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“ムカチリコンボ”のワードにピンと来たら!『KAMEN RIDER memory of heroez』仮面ライダーW、オーズ、ゼロワンで遊び倒す

“ムカチリコンボ”のワードにピンと来たら!『KAMEN RIDER memory of heroez』仮面ライダーW、オーズ、ゼロワンで遊び倒す

有名なアニメや特撮作品などキャラクターを題材にしたゲームの昨今は、本気でタイトル愛を持つゲームクリエイターが「やっぱ、こういうのでしょ?」とファン心理をよく理解したうえで、自身の愛もぶつけて開発してくれているのがよくわかる作品がチラホラ出てきている。『KAMEN RIDER memory of heroez』は完全にこれに属するタイトルだ。むしろ『仮面ライダー』シリーズのマニアックなファンであればあるほど、思わず「え? まじ? こんなん使えちゃうの?」とか、思わず「こいつ、強い! くそー!」と悪態をつきながらもついつい続けてしまう……絶妙なゲームバランスとキャラクター愛がさく裂した作品と言えよう。そんな本作を『仮面ライダー』ファン歴49年、ゲーム歴42年、ゲームライター歴17年の筆者がここぞとばかりにガチでレビューする。

文 / 終末のバンギア・市野ルギア


『仮面ライダー』ファンとしての視点で見た魅力

本作は平成仮面ライダーのなかで『仮面ライダーW』、『仮面ライダーOOO』、そして令和の初代ライダー『仮面ライダーゼロワン』をクロスオーバーさせたアクションゲームだ。それぞれのライダーが持つ魅力的なフォームを、独自の“チェインアクション”システムを使ってフォームチェンジしながら敵をなぎ倒すのは爽快でしかない。Wとオーズのその後を描きつつ、ゼロワンの世界がクロスするというオリジナルストーリーが楽しめる作品となっている。
購入する方のほぼ9割が『仮面ライダー』シリーズのファンであることはまず間違いないであろう。それを踏まえて、未プレイのファンにとって本作を購入するかしないかの判断基準となるポイントを私なりにレビューする。要点は大きくふたつに分け、『仮面ライダー』ファンとゲームファン、それぞれの視点で行いたい。まずは『仮面ライダー』ファンとしての視点からお届けしよう。
『仮面ライダー』シリーズがゲームになるとき、その年の主役ライダーをテーマにしたゲームと、オールライダー系(歴代のライダーがいろいろ出てくるタイプ)をテーマにしたふたつに分かれる。今作はいままでとひと味もふた味も違っている。

KAMEN RIDER memory of heroez WHAT's IN? tokyoレビュー

▲本作で出てくる平成ライダーは、ファン人気も高い濃いメンバーが登場

まず主役であり、ストーリーのキーとなるライダーがWとオーズ。そして記憶も新しいゼロワンが登場する。登場作品を3作品に絞ったことは賛否両論分かれるかもしれない。しかし絞ったことにより、その作品の世界観をより一層深くゲーム内に取り込むことができている。ゲームが発売される年の主役であるライダーの作品とするときは、当然ながらそのゲームはリアルタイム放送中にタイトルをリリースするため、世界観まで深く取り込むことは難しくなってしまう。結末が見えていない状態で開発を進めているのだろうから、そうなることは容易に想像がつく。
今回のゼロワンはすでに新作の『仮面ライダーセイバー』が始まっているため最新の仮面ライダーではないが、本作の開発は『仮面ライダーゼロワン』の放送真っ只中であっただろう。そのためゼロワンのその後を描くようなことはしていないが、CVも高橋文哉(たかはしふみや)本人が当てており、登場時のスペシャルな演出は「待ってました!」と思わず叫んでしまいたくなるほどの存在感を醸し出している。操作できるキャラクターとしての掘り下げも申しぶんなく、最強フォームとされる“ゼロツー”にもフォームチェンジできる。

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▲『仮面ライダーOOO』ファンならよく知っているシーンをオマージュした登場の仕方は胸アツだ

本作のキーを握る主役のWとオーズは、平成ライダーシリーズのなかでも人気が高いライダーだ。『仮面ライダーW』は2019年9月に放送開始10周年を迎え、2020年も引き続き10周年イベントなどが続いている作品だ。テレビ放映の脚本を描いた三条陸さんが脚本を執筆する『風都探偵』という漫画が2017年より連載されており、テレビ放映後の『仮面ライダーW』の世界を描いた作品として人気が高くいまでも続いている。

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▲最初は“ジョーカー”からスタートするのが憎い演出

『仮面ライダーOOO』は2020年9月で放送開始10周年を迎え、その周年を記念してさまざまな企画やイベントが進行し、ファンはもとより作品を知らなかった新旧『仮面ライダー』ファンも巻き込んでの盛り上がりを見せている。2017年12月に受注が開始され2018年にリリースされた、大人の変身ベルトとして人気の商品“CSMシリーズ”の“オーズドライバー コンプリートセット”では新たなコンボが発表されて、変わらずの人気ぶりを見せたのは記憶にも新しい。
本作ではそのWとオーズを主役に据えることにより、すでに作品として完成形となっている世界観や設定を贅沢に深く掘り下げてゲームに取り込むことができており、ファンにとってマスト買いの作品となっているのは間違いない。個人的には、先述したCSM“オーズドライバー コンプリートセット”で発表されたオーズの新コンボ“ムカチリ コンボ”を使って暴れまわることができただけでも感涙もので、ゲーム中にメダルをゲットして変身したときは小躍りした。

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▲“ムカチリコンボ”はムカデ、ハチ、アリ。弱攻撃の連打や固有技で相手を麻痺にすることができるのは凶悪

もう1点。本作にはふたつのパッケージが用意されている。『通常版』と『Premium Sound Edition』だ。『Premium Sound Edition』ではテレビ放映などで使用されたオープニングテーマ、挿入歌、BGMがゲーム中に流れるのだが、これから購入を検討するのであれば圧倒的にこちらをおすすめする。それぞれのライダーで遊ぶときにそのライダーに対応する劇中BGMが流れるのは、キャラを操作するときのアドレナリンの放出量が数倍以上違うことになるだろう。以上が『仮面ライダー』ファンとしての筆者の視点だ。

ゲームファンとしてのプレイ感覚は良好

それでは、ゲームファンの視点で本作をレビューしてみよう。もちろん『仮面ライダー』ファンであることは前提だ。
まずはストーリー性。これは前段でも述べているが、『仮面ライダーW』と『仮面ライダーOOO』の持つ世界観を深く掘り下げている。それぞれのタイトルのその後として描かれ、テレビ放映時に倒したはずである思い入れの深い敵キャラが登場し、戦うことになる。なぜそれらが復活しているのか……敵を倒していくと黒幕や謎が徐々に明らかになっていく。『仮面ライダーW』の園咲家をはじめ、『仮面ライダーOOO』のグリードたちがクロスオーバーで登場。「このライダーを操作するなら、この敵と戦いたい!」、あるいは「このライダーでこの敵を倒してみたかった」と思う欲求も無理なくすんなりと戦えるストーリーに加え、テレビ放送時の記憶も呼び起こしてくれる仕上がりとなっている。

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▲Wの宿敵、園咲家の皆さまも総登場する

つぎにゲームにとってとくに重要な操作性。本作のウリは、“チェインアクション”を使って敵を倒すことだ。アクション操作でできることが多いと、それだけ取っ付きにくいゲームになる。各ゲームではそれをストーリーモードで少しずつ覚えさせていくのだが、良作と言われるゲームはいつのまにかなんとなく操作できている、ぐらいのチュートリアル感がいい……。本作を実際プレイしてみて、ストーリー深度が30%ぐらいになっていると自然と“チェインアクション”システムも使いこなせていた。
そしてゲームバランスとして敵を気持ちよく倒せるか?……だが、ただ敵を倒すだけのゲームでは当然おもしろくない。そこで出てくるのが、チェインを繋いでコンボ数を楽しむこと。ボスにたどり着くまではザコ敵を相手にこれを楽しむのだが、これはもう気持ちいいぐらいにサクサクと進み、単純に楽しむことができる。いろいろなライダーで進めてみたのだが、そのどれも楽しく遊べた。

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▲ザコ敵相手ならば、深く考えずに弱攻撃と強攻撃ボタンを交互に連打するだけでもSSSを狙える

ボス戦のバランスはかなり絶妙だ。序盤は連打していればいつの間にか倒せるかもしれない。しかしストーリーが進むにつれボスが強くなる。攻撃を見極めて回避し、カウンターを狙って攻撃することを身につけないと辛くなる。まずは回避カウンターとスキをついてボスのアーマーゲージを削って壊すことからはじめる。アーマーゲージを壊すとHPゲージを削ることができるようになる。HPを削りきれないとアーマーゲージが復活してしまい、HPゲージに干渉できなくなってしまう。このシステムバランスにより、相手の攻撃パターンとスキがわからないうちは、ボスに負けてしまいゲームオーバーになることもしばしばだ。
それでもトライしているうちに攻撃パターンが読めてきて回避カウンターを狙うのが巧くなるし、フォームチェンジでライダーの能力が変わるというシステムを採用していることにより、Wやオーズの効果的なフォームチェンジを試してみるという楽しさを生んでいる。フォームチェンジと繰り返しトライを経て、最終的にアーマーゲージを削り切った瞬間に必殺技を叩き込んでボスを倒したときには、思わずガッツポーズをキメたくなるほど爽快だ。

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▲強敵やボスが攻撃してくる直前にはわかりやすく攻撃範囲が赤く表示されるので、回避ボタンで範囲外へと逃げる

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▲ボス戦ではアドレナリン全放出で最後の一撃をキメたいところ

最後にやり込み要素。やはり、いい作品はストーリークリア後のやり込み要素も重要だ。こちらに関しても本作は申し分ない。ストーリーを進めると経験値が貯まりライダーのレベルが上がる。レベルが上がることにより、ゲーム内で集めることができるポイントを使って強化スキルを開放したりステータス強化を図ったりすることができるアイテム“アクセラレーター”を開発して、ライダーに付与することができるのだ。ストーリーを1度クリアしただけでは全ライダーのレベルをMAXまで上げたり、全スキルを開放したりすることはできないので、当然ストーリーを周回したくなってくる。周回プレイでもストーリーは基本同じなのだが、スキップ機能があるのでテンポよく進めることができる。
しかし単純に全ライダーのレベルを上げたいからという理由だけでは、周回するのも気乗りがしない。当然、周回ではクリアしたときのレベルを引き継げることになっているのだが、2周目ではとあるフォームがいくつか開放されるので使ってみたくなる。使えばやはりレベルを上げたくなってしまい、気づけば周回プレイを楽しんでいることになる。こういったゲーマーが求めるやり込みへの欲求もきっちり本作では応えており、PlayStation®4版の場合はトロフィーの要素も加わってくるので、さらに周回プレイへの意欲が高くなっている。以上がゲームファンとしての視点だ。

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▲“エターナル”の登場には痺れた

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▲最強フォームはEXゲージが満タンになると選択できるようになる

『KAMEN RIDER memory of heroez』の魅力を筆者なりに伝えてみたのだが参考になっただろうか。令和ライダーである『仮面ライダーゼロワン』からファンになった方や、いままで『仮面ライダーW』と『仮面ライダーOOO』を知らなかった方でも、それぞれの魅力が十分に伝わりテレビ本編も観たくなるようなゲームであるのは確かだ。あるいは『仮面ライダー』にはいままで接していなかったけどいつか触れてみようと思っていたというゲーマーにも本作はいいきっかけになるだろう。クリスマスのプレゼントに、あるいは年末年始の休みにガッツリとプレイするゲームとしてこの作品を選んでみてはいかがだろうか? それでは、どこかの記事でまたお目にかかりましょう。

フォトギャラリー

■タイトル:KAMEN RIDER memory of heroez
■発売元:バンダイナムコエンターテインメント
■対応ハード:PlayStation®4、Nintendo Switch™
■ジャンル:ヒーローチェインアクション
■対象年齢:12歳以上
■発売日:発売中(2020年10月29日)
■価格:パッケージ版・ダウンロード版 7,600円+税
Premium Sound Edition:11,800円+税


『KAMEN RIDER memory of heroez』オフィシャルサイト

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