Interview

中川大志、アニメ映画『ジョゼと虎と魚たち』であらためて感じた“声の表現”の難しさ。「納得がいくまで千本ノックのようにやった」

中川大志、アニメ映画『ジョゼと虎と魚たち』であらためて感じた“声の表現”の難しさ。「納得がいくまで千本ノックのようにやった」

大学生の恒夫と脚の不自由なジョゼの純愛ラブストーリーを描いた芥川賞作家・田辺聖子の名編『ジョゼと虎と魚たち』。1985年(昭和60年)の刊行以降、幅広い年代の読者に支持され、2003年には妻夫木 聡×池脇千鶴主演で平成を舞台に実写映画化。そして2020年、この令和の時代に新たにアニメーション映画となって蘇った(12月25日(金)公開)。

そんな注目作の主演に抜擢されたのは中川大志。声優としても高い評価を得ている中川に、ジョゼ役を演じた清原果耶の印象や声のお芝居の難しさ、さらには本作に絡めて「夢」や「怖いもの」についても語ってもらった。

取材・文 / 上條真由美 撮影 / ヨシダヤスシ


求められたのはナチュラルさ。実写とアニメの中間のようなアプローチで役づくり

ジョゼと虎と魚たち 中川大志 WHAT's IN? tokyoインタビュー

国内長編アニメ映画の声優は今回が初めてですよね。恒夫役のオファーが来たときはどのようなお気持ちでしたか?

これまで声優をさせていただいたのは洋画の吹き替えだったり、キャラクターものだったりと役をつくり込むものが多く、等身大で演じた経験がなかったので、自分と同い年の恒夫役のお話をいただいて「ぜひやってみたい」と思いました。

監督は僕がお芝居をしているときではなく、インタビューを受けているときの声を聞いて、思い描いていた恒夫に近いと感じてくださったそうなんです。声のお仕事が好きなので、こうして新たなチャレンジの機会をいただけて嬉しかったですね。脚本を読んで作品の世界観やストーリーに強く惹かれましたし、ジョゼ役を演じるのが清原(果耶)さんだと聞いていたので、現場に入るのもすごく楽しみでした。

2003年に公開された実写映画は不朽の名作として長く愛され続けています。意識したりプレッシャーを感じたりすることはありましたか?

いえ、なかったです。原作とも実写映画とも時代背景が違い、まったく別物になるということだったので、純粋にキャラクターに命を吹き込むことだけを考えました。

恒夫役についてタムラ監督とはどんなお話をされました?

監督から最初に「リアリティを出しつつ、アニメ的な表現もほしい」と言われました。本作でプロの声優ではない役者の僕に求められているのはナチュラルさなのだと理解しましたが、絶妙なラインに持っていくのが難しくて……。いろいろ試して探りながらつくりあげていきました。

恒夫は気が強くて奔放なジョゼに振り回されますが、やられっぱなしではなく逆にやり返したりもします。そうしたふたりの関係性やパワーバランスも監督と話して大事にした部分です。

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アフレコを振り返って印象に残っていることはありますか?

一番印象に残っているのは、海の中のシーンを収録するときに実際にマイクの前でシュノーケルをつけたこと。初めての経験だったので面白かったですし、すごくリアルになったと思います。大変だったのは食事シーンで、食べながらしゃべっているのを口の動かし方だけで表現するのに苦労しました。声のお仕事をすればするほど、プロの声優さんへのリスペクトが増しますね。

やはり声優としてのお芝居は俳優としてのお芝居とは違いますか?

そうですね。感情のつくり方は同じですが、声優はそれを声に乗せなければなりません。例えば泣くシーンの場合、マイクの前でいくら涙を流したとしても成立しないんです。実際に涙は流さずともセリフの言い方や息づかいで泣いていることを表現する。そこが俳優とは違いますね。もちろん、声をつくるだけでは感情が伝わらないので、ちゃんと心も大事にしてお芝居をする必要もあります。繊細なお芝居が求められる作品だったので、そのことをより強く感じました。

自分にだけ見せてくれる顔にキュンとする。「女心は男にとっての永遠の課題です(笑)」。

ジョゼと虎と魚たち 中川大志 WHAT's IN? tokyoインタビュー

完成した作品をご覧になって、特に好きなシーンを教えてください。

恒夫とジョゼが初めて一緒に外出するシーンが好きです。恒夫がジョゼの「海に行きたい」という夢を叶えてあげて、ジョゼは恒夫に自分の内面をさらけ出します。ふたりの心の距離がぐっと縮まり、物語が転換する大切なシーンですね。家の中ではジョゼにマウントを取られていた恒夫の男らしさや頼もしさを感じられるところも好きです。

ジョゼは恒夫がいるから行きたかった場所に行き、見たかった景色を見られるようになって、恒夫もジョゼと一緒だからこそ、普段気づけなかったことに気づき、見慣れた景色がカラフルに見えるようになります。ふたりの関係性って本当に素敵ですよね。

恒夫はちょっと天然で鈍感なところがありましたね。共感や理解できる部分はありましたか?

外出先でジョゼが急に機嫌を悪くして「帰る!」と言い出すシーンがあるのですが、あのときの恒夫の気持ちは理解できました。追いかけたら嫌がられるだろうし、でも放っておかれるのも嫌だろうし、「どうしたもんかな」って(笑)。女の子って、裏腹なところがあるじゃないですか。真意とは逆のことを言ったり。いやぁ難しい……。女心は男にとっての永遠の課題ですね(笑)。

あははは(笑)。振り回されつつも恒夫はジョゼに惹かれていきますよね。

そこも恒夫に共感する部分で、ジョゼのように周りに対してバリアを張っている女の子の弱い部分を一瞬でも見ちゃうとやばいです(笑)。自分の前で泣いてくれたり、逆に子どものように無邪気に笑ったりして普段とは違う姿を自分にだけ見せられたらキュンとしますね。

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ジョゼ役の清原さんとは連続テレビ小説『なつぞら』で俳優として共演されていますが、声優として共演されてみていかがでしたか?

以前ご一緒させていただいたときと同じで、ストイックな方という印象を受けました。ジョゼを演じるのはとても難しかったと思いますが、キャラクターっぽくしすぎず、ナチュラルにもしすぎず、絶妙なバランスで成立させていてすごいなと思いました。僕も妥協したくないタイプなので、ふたりで朝から晩までブースに入って。恒夫とジョゼが一緒に走ったりじゃれあったりするシーンは、息づかいや笑い声の重ね方など、納得がいくまで千本ノックのようにやりました。

清原さんの声の印象はいかがですか?

透明感と艶のある素敵な声だと思います。角がなくてなめらかなので、ジョゼが怒るシーンでもキンキンと響く感じにはならず、でもちゃんと意志の強さは伝わってきましたね。

アニメーションならではの映像美。現実との境界線を忘れて作品の世界に浸かってほしい

ジョゼと虎と魚たち 中川大志 WHAT's IN? tokyoインタビュー

映画を観ていてもお話をしていても、中川さんの声って聞き心地がいいなと思うのですが、ご自身の声についてどう思われますか?

ありがとうございます! 昔は自分の声が嫌いだったんです。もともとハスキーで変声期には声が出づらいこともあって……。だから声のお仕事のオファーをいただいたときはすごく嬉しかったです。何作かやらせていただくうちに、自分の声に自信を持てるようにもなりました。

そうだったんですね。ちなみに、ジョゼにとって世の中で一番怖いものは「虎」でしたが、中川さんの怖いものはなんですか?

虫と高いところ……。

意外です! 虫を見たら女の子みたいなリアクションになっちゃう?

あははは、そうですね(笑)。子どもの頃はバッタやセミを素手でつかまえていたのに、いつからかできなくなっていました。よく見ちゃったんでしょうね。それまではきっともっとかわいらしい姿を想像していたんだと思います(笑)。

高いところも昔は全然平気で、木に登ったりしていたんです。子どもって高さがよくわからないから恐怖を感じないですよね。でも、大きくなるにつれて「ここから落ちたら両足骨折するな」とか、高さに実感が出てくるじゃないですか。そうなってからはもうダメでした(苦笑)。

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本作では「夢」も重要なキーワードになっていましたが、中川さん自身これから叶えたい夢や目標はありますか?

役者は始めたときからずっと変わらず好きな仕事で、僕の人生のほとんどでもあるので、「叶えたいことはなんだろう」って考えたときに出てくるのは、やっぱり仕事に関することが多いですね。「お芝居をしたい」「作品をつくりたい」という気持ちがある限りはこの仕事を続けたい。継続すること、積み重ねていくことが今の目標です!

最後に、本作の公開を楽しみにされている方へメッセージをお願いします!

どのシーンも繊細かつ色鮮やかで、アフレコをしながら美しさに感動していました。特にジョゼの感性が反映された夢の中のシーンは幻想的。きっと皆さんにもアニメーションならではの素晴らしさを感じていただけると思います。とても優しくてあたたかい作品になっているので、ぜひ現実との境界線を忘れて作品の世界に浸かってほしいです!

クリスマスの公開が楽しみです。ありがとうございました!

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中川大志

1998年、東京都生まれ。2009年俳優デビュー。近年の主な出演作にドラマ『スキャンダル専門弁護士 QUEEN』(19/CX)『G線上のあなたと私』(19/TBS)『親バカ青春白書』(20/NTV)、映画『坂道のアポロン』(18)『虹色デイズ』(18)などがある。2021年1月2日放送の正月時代劇『ライジング若冲 天才 かく覚醒せり』(NHK)に出演、映画『砕け散るところを見せてあげる』『犬部!』の公開を控える。2022年にはNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』に出演予定。

オフィシャルサイト
https://www.stardust.co.jp/section3/profile/nakagawataishi.html

オフィシャルInstagram
@taishi_nakagawa_official

フォトギャラリー

映画『ジョゼと虎と魚たち』

12月25日(金)ロードショー

中川大志 清原果耶 ほか

原作:田辺聖子「ジョゼと虎と魚たち」(角川文庫刊)
監督:タムラコータロー
アニメーション制作:ボンズ
主題歌・挿入歌:Eve「蒼のワルツ」/「心海」(TOY’S FACTORY)
配給:松竹/KADOKAWA
製作:『ジョゼと虎と魚たち』製作委員会

オフィシャルサイト
joseetora.jp

©2020 Seiko Tanabe/ KADOKAWA/ Josee Project