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2年ぶりの「ラブ米」も大豊作! 笑顔吹きこぼれるRICE on STAGE「ラブ米」~Rice will come again~に大満腹!!

2年ぶりの「ラブ米」も大豊作! 笑顔吹きこぼれるRICE on STAGE「ラブ米」~Rice will come again~に大満腹!!

お米擬人化作品の舞台化として話題を呼んだシリーズが、2年の時を経て再び炊飯ジャーの蓋を開いた。
11月19日(木)品川プリンスホテル クラブeXにて、RICE on STAGE「ラブ米」~Rice will come again~が開幕。お米を擬人化したキャラクターたちが、歌とダンスを交えながらシュールなギャグと豊富なお米知識を披露しつつ、感動の物語を綴ってみせる盛りだくさんのステージだ。
主人公「ひのひかり」を演じた田村升吾をはじめとする、成長著しい若手俳優たちの実りぶり、新キャラクターとして参戦した俳優たち、陸稲耕二郎 役として登場した岡 幸二郎の炊き上がりっぷりを、山盛り写真&ゲネプロレポートでお届けする。開幕に際して寄せられたキャストたちの米(コメ)ントも合わせて召し上がれ!

取材・文・撮影 / 片桐ユウ


“精米精度”が確実に上がったキャストたち

グッと涙がこめ上げ、いやこみ上げてきて、でも次の瞬間ブハッと吹き出し、笑顔になってしまう。炊きたてご飯のようにあったかい気持ちになれる「ラブ米」が2年ぶりに帰ってきた。

RICE on STAGE「ラブ米」~Rice will come again~ WHAT's IN? tokyoレポート

「穀立稲穂学園」にて、輝くお米ユニットに与えられる「トップハーベスター」の称号を手にした「ラブライス」の5人。ひのひかり(田村升吾)、ささにしき(星乃勇太)、ひとめぼれ(前川優希)、あきたこまち(白石康介)、にこまる(佐野真白)によるパフォーマンスからステージは始まった。

飛びきりのスマイルで「みんなまとめて、炊いてやる!」という決め台詞をグルメ(=観客)に向かって宣言する、ひのひかり。稲穂に囲まれた円形ステージの上に、5人の笑顔と元気いっぱいの姿がきらめく。

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オープニングナンバーはもちろん、全編通して驚かされるのが楽曲とダンスのクオリティーである。

音楽の坂部 剛は、アニメや映画劇伴、特撮作品でも多くの実績があり、アレンジを務めていたミュージカル『テニスの王子様』には、3rdシーズンより佐橋俊彦と共同で音楽担当を務めている。
振付の本山新之助はダンサーとして多数の作品に出演。振付・ダンス指導として携わってきた作品も多く、ミュージカル『テニスの王子様』はもちろん、ミュージカル『薄桜鬼』やミュージカル『刀剣乱舞』など、“2.5次元ミュージカル”で欠かせない存在だ。

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このふたりが手がけるハイレベルなダンスパートを、着実にキャリアを積んできたキャストたちが堂々と披露している眩しさに早くも満腹、いや満足感を覚える。お米的に言えば“精米精度”が確実に上がっている。

初演の頃から印象的な楽曲とアップテンポでキレのある振付は存在しており、フレッシュに歌い踊る彼らの姿は当時も輝いていた。だが例えるならば、2年前はちょっといびつなところも残るおにぎり。一生懸命握られたそれはとても美味しかったのだけれど、時を経た今作では握り加減も塩加減も熟知して、美しく安定した三角形のおにぎりになったといったところ。
さらに一段と団結感が増したところも、より良き“おにぎり”に感じられた理由かもしれない。

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その成長率は歌やダンスだけではなく、芝居も同様。各自のスキルが上がったことで安定性が増し、物語がよりスムーズに伝わってきた。

ひのひかり 役・田村升吾が「なんと言っても約2年ぶりに帰ってくることができました! 新しく登場するキャラクターも含め、カンパニーみんながお米として旨味を増しながらも成長してきたと、稽古をしながら思っていました。舞台上でもその成果が発揮できるように頑張ります!」と開幕コメントで断言したとおり、それぞれが自信をつけてこの作品に戻ってきたのだとしみじみ感じた。

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そんな彼らが紡ぐストーリーは、急展開に次ぐ急展開。

今作に出演しないお米たちは「アフリカデビュー」「米国留学」「テニス留学」など、己に磨きをかけるべく様々な場所へ旅立っていることが説明され、自分たちも負けていられないと気合いを入れ直す「ラブライス」のメンバーたち。

そこに「ST☆RICE」のキヨハタモチ(北乃颯希)が駆け込んできて、「穀物留学生」の到来を告げる。「穀立稲穂学園」関西支部で「ハーベスター」として輝いた、日本晴(吉澤 翼)と、はつしも(永田聖一朗)が留学生としてやってきたのだ。

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華々しく登場した新しいお米たちに対して、「え、お米にそんなに詳しくないから、すごさがわからない……」という人もご安心を。「そういえば聞いたことがある」と少年漫画の進行さながらに、初登場の相手について詳しい誰かが必ず説明を加え、時には唱和しながら、あるいは後方スクリーンに映像や解説文を出しながら不安を解消してくれる。

舞台を観劇している中で「わからない」という要素は、物語の先を気にさせる効果を生むものと、単純にストレスとなってしまうものがあるが、「ラブ米」はストレスの方面を解消することが実にう米(まい)。

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脚本・演出・作詞を手がける村井 雄(KPR/開幕ペナントレース)が持つ独特なセンスと、エンタメに振り切る躊躇いのなさが、お米たちのキャラクターと物語にマッチしている。
「ココ!」というギャグへのこだわりも世界観を確立させているうえ、トリビア的な「お米知識」を結び付けて、物語として展開させていく力もすさまじい。すべてのマリアージュが成功して、食べ合わせバッチリという印象だ。

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日本晴とはつしもは、特別ユニット「DREAMS KOME TRUE」、通称「ドリ米(コメ)」を結成し、デュエットナンバーを歌い上げて関東米たちを圧倒する。

さらに関西米を引率してきた陸稲耕二郎(岡 幸二郎)も登場。大物感ハンパないオーラたっぷりに、陸稲米であるキヨハタモチや「ラブライス」を“茶碗一杯にも満たない”半人前だと叱咤して立ち去っていく。

大きなショックを受ける関東米たち。しかし立ち直る間もなく「穀立稲穂学園」の校長が現れて、お米たちにとっては害鳥でもあるスズメの襲来を告げるのだった。

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かつてイナゴが襲ってきたときと同じく、「合鴨ブラザーズ」の弟鴨(福島海太)による撃退を期待するお米たちだが、今回は悪条件が重なり、同じようには運ばないとのこと。「ST☆RICE」の参謀的存在・平山(川上将大)も登場するが、解決策は見えないままだ。

平山 役の川上将大は、開幕コメントで「演出の村井さんの元、稽古でも事細かに色々な見せ方を徹底してきました。本番ではカンパニー一同、ラブ米の醍醐味である集団芸というところをバシッと決めていきたいと思います。個人的な見どころとしては、過去作で新しい一面を見せることができたシーンが今回も再びあるので、グルメの方を良い意味で裏切れるように、進化したところをおみせしたいです!」と意気込み。予想を裏切り、期待を裏切らない弾けた場面を担っている。

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そうこうしているうちに暗雲が立ち米(こめ)、一本の千点棒を先陣として雀鬼(加藤良輔)が登場。点棒とは、麻雀で主に点数計算で使用する白い棒のことである。「え、麻雀にそんなに詳しくないから理解が追いつくかわからない……」という人もご安心を。雀鬼が麻雀用語を発するたび、必ず誰かが説明してくれる。

雀鬼は、伏見稲荷大社の「お田植神事」でスズメの丸焼きが食されていることに恨みを抱き、関西の「穀立稲穂学園」を襲撃。陸稲耕二郎によってどうにか難を逃れた日本晴とはつしもを追って、この関東にまでやってきたのだった。

雀鬼 役の加藤良輔は、そのパフォーマンス力とコメディセンスを存分に発揮。ボケ倒しのお米たちに対して絶妙なリアクションを返し、新たな笑いを生んでいる。

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力を合わせて雀鬼を追い払おうとする関西米と関東米だったが、なんと、はつしもが雀鬼に寝返って「お引き」になってしまう。さらに陸稲米である「ST☆RICE」のふたりも雀鬼に洗脳され、お米たちは窮地に陥ることに……。

日本晴 役の吉澤 翼は「『ラブ米』は初参加ですが、稽古序盤で「ラブライス」をはじめとした団体芸の息が見事に合っていてびっくりしました。僕たち関西米が新しく登場することになって、はつしも役の永田聖一朗くんとは2人で色々話し合いました。その結果として2人の息がさらに合ったところを舞台上で発揮できるのではないかと思っているので、楽しみにしていただけたらと思います! 自分たちが稽古してきたことを楽しんでいれば舞台上で出せると思うので、グルメにも楽しんでいけるように頑張ります!」と開幕に向けてコメント。
日本晴とはつしもによる決別ソングは切なく美しく、だが歌詞をよく聞いてみるとしっかりお米について語った歌である。

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ふたりのデュエットに続いて、あきたこまち、ひのひかり、にこまるを中心としたユニット「ブレンドマイン」と雀鬼たちによるソングバトルが始まるが、力強く歌い踊る雀鬼の勝利に終わる。

強敵・雀鬼に打つ手なしかと思われたそのとき、陸稲耕二郎が伝説の陸稲ハーベスター「アンジョルライス」となって登場!
グルメたちのもち肌に鳥肌が立つほど響きわたるアンジョルライスの歌声は圧巻だ。トリコロールやバリケードの幻影を見ながら行進したくなってしまう勢いである。

陸稲耕二郎 役・岡 幸二郎は開幕コメントにて「『ラブ米』初参加、新米の岡 幸二郎です」と挨拶。続けて「世の中はまたまたCOVID君が大暴れし、何だが何もかもが沈んでいる様に感じる昨今、劇場に入って舞台セットを見ただけで顔が綻んでしまいました。シンプルな、そして可愛い色目の『ラブ米』ステージ!! そして場あたりでは出番が無い時は客席で観ていたのですが……“大人が真面目に馬鹿やるのって、何て愛おしいのだろう”と。自粛明けの一発目の舞台がこれで良かったと思えた瞬間でした」と、「ラブ米」愛を語っていた。

歴史あるミュージカル作品の数々に出演してきた俳優・岡の惜しみない歌声が劇場を包む贅沢感はひとしお。さらにその歌唱によってキャストたちの高揚感が高まっていく様も間近に感じ取れ、あらためて“ミュージカル”の素晴らしさを見た思いがした。

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アンジョルライスの歌声によって、雀鬼は一時行動不能に。そして「お引き」になっていたお米たちの洗脳も溶ける。最終決戦を陸稲耕二郎に託されたお米たちは、スズメに対抗する手段を発見。いよいよ雀鬼に立ち向かう……!

弟鴨 役・福島海太は、開幕に際して「3作目となりましたが、弟鴨として『ラブ米』の世界に立てることを嬉しく思います。公演の見どころとして、ラブライスの成長はもちろん、個人的に観ていただきたいところに弟鴨が成長していくシーンもあります。その中で、グルメには兄鴨(滝口幸広)の存在が温かくみえてきたら良いなと思います」とコメント。

その思いを米(こめ)たラストにぜひ注目して欲しい。
今作のエンディングも明るく、そして愛に満ちたメッセージに溢れている。

初演と2作目ではフレッシュなキャストたちをまとめつつ、稽古場で「炊き出し」も振る舞っていたとインタビューで語られていた兄鴨 役・滝口幸広。温かく気さくな人柄で多くの人たちに愛された滝口幸広への、「ラブ米」らしい見送り方だと感じた。

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「ラブ米」恒例のライブパート2部も名曲が盛りだくさん。
軽い食感に見えて食べごたえがある、満腹感間違いナシの舞台だ。

上演は11月29日(日)まで。“ライスホルダー”として RICE on STAGE「ラブ米」の五穀豊穣を祈願する応援企画「休耕地復田プロジェクト」なども実施されている。

RICE on STAGE「ラブ米」~Rice will come again~

2020年11月19日(木)~11月29日(日)品川プリンスホテル クラブeX

企画・原作:8million
脚本・演出・作詞:村井 雄(KPR/開幕ペナントレース)
音楽:坂部 剛
振付:本山新之助
アニメ原作:高林ユーキ
キャラクターデザイン:あおいれびん

出演:
<ラブライス>
ひのひかり 役:田村升吾
ささにしき 役:星乃勇太
ひとめぼれ 役:前川優希
あきたこまち 役:白石康介
にこまる 役:佐野真白

<ST☆RICE>
平山 役:川上将大
キヨハタモチ 役:北乃颯希

<合鴨ブラザーズ>
弟鴨 役:福島海太

日本晴 役:吉澤 翼
はつしも 役:永田聖一朗

雀鬼 役:加藤良輔

陸稲耕二郎 役:岡 幸二郎

オフィシャルサイト
オフィシャルTwitter(@love_kome_stage)
オフィシャルYouTubeチャンネル

©RICE on STAGE「ラブ米」