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2020年の音楽シーンを駆け上がった次世代シンガーyamaの“声”に含まれる繊細な感情と生々しいボーカル力を体感できる「THE FIRST TAKE」での歌唱

2020年の音楽シーンを駆け上がった次世代シンガーyamaの“声”に含まれる繊細な感情と生々しいボーカル力を体感できる「THE FIRST TAKE」での歌唱

yamaが2020年12月18日、YouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」に出演し、ヒット曲「春を告げる」を歌唱。公開から2日で250万回再生を突破し、話題を集めている。本稿では、2020年の音楽シーンで瞬く間に注目度を高めたyamaの存在、そして、「THE FIRST TAKE」のパフォーマンスをもとに「春を告げる」の魅力を紐解いてみたい。

YOASOBIの「夜に駆ける」、瑛人の「香水」をはじめ、SNS、インターネットで拡散することで大きなヒットにつながる流れが明確になった2020年。“コロナ禍によりライブができない”という前代未聞の状況は――もちろんエンターテインメント業界には大打撃だがーー音楽の聴かれ方、届け方に大きな影響を与えた。

yamaの「春を告げる」も2020年を象徴する楽曲の一つだ。yamaにとって初のオリジナル曲である「春を告げる」は4月に配信され、TikTokなどでも人気に。Billboard JAPAN HOT100の6/20付「ホット・バズ・ソング」(ダウンロードとTwitterなどの週間動画再生のみを集計したチャート)で9位に入り、Spotifyのバイラルチャート1位を獲得するなど一気に認知度を高めた。

2018年に歌い手として活動をスタートさせたyama。中性的な雰囲気とハスキーな声質を併せ持ったボーカルはインターネット界隈ですぐに話題となり、新世代の歌い手としてのポジションを獲得。性別、年齢を含めた一切のプロフィールが明かされないまま、yamaという名前と楽曲が拡散したのだ。

最初のオリジナル曲「春を告げる」の後もyamaは、次々と新曲を発表。R&B系のトラックと夕暮れの情感を描いた歌が溶け合う「クリーム」、心地よいグルーヴとともに<

欲望とか愛とかなんでもいいとかごちゃごちゃうるせえな>というラインが響く「Downtown」、切なさと強さを共存させた歌声が気持ちいい「a.m.3:21」、疾走感に溢れたサウンドのなかで“最終電車”を舞台にした情景と感情を映し出す「あるいは映画のような」によって、シンガー/アーティストとしての独創性と幅の広さアピールしてきた。そして10月にはメジャーレーベルから「真っ白」をリリース。ABEMAで配信された恋愛リアリティ—ショー『恋愛ドラマな恋がしたい〜Kiss On The Bed〜』の主題歌に起用されたこの曲は、片想い、報われない恋をテーマにしたミディアムチューン。ウィスパーボイスを活かした繊細な表現は、シンガーとしてのさらなる進化を感じさせた。「真っ白」のMVは、yamaにとって初の実写MV。「恋愛ドラマな〜」の出演者である若林拓也、江野沢愛美、才川コージ、糸原美波などが登場し、さまざまなアイテムが落下する様子をスローモーションで映した映像も話題を集めた。

10月2日には初の 配信ライブ『Versus the night』を開催、さらに加藤ミリヤのトリビュートアルバム『INSPIRE』に“瑛人×yama”名義で参加するなど、活動の幅を広げているyama。今回のTHE FIRST TAKEのパフォーマンスからも、yamaの音楽的なポテンシャルの高さが強く伝わってきた。

最初に画面に映るのは、白いパーカーのフードを被ったyama。ピアノのフレーズの後に続き、アカペラで<深夜東京の6畳半夢を見てた>というフレーズを響かせる。さらにバイオリンとチェロの音色が加わり、豊かな叙情性が広がり……と思った次の瞬間、ピアノが奏でるリズムとともにテンポアップ。心地よい語感とビート感を共存させたボーカルによって、一気に引き込まれる。最後のサビで転調する場面もきわめてスリリング。この人の歌をずっと聴いていたいと思わずにはいられない。

ややハスキーな声質の気持ち良さ、正確なピッチと独特のグルーヴ感など、yamaのボーカルの魅力は数多くある。個人的にもっとも強く感じたのは、声自体に感情が宿っているということだ。「春を告げる」の歌詞はおそらく、SNSを介した他者とのやりとり、そして、実際には一人で部屋にいる寂寥感を描いているが(あくまでも個人的な解釈であり、そこには無限の“受け取り方”があることも記しておきたい)、詩的に優れた表現はもちろん、“声”そのものに含まれる繊細な感情によって、リスナーの心を揺さぶるのだ。“一発撮り”をテーマにしたTHE FIRST TAKEへの出演は、yamaの生々しいボーカル力を体感できる最高の機会だったと言えるだろう。

この映像を観れば、「この人の歌を生で聴いてみたい」という気持ちが湧いてくるはず。「春を告げる」によってブレイクを果たしたyama。2021年、その歌声がさらに大きく広がっていくのは間違いないだろう。

文 / 森朋之

ライブ情報

yama 1st LIVE TOUR「meaning of life」
2021年3月21日(日)大阪・梅田クラブクアトロ
2021年3月27日(土)東京・渋谷クラブクアトロ

▼オフィシャル先行
URL:https://t.co/l3FFvC0sju
受付期間:2020/12/18(金) 18:00~


yamaオフィシャルTwitter
https://twitter.com/douhwe

yamaオフィシャルYoutube
https://www.youtube.com/channel/UClbieOB_NYcY9TlIthmyw-A