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すっかり相撲好きになったという大原櫻子が、相撲嫌いの相撲雑誌記者を演じる『両国花錦闘士』いよいよ開幕!

すっかり相撲好きになったという大原櫻子が、相撲嫌いの相撲雑誌記者を演じる『両国花錦闘士』いよいよ開幕!

『ファンシイダンス』や『陰陽師』で知られる漫画家・岡野玲子が、80年代後半から90年代初頭のバブル時代に女性視点で描いた伝説の相撲漫画「両国花錦闘士(りょうごくおしゃれりきし)」が舞台化され、12月5日(土)より明治座にて開幕する。
作・演出は、劇団四季『恋に落ちたシェイクスピア』や安田章大、古田新太出演の音楽劇『マニアック』の演出から歌舞伎の脚本まで幅広く手がける青木 豪が担当し、美形でナルシストの昇龍 役には原 嘉孝(ジャニーズJr.)が決定した。
先日行われた製作発表記者会見で青木が発した「はちゃめちゃな相撲エンターテインメント」とは、果たしてどんな舞台となるのだろうか。
相撲嫌いの相撲雑誌記者である橋谷淳子を演じる大原櫻子に、歌あり、ダンスあり、笑いあり、相撲ありのエンターテインメント作『両国花錦闘士』について話を聞いた。

取材・文 / 永堀アツオ 撮影 / 増田慶
ヘアメイク / 木内真奈美(OTIE) スタイリスト / 武内安


淳子とちょっと似ているところがある

今年の5〜6月に出演を予定されていたミュージカル『ミス・サイゴン』が新型コロナウイルス感染拡大防止により中止になってしまったので、大原さんにとっては昨年9〜10月のミュージカル『怪人と探偵』以来、約1年ぶりの舞台となりますね。

まずは、このご時世の中でエンターテインメントを届けられる環境にいることにとても感謝したいと思います。本当に、演じることをすごく楽しみにしているんです。最初に脚本を受け取って読んだときからずっと笑いが止まらなくて。絶対に面白い作品になると思っていますし、皆さんにも楽しみにしていただけたらと思っています。ただ、稽古が現時点(取材時)ではまだ歌稽古と力士たちが四股を踏む練習というところなので、どういう形に仕上がるのかが目に見えていないというか、想像もつかないのですが。私の役柄もここから深めていきたいなと思っています。

両国花錦闘士 大原櫻子 WHAT's IN? tokyoインタビュー

大原さんの役どころは、相撲嫌いの相撲記者という橋谷淳子ですよね。

相撲嫌いなのに相撲記者、そこが非常に難しいなと思っていて。私、淳子とちょっと似ているところがあるんですけど、淳子は嫌いなものほど調べてしまうっていう性格で、たぶん、自分がなんで嫌いなのかを探りたくてやっていることだと思うんです。どちらかと言うと、私も物事の理由を探りたがりなので、そういう部分では似ているのかなと思っています。例えば、映画でもつまらなそうだなと思っている作品も観に行くし、自分の嫌いなものも食べるんですよ(笑)。食わず嫌いなものも挑戦してみるところは似ているなと思ったりしますね。

何か具体的にありますか、嫌いなものは?

今、パッとは思いつかないですね。なんだろうな……嫌いなものを調べていくうちに好きになっちゃうから、嫌いなものがどんどんなくなっちゃうんですよね(笑)。

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(笑)。相撲に関してはどんなイメージを持っていますか。

このお話をいただいてから、先日、相撲の取り組みを観させていただきました。両国国技館に九月場所を観に行ったんです。それまではテレビでしか相撲というものを観たことがなかったんですけど、そこからすっかりファンになってしまって。面白いスポーツだなって感じたんですよね。それで今は本を読んだり、相撲に詳しい友達にお話を聞いたりして、勉強しているところです。だから、相撲嫌いの記者を演じるのに、どんどん相撲が好きになってしまっている……これはちょっとまずいなと思いながら(笑)、それでも手が止まらずにいろいろ調べちゃってます。この作品を知ってからホント大好きになりました。

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どんなところが気に入りましたか。

生で観てみると、カッコよかったんですよ。お話したように本も読み漁っているんですけど、相撲の特徴に“階級のないスポーツ”というのがあって。もちろん番付には階級と格付けがあるんですけど、いわゆる柔道やボクシングみたいな体重別階級がない。それが面白いところでもあり、“神事である”という点もすごく興味深いもので。日本相撲協会のホームページにも、相撲は神に捧げる神事だというような歴史が掲載されているんですけど。しかも、実際に目の前で観ると、取り組みのときに目には見えないものがグワッと動くようなものを感じて。その瞬間に、みんなが相撲に魅了される理由、愛される理由を実感しましたし、自分もすっかり魅了されてしまいました。

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本当に相撲にハマっているんですね(笑)。そこでお気に入りの力士は見つかりましたか。

めっちゃ応援している方、いますよ(笑)。身体が小さめな力士の方なんですけど、最近すごく人気のある炎鵬さん。ちょうど私が観に行った取り組みで、体格差のある大きな力士に勝ったんですよ! お客さんたちもものすごく沸いたんですけど、私も応援につい力が入りましたし、これからも注目していきたいなと思っています。

本作でも相撲シーンがあるんでしょうか?

まだどのような演出になるかわからないですけど、相撲して、歌って、踊って、すごく忙しい舞台になりそうです(笑)。

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うまく歌うことよりも元気にバカバカしく歌えたら

歌やダンスがふんだんに盛り込まれているんですよね。

そうですね。全部で13曲くらいありますね。私もまだ経験が浅いので、会見でもお話しましたが、キャストの皆さんと一緒に一生懸命に頑張らなきゃなと思っています。しかも、私が歌わせていただく歌の中で、いまだかつて挑戦したことのないラップを歌うんですけど、普段歌っているものともミュージカルでの歌ともラップは違う部分があるので、私にとっても新しい挑戦になると思いますし、楽しみですね。ホント、皆さんに負けないように一生懸命に頑張りたいと思います。

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歌稽古は先行して始まっていますが、手応えはいかがですか。

力士役の皆さんと歌ったナンバーもあったんですけど、本当の力士の方たちと一緒に歌っている感覚がありましたね。私はミュージカルや音楽劇の歌はあくまでも台詞の延長にあるものだと思っているので、必ずしもうまく歌うことが正解ではないと考えていて。音程よりも、感情を優先するときもあるだろうし、とにかく大きな声で歌うことが求められるときもある。今回の場合は、なんというか……くだらない内容の歌が多いんですよね(笑)。歌詞が面白いと言いますか。ある意味、そこは歌うとなると難しい部分でもあるのですが、うまく歌うことよりも元気にバカバカしく歌えたらいいなと思っています。

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歌とダンスは原作にない部分なので、どうなるのかが楽しみですね。ちなみに、原作コミックは読みましたか。

今、改めて読み直しています。ただ、原作がある作品のときは、原作を深く読み込んだ方がいい場合もあれば、あまり読まない方がいい場合もあって。原作に引っ張られすぎてしまうのも良くないですし、実写化する意味や生身の人間がやるからこその良さも考えながら役づくりをしていきます。例えば、表情が多い漫画だと、その人物のヒントが転がっているような感じがするんですけど、今作は淳子の登場シーンを読み返していても、あまり表情に大きな変化がなくて。だから、淳子に関しては、これから自分でキャラクターをつくっていくやりがいがあるなと感じています。

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稽古で楽しみにしていることは何かありますか。

うーん……シリアスな内容の作品ではないので、自然と楽しい雰囲気になるんじゃないかなと思っています。皆さん、非常に面白い方々なので、あまり構えずにいようかなと思っていて。

『メタルマクベス』disc2で共演した方もいらっしゃいますよね。

そうなんですよ。原 嘉孝くん、市川しんぺーさん、徳永ゆうきくん。皆さん仲良しなので、稽古場はきっと楽しいものになると思います。本当は地方公演でみんなと一緒に美味しいものを食べたいところですけど、こういうご時世ですから残念ですね。みんなで“ちゃんこ”を囲めないのがちょっと残念(笑)。

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劇場にいる間は日常を忘れて楽しく笑える作品

明治座での公演が12月23日(水)まであって、1月5日(火)からは大阪公演の新歌舞伎座、1月17日(日)からは福岡公演の博多座と巡演されます。いろいろあった2020年の締め括りと、2021年の新年の始まりを本作で迎えるわけですね。

もう今年も終わりかと思うとなんだか早いですよね。『両国花錦闘士』は、“頑張れ”とか“負けるな”とか“生きていくぞ!”みたいなメッセージを大々的に伝えるものではなくて、本当にくだらなくて笑えるエンターテインメントで、ある意味、劇場にいる間は日常を忘れて楽しく笑える作品だと思います。私自身がお客さんだったら、今、そういう作品が観たいなと思うので、この作品に出させていただいて非常に嬉しいです。大変なこと、つらいこと、ストレスを抱えてしまうことはまだまだたくさんあると思うんですけど、この作品を観ている時間だけはすべてを忘れて、何も考えずに笑っていただけるような楽しい舞台にできたらいいなと思っています。

『両国花錦闘士』

東京公演:2020年12月5日(土)〜12月23日(水)明治座
大阪公演:2021年1月5日(火)〜1月13日(水)新歌舞伎座
福岡公演:2021年1月17日(日)〜1月28日(木)博多座

<チケット発売>
東京公演:発売中
大阪公演:2020年12月5日(土)AM10:00〜
福岡公演:2020年12月5日(土)AM10:00〜

STORY:
両国に爛漫と咲き乱れる力士たちの花舞台・国技館。その土俵の上では、宿命のライバルの取組が始まろうとしている。東はソップ(やせ)型で美形の昇龍[しょうりゅう](原 嘉孝)。西はアンコ(ぽっちゃり)型の雪乃童[ゆきのわらべ](大鶴佐助)。何もかもが正反対な二人だが、思いは同じ。「コイツにだけは負けたくない!」
熱戦を取材するのは、ワールドベースボール社の相撲雑誌の記者・橋谷淳子(大原櫻子)。野球雑誌の記者志望なのに相撲雑誌の担当になった彼女には、相撲の良さがさっぱりわからない。
稽古の合間の息抜きに、雪乃童は付き人たちとディスコへ繰り出すと、密かに想いを寄せる、部屋の一人娘・沙耶香と鉢合わせする。親方もおかみさん(紺野美沙子)も心配してますよ、と窘めるが相手にされず撃沈。
昇龍も力士と分からぬようにオールバックにスーツでディスコを訪れるが、鬢付け油の匂いはごまかせない。その甘い香りに誘われるかのように大手芸能事務所パピーズの女社長・渡部桜子(りょう)が現れる。数多の男たちを欲しいままにしてきた彼女は、出会ったことのないタイプの種族・力士の昇龍を篭絡せんとする。
勝利も美女も手に入れるかに見えた昇龍だが、次第に桜子の歪んだ愛情に翻弄され、不調の力士に惨敗を喫するなど、心に乱れが生じる。
昇龍は桜子の欲望に呑まれてしまうのか。雪乃童との勝負の行方は。
淳子の見つめる土俵には、愛と欲望が乱れ咲く。果たして、その先に見えるものは……。

原作:岡野玲子(小学館クリエイティブ「両国花錦闘士」)
作・演出:青木 豪
主題歌:デーモン閣下

出演:
原 嘉孝(ジャニーズJr.)/大鶴佐助 大原櫻子/
木村 了(特別出演) 入江甚儀 徳永ゆうき 岸本慎太郎(ジャニーズJr.) 根岸葵海(ジャニーズJr.)
大山真志 橘 花梨 加藤梨里香/市川しんぺー 福田転球 伊達 暁/
紺野美沙子/りょう

皇希 南 誉士広 梅澤裕介(梅棒) 遠藤 誠(梅棒) 中村味九郎 松田拓磨 遊佐亮介 近藤 廉

オフィシャルサイト
オフィシャルTwitter(@sanjushi_MTV)

©2020『両国花錦闘士』

大原櫻子(おおはら・さくらこ)

1996年1月10日生まれ、東京都出身。日本大学藝術学部映画学科卒業。2013年に映画『カノジョは嘘を愛しすぎてる』にてスクリーン&CD同時デビュー。2014年には女優として日本映画批評家大賞新人賞を、歌手として第56回輝く!日本レコード大賞新人賞を受賞。歌手活動と並行して女優として映画、ドラマ、舞台など幅広く多くの作品に出演。近年の主な出演作品には【舞台】『怪人と探偵』、『メタルマクベス』disc2、『FUN HOME ファン・ホーム ある家族の悲喜劇』【映画】『あの日のオルガン』【TVドラマ】『ぴぷる〜AIと結婚生活はじめました〜』、『なつぞら』、『びしょ濡れ探偵 水野羽衣』などがある。

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