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力士たちがまわし姿でセクシーに歌い踊る!? 原 嘉孝主演舞台『両国花錦闘士』が明治座で開幕!

力士たちがまわし姿でセクシーに歌い踊る!? 原 嘉孝主演舞台『両国花錦闘士』が明治座で開幕!

岡野玲子の人気漫画を原作とする舞台『両国花錦闘士(りょうごくおしゃれりきし)』が12月5日(土)に明治座で幕を開けた。
主演はジャニーズJr.の原 嘉孝、共演にはアングラ演劇界のカリスマで芥川賞作家の唐 十郎を父に持つ実力派俳優・大鶴佐助、ドラマ・映画をはじめミュージカルでの活躍も目覚ましい大原櫻子、好角家としても知られる“元祖・スー女”女優・紺野美沙子、女優でモデルのりょうら個性派俳優陣が揃いし、作・演出は歌舞伎の新作脚本書き下ろしや劇団四季の演出など多岐にわたり活動する現代演劇のトップランナー・青木 豪が務める。さらに主題歌「Naked Men 見ろ、裸の俺たちを!」の作詞と歌唱を担当したのは相撲評論家としても活躍するデーモン閣下。作曲はハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」など2.5次元からストレートプレイまで多くの舞台音楽を手がけるヒットメーカー・和田俊輔。
華やかな角界(相撲界)の裏側を、ポップにオシャレに描く“どすこい”青春ストーリー、のゲネプロと取材会の模様をお届けする。

取材・文 / 近藤明子 写真 / 田中亜紀


個性豊かな実力派キャスト陣の身体を張った芝居に注目!

両国花錦闘士 WHAT's IN? tokyoレポート

寄せ太鼓の軽快なリズムが流れるなか、場内の照明がゆっくりと落ちて、舞台上には鍛えられた筋肉が美しい昇龍(原 嘉孝)とアンコ型(ぽっちゃり)力士の雪乃童(大鶴佐助)の姿があった。
体型も性格も何もかもが正反対のふたりの宿命のライバル対決。緊張感漂う土俵を力士たちが取り巻き、ラテンのサウンドに乗って四股(しこ)ではなくステップを踏んで激しくダンス。さらには主題歌を激しくシャウトするデーモン閣下(に扮した大山真志)の登場や、アイドルグループ「純ケツ」(入江甚儀、梅澤祐介、遠藤 誠)がローラースケートで走り回るという、開始早々カオスな展開が目の前に広がっていた。

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そんな熱狂する取り組みの様子を冷めた目で見つめているのは、相撲にまったく興味のない記者・橋谷淳子(大原櫻子)。野球が好きで「ワールドベースボール社」に入ったものの、配属された先は希望に反して相撲雑誌。文句タラタラの淳子だが、スイッチが入ると持ち前の記者魂を発揮して綿密なリサーチや冷静な分析によるレポート記事を書く。そして、昇龍を取材するため「乱錦部屋」の朝稽古へも積極的に足を運ぶのだった。

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体重の重さが勝敗を大きく左右すると言われる相撲において「デブは嫌い!」と公言する昇龍は、兄・清史(木村 了)が作ったシミュレーションを基にデータ相撲で筋肉質な身体に鍛え上げるが、なかなか結果を出せずに苦戦している。
一方の雪乃童も生来の優しい性格やメンタルの弱さ、ひそかに思いを寄せる「花吹雪部屋」の沙耶香お嬢さんに想いを告げられないもどかしさから取り組みに集中できない。

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葛藤するふたりの繊細な心の動きを原と大鶴が熱く時にコミカルに表現。切磋琢磨し合いながら頂点を目指して突き進む好敵手(ライバル)たちの姿は心を揺さぶるものがある。
また、“相撲嫌い”だった淳子が昇龍への取材を通して彼の信念や相撲の奥深さに目覚めていく様子を、大原がキュートな歌声で力強く歌い上げる姿も実に魅力的。相撲に疎い淳子はある意味物語のストーリーテラー的な役割も担っており、取材を通じて知った相撲用語や歴史などを各シーンごとに観客に説明してくれるので、相撲に詳しくない人もその場で“何”が起きているのかわかるので安心して観ることができる。

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淳子とは対照的に妖艶な魅力で昇龍の心をかき乱す大手芸能事務所の女社長・渡部桜子 役のりょうの怪演にも注目だ。色気ムンムンのセクシーな歌声や男性秘書を相手に炸裂する女王様っぷりもさることながら、角界にはまったく興味のなかった桜子が昇龍との出会いから一気に“スー女(※相撲好き女子の略称)”となり、仕事そっちのけで相撲部屋や観戦にウキウキと足を運ぶ姿は“恋する乙女”という感じで可愛らしく見える瞬間があるから不思議。

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また、花吹雪部屋のおかみさんを演じる紺野が部屋の力士たちに向ける優しいまなざしから、うさんくさい“IT男”に翻弄される娘を心配し、ピシャリとものを言う強い母親の表情への切り替えはさすがの貫禄だった。

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さらに昇龍の兄・清史を演じる木村の英語まじりの癖のあるしゃべり方や後半の某シーンでの振り切った芝居では何度も爆笑が起こるなど、想像の斜め上を行く振り切れた芝居にはいい意味で裏切られたし、驚かされた。
ほかにも、入江甚儀や大山真志が「IT男」「アイドルグループのメンバー」「オペラ歌手」「訳ありの取り組み相手」など八面六臂の働きで、各シーンの様々な人間ドラマを描き出し、いい味を出していた。

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果たして、昇龍と雪乃童、ふたりのライバル対決の行方とは──。
個性豊かなキャラクターを生き生きと表現するキャスト陣の引き出しの多彩さはもちろん、国技である神聖な相撲が遊び心満載のキラキラとしたエンターテインメントに変身! 歌あり、ダンスあり、恋あり、裸ありの、ポップでセクシーな取り組みをぜひ楽しんでほしい。

カンパニー全員の気持ちを背負い、“泣き虫座長”が万感の思いで挑む!

ゲネプロ終了後に行われた取材会には、原 嘉孝、大鶴佐助、大原櫻子、紺野美沙子、りょうの5名が登壇し、無事初日を迎える心境や、稽古場でのエピソードなどを語った。

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昇龍 役のは「ただでさえコロナで大変な時期に初日を無事に迎えられるのは僕たちにとってすごく幸せなことで、やっとこの作品をお客様に届けられるんだと嬉しい気持ちでいっぱいです」と満面の笑顔でコメント。

雪乃童 役の大鶴も「本当に無事に初日の幕が開くのが嬉しくて、でも“ここからだな”という気持ちで、みんなで一丸となってこの作品を育てていきたいと思います」と力強く語った。

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相撲雑誌の記者・橋谷淳子 役の大原は「今のところはキャスト、スタッフ全員、怪我なく体調も良く迎えられているので、最後まで駆け抜けられるように頑張りたいなと思います」と意気込み、大手芸能事務所の女社長・渡部桜子 役のりょうも「あとは楽しむだけというか、とにかく皆さんに笑っていただきたいという気持ちでいっぱいです。楽しんで帰っていただくためなら、私たち、たくさん“どすこい”したり四股を踏むので、楽しみに観に来ていただきたいなと思います」と“どすこい”ポーズを決めてみせる。

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雪乃童が所属する花吹雪部屋のおかみ 役・紺野は、まわしを締めた原を見てどんな力士をイメージするかという記者の質問に「昇龍のイメージは、日の出の勢いで出てきた頃の千代の富士さん。稽古場ではトレーニングウェアやTシャツを着ていたんですけど、原さんがいつ脱ぐのか、それが楽しみで楽しみで仕方がなかったです(笑)。予想以上に素敵でした」と茶目っ気たっぷりに答えていた。

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その発言を受けて「千代の富士さんみたいになるには、もっと大きな身体にならなきゃいけなかったんですけど、鍛え上げた肉体を見せたいという“欲”が出てしまい絞ってしまいました」と語るは、今年2月からプライベートで筋トレを始めて約8kgまで増やしたところで昇龍をやることが決まり、そこから2kgほど絞ったのだそう。

「力士役をやるにあたって、プロデューサーからは『もうこれ以上トレーニングはやらないでほしい』と言われまして(苦笑)。食事も炭水化物や脂質を抜いた食生活をしていたんですけど、『(身体を大きくするために)食べないとダメ!』と言われ、プロデューサーやりょうさんが稽古場にお弁当を持って来てくれました」と裏話も披露。

「息子に毎日お弁当を作っているので原さんの分も一緒に……」と照れるりょうだったが、印象的だったおかずを聞かれた原がなかなか答えられずにいると「二度と作らない!(笑)」とすねても見せ、取材陣から笑いが起こる一幕も。

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本作が明治座での初座長となったは心境を聞かれ、「キャスト、スタッフ全員が僕のことを支えてくれて、毎晩のように『大丈夫だった?』とか連絡をくださって本当に支えられました。昨夜も、明日本番を迎えるんだと思ったら、いろんな気持ちがこみ上げちゃって、思わず連絡しちゃいました」との告白に、大鶴が「彼、すぐ泣くんです。プライベートで芝居の話をしているときに『大丈夫、一緒に頑張っていこうよ』って言っただけでも……」と原が泣く様子をマネてみせ、原と顔を見合わせ爆笑。

そんなふたりを見て、以前に原と共演経験のある大原が「原ちゃんが座長をやるって聞いたときに『泣き虫なところだけ、ちょっと大丈夫かな?』と思ってたんですけど(笑)、芝居に対する姿勢などすごく尊敬しています。今回は佐助さんとの対戦のシーンが多いですけど、ふたりの稽古場での雰囲気がすごく微笑ましくて、支え合っているなと感じました」と、ライバルを演じたふたりの熱い友情について語った。

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「正直、座長が僕で良いのかなと思いましたが、座長であってもなくても、いい意味でやることは変わらないし、僕は役と向き合うことしかできない。プロデューサーにそう伝えたら『それでいい』と言ってくださったので、それなら不安なく堂々と立っていればいいかなと」と、引き締まった表情で語る

その言葉を受けて「原さんが初めて昇龍になって稽古場に立たれたときに、とても安心しましたし、本当にまっすぐで、お芝居が大好きだと伝わってきたので『ついていこう!』と思いました」と笑顔で語るりょう紺野も「原さん、大鶴さん、大原さんは相撲で言う“心技体”がそろっている方。角界だったら三役級で大関、横綱を狙えるぐらいの実力がある3人なので、私は若者に迷惑をかけないようにということだけを考えて、皆さんについていきたいと思っております」と若手の3人を称賛した。

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最後にが「出演するキャストは24人ですが、スタッフも含めて102名のパフォーマンスだと思っています。千秋楽まで一致団結して突っ走っていくので応援よろしくお願いします!」とメッセージを述べて会見は終了した。

本作は、明治座にて12月23日(水)まで東京公演を行い、新年を迎え、1月5日(火)より大阪公演、1月17日(日)より福岡公演も予定されている。
また、12月15日(火)の東京公演はライブビューイングも決定している。

『両国花錦闘士』

東京公演:2020年12月5日(土)〜12月23日(水)明治座
大阪公演:2021年1月5日(火)〜1月13日(水)新歌舞伎座
福岡公演:2021年1月17日(日)〜1月28日(木)博多座


<ライブビューイング>
日時:2020年12月15日(火)13:30〜/18:30〜
※2回上映。映画館によってはどちらかの回のみの上映。
会場:新宿バルト9他、全国映画館約100館にて上映(予定)
詳細はこちらにてご確認ください。


STORY:
両国に爛漫と咲き乱れる力士たちの花舞台・国技館。その土俵の上では、宿命のライバルの取組が始まろうとしている。東はソップ(やせ)型で美形の昇龍[しょうりゅう](原 嘉孝)。西はアンコ(ぽっちゃり)型の雪乃童[ゆきのわらべ](大鶴佐助)。何もかもが正反対な二人だが、思いは同じ。「コイツにだけは負けたくない!」
熱戦を取材するのは、ワールドベースボール社の相撲雑誌の記者・橋谷淳子(大原櫻子)。野球雑誌の記者志望なのに相撲雑誌の担当になった彼女には、相撲の良さがさっぱりわからない。
稽古の合間の息抜きに、雪乃童は付き人たちとディスコへ繰り出すと、密かに想いを寄せる、部屋の一人娘・沙耶香と鉢合わせする。親方もおかみさん(紺野美沙子)も心配してますよ、と窘めるが相手にされず撃沈。
昇龍も力士と分からぬようにオールバックにスーツでディスコを訪れるが、鬢付け油の匂いはごまかせない。その甘い香りに誘われるかのように大手芸能事務所パピーズの女社長・渡部桜子(りょう)が現れる。数多の男たちを欲しいままにしてきた彼女は、出会ったことのないタイプの種族・力士の昇龍を篭絡せんとする。
勝利も美女も手に入れるかに見えた昇龍だが、次第に桜子の歪んだ愛情に翻弄され、不調の力士に惨敗を喫するなど、心に乱れが生じる。
昇龍は桜子の欲望に呑まれてしまうのか。雪乃童との勝負の行方は。
淳子の見つめる土俵には、愛と欲望が乱れ咲く。果たして、その先に見えるものは……。

原作:岡野玲子(小学館クリエイティブ「両国花錦闘士」)
作・演出:青木 豪
主題歌:デーモン閣下

出演:
原 嘉孝(ジャニーズJr.)/大鶴佐助 大原櫻子/
木村 了(特別出演) 入江甚儀 徳永ゆうき 岸本慎太郎(ジャニーズJr.) 根岸葵海(ジャニーズJr.)
大山真志 橘 花梨 加藤梨里香/市川しんぺー 福田転球 伊達 暁/
紺野美沙子/りょう

皇希 南 誉士広 梅澤裕介(梅棒) 遠藤 誠(梅棒) 中村味九郎 松田拓磨 遊佐亮介 近藤 廉

オフィシャルサイト
オフィシャルTwitter(@sanjushi_MTV)

©2020『両国花錦闘士』