Interview

ドラマ『恋あた』の“再起動”壁ドンで話題沸騰! 一途な男のせつなさを体現する若き名手・仲野太賀に迫る。

ドラマ『恋あた』の“再起動”壁ドンで話題沸騰! 一途な男のせつなさを体現する若き名手・仲野太賀に迫る。

ついに世間が彼のすごさに気づいた! 同じ役者たちからもリスペクトを集める仲野太賀が、TBS系連続ドラマ『この恋あたためますか』のパティシエ・新谷 誠役で注目を浴びている。森 七菜演じる主人公の井上樹木とともに試行錯誤しながら新しいスイーツをつくりだしていく役どころだが、いつしか彼女に想いを寄せていき──。一途ながら、その気持ちや行動が空回りしがちなせつなさや機微を高い表現力で絶妙に体現せしめ、多くの女性視聴者たちのハートをくすぐっている仲野に、完全個別インタビュー。第1話で話題を呼んだ“再起動”シーンをはじめ作品や役のこと、そして芝居そのものについてまで、じっくりと幅広く語ってもらった。

取材・文 / 平田真人 撮影 / 増永彩子


壁ドンするタイプの人間じゃないので(笑)、“再起動”のシーンは「これでいいのかな?」という不安があった。

この恋あたためますか 仲野太賀 WHAT's IN? tokyoインタビュー

第1話で、ネガティブなモードに入りそうになった森 七菜さん演じる主人公の井上樹木に対して、太賀さん演じる新谷 誠が壁ドンしつつ、「“再起動”スイッチを押してあげるから」と告げるシーンが、大きな話題を呼びました。ご自身は、率直に反響をどう受け止めていらっしゃいますか?

実際にどのくらいの人たちが反応してくれたのか、そこの実感というのはフワッとしているんですけど、いろいろなウェブ媒体で記事になっているのは見ました。反響があるということはありがたいことですし、素直にうれしいですね。

あの“再起動”の仕草ですけど、オレ様でもなく、しかし優しすぎないという絶妙な感じが良かったのかな、なんて思っていまして。ということで、台本を読まれてから実際に現場でお芝居されるまでのプロセスを、いま一度振り返っていただけるでしょうか?

そもそも、“恋あた”のようなトレンディーなドラマに出ることがあんまりなかったので、そういう意味では自分にとっても新しい挑戦だと思っていて。その──“再起動”も慣れないセリフとか芝居だったりもしたんですけど、若いうちにいろいろと経験しておいた方がいいなと思って、挑戦させてもらっているという感じです。

台本上は「スイッチを押す」というト書きが書いてあるくらいだったんですけど、現場に入ってみたら監督から「ここはちょっと、壁ドンしてほしい」と言われまして。何となくそうなるだろうなと予想してはいたんですけど(笑)、そこに至るまでの芝居のプロセスは無視しちゃいけないなと思ったんです。なので、そこだけは確認させてください、と監督ともお話をさせてもらって、あの“再起動”のシーンを撮っていった…という流れでした。

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オンエアはご覧になりましたか?

見ました。正直…自分自身がふだん壁ドンするタイプの人間じゃないので(笑)、「これでいいのかな?」という不安はありましたね。「大丈夫かな?」って。新谷が唐突にああやって樹木ちゃんに迫るっていうのは、見え方によっては不思議に感じる人もいるだろうし、どんなふうに受け止められるのかなと思ったりもしたんですけど、切り返しの森(七菜)さんの笑顔ですべてが許容されたと、僕としては腑に落ちたんですよね。そういう意味では、森さんのおかげで成立したシーンだったなと思っています。

その森 七菜さんとは、3度目の共演ですよね。ドラマ仕立てのティファニー×ゼクシィのCM『TIFFANY BLUE』では恋人同士、ドラマ『あのコの夢を見たんです。』第3話では互いに意識する幼なじみ同士でした。あらためてご一緒されてみて、いかがでしょう?

本当に素晴らしい女優さんだなと思います。一緒に芝居をしていて、すごく表情豊かだなと思わせてくれますし、ものすごく自然体なんですよね。それでいて、とてもオリジナリティーがありますし、日常と芝居の境目を感じないんですよ。現場をともにしていて、僕自身もいろいろなものを受け止めていると言いますか、森さんの表情や言葉ひとつで、こっちの気持ちがフッと動くような魅力を感じさせてくれる女優さんだなと感じます。正直、めちゃめちゃ助けられていますね。役の上でも樹木ちゃんが引っ張ってくれるところがありますし、それに対して新谷がどう思うのかというところで、とても豊かなものを与えてもらっているなと実感しています。

ドラマを見ている人には説明するまでもありませんが、この2人だけで話が進むわけではなく、中村倫也さん演じる浅羽拓実社長と石橋静河さん演じる北川里保も絡んで、四角関係のような相関図になっています。倫也さんと石橋さんも映画『人数の町』で、太賀さんと倫也さんも何度も共演されているということで、間合いや呼吸がわかっている部分もあるのではないかな、と…。

倫也くんとは舞台(『八犬伝』『HISTORY BOYS』など)で昔からご一緒させてもらっていて、すごくお世話になってきたので、確かにそのぶん呼吸は合っている気がしています。それに、何というか不思議な…感慨深い気持ちでいっぱいなんですよ。倫也くんとTBS系の連続ドラマである意味、恋敵でもあるようなポジションで一緒にお芝居ができるなんて、数年前には考えてもみなかったですから。なので、こういうかたちでご一緒できて、純粋にうれしいですね。

石橋さんとは初めましてなんですけど、現場をともにしていると何だか落ち着く雰囲気があるんですよね。静かに情熱を燃やしながら、とても冷静で、その上石橋さんがいると、現場がパッと明るくなるような華やかさもあって、本当に魅力的な方だなと思っています。石橋さんとはこれまでも出会うタイミングがたくさんあったような気がしたんですけど、こうしてテレビドラマで初めてご一緒するというのも縁だなと思って、勝手に親近感を抱いたりもしています(笑)。

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それこそ勝手なイメージなんですけど、石橋さんとはすでにどこかでご一緒していそうな印象がなぜかあるんですよね。

そうなんですよ、僕も何となく近いイメージを勝手に抱いていました(笑)。

その4人の心模様を中心に物語が進んでいくわけですが、新谷 誠の優しさだったり、なかなか思いが届かなかったり、空回りしちゃうせつなさや懸命さに惹かれている人も多いと思います。

樹木と一緒にスイーツをつくっていく中で、わりと早い段階で新谷は彼女に惹かれていったわけですが、すごく誠実なキャラクターだなと僕はとらえていて。同じ目標に向かって進んでいくうちに生まれた絆が恋心に変わり、まっすぐな新谷は自分の想いに正直に行動していくわけですけど…どうもうまくいかないんですよね。そこに行かなきゃいいのに、というタイミングで公園に行ったら、樹木ちゃんと浅羽さんが2人でいるところを目撃してしまう、という──。結構、いろいろなところで2人を目撃しがちな…ひと言で言うと間の悪い男ですよね。ネットの記事では「当て馬感がせつない」みたいな感じで書かれていましたけど、新谷を演じている身としては複雑な気持ちになりました(笑)。話題になるのはうれしいけど、よろこんでいいのかなって。だから、新谷には報われてほしいですね。

「当て馬感」って…褒めているのか、いないのか(笑)。

僕自身は新谷を演じていて、そんなつもりはいっさいなかったんですよ。ただ、樹木と浅羽さんの話の中に、僕や石橋さんがどんなふうに関わっていくのかというところがポイントの一つだと思うので、ちゃんと四角関係になるように、当て馬だとは思われないようにしっかり演じたいなと思っています。

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そういえば、太賀さんというか新谷がパティシエの衣装を着ている写真も「素敵」という取りあげられ方をしていましたね。

えっ、そうなんですか? や…何にしてもありがたいことです。極端な話、当て馬でもいいんですよ、一番はドラマを楽しんでいただくことですので(笑)。

オリジナル脚本ですから、この先どうなるか、まだまだわからないですよね。

そうなんですよ、原作があるわけじゃないので、僕らもどういうふうになっていくのか知らないんです。

現場の雰囲気的には、倫也さんがクスッとするような笑いを起こしているといった感じなのでしょうか?

そうですね、「倫也くんが僕をイジって、みんなが笑う」といった構図がわりと日常的にはなっています。楽しく過ごさせてもらっています。

その寛容さというか、いい意味での人の良さが太賀さんご自身の魅力ですし、いろいろな世代の役者さんたちから芝居に一目置かれてもいるわけですが、ご本人は現況をどのように捉えていらっしゃるんでしょうか?

素直にありがたく思っています。僕は作品の規模や役の大小を問わず、自分を求めてくだされば応えるというか、何事にもチャレンジしていきたいなという思いで芝居をしているので、いろいろなところから声が掛かるということが、すごく幸せなんですよね。今はたまたま、こうしてドラマに出させてもらったり、映画にもたくさん呼んでもらっているという状況が重なっている時期なんですけど、長らく俳優をやってきて「バランスをとることが必要だな」と思っていて。何かひとつのジャンルやフィールドに偏ってしまうのではなく、僕自身を保つためにもバランスの良さが必要な気がしているんです。そういう意味で言うと、今回の『恋あた』は今まで自分に縁がなかったような作品で、だからこそチャレンジという気持ちがすごく大きいですし、手を差し伸べてくださった中井(芳彦プロデューサー)さんには本当に感謝しています。オーディションを受けて自分から役をもらいに行く場合もありますけど、僕らはまず作品に呼ばれないことには始まらないので…声をかけていただく機会に恵まれていることを、純粋にうれしく思います。

いかに世界観とマッチしていくかということを、どの作品でも一番最初に考えるかもしれない。

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実は、もうすぐ公開される映画『泣く子はいねぇが』(11月20日公開)も拝見しまして。

えぇっ、うれしいです!

こちらの作品でも、太賀さんは大人になりきれない男の悲哀やせつなさを体現されていて。あたかも実人生で体験したかのような…実在感を常に感じさせてくれる俳優さんだなと、個人的には思っているんですよね。

役に実在感がある、と言っていただけることは何よりの褒め言葉です。映画やドラマって詰まるところはつくりものだし、フィクションではあるんですけど、せめて演じている自分だけは「この役として生きている間は、ウソをついている感覚をなくしていこう」と、ある種、役を信じ込んで芝居をしているところがあるので…。だから、とにかく説得力をもって、その役が物語の中で息づいているようにと心がけてはいて。もちろん、作品や役によってアプローチは変わってくるんですけど、映画的な演技やドラマ的な演技という具体的な定義は自分の中にないんですよ。ジャンルやフィールド、コンテンツなどを問わず、作品ごとにトーン感があるはずなので。ただ、それを履き違えるとリアリティーは生まれないだろうから、いかに世界観とマッチしていくかということを、どの作品でも一番最初に考えるかもしれないですね。

©2020「泣く子はいねぇが」製作委員会

ただ、今回の『恋あた』は、今のうちにバットを振り回せるだけ振りまわしておきたいな、という気持ちがあったりもするんです。「とりあえず、やれることを最大限やってみよう」ということだったり、「自分の可能性をもう少し広げてみよう」という気持ちが強いですね。『恋あた』で仲野太賀という俳優を知ってくださった方も少なからずいらっしゃると思いますけど、新谷 誠というキャラクターのみならず、純粋に作品を楽しんでくれたなら、僕はすごくうれしいです。

『恋あた』で初めて太賀さんを知った人には、ほかの作品も観てもらいたいですよね。今まで演じられてきた役のことは、それぞれ覚えていたりするものですか?

明確に覚えている役もあれば、何となく覚えている役もありますし…それぞれ少しずつ違ってはいますけど、自分の中にはちゃんと残っていますよ。

中でも、鮮烈に覚えている役や作品を挙げるとするなら…?

転機となったという意味では、『ゆとりですがなにか』ですね。『ゆとり〜』を機に、明確に何かが変わった感じがしました。

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それまでは何となくモヤッとしていたという感覚だったんでしょうか?

なかなか振り向いてもらえないな、という感覚が自分の中ではありました。どれだけ大きな声を出そうが、力いっぱい振りかぶろうが、相手にされないなという思いがあったというか。でも、それこそ『ゆとり〜』の宮藤(官九郎)さんだったり、演劇だったら岩松 了さんだったり、映画だったら石井裕也監督や深田晃司監督だったり…世間にはなかなか見向きされなかった中、自分が信じている人たちから気にかけてもらえていたというだけでも、自分を保つことができていたというか。そういう方々の存在に助けられた部分がすごくあったんですよね。そういった時期を経て、今は、年齢もあると思いますけど、視界がクリアになった感じがすごくしていて。やるべきことと、やりたいことと、やらなきゃいけないことが棲み分けされてきている気がします。そんな今だからこその『泣く子はいねぇが』を見てほしいですね(笑)。

『恋あた』と『泣く子〜』が同時期に世の中に出るというのも、すごいことだなと思います。

『恋あた』で僕を知ってくれた人が『泣く子はいねぇが』を観たら、どんなふうに思うんだろうというのが、気になりますね。

序盤の、吉岡里帆さん演じる奧さんと離婚するきっかけになる行動に走ったときの、太賀さんの後ろ姿だけでいろいろなものが伝わってくるんですよね…。

うわっ、それ…すごくうれしいです。ぜひ、書いてください(笑)。

太賀さんだけではなく、吉岡さんの奧さんの実在感もすごいですよね。

素晴らしいですよね。あんな吉岡さん、今まで見たことがないです。母としての覚悟や疲れが、実在感をまとって表現されてる。とにかく吉岡さんが相手役で本当に良かったです。彼女だけではなく、寛 一 郎くんも…役者さんがみなさん、本当に素晴らしいので、ぜひ多くの人に観ていただきたいですね。

本当にそう思います。しかし、よくピークを迎えつつある表現者のみなさんを“アブラの乗った”と形容することが多いですけど、太賀さんは10代の若い俳優さんたちから目標とされる存在にもなっていて。その辺は意識されていますか?

これまで正直、意識してこなかったんですけど。伝えていかなければいけない、そういう年齢にはなってきたんだろうな、と思うことが増えましたね。だから近頃、下の世代と話す事が凄く楽しくなってきました。面倒な先輩になってなきゃいいけど(笑)。僕のことを目標としてくれているのであれば、がっかりさせたくはないですし、「あぁ、俳優って良い仕事だな」と思えるような姿を見せていけたらいいなと思います。

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ずばり太賀さんご自身は、俳優という仕事を素敵だと感じていらっしゃいますか?

大変なこともありますけど、良いことがあると信じて芝居をしているところはありますね。役とは言え、演じている間は他人の人生を背負うわけで、つらいことの方が多かったりもするんですけど、(コロナウイルス感染防止のための)自粛期間中にエンターテインメントのあり方みたいなものが問われた時、映画や音楽、ドラマといったものに自分自身がすごく元気づけられたし、勇気づけられたんですよね。そういう力のある仕事だなって、あらためて感じました。そういう意味では、俳優であることに胸を張れるなって。

すごく素敵なお仕事だと思います。では、最後に『恋あた』の今後に対する期待を煽るコメントをいただいて、締めさせていただければと。

台本がまだ最後までできていないので、本当にどうなっていくのかわからないんですけど、新谷を最後まで楽しんでもらえるようなキャラクターとして全うしていきたいと思っています。

楽しみにしています! ありがとうございました。

【募集終了】抽選で2名様に仲野太賀さんの直筆サイン入りチェキをプレゼント!

仲野太賀さん直筆サイン入りチェキ

※賞品はお選びいただけませんので予めご了承ください

応募期間

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11月17日(火)~11月24日(火)23:59


【応募に関する注意事項】
・厳正なる抽選の結果当選された方には、WHAT’s IN? tokyo女子部のアカウントのダイレクトメールにて後日ご連絡をさせていただきます。WHAT’s IN? tokyo女子部のアカウント(@whatsin_t_joshi)のフォローをお願いします。
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・落選者へのご連絡はございませんのでご了承ください。
・応募は日本国内にお住まいの方に限らせていただきます。
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仲野太賀

1993年、東京都生まれ。2006年俳優デビュー。近年の主な出演作に、ドラマ『今日から俺は!!』(18/NTV)、映画『南瓜とマヨネーズ』(17)『50回目のファーストキス』(18)『タロウのバカ』(19)『MOTHER マザー』(20)がある。主演ドラマ『あのコの夢を見たんです。』(TX)が放送中。出演映画『泣く子はいねぇが』(11月20日公開)、『すばらしき世界』(2021年2月11日公開)、『あの頃。』(2021年2月公開)の公開が控える。

オフィシャルサイト
https://www.stardust.co.jp/section1/profile/nakanotaiga.html

フォトギャラリー

ドラマ『この恋あたためますか』

毎週火曜よる10時よりTBS系にて放送中

出演:森 七菜 中村倫也 仲野太賀 石橋静河 ほか

オフィシャルサイト
https://www.tbs.co.jp/koiata_tbs/