンテカルロ・イリュージョン、「天才てれびくん the STAGE ~てれび戦士 REBORN~」、「イノサン musicale」【映画】『ひだまりが聴こえる』、『手裏剣戦隊ニンニンジャー』シリーズ【TV】『仮面ライダージオウ』などがある。

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ニコニコチャンネル:「多和田任益のはねやすめ」

押田 岳(おしだ・がく)

1997年4月9日生まれ、神奈川県出身。2016年度JUNONスーパーボーイ・コンテストグランプリ受賞。2018〜2019年に『仮面ライダージオウ』にて明光院ゲイツ / 仮面ライダーゲイツ役を務める。近年の主な出演作品には【舞台】Air studioプロデュース公演『KEIKI~夏目漱石推理帳~』【映画】『死神遣いの事件帖-傀儡夜曲-』、Vシネクスト『仮面ライダージオウ NEXT TIME ゲイツ、マジェスティ』、『仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション』、『劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer』、『サムライせんせい』【TV】『社内マリッジハニー』、『オオカミくんには騙されない』、『ぼくは麻理のなか』などがある。

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