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赤澤 燈、陳内 将らが歌い踊り “働く”!? ワーキング・ステージ「ビジネスライクプレイ」開幕

赤澤 燈、陳内 将らが歌い踊り “働く”!? ワーキング・ステージ「ビジネスライクプレイ」開幕

ワーキング・ステージ「ビジネスライクプレイ」が11月28日(土)新宿FACEにて開幕。絶賛上演中だ。
赤澤 燈と陳内 将がW主演を務め、健人、松井勇歩、山﨑晶吾といった注目の若手俳優陣が集結。お笑い芸人、エレキコミックの今立 進と吉本坂46のメンバーでもあるエハラマサヒロも参戦しており、7人がその歌声とキレのあるダンスを交えつつ、笑いたっぷりに“ビジネスコメディ”を届ける。
スーツ姿のサラリーマンが歌い踊るカッコよさと笑いどころ満載のステージ。レポートにて、その一端をお伝えする。

取材・文・撮影 / 片桐ユウ


働くことで得られるもの、仕事に欠かせないこととは何か?

ビジネスライクプレイ WHAT's IN? tokyoレポート

新宿FACEならではのセンターステージに、シンプルな白いデスクとイス、ベンチ、そして小型の冷蔵庫が配置されている。コンパクトな事務所か、こぢんまりしたワーキングスペース。そんなイメージだ。
ステージの一段上がったスペースをオフィス内、その周りをぐるりと囲んでいるスペースを歩道や別空間として使い分け、物語は展開していく。

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浄水器の営業販売に行き詰まりを感じた日野洋治(赤澤 燈)は、転職情報誌を適当に開いて、そこに転職することにした。
面接を経て採用された会社はIT企業を名乗る「株式会社WEEKLY」。配属された“金平チーム”は、コピーライターの土田万平(陳内 将)をはじめとして、クセが強いうえに、ろくに仕事もしないで遊ぶように過ごすサラリーマンばかり。
日野は自由奔放な“金平チーム”に翻弄されながらも、仕事へのやり甲斐を探して奔走する……。

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面接場面や企画会議に集中する様子など、要所要所でソング&ダンスナンバーが展開する。身体にフィットしたスーツ姿で歌い踊る彼らはとてもスタイリッシュ。音楽は、あらいふとしとミヤジマジュン。振付はEBATOによるもの。楽曲は帰り道に口ずさみたくなるほどキャッチーである。
デスク位置を組み替えてその上で熱唱したり、客席が並ぶ4方向に向けてポーズを決めていく様も華やかだ。照明もショーアップされており、“お仕事モノ”として勝手に抱いていた堅苦しさを打破してくれた。

その軽やかな雰囲気は、芝居にも感じ取れる。序盤から不思議な馴染みの良さを感じる舞台である。演出・脚本はこれまでにもコメディ作品を数多く手がけている川尻恵太。
新宿FACEの独特な空気感、センターステージという距離感、そしてキャストたちの息の合い方。すべてが気負いなく調和している印象だ。

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本作はオリジナル作品。当然ながら登場人物たちも初めて目にするハズなのだが、第一声から「なるほどね」とわかるような個性の持ち主。「あれ? 連ドラで1クール見てきた人たちだっけ?」と錯覚してしまうほど、キャラクターへの理解と愛着の芽生えが早い。身近さを感じさせる人物ばかりである。

健人が演じるWEBデザイナーの月川は、なんでも自分の悪口だと思い込む究極のネガティブ。松井勇歩は、スイーツ好きでキュートな風貌だがキレると怖いプログラマーの不知火 役。山﨑晶吾は、元ヤンでギャンブル狂の営業・清水 役。
エハラマサヒロが演じる上司・金平は話が長く、特に家族自慢が尽きない。今立 進が演じる掃除のおじさん・木谷は面倒見の良いツッコミキャラかと思えば、どこか隠し持っているところがありそうなキャラクター。

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「被害妄想で拗ねる人」や「気がつけば家族自慢になる人」、「マイペースに好き勝手なことをしている人」、「噂が噂を呼んでいる人」など、大小あれども周囲に思い浮かぶ人であったり、我が身を省みたときに思い当たる節が出てくるような“あるある”感満載の人々が、これまた「あるある」を感じさせる会話を繰り広げる。

エハラと今立の間合いの上手さが思わぬところまで笑いの場面を作り、場を飽きさせない。このふたりの芸達者ぶりに若手俳優たちも負けておらず、エハラと今立に腹筋を試されながらも全力で乗っかっていく様に見応えがあった。健人の細やかな仕草、松井の豹変ぶり、山﨑のオラオラ具合にも注目だ。

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強烈な個性とボケを織り交ぜながら、勤務時間を怠惰に過ごしている“金平チーム”の日常を見守ることも悪くないのだが、基本的にゆるめのエピソードが綴られるなか、物語をきっちり進めてくれるのがW主演のふたり・赤澤 燈と陳内 将が演じる日野と土田である。

赤澤が演じる営業マン・日野のひたむきさと、陳内が演じるコピーライター・土田の気怠げな物腰。相反するキャラクターのようだが、だからこそふたりの対立と過去が停滞気味の“金平チーム”に新風を巻き起こしていく。

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基本ボケがちの周囲に対して、赤澤と陳内はいわゆるツッコミの立ち場となる。だがボケの拾い方が柔らかく、ノリよく合わせてみたり、正気に返ったり、時には絶叫したりと、その力加減が絶妙だ。
キャリアを重ねてきて、若手俳優を中心とした舞台では“お兄ちゃん”のポジションを担うことも多いふたりが培ってきた“レシーブ能力”のようなものが、この舞台が持つ“馴染みの良さ”の要である気がした。

7人が力を合わせて“笑い”と“物語”の球を回しながら、最後は気持ち良く観客の心にポイントを決めてみせる、爽やかな後味のステージである。上演は12月5日(土)まで。

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“人”が“動く”と書いて“働く”とするように、働くことは人が生きていくなかで、重要な要素のひとつ。

「働かざる者食うべからず」ということわざさえある。怠けて働こうとしない者を戒める言葉だが、働きたくても働けない人や、切羽詰まった状況の人にはあまり向けたくない言葉だと思う。
「起きて働く果報者」ということわざもあって、これは「健康で働けることは幸せなことだ」という意味合い。この状況下で働き詰めの職業の方々が心配になる一方、“働けない”という苦しさを味わった人たちには、こちらのことわざが実感を伴うのではないかと感じる。

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ワーキング・ステージ「ビジネスライクプレイ」は、ダラダラと過ごすビジネスマンたちの姿から始まるが、メッセージを読み取るとすれば、「仕事との向き合い方」と「働かないと得られないもの=働くことで得られるもの」だ。

誰もが必死で沈みがちな日々、ふと少し離れた視点で「仕事に欠かせないもの」は何であるのかに思いを馳せていけるような……自分の仕事に欠かせないものは、仲間なのか、遊び心なのか、情熱なのか。そんなことを考えるキッカケにもなるかもしれない。

ワーキング・ステージ「ビジネスライクプレイ」

2020年11月28日(土)~12月5日(土)新宿FACE

演出・脚本:川尻恵太
音楽:あらいふとし + ミヤジマジュン
振付:EBATO

出演:
赤澤 燈 陳内 将
健人 松井勇歩 山﨑晶吾
今立 進
エハラマサヒロ

オフィシャルサイト
オフィシャルTwitter(@wstage_BLP)

©2020 ビジネスライクプレイ製作委員会