Interview

参加キャストなんと80名以上の総力戦に…『ワールドトリガー』アニメ2ndシーズン+期間限定上映にかける“熱量”を永富Pが徹底解説!

参加キャストなんと80名以上の総力戦に…『ワールドトリガー』アニメ2ndシーズン+期間限定上映にかける“熱量”を永富Pが徹底解説!

<TVアニメ『ワールドトリガー』2ndシーズン プロデューサーインタビュー・後編>

異世界からの侵略者・近界民<ネイバー>と、防衛組織・ボーダーの戦いを描いたSFアクションアニメ『ワールドトリガー』(原作:葦原大介、集英社「ジャンプSQ.」連載中)。そのTVアニメ2ndシーズンが、2021年1月9日(土)よりいよいよ放送される。メインキャラたちの成長、そして新たな敵・ガロプラの侵攻開始と、「まさにこれから……!」というところで終わった1stシーズン、だからこそ、2ndシーズンは1stシーズンから4年半というブランクを感じさせないほど面白いところから始まる。

深夜アニメ作品として、超進化を遂げて放送されることでも注目の2ndシーズンについて、東映アニメーション・永富大地プロデューサーが語るロングインタビュー後編。今回は、2ndシーズンで主軸として描かれる、ボーダー本部VS惑星国家ガロプラの激しい攻防戦【ガロプラ編】、主人公の修・遊真・千佳がA級昇格への挑戦権をかけて上位争いに挑む【B級ランク戦】の見どころやシリーズ構成裏話、そして2020年12月25日(金)からの期間限定上映となる「特別上映版」の楽しみ方もお届けする。

取材・文 / 実川瑞穂 構成 / 柳 雄大


インタビュー前編はこちら

4年半ぶり再始動…『ワールドトリガー』が深夜アニメになって帰ってくる理由 プロデューサーが語る大転換の舞台裏

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2020.12.24

序盤から40名以上のオールスターによる総力戦が始まる!

2ndシーズンの主軸となるガロプラ戦・B級ランク戦、それぞれの見どころやこだわった表現についてお聞かせください。

まずガロプラ戦に関しては、ボーダーのオールスター戦です! できあがってきた映像を見たのですが、やっぱりたまらないですね。いままで登場してきたボーダー上位のキャラクターたちが次々登場するので、絶対にワクワクするはず。ガロプラの隊長ガトリンと激突するところだけ切り取っても太刀川慶(CV:浪川大輔)・風間蒼也(CV:緑川光)・小南桐絵(CV:釘宮理恵)・村上鋼(CV:野島裕史)。いままで強者と呼ばれていたメンバーにカメラが向けられて、彼らのアクションが見られるというのは、作品を愛してきた皆さんにとってはたまらないと思います。ともすれば、「このために前半の戦いがあったんですか?」と思ってしまうくらい。

加えて、これは葦原先生のキャラクターへの愛だと思うのですが、B級ランク戦で前半に登場した隊員たちにもしっかり見せ場があります。那須玲(CV:桑島法子)・熊谷友子(CV:庄司宇芽香)・諏訪洸太郎(CV:沼田祐介)・笹森日佐人(CV:畠中祐)といった隊員たちへの先生の愛が、ガロプラ戦では現れているなと思いました。ただ、プロデューサーとしては苦労もあって(笑)。たくさんのオールスターが登場するので、一言二言のセリフのために収録に来てもらうキャストさんの、なんと多いことか(笑)! でもそれを理由にセリフをカットすることは許されないので、結果、第1話も2話も、40名以上のキャストが出演しています。話数で言えば1・2話で51名ですが、のべ人数は80名を軽く超えています(笑)。

参考までにお伝えすると、一般的な30分アニメでキャストが15人いると「今回は多いな」と感じるぐらいですから(笑)。さらに感染対策のため皆さん同時には録れないので収録は大変でしたが、どのキャストさんも「お久しぶりです!」と楽しそうに収録にきてくださったので、うれしかったですね。なかには、「絶対2ndシーズンやりましょうね」と4年半前の打ち上げで話してたことを憶えているキャストもいて、ありがたかったです。

もうひとつの見どころは、キャラクターたちの成長が細かく描かれていること。例えば、諏訪隊の笹森。彼は1stシーズン中盤で描かれた大規模侵攻編で、熱くなったところを風間に叱られ「じゃあ勝手に突っ込んで死ね」と言われいるんです。でも、あの経験があったからこそ笹森が成長したんだと感じさせる描写が、ガロプラ戦には登場します。葦原先生の粋な見せ方に、ただただうなってしまいますね。

個人的には、加古望(CV:渡辺美佐)さんと二宮匡貴(CV:諏訪部順一)が主導権争いをする場面での、諏訪の一言も好きです(笑)。上級隊員たちの人間模様を感じさせますよね。それも行き当たりばったりで出たセリフではなく、葦原先生のなかにもともとあった情報が整理されたうえで出てきたセリフなんです。アニメを作っていると、改めて無駄なコマのない原作だなと感心させられました。

その炎は、決して燃え盛っているわけではないけれど、静かに……でも確実に燃え続けているんです

続いて、B級ランク戦の見どころをお聞かせください。

遊真・修・千佳の三雲隊がメインの話です(笑)。動く彼ら、声優さんによって魂が吹き込まれた彼らにまた会えたことが、たまらないですよね。対戦相手として登場する新たなボーダー隊員たちも、とても魅力的です。特に香取葉子(CV:潘めぐみ)! ガロプラのレギンデッツ(CV:村瀬歩)もそうでしたが、感情を露わにするキャラクターが多くはない作品なので、面白くて。ちょっぴりダメなところのある香取を、潘さんが上手に演じてくださっています。

香取葉子(CV:潘めぐみ)

レギンデッツ(CV:村瀬歩)

生駒達人や王子一彰も、驚きのキャストさんに演じていただいています。もともとキャストはすごい方がそろっている作品ですが、今回も自信がありますね(笑)。しかも生駒隊は関西弁を話すので、意図してキャストさんも関西弁ができる方に演じてもらっています。戦いのなかでの関西弁のテンポ感はものすごくおもしろいですよ。生駒さんもあのキャラですから(笑)。

また、B級ランク戦は主人公たちの成長もありますが、群像劇としての見どころも大きくて。例えば、千佳のことを気にかけている絵馬ユズル(CV:三瓶由布子)。とあることをきっかけに彼のモチベーションが変化するのですが、それを感じた彼の周りの人間にも変化があって、それまでのキャラクターの印象が変わってくるんです。ユズルとカゲ(影浦雅人 CV:杉田智和)とか、印象的なシーンになっていますのでご注目ください。

遊真がボーダー隊員たちとどんどん仲良くなっていくのもいいですよね。1stシーズンで迅さんが黒(ブラック)トリガーを手放してまで入隊させたことや、林藤支部長が言っていた「遊べよ遊真、楽しいことはまだまだたくさんある」というセリフと繋がっていたことに気付かされるんです。遊真の壮絶な人生に、大人たちが仲間を作ってあげようとする親心のようなものを感じました。

遊真の人生を通して、友情以上の仲間が描かれていくんですよね。

そうそう。徐々に仲間が増えて、いろんな人間関係ができていく。我々にとっては当たり前かもしれないけれど、遊真はそれまで持っていなかったようなので、楽しい経験をさせてあげたくなります。ランク戦を通して、ずっとひとりで戦っていた遊真に仲間ができていく様は、ジャンプ作品ならではの熱さを感じますね。その炎は、決して燃え盛っているわけではないけれど、静かに……でも確実に燃え続けているんです。『ワールドトリガー』らしいですよね。

僕らはアニメを作るにあたって、原作を何回も何回も読むんですが、そうすることで、1回読んだだけでは気づかなかった成長のつながりや、人間関係の変化に気付かされるんです。まさに「遅効性」! きっと読み方が足りないだけで、葦原先生が散りばめた伏線はもっとあるのだと思います。

特別上映版では、映画館でしか体験できない『ワールドトリガー』を観てほしい

ちなみに、葦原先生から新たなリクエストはあったのでしょうか。

これは先生ご本人の言葉ではなく、編集部さんからの言葉なのですが……葦原先生はすごく緻密に漫画を作っているので、ほんの少しでもズレてしまうと、のちのち大きなズレになってしまうということ。それを聞いて、原作とアニメがぴったり重なるくらいの気持ちで作っていこうと思いました。【原作からはみ出さない】、【原作にあるセリフは絶対にカットしない】というのを大きな方針としてやっています。とはいえ漫画の文脈を映像の文脈にすると、どうしてもギャップが生まれてしまうもの。それをどうやって吸収するか、演出家は試行錯誤しています。

原作のセリフを際立たせるために、漫画のコマとコマの間にどういうカットを埋めるか・予備動作を加えるか。それでいて、映像として流れるように作れるかが演出家のコンテのきり方の腕の見せ所です。ただ漫画のコマをそのままつなげても、絶対に同じものにはならないですからね。アニメーションさせること、作画で動かすこと、セリフで言わせること、音響(SEや音楽)を入れることによって、どうやってその空間を作り上げるかは、やはり作り手のセンスだと思います。その中心にいるシリーズディレクター(監督)は、大変です。

原作のあるアニメ作品は、オリジナル作品より楽だと思われがちですが、そんな単純な話ではないんです。原作があるからこそ、演出の技量が問われることもある。1話はシリーズディレクターの畑野(森生)さん自らコンテをきってますし、2話は他作品での監督経験も豊富な古賀(豪)さんがきっています。漫画のとおりでありながら、アニメーションのケレン味を感じさせる映像になっていますので、地上波テレビ放送も、映画館での特別上映版(1、2話+特別映像)もぜひ楽しみにしていてください。

それでは最後に、TVアニメ放送に先立ち12月25日から始まる特別上映版の見どころをお聞かせください。

シナリオの部分については先ほどお話ししたので、ここではマニアックな見どころについてお話ししますね。テレビのカラースペースと、映画館のカラースペース(色の存在している空間・表現できる色の範囲)って違うんです。分かりやすく言うと、映画館の方が色数が多いので、1話と2話の色の出方が、テレビで観るときとは違います。音響的にも違いますね。テレビ放送にはラウドネスという音の制限がありますが、映画館にはそれがないので、作り手側が本当に出したい音響で観ていただくことができるんです。

「1月になればテレビで観られるからいいや」とお思いの方もいるかもしれませんが、映画館に来ていただければ、映画館でしか体験できない『ワールドトリガー』をご覧いただけます。他にも、特別上映版でしか見れない映像を用意しています。それについても、「パワーアップしているな」と思っていただける仕上がりになっているので、楽しみにしていてください(笑)。きっとわざわざ映画館に来てくださる方は、『ワールドトリガー』が大好きな、とてもコアなファンだと思います。そんな皆さんに楽しんでいただけたら、僕としても一番うれしいです。

TVアニメ『ワールドトリガー』2ndシーズン

2021年1月9日(土)よりテレビ朝日系列にて
毎週土曜 深夜1時30分~「NUMAnimation」にて放送開始!

【スタッフ】
原作:葦原大介 「週刊少年ジャンプ」「ジャンプSQ.」(集英社)連載
シリーズディレクター:畑野森生
シリーズ構成:吉野弘幸
音楽:川井憲次
キャラクターデザイン・総作画監督:海谷敏久
製作:東映アニメーション

【キャスト】
空閑遊真:村中知
三雲修:梶裕貴
雨取千佳:田村奈央
迅悠一:中村悠一
ヒュース:島﨑信長
林藤陽太郎:浦和めぐみ
ガトリン:江川央生
ラタリコフ:豊永利行
ウェン・ソー:園崎未恵
コスケロ:津田健次郎
レギンデッツ:村瀬歩
ヨミ:白石涼子
ほか

『特別上映版 ワールドトリガー2ndシーズン』

2020年12月25日(金)~2021年1月7日まで
新宿バルト9、梅田ブルク7他全国13館にて期間限定上映

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オフィシャルサイト

【1stシーズン第1話 無料公開中】
東映アニメーションミュージアム公式YouTubeチャンネル

©葦原大介/集英社・テレビ朝日・東映アニメーション