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ゼウスにツッコまれながら世界を救う!? 『イモータルズ フィニクス ライジング』ギリシャ神話の世界を舞台にしたオープンワールドの魅力

ゼウスにツッコまれながら世界を救う!? 『イモータルズ フィニクス ライジング』ギリシャ神話の世界を舞台にしたオープンワールドの魅力

『アサシン クリード』や『レインボーシックス』シリーズなど、大人気シリーズとして日本でも知名度のあるIPを数多く排出しているユービーアイソフト。オープンワールドというジャンルに意欲的な同社が新たに世に放ったのは、完全新作オープンワールドアクションファンタジー『イモータルズ フィニクス ライジング』(Nintendo Switch/プレイステーション5/プレイステーション4/Xbox Series X/XBOX One/PC)だ。

同社は、直近で大人気シリーズの『アサシン クリード ヴァルハラ』や『ウォッチドッグス レギオン』をリリースしている。同じオープンワールドというゲームジャンルでどのように差別化しているのか、世界観やストーリー、ゲームシステムなどの観点から本作の魅力的なポイントを紹介していく。

文 / 寺村一也


ギリシャ神話をベースにした、コミカルな世界観

本作の世界観を作り上げるうえでベースになっているのは、日本でも知名度の高いギリシャ神話だ。かの有名な雷神ゼウスによって封印されていた、邪悪で危険な怪物テュポンが復活し、暴虐の限りを尽くし始める。テュポンによって神々は力を奪われ、人々は石にされてしまった。困ったゼウスは、自身の手によって極寒の山頂に囚われているプロメテウスの元を訪れる。彼はゼウスに、主人公となるテュポンを打ち倒す人間・フィニクスの物話を語り始めるのであった――。

ここまでの紹介の通り、ストーリーはプロメテウスの語りとゼウスによるツッコミの中で進行していく、非常にユニークなものになっている。常に二人の掛け合いが天の声として聞こえ、時にはゼウスが気に入らないからという理由でストーリーが変更されたりするシーンも。少々メタ的な要素ではあるがコミカルで面白く、重苦しくなってしまいそうな展開も明るくしてくれる。

イモータルズ フィニクス ライジング WHAT's IN? tokyoレビュー
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▲プロメテウスは、火を盗んで人間に分け与えたことでゼウスの怒りに触れ、囚われている

イモータルズ フィニクス ライジング WHAT's IN? tokyoレビュー

▲唐突にスタッフロールが流れはじめたり、タイトルが出るタイミングにまでツッコミが入る始末。このようなノリが好きな人には非常に刺さると感じた

主人公フィニクスは、小競り合いひとつ経験したことのない、新米の盾持ち兵。故郷へ帰る航海の途中、船が嵐に襲われてしまい、本作の舞台である黄金の島に流れ着いてしまう。目を覚ましたフィニクスが目にしたのは、仲間や兄がことごとく石にされているという、恐ろしい光景だった。彼らを元に戻し、力を奪われた神々を救うべく、フィニクスはテュポンを倒すための広大な旅に出るのであった。

フィニクスの外見や性別は、自由にカスタマイズ可能だ。三人称視点かつムービーも多いゲームなので、フィニクスを客観的に見る機会はかなり多い。遊んでいて楽しくなるような、自分だけのフィニクスを作り出そう。なおストーリーを一定以上まで進行すると、再びカスタマイズできるようになるので、安心して外見を決定してほしい。

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▲キャラメイクでは女性の顔に髭を蓄えさせたり、男性のボディで女性声にするなど、できることは豊富だ。おおよそ人間ではない肌の色もある

イモータルズ フィニクス ライジング WHAT's IN? tokyoレビュー
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▲最初のキャラクリエイト時のみ、ゼウスの冴え渡る例えツッコミが聞ける。髪を緑にすると「ポセイドンが吐いたときこんな色だった」とつぶやくなど、散々な言われようである。著者は、銀髪と傷がトレードマークの女性でプレイを開始した

広大なマップを、自分なりの手段で駆け回ろう

本作において一番時間を使うのは、舞台となる「黄金の島」の探索だ。島のあちこちに配置されているのは、タルタロスの迷宮(ダンジョン)や宝箱、様々なチャレンジができる場所など、とにかくボリュームたっぷりだ。島の大きさ・面積はそれなりだが、ダンジョンや宝箱ごとの距離は近く、次から次へどんどん探索できる。

冒険では、これらの場所やストーリーの発生地点まで移動するわけだが、序盤で手に入る「ダイダロスの翼」で空を滑空したり、野生の鹿や馬などの騎乗可能な生物を手なずけて乗りこなしたり、ときには切り立った崖を登って目的地を目指す。空を飛んで景色を満喫ながら長距離を移動したり、崖を登るときはしっかりルートを決めてからチャレンジするなど、移動の工程自体も楽しめるように設計れているため、目的地までの移動がとにかく楽しい! ゲーム性は異なるが、筆者としてはコジマプロダクションの『デス・ストランディング』をプレイした時に似た高揚感が得られた。煩わしく感じやすい移動をどうするかはオープンワールドゲームの課題のひとつであるが、本作ではこういった点をしっかりクリアしている。なお、一度訪れた場所にはファストトラベルも可能だ。

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▲壁登りはスタミナが続く限り登っていられ、アイテムを使って途中でスタミナを回復できるというシステムが取られている。高くそびえたつ壁を際限なく登れるわけではなく、どう登るかのルート決めが重要だ

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▲スタミナの続く限り空を自由に滑空できる「ダイダロスの翼」は、使っていて非常に爽快。オープンワールドという点も相まって、壮観な景色が見れるはずだ

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▲騎乗できる野生生物は、気づかれないように後ろに忍び寄ると仲間にできる。なかにはレアな生物もおり、仲間にするのが難しい分、高い能力を持っている

ベーシックかつ選択肢の多い戦闘アクション

兄から受け継いだアキレスの剣やアタランテの斧、オデュッセウスの弓を手に入れ、身を固めるフィニクス。本作はアクションゲームであるゆえ、テュポンが送り込んでくる刺客やモンスターとは、これらを用いて戦闘を行う。操作はシンプルで、それぞれの武器に対応したボタンを押して攻撃する。とりわけ難しい操作はないが、敵の種類や距離に応じて適切な武器が異なるのが特徴的だ。

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▲素早い攻撃が特徴の剣は強力だが、盾を持った敵には攻撃が弾かれてしまう。このような場合は、一撃のダメージが大きい斧で敵の態勢を崩してから攻撃だ

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▲空を飛ぶ敵には、弓を使って攻撃だ。なお矢の所持数は時間経過で増えるので、積極的に使用しても問題ない

戦闘アクションをより奥深く楽しいものにしてくれる要素として、「回避」と「パリィ」がある。回避は、高速で移動して敵の攻撃を避け、攻撃が当たるギリギリのタイミングで避けられると周りの時間の流れが遅くなり、絶好の攻撃チャンスが訪れる。いっぽう、適切なタイミングで敵の攻撃をパリィ(ジャストパリィ)すれば、攻撃をはじき返し逆に敵をスタンさせられる。遠距離攻撃を跳ね返すことも可能だが、一部の強力な攻撃はパリィできない。

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▲どんな巨大な敵でも、ジャストパリィが成功すれば一瞬体制を崩せる。また、敵の体力の下にある青いゲージを減らすことができ、このゲージが0になるとスタンして隙だらけになる

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▲敵がパリィできない攻撃を繰り出す際は体が赤く光るので、うまく見極めて回避しよう

このように、戦闘においては多彩な選択肢が用意されているのが特徴的。また、敵の種類によって、弱点となる攻撃や適切なモーションが決まっているため、どう対処したらいいかわからなくなるような場面も滅多にない。徐々に敵の特性を見極めていき、うまく討伐できたときは非常に快感だ。

さらに、神々から与えられる「神の力」を手に入れると、強力な技を繰り出せるようになる。「神の力」は複数あるため、ゲームをある程度進行して徐々に解除していく必要があるが、それぞれが多彩な効果を持っていて、取得するたびにどんな効果があるのかワクワクさせられる。

イモータルズ フィニクス ライジング WHAT's IN? tokyoレビュー
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▲岩やオブジェを持ち上げて、敵に投げつける「ヘラクレスの力」や、様々な能力を持つ鳥「フォスフォル」を従えるなど、「神の力」には多種多様のものが用意されている。なお、フォスフォルは外見もカスタマイズできる

パズルを解くのに必要なのは、知識よりもひらめき!

ダンジョン・タルタロスの迷宮やミッションの各所では、パズルを解く機会が多くある。このパズルはかなり本格的に作られており、本作の大きなコンテンツのひとつだ。種類も多く用意されていて、飽きが来ないように工夫されている。特に知識が求められるようなものはほとんどなく、ひらめきさえすればクリアできるようなものがほとんど。まれに、ストーリーを進行している途中に行き詰まってしまうときがあるが、周りをよく見まわしてみると、どこかにギミックが隠されている場合がある。困ったら、ギミックが無いか探してみるといい。

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▲タルタロスの迷宮の中はパズルだらけで、解きながら最終地点まで進むことになる

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▲絵を揃えて完成させるパズル。4枚しかないから楽勝! と思いきや一筋縄ではいかず、なかなか悩まされた

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▲周辺にある真珠を揃えて、仕掛けを解除するパズル。真珠をひとつ確保するにも別のパズルを解く必要があるので、なかなか歯ごたえがある

本作はギリシャ神話を舞台にしたファンタジーという新しい題材をベースに、非常にやりごたえのある意欲作に仕上がっていた。ユービーアイソフトのどれとも違うシステムながらも、レベルの調整などは丁寧にされていると感じる。ストーリーで扱われるギリシャ神話の方も、知見があまりない人が置いてきぼりにならないようになっていて(実際、著者も詳しくは知らない)、どんな人でも楽しめる内容として完成されている。本稿を読んで少しでも気になった人は、プレイしてみてユニークなギリシャの世界に旅立ってみてほしい。

フォトギャラリー

■タイトル:イモータルズ フィニクス ライジング
■対応ハード:PlayStation®5/PlayStation®4/Nintendo Switch™/Xbox Series X/Xbox Series S/Xbox One/PC
※Xbox Series X/Xbox Oneはデジタル版のみ発売
■ジャンル:アクションアドベンチャー
■発売日:発売中(2020年12月3日)
■価格:通常版 6,980円+税/ゴールドエディション 12,000円+税
■プレイ人数:1人
■メーカー:ユービーアイソフト

『イモータルズ フィニクス ライジング』オフィシャルサイト
https://www.ubisoft.co.jp/immortals-fenyx-rising/

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