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侵攻、略奪、復讐……荒々しいヴァイキング体験『アサシン クリード ヴァルハラ』血湧き肉躍るオープンワールドの魅力

侵攻、略奪、復讐……荒々しいヴァイキング体験『アサシン クリード ヴァルハラ』血湧き肉躍るオープンワールドの魅力

2007年に発売された1作目から現在に至るまで、メインシリーズやスピンオフを合わせると20以上もの作品がリリースされている『アサシン クリード』は、ユービーアイソフトを代表する息の長い人気シリーズです。ときには12世紀のエルサレム、ときにはルネサンス期のイタリア、紀元前のギリシア……と、プレイヤーはさまざまな時代や場所で何人ものアサシンの人生を追った物語を体験してきました。シリーズ最新作となる『アサシン クリード ヴァルハラ』の主人公はなんと、北欧のヴァイキングです。ヴァイキングとアサシン……あまりピンとこない組み合わせかもしれませんが、主人公エイヴォルの数奇な運命を一緒に体験していくうち、プレイヤーはきっとこの新しいアサシンに惹かれていくはずです。本シリーズは1作目からずっとステルスアクションを主とした作品でしたが、『アサシン クリード オリジンズ』から取り入れられたオープンワールドRPGのシステムは次作『アサシン クリード オデッセイ』、そして今作と続いていくなかでブラッシュアップされ定着してきたと感じます。今回の記事では2回にわたって本作の魅力や見どころを伝えていきます。まずはトレーラームービーで、豪快なヴァイキングたちが蹂躙していた9世紀のヨーロッパを感じてみてください。

文 / 内藤ハサミ


エネルギッシュなヴァイキングの生活

主人公エイヴォルは、ヴァイキングの戦士団を率いる恐れ知らずの戦士です。幼いころに壮絶な体験をしたエイヴォルはたくましく育った今も復讐に燃え、誇り高くあることを信条としています。エイヴォルの性別は選択可能です。前作『アサシン クリード オデッセイ』では、カサンドラとアレクシオスという血の繋がりがある男女ふたりのどちらかを主人公として選択する形でした(選ばなかったほうが主人公の弟、または妹になります)。今回は男女どちらを選んでも“エイヴォル”という同じ人物で、選ばなかった性別の人物は存在しません。

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▲キャラクターの容姿をカスタムすることはできませんが、髪形や髪色、入れ墨などの装飾は拠点にいるNPCと話すことである程度変えられます

筆者は女性のエイヴォルを選択しました。性別はゲーム進行中いつでも変更可能で、選択によってゲームの展開が変わることはありません。性別が変わるとグラフィック的にはまったくの別人になります。ストーリーとの整合性が取れなくなるのではないかと不思議に思うかもしれませんが、どちらの性別を選択・途中変更しても全く問題ない理由がゲームを進めていればわかりますからご安心を!

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▲本シリーズではおなじみ、被験体の記憶情報を読み取ることができるヴァーチャルリアリティマシンの“アニムス”が、エイヴォルという人物について知るヒントです

ゲーム中いつでも変更できる難易度は、エクスプロア、バトル、ステルスの3カテゴリをそれぞれ3~4段階から個別に選択できます。例えばクエストなどのアドベンチャーパートはリアリティを追求したいので、HUDやワールドマップからの情報表示を最低限にする“パスファインダー”、バトルパートはスムーズなゲームの流れを妨げたくないので敵が弱体化される“スカルド”、ステルスはほどよい難度で楽しみたいので標準難度の“アサシン”など、プレイヤーにとって最も快適なプレイ環境を作ることができるのです。従来シリーズよりも細かく決められるようになった点は、キャラクターとの一体感、ゲームへの没入感を高めることに大きく寄与していると感じました。

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▲ひとまず筆者はすべて標準の難度で始めました。だいぶ慣れてきたので、まずはバトルの難度を上げてみようかな?

強い戦士へと育ったエイヴォルはイングランドに新天地を求め、ロングシップ(ヴァイキング船)で海を渡ります。今作の大きな目的は、イングランドに侵攻し領地を手に入れること。野心あふれるエイヴォルの気高く荒々しい生きざまは、今までの主人公の誰とも大きく違います。特にヴァイキングたちの倫理観や死生観は、現代に暮らす私たちとはかけ離れていて興味深いです。雄々しく戦い、欲しいものがあれば略奪し自分のものにするのが当たり前。「現世で勇ましく戦い名誉の死を迎えると、主神オーディンが住むヴァルハラに行ける」という、武勲を上げることが重要視されるヴァイキングの根源的な思想は、現代人がすんなり共感できるものではないかもしれません。しかしプレイを始めてみればすぐに馴染み、ちょっとコンビニに行ってシャンプーを買うような感覚で、めぼしい寺院や村を襲撃・略奪するようなプレイスタイルになりました……。一度略奪した個所を再び襲うことはできませんが、物資を抱え込んでいる地域はほかにもたくさんあるので、がっぽりと物資をゲットしていきましょう!

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▲遠くから敵を射る!

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▲略奪した寺院でお宝漁り。武器、拠点をグレードアップさせるアイテム“原材料”など役立つものがまとめて手に入ります

戦闘は従来どおり暗殺のアクションが存在しますが、ステルスからの暗殺を使わずに真っ向勝負で戦える自由度もあり、プレイヤーごとのスタイルを貫けるようになっています。片手・両手武器が使用できるほか、左右の手にそれぞれ片手武器を装備する“二刀流”もできます。実際には日常的にそういう戦いかたをしていたわけではないようなのですが、斧の両手持ちは多くの人がヴァイキングのイメージとして思い浮かべるものでしょう。それに豪快な見た目が実に格好いいのです。持った武器の組み合わせによってアクションも変わるので、これだというスタイルを自分なりに追求する楽しさが味わえるでしょう。

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▲武器は強化することで長く大事に使うことができます。パラメータのより高い武器を手に入れるたびに持ち替えていくようなスタイルではありません

敵を倒したり新しいロケーションを発見したりして一定の経験値を得ると、スキルポイントが付与されます。それを使ってスキルツリーを解放していくことで、エイヴォルは強くなります。レベル制ではありません。3方向に伸びているスキルツリーは、近接、ステルス、遠距離という3つの傾向に分かれています。スキルツリーは取得した先に伸びているスキルが数個ずつまとめて解放されていくため、その先に繋がっているスキルが見えず成長の計画を立てるのに不便です。ただしスキルはいつでも振り直しができますから、大きな問題だと感じるほどではありませんでした。

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▲強化の方向性が見えてこなかったので、まずは目についたスキルを適当に取得していきました。めぼしいスキルが出てきたら、ポイントを振り直す予定です

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▲フォトモードで撮影したアクションのかっこよさを見てください。どこを切り取っても絵になります

操作感には爽快さが感じられ、たび重なる戦闘にも飽きを感じませんでした。前作はアビリティのみで体力を回復するというややシビアなシステムでしたが、今回は好きなタイミングで回復ができるようになって間口が広くなり未プレイの方にも薦めやすくなった印象です。歩きながら戦利品を拾う、ツボのなかを調べるという手ごたえだけは薄く、取得できていないことに気づかず素通りしてしまうことが多くてややストレスを感じました。こちらもプレイのなかでかなり多用するアクションなので、もう少しストレスフリーな操作感になれば嬉しいですね。メインストーリーを追いつつ各地で発生しているワールドイベント(ミニクエスト)をこなしたり、地図を頼りに財宝を探したりしていると、世界に散らばっている手紙や敵との対話などから謎の教団の存在と渦巻く陰謀が浮かび上がってきます。シリーズのファンであれば、これこそが『アサシン クリード』だと嬉しくなる瞬間です。イングランドの侵略につきまとう教団の影とは。そして彼らの目的とは。ここからストーリーは走り出します。

定住地を軸に冒険は進む

今作ならではの大きな要素として、手持ちの物資を使って発展させることができる拠点“定住地”の存在があります。定住地にはさまざまな職業の人間が集まり、彼らに家屋を建設してあげれば武器のカスタマイズや強化ができる鍛冶場、ロングシップのカスタマイズができる造船所、世界の珍品を取り扱う交易所などエイヴォルの旅に役立つ施設として機能します。建設資材は、もちろん略奪で賄うのが手っ取り早いのです! 元気よく近隣の村などに出向き角笛を吹いて仲間を呼び寄せ、ガンガン物資を奪って定住地を盛り上げましょう。

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▲村を壊滅させて、物資をゲット。これがヴァイキング流!

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▲奪った原材料を使って定住地に釣り小屋を建てました。釣った魚を納品すると報酬が貰えるので、ミニゲームとして楽しむ以上の利益が望めます

定住地の発展度によって進むメインストーリーもあるので、定住地は冒険の軸に必ず置かなければなりません。略奪やメインストーリーを進めたら定住地に戻って施設を強化、次なる目標を決めてエイヴォルの旅支度をするというサイクルを繰り返していくうち、エイヴォルたちの力と影響力はどんどん増していきます。やりがいは充分ですし、ヴァイキング戦士の生活を体験している実感も得られるシステムです。定住地の仲間に愛着も湧きます。仲間意識の強いヴァイキングたちの結束は、こうした生活のなかで育まれていたのかもしれませんね。

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▲極寒の海を進むロングシップ。前作に引き続き、船員たちは漕ぐときに歌ってくれます。ちょっとしたサービス要素ですが、俄然船旅が盛り上がるのです!

本作はPlayStation®5(以下、PS5)、PS4、Xbox Series X/S、Xbox One、PCと多機種でリリースされていますが、PS4・Xbox One版はPS5とXbox Series X/Sでそれぞれ無償アップグレードのサービスを受けられます。発売直後で手に入りにくいニューハードですがまずは現行ハードでプレイを始め、のちにアップグレードするという遊びかたができるのはありがたいですね。筆者もPS5版にアップグレードして遊んでみましたが、まずはロードの速さに驚きました。高速移動時に挟まるローディング時間は、PS4 Proで遊んだときの半分以下です。グラフィックはより鮮やかにリアリティを増し、背景は遠くまでぼやけず表示されるためマップがより広く感じられます。動作もより滑らかになり、PS5版にアップグレードして遊んで初めて「PS4版は動作にカクつきがあったのか」と気づいて感動しました。機会が訪れたらぜひアップグレードして楽しんでほしいですね。
前作までのシリーズを丁寧に向上させ、北欧のヴァイキングという新しいアサシンのストーリーを魅力たっぷりに綴っている最新作『アサシン クリード ヴァルハラ』。次回記事ではプレイをより豊かに彩る要素やストーリーのその先について触れ、ヴァイキング流のラップバトル“口論詩”など個性的なコンテンツにも着目します。さてエイヴォルの旅は、いったいどういう結末へと向かっていくのでしょうか……!

フォトギャラリー

■タイトル:アサシン クリード ヴァルハラ
■発売元:ユービーアイソフト
■対応ハード:PlayStation®4、PlayStation®5、Xbox One、Xbox Series X/S、PC
■ジャンル:アクションRPG
■対象年齢:18歳以上
■発売日:発売中(2020年11月10日)
■価格:各種価格はオフィシャルサイトでご確認ください


『アサシン クリード ヴァルハラ』オフィシャルサイト

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