Interview

福士蒼汰が明治の日本でホームズのごとく名推理!『明治開化 新十郎探偵帖』に懸ける思いを語る。

福士蒼汰が明治の日本でホームズのごとく名推理!『明治開化 新十郎探偵帖』に懸ける思いを語る。

明治維新によって劇的に変貌を遂げた日本。だが、西洋の文化や生活様式が導入されていくにつれ、人々の価値観や考え方も大きく変わり、かつてとは異なる性質の事件が起こるようになった。そういった事件を推理する男が、文明開化に沸く東京にさっそうと現れる! 彼の名は結城新十郎。ボストン帰りの特命探偵として、次々に難事件を解決していくのだが──。NHKのBS時代劇『明治開化 新十郎探偵帖』は、坂口安吾の『明治開化 安吾捕物帖』をベースに“明治版シャーロック・ホームズ”に仕立てた、新しいタイプのサスペンス歴史ドラマだ。主人公の新十郎を演じるのは、NHKのドラマは7年ぶりとなる福士蒼汰。変わりゆく時代の中で人間の本質を見つめる若き名探偵を通して、現代にもフィードバックできるものを提供したいと思いを語る。そのココロは──? 聞けば深くうなずく話の数々、ご堪能あれ!

取材 / 平田真人 撮影 / ヨシダヤスシ


新十郎にとって一番難解なのは、女性の恋心。だから恋愛がもっともやっかいな難事件なんです。

明治開化 新十郎探偵帖 福士蒼汰 WHAT's IN? tokyoインタビュー

福士さんの演じられる結城新十郎は“シャーロック・ホームズよりも一足早い名探偵”という、ユニークなキャラクターですね。

そんな男が明治の初めにいたらどうなるのか? という「もしも」が物語の軸になっていて。しかも、勝海舟(高橋克典)や西郷隆盛(鶴見辰吾)といった歴史上の人物とも絡んでいくところも見どころだと思っています。

無理やりこじつけますと、時系列的に『曇天に笑う』のちょっと前の時期のお話なので、何となくつなげてみても面白いかな、なんて思ったりもしていまして(笑)。

確かにそうですね(笑)。世界線を結びつけて妄想してみるのも面白いかもしれません。ただ、今回は漫画原作のお話ではなくて、史実をベースとしながら新十郎という寓話的な存在をエッセンスとして足していく感じになっているので、その時代に馴染まなければ…と考えていたんです。そのために当時の歴史的背景を学んだり、旗本の家系ということで所作の先生から指導を受けながら、武家の風習を身につけたりして、芝居に取り組みました。

クライマックスでは西郷隆盛との対峙もあったりして、推理エンターテインメントとしてだけではなく、歴史ドラマとしての側面も際立っているという印象を受けました。

西郷さんとのエピソードもそうですけど、幕末から明治初期という時代背景を効果的にとりいれて、ドラマチックな物語としても描かれていると思います。僕自身も、新十郎のベーシックな部分を育んだ江戸時代末期という時代を強く意識しつつ、洋行帰りという要素も表現できるように臨みました。武家に生まれ育っているので、その根本的な精神は忘れないようにしようと心がけていましたが、例えば女性に対する紳士的な接し方などには、西洋で身につけた考え方を表したりして。二つの側面を持つキャラクター性を見せていければと考えて演じました。

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敢えて本音をこらえるのが古くからの日本的な美徳だったりしますけど、アメリカで暮らしてきた新十郎は時にズバッとした物言いをする…ある種ハイブリッド的な“明治人”なのかな、とも思いました。

新十郎の言葉は、論理的なんですよね。彼が住んでいたボストンはイギリスから入ってきたものもたくさんあったでしょうし、学問的にも進んでいた分、勉強もできたと思うので、博識だったんだろうなと僕もとらえていて。ただ僕は、新十郎は理性の中に、感情的な部分を閉じ込めている気がしていて、心の奥底で揺れ動く感情をどこにぶつければいいんだろう、ともがいているのかなと思うんです。物語が進んでいくにつれ、大久保(利通/篠井英介)さん、西郷さん、そして勝さんに対して感情をぶつけていく様子が描かれているのですが…裏返すと、それまではある意味、自分の感情を閉じ込めるために知識をつけていたように思えたりもして。知識で感情をコントロールしようとしていたのかなと、僕自身は感じ取りました。

そう考えると、文明が開化していく時期ではあってもかなり先進的で、若い世代ではちょっと異端だったのかなとも思えてきます。

たぶん、そうだったんだと思います。もちろん、日本中を探せば新十郎のように進んだ人もいたかもしれないですけど、ちょっと変人でもあるので(笑)。

その“変人・奇人”的な部分も、シャーロック・ホームズっぽさを醸し出しているのかな、と。

そうかもしれないです(笑)。新十郎は、勝さんや西郷さんといった明治維新の立役者たちにちょっと疑念を抱いているように僕自身は感じるんですけど、その勝さんの家に居候するんですから、やはり“変人”だよなぁ、と。疑問視している相手からは距離を置きたくなるのが普通の感覚なんじゃないかと僕は思うんですけど、新十郎はその疑念を晴らすためにも、むしろ近づいていくんです。そういう部分からも、変わっているという感じがしました。

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なるほど。あと、セリフに時々英語が混ざるじゃないですか。「What’s Going on?」だとか「Something Strange…」といったような。そういったセリフの機微もお芝居の上で意識されたのでしょうか?

そこは正直どういったニュアンスがいいのか、すごく考えました。結構、唐突に言ったりするので、「浮いてしまわないかな…」と。でも、新十郎にとっては日本語と同じように口から出てくるという感覚だと思うので、意識せずに自然に演じられるように、腑に落ちるまで染みこませていきました。特に「Something Strange…」は毎回の決めゼリフのように使われるので、回数を重ねるごとに、自然と自分の言葉になっていったように感じます。

新十郎にとってのワトソン的存在である泉山虎之介(矢本悠馬)に、だんだん「Something Strange…」が伝染っていくのも面白いですよね。その虎之介と、内田理央さん演じるヒロインの加納梨江の“助手”争いからなるトライアングルも見ものになっていくのかなと思いますが、いかがでしょう?

明治初期の“ズッコケ3人組”じゃないですけど、コミカルな関係性は僕も面白いなと思いました。梨江さんの新十郎に対する恋心もピュアというか、初々しい感じがして微笑ましいです。当時は女性から積極的にアプローチできない風潮がありましたけど、梨江さんはちょっとがんばってみたりもして。それに対して新十郎の気持ちは…というところも楽しんでいただきたいなと思います。彼にとっては恋は理屈ではなく感情で動くものだから、一番難解なんです。そういう意味では、これもやっかいな難事件かもしれないですね。

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その梨江役の内田理央さんと虎之介役の矢本悠馬さんとは、現場でどのような雰囲気だったのでしょうか?

あくまで僕の印象なんですけど、矢本さんは僕に対してすごく気をつかってくださったんじゃないかなと思っていて。僕自身、グイグイと前のめりに距離を詰められると戸惑ってしまうタイプなので、たぶんそこを理解した上で絶妙な距離感を保ってくださったんじゃないかな──と解釈しています。もちろん、現場では内田さんとも矢本さんともいろいろとお話はしていたんですけど、お互いに心地よい距離感をとっていたというか。いい意味で、大人な関係性でした。

ただ、内田さんからは現場でご一緒するまでクールだと思われていたみたいで、実際はよく話すからビックリしたと言われてしまって。自分ではなんでそんなふうに見られるのかわからないんですけど、よくそう言われるんです。どうやらテレビで見る僕がそう映ったみたいなんですけど、本当は全然そんなことないんです(笑)。

基本的にはエンターテインメントだけど、人間の本質を浮き彫りにするドラマでもある。

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ちなみにですが、NHKのドラマに出演されるのは久しぶりですよね?

そうなんです。『あまちゃん』(13)以来なので…7年ぶりぐらいになるのかな?

NHKならではのドラマの撮り方であったり、スタッフの方々とご一緒されて、どんなことを感じられたんでしょうか?

最初は少し緊張感がありました。リハーサル室でキャストの方々と顔会わせをする際に、なぜかわからないんですけど、「独特な空気感があるんじゃないか?」と想像していて(笑)。でも、進んでいくうちに「懐かしいな」と思う部分があって、自然と緊張もほぐれていったという感じでした。

本編の話で言うと、毎話の冒頭で原作者・坂口安吾の「堕落論」の一節が読み上げられるのも印象的ですね。

はい、「人間は生き、人間は堕ちる。このこと以外の中に、人間を救う便利な近道はない」という言葉ですけど、少しおどろおどろしかったりもして。「え、何だろう急に?」という雰囲気もあるんですけど、それがこの作品の1本の軸にもなっていて。この作品は江戸時代から明治へと移り変わって日常そのものが変化した時に、人間はどう変わっていくんだろうというところを描いていています。時代の変わり目ゆえに強くなるネガティブな思いや欲望から犯罪や事件が起きるという、少し重めのトーンでもあって。でもそこに、探偵モノの要素が加えられているので、そういう意味では、エンターテインメントでもあり、人間の本質を浮き彫りにするドラマなのかな、と思っています。

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時代の変わり目というところでは、はからずもコロナ禍で価値観や生活様式が変わりつつある現代とシンクロする部分もあるかと思います。この作品に身を投じる中で、ご自身はどんなことを思われたのでしょう?

これは、いわゆる「コロナ禍」と呼ばれる状況になる前から思っていたことなんですけど、令和になって世の中が変わっていっているな、と。明治維新の背景には「このままじゃいけない」という危機感があったのだと思うのですが、平成から令和に変わった今のタイミングも、明治ほど組織体系が変わっているわけではないんですけど、何となく現況に甘んじていてはいけないという気持ちが、多かれ少なかれあるんじゃないかなという気がするんです。まだ行動を起こすにはいたっていないけど、微妙な感情の揺れ動きをしている時代だと僕は感じていましたし、そういう意味では明治期と似ているのかな──と思っていた矢先に、新型コロナウイルスで世の中が変わらざるを得なくなって。自分自身を見つめ直して「今までと同じ生き方じゃいけない」という思いを少なからず抱いたように感じます。変化していくという意味では、やはり明治期とリンクするような気がしています。

そうやって考えてみると、いろいろと気づきのある作品でもあると。

人間の本質から起こる事件を描いている話が多いんです。時代が変わりゆく中で、革新的なアイディアに対しては、「そんなことはさすがにできない」という保守的な考えが持ち上がったりもするわけですけど、そういったエネルギーとエネルギーのぶつかり合いが事件にもなり得るし、反対に良い方向へ転がることにもなり得るというところでは、現代と照らし合わせて見ることもできるのかな、と思ったりもします。実際、西郷さんと大久保さんの思いがぶつかり合った結果、今の世の中にもつながっているわけで…。どちらが正しいというのではなくて、エネルギーがぶつかり合ったこと自体が正解だったんじゃないかなと僕は思いますし、これからの世の中もみんながエネルギーを発していく時代になっていけばいいなと考えています。

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深いですね…。なお、撮影中の印象的なエピソードなどがあれば、お話いただけるでしょうか。

勝村(正信/薩摩藩出身の警視庁大警視の速水星玄役)さんとは昨年もドラマでご一緒していたんですけど、結構NHKの作品に出られていることもあって、「NHK、久しぶりだから不安でしょ?」と僕に訊いてくださって。「はい、そうですね…」と答えたら「すぐ慣れるから大丈夫だよ」と言ってくださったのが嬉しくて安心しました。そんな勝村さんと鶴見さん、高橋克典さんが1歳差違いぐらいの同世代でいらっしゃって、お三方の若かったころのお話をしてくださったりもして。そういった先輩方から聞かせていただいたことも印象に残っています。世代を超えてのコミュニケーションも楽しい現場でした。

では、最後に注目点などをうかがって締めようかと思います。

旗本の家に生まれ育った新十郎が、戊辰の戦で転機を迎えてボストンに渡り、多感な10代を異国で過ごして日本に帰ってくるというバックグラウンドが、物語の味になっていると思うんです。10代のうちにアメリカで生活したという経験が新十郎の人物像に影響を与えているのは間違いないので、そこを大切に演じました。でも、英語を話せるというところだけでなく、家族の過去の出来事なども“彼らしさ”をつくるものだと僕は捉えて演じたので、そういう部分にも着目していただけると嬉しいです。

そして、作品の謳い文句でもある“ホームズよりも一足先に名探偵”というだけあって、シャーロック・ホームズを彷彿させるような作品になっています。ステッキを使ったアクションは新鮮でしたし、力を入れた部分でもあるので、「頭脳派だけど武闘派」というギャップも楽しんでいただければと思います。

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12月10日(木)~12月17日(木)23:59


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福士蒼汰

1993年、東京都生まれ。2011年に俳優デビュー。近年の主な出演作にドラマ『Heaven? 〜ご苦楽レストラン〜』(19/TBS)『4分間のマリーゴールド』(19/TBS)『DIVER-特殊潜入班-』(20/KTV)、映画『BLEACH 死神代行篇』(18)『ザ・ファブル』(19)『カイジ ファイナルゲーム』(20)などがある。主演ドラマ『神様のカルテ』が2021年1月スタートする。

オフィシャルサイト
https://www.ken-on.co.jp/fukushi/

オフィシャルInstagram
@fukushi_sota_official

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BS時代劇『明治開化 新十郎探偵帖』

12月11日(金)20時スタート

出演:福士蒼汰、内田理央、矢本悠馬、中村靖日、勝村政信、篠井英介、鶴見辰吾、稲森いずみ、高橋克典 ほか

原作:坂口安吾「明治開化 安吾捕物帖」
脚本:小松江里子、伊藤靖朗
主題歌:ナオト・インティライミ「オモワクドオリ

オフィシャルサイト
https://www.nhk.jp/p/ts/M3X38LNYN7/