LIVE SHUTTLE  vol. 435

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乃木坂46 4期生の16名で初となる無観客ライブ。笑顔と涙で魅せた、新しい大きな一歩。

乃木坂46 4期生の16名で初となる無観客ライブ。笑顔と涙で魅せた、新しい大きな一歩。

乃木坂46の4期生による無観客ライブ『4期生ライブ2020』が12月6日(日)に生配信された。4期生は、デビューシングル「ぐるぐるカーテン」でセンターを務めていた生駒里奈が卒業した直後の2018年8月に合格発表が行われた「坂道合同オーディション」を経て、同年12月に、まずは11名が乃木坂46に配属された。翌年、2019年5月には横浜アリーナで『4期生ライブ』を開催。同年9月4日にリリースされた24thシングル「夜明けまで強がらなくてもいい」では、4期生の遠藤さくらが初選抜にしてセンターを務め、両隣を同じく初選抜の賀喜遥香と筒井あやめが支えるフォーメーションとなったことが大きな話題を集めた。続く、白石麻衣の卒業シングル「しあわせの保護色」でも遠藤と賀喜は選抜入りを果たした一方で、“坂道研究生”として合格したメンバーは、レッスンや「坂道グループ合同研修生ツアー」を経験。2020年2月に新たに5名が乃木坂46の“新4期生”として加わり、4期生は全16名という構成になっていた。

16名となって初となる『4期生ライブ2020』は16人が横一列になって並んでいる映像から始まった。グループの姿勢や雰囲気を象徴する楽曲で、乃木坂駅の発車メロディにも使われている「君の名は希望」のイントロが鳴り出すと、遠藤、賀喜、筒井の3人が一歩前へと足を踏み出した。背景にはメンバーがセルフタイマーで撮影した「君の名は希望」のジャケが飾られている。生駒と白石が映っているType-Aだ。体を揺らなしながら大きく手をあげる遠藤は充実した晴れやかな表情を見せていた。続く、「命は美しい」では一転し、メンバーそれぞれが何かに思いを馳せるような複雑な顔へと変化した。センターを務めた筒井と、彼女を囲む清宮レイと金川紗耶は強い目力を発している。背面に飾られた西野七瀬のジャケットと同じように、このままジャケット写真にしてもいいくらいだ。賀喜が「命は美しい」のジャケットを捲ると、白石麻衣がファッションシューティングのようなポーズを撮った「インフルエンサー」のジャケットが出てきた。ラテン調のダンスナンバーでは早川聖来や田村真佑、金川が躍動。「走れ!Bicycle」ではカメラに向かって笑顔やピースサイン、投げキッスを送り、賀喜が「画面の向こう、行くぞ!」と煽った「ガールズルール」ではウィンクを交えながら楽しそうに弾け、4期生が初めて選抜入りした「夜明けまで強がらなくてもいい」では遠藤が可憐で華麗なソロのダンスを魅せた。シングル曲を6曲続けたことによって、私たちが乃木坂46というグループの伝統と歴史を受け継いでいくんだという強い意思とグループへの愛、そして、卒業メンバーも含む先輩たちへの愛と尊敬が伝わってきた。

中盤にはユニットコーナーが設けられた。ボーダーのマリンルックでラブラブなムードを演出した「ロマンティックいか焼き」。柴田柚菜を中心にチアガールに扮し、松尾美佑のロンダートも飛び出した「トキトキメキメキ」。レトロな衣装に身を包んだ筒井や早川、賀喜がシルエットと踊り、北川悠理のソロも目立った「僕の衝動」。黒のビロードのミニワンピ姿の金川に視線が吸い寄せられ、ハードなエレクトロをバックにしたダンスパートも用意された「ポピパッパパー」。ここまでは新旧入り混ぜた8人編成だったが、遠藤と賀喜を中心に上品かつ神秘的に舞った「ありがちな恋愛」で再び16人編成となり、掛橋沙耶香や矢久保美緒は、失恋の悲しみや寂しさとも、退屈とも取れる曖昧な感情、微妙なニュアンスを見事に表現してみせた。

弓木奈於が進行したMCでは、北川が「大好きな先輩方の卒業が続いていて。たくさん助けていただいたからこそ、寂しいなと思っちゃうんですけど、大好きだからこそ、自分たちがもっと成長したいな、強くなりたいな、変わりたいなと思っていて。だから、今回のライブは、卒業した先輩たちに少しでも成長した姿を見せられたらなというのを目標にしています」と涙ながらに語ると、清宮や黒見明香も大粒の涙を流し、メンバーはお互いを励まし合うように「うん、頑張ろう」と全員で声をあげた。

16人編成から8人編成。そして、ここからに、メンバーそれぞれの個性へと焦点は絞られていく。4期生とさらば青春の光によるコント番組「ノギザカスキッツ」から誕生した、賀喜と金川の“やんちゃなやんちゃん”によるコントのオチ“2万の中古バイク”から流れるように「孤独兄弟」へ。続いて、柴田と弓木が、白石&高山の“White High”ならぬ、“ShibaYumi”を結成。おかけ(掛橋)とおつつ(筒井)の演奏でフォークソング「渋谷ブルース」を熱唱。田村、北川、矢久保、佐藤璃果の4人は松村沙友理率いる“さゆりんご軍団”に敬意を評したリンゴの衣装で「白米様」をキュートにパフォーマンス。スカナンバー「Threefold choice」は清宮、黒見、松尾の3人がドールに変身。ドールハウスを覗く人間が映る画面ではクリスマスツリー、トナカイ、サンタのコスプレも披露した。そして、遠藤と早川のペアによる「心のモノローグ」では画面に釘付けになってしまった。歌とダンスの切れ味の良さはもちろんのこと、遠藤はその立ち姿や佇まい、早川は表情に視聴者をグッと惹きつけれる吸引力を持っている。このコーナーのトリを務めたのは、新4期生の林瑠奈だった。中元日芽香のソロ曲「自分のこと」を一人で歌唱した。最初は緊張で体が固まっているような印象を受けたが、言葉を1つずつ丁寧に紡いでいき、自分のことを肯定していく歌詞と合わせるように肩の力が抜けていき、<これから先の長い未来がワクワクして楽しみになって来た>というフレーズにはこれからの自分への密かな期待も込められていたように感じた。

遠藤のあおりから、本編の後半は4期生の楽曲をまとめて軽やかに力強く駆け抜けた。のちのMCでメンバーが「感動して泣いてた」という「4番目の光」16人で初のパフォーマンス。清宮や柴田をはじめ、全員で楽しそうにくるりと一回転し、スカートをひらひらとさせながら、<坂道を登れ!>と可愛くも高らかと声を上げた。遠藤を中心に賀喜と筒井という編成だったが、曲の終わりの同ポジションは賀喜ではなく、掛橋が入り、そのまま掛橋の語りから始まる「図書室の君へ」とスムーズに繋げ、掛橋はメンバーを指揮して動かし、満面の笑顔で締めた。遠藤が「皆さんも一緒にキスの手裏剣投げましょう」と呼びかけた「キスの手裏剣」では画面が4人ずつの4分割から8分割になるなど、配信ならではの演出で視聴者を楽しませ、ファンキーディスコ「I see…」で大騒ぎをし、本編は賑やかに幕を閉じた。

アンコールでは、2021年1月27日(水)にリリースされる乃木坂46の 26thシングル「僕は僕を好きになる」のカップリングに収録される4期生楽曲で早川がセンターを務める「Out of the blue」を初披露。右手と左手を交互に前に出すフリが特徴的で、恋に落ちたことで生まれ変わった自分を描いたポップなラブソングのパフォーマンス後に、早川は「16人になって初めての曲でセンターを務めることやみんなのことをまとめられるか不安だなと思っていた」と語っていたが、すぐにメンバーから「センター立ってくれてありがとう」という声が上がった。また、公演中のMCでメンバーから何度も「聖来ちゃんとレイちゃんが引っ張ってくれた」という話が出ており、この日の彼女のライブパフォーマンスを観てきた方々にとっても、納得のポジションだろう。その後、早川は「ここをスタート地点に頑張っていきたい」と決意を表明。そして、「乃木坂の詩」を歌い終えると、遠藤はペンライトを胸にあて、目をそっと閉じたあと、「2020年は大切な先輩方のご卒業があって、グループにとって大きな変化があった年でした。来年の2021年は乃木坂46が新たな一歩を踏み出す重要な1年になると思うので、4期生もちゃんと貢献できるように、グループのためにできることを全力で探して、16人全員で挑んでいきたいと思いますので、これからも応援よろしくお願いします」と語り、16人が「よろしくお願いします」と声を重ねて大団円を迎えた。生駒、西野、白石らセンターを務めた中心メンバーは卒業したが、次の世代のセンター候補は着実に育っている。この16人がいるのであれば乃木坂46の未来は明るいと思わせてくれるライブだった。

文 / 永堀アツオ

乃木坂46 4期生ライブ 2020
2020年12月6日

セットリスト

Overture
1.君の名は希望
2.命は美しい
3.インフルエンサー
4.走れ!Bicycle
5.ガールズルール
6.夜明けまで強がらなくてもいい
7.ロマンティックいか焼き
8.トキトキメキメキ
9.僕の衝動
10.ポピパッパパー
11.ありがちな恋愛
12.孤独兄弟
13.渋谷ブルース
14.白米様
15.Threefold choice
16.心のモノローグ
17.自分のこと
18.4番目の光
19.図書室の君へ
20.キスの手裏剣
21.I see…
<アンコール>
EN1. Out of the blue
EN2. 乃木坂の詩


オフィシャルサイト
http://www.nogizaka46.com

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