Review

『マリオカート ライブ ホームサーキット』ゲームの世界とリアルな体験を繋げる遊びの提案

『マリオカート ライブ ホームサーキット』ゲームの世界とリアルな体験を繋げる遊びの提案

「大好きなキャラクターがモニターから飛び出してきたら」、「現実世界でアクションゲームみたいに活躍できたら」ゲームファンだけでなく、多くの人はこうした想像を多かれ少なかれ楽しむことがあるのではないでしょうか。スーパーマリオ35周年記念のNintendo Switch™ソフト『マリオカート ライブ ホームサーキット』は、まさにゲームキャラとプレイヤーの間にある垣根を取り除いて、自由に行き来が楽しめる遊びかたを提案しています。カメラ付きのカートをNintendo Switch™と連動させて部屋をサーキットにしてしまうという試みには、きっと皆が夢中になってしまうでしょう。ラジコンにカメラを内蔵した商品自体は以前から存在します。しかしそれを任天堂が作ると、ゲームならではの仕掛けが加わった新しいものになっているのです。本記事では、筆者の自宅にサーキットを作って、小学3年生の子供と一緒に遊んだ様子をレポートしていきます。まずは紹介映像を見て、カートのおもちゃとNintendo Switch™が作り出す夢の世界を体験してみてください。

文 / 内藤ハサミ


コース作成は簡単! すぐに遊べる!

パッケージを開けると、「はじめにソフトをダウンロードしよう」という手順案内が真っ先に目に入ります。箱の中身を取り出して作業スペースがゴチャゴチャになるまえに、Nintendo Switch™側の設定を終わらせておくよう誘導しているのでしょう。同社の『Nintendo Labo』シリーズにも感じていたことですが、箱を開封し中身を取り出すという作業ひとつをとっても注意深く遊ぶ側に立って設計されています。ゲームに不慣れな人でも、どれから手をつけていいかがわかりやすいのです。この気配りはさりげないことですが、高く評価すべき点ですね。

マリオカート ライブ ホームサーキット WHAT's IN? tokyoレビュー

▲開封から遊ぶまでユーザーを迷わせない設計が素晴らしい!

マリオカート ライブ ホームサーキット WHAT's IN? tokyoレビュー

▲内容物がコンパクトに収まっています。これはマリオのカートが入っているマリオセットです

パッケージの中身は、カート1台、ダンボール製のゲート4つ、同じくダンボール製の矢印看板ふたつ、カート用のUSB充電ケーブルです。マリオセット、ルイージセットの2種類があるので購入時はパッケージをよく確認してくださいね。大きさは、手のひらに乗せて少し余るくらい。ミニ四駆くらいかな、という筆者の想像よりもだいぶ大きめでした。頑丈な作りではありますが、立っているときに手に持ったカートを落下させてしまうなど激しい衝撃には気をつけたほうがよさそうです。

まずはダウンロードしたソフトを起動し、表示されるQRコードをカートの内蔵カメラに映して認識させます。これだけで、Nintendo Switch™を使ってカートを動かせる状態になりました。ここまでで5分とかからず、操作は直感的ですんなりと進められます。

マリオカート ライブ ホームサーキット WHAT's IN? tokyoレビュー

▲設定に関する操作は、特に大人が手伝わなくても大丈夫でした

まずは試運転をしてみます。操作性は良好で、部屋を走らせているだけで気持ちいい! カートのスピードは思ったほど早くありません。幼児でも追いかけて手で掴むことができるくらいです。しかしNintendo Switch™のモニター上でカートからの視点だと、かなりのスピードが出ているように感じられます。確かにこれ以上速いと、障害物にぶつかったときにカートや対象物を傷つけてしまいそうです。総合的に見ていい調整ですね。走らせる場所は平らな床が最も適しています。毛足の長いじゅうたんの上などはおすすめできません。毛足などが絡みやすいですし、接地面のホコリがタイヤに付着しやすいので、床の上を走らせるにしてもそれなりにまめな手入れが必要でしょう。屋内専用なので、もちろん屋外で遊ぶのは避けましょう。
こうしてマリオカートモチーフのラジコンとして遊ぶだけでも楽しいのですが、そろそろコースを作ってAR(オーグメンテッド・リアリティ)機能を使ったレースゲームを楽しんでみましょう。1から4まで番号が振ってあるゲートを部屋のなかに置き、番号順にカートをくぐるよう走らせてコースを設定するだけで、レースが始められるようになります。とてもシンプルな操作なので、小さい子供にも理解できるでしょう。さあ、リビングの一角にコースを作っていきます。使うのは10畳弱くらいのスペースでソファ、ローテーブル、ダイニングテーブルはあえてそのまま置いておき、コースのオブジェクトとして使います。左回りのオーバルトラックを目指すことにしました。

マリオカート ライブ ホームサーキット WHAT's IN? tokyoレビュー

▲ゲートを組み立てるのも簡単。畳んである部分を引っ張り出して立てるだけです

マリオカート ライブ ホームサーキット WHAT's IN? tokyoレビュー

▲設置したゲートをすべて通るようにカートを走らせ、コースを設定します

マリオカート ライブ ホームサーキット WHAT's IN? tokyoレビュー

▲ゲートをくぐってカートを走らせると、ルートを認識したコースが表示されます。光の反射でモニターが見にくいのですが、ほぼ楕円形のコースが作成されています

本作はゲーム内でスクリーンショット及び動画の撮影ができないので、ゲームモニターを直接撮影しています。動画で見るとこんな感じです。カートがどこかにぶつかると、画面にもちゃんと激突したようなエフェクトが現れることに感動します。画面のなかと実際に部屋のなかを走るカートが連動するというのは、なんとも不思議な感覚ですね。カートを操作し番号順にゲートをくぐらせるという条件を満たすことができていれば、複雑に交差しているようなコースも作成可能です。部屋に置いてあるものをそのままコースの地形・オブジェクトとして利用し、ゲーム内のコースとリンクさせるというシステムはARの醍醐味をわかりやすく味わえ、コース設定の作業自体を面白くしています。公式サイトに「コース作成には6畳以上の広さがおすすめ」とあるとおり、複雑なコースを作るのであればそれなりに広い空間が必要でしょう。試しにベッドや勉強机など、カートが下を通過できない家具が多く置いてある6畳の子供部屋でコース作成を試みたところ、使えるスペースは実質2畳程度しかなくレースが成立するコースを作ることはできませんでした。廊下でも同様に試しましたが、ゲートのサイズが横50センチ程度とかなり大きめなので、カートが折り返せる安定したスペースを作れずにこちらでもコース作成を断念。ただし限られたスペースを工夫し、遊びごたえのあるコースに変身させる作業は制約があるほど燃えるものです。コースに高低差をつけるなどで走れるスペースを確保するなどの大胆な発想ができれば、狭い部屋でもエキサイティングなコースが楽しめるかもしれませんね。とはいえ大がかりなセットを作ると、一時的に住居としての機能が失われる可能性が高いですが……。

ちょっとした工夫でコースをもっと楽しく!

居間に作ったオーバルコースはそのままでも楽しいけれど、もっとデコって賑やかにしてみたい……ということでコースを飾り、ダンボールでちょっとした高低差をつけてみることにしました。ダンボールで坂を作り、幅広のマスキングテープで動かないよう床に貼りつけます。実際にゲーム中でどのように作用するかを考えながらの作業はとっても楽しい!

マリオカート ライブ ホームサーキット WHAT's IN? tokyoレビュー

▲家族でせっせと作業を進めます。数センチの坂でもカートで通るとはっきりと変化を感じられます。リアルでのコース作成もゲームとしての面白さに含まれているのです

マリオカート ライブ ホームサーキット WHAT's IN? tokyoレビュー

▲家にあるゲームグッズなどでコースのまわりを飾りました。カービィやインクリングなど、任天堂作品の仲間が集結!

上の動画で、賑やかなゲーム内のレース風景と実際のカートが走る様子を見ていただけましたか? 部屋に作ったコースは動くギミックもなく走っているカートは1台だけですが、画面内では派手なエフェクトがついた、これぞ『マリオカート』という世界が繰り広げられています。ゲームがずーっと進行しているのでカートだけを見ていることはできないのですが、実際にカートが目のまえで走っているという手ごたえにリアリティを感じます。

マリオカート ライブ ホームサーキット WHAT's IN? tokyoレビュー

▲家族のプレイに乱入! コース上に足を出して邪魔をするという、ゲーム中には出てこないギミック!?

全24種のステージでクッパやクッパJr.たちとの対戦を楽しめるメインコンテンツ“グランプリ”のほかにも遊べるモードが用意されています。カートを押しつぶすドッスンやアイテムボックスなどゲート近くに任意のシカケを設定したり、コースのテーマ(見た目)やBGMを変更してオリジナリティのあるコースを作る“カスタムレース”、作ったコースの最速タイムを突き詰める“タイムアタック”などひとつのコースでいろいろな楽しみかたができます。ストーリーモードなどは存在せず、レースを純粋に楽しめる仕様です。グランプリに優勝すれば、サーキットをカスタムできるさまざまな要素がアンロックされます。より変化に富んだステージ作成ができるようになるので、優勝を目指す価値はあるでしょう。
ひととおり体験してみて感じたのが、「複数プレイヤーでの対戦プレイが絶対に面白いだろう」という確信でした。プレイヤー1人につき1台のカートを持ち寄って、最大4人まで一緒にレースをすることが可能です。残念ながら今回はワンセットでのレビューのため対戦はできなかったのですが、リアルでカートをぶつけ合いながら遊べたらきっと大盛り上がり間違いなしですね。ある程度広い場所に自分のカートを持ち寄り、皆でワイワイとコースを作成して遊ぶとさらに楽しいでしょう。レンタルスペースなどを借りれば、距離が長めで形が複雑なコースも実現できそうです。
気になる点は、障害物の多い込み入ったコースでは実際のカートとゲーム内の動きにわずかな時間差が生まれることです。ただしこれは、コース作成の際に工夫することである程度解消できます。コースの作成段階で操作位置からカートが全く見えなくなるような作りを避けるなど、ラグが発生しにくいような工夫をするといいでしょう。また従来のシリーズと比べてドリフトなどの操作感が粗削りなこと、アイテムの使いかたが画一的なことなども挙げられます。ですが本作の最も重視すべき魅力は、リアルの世界に現れたマリオカートを遊べるということです。それはマイナス要素を軽く打ち消すほど、プレイヤーを惹きつける力を備えています。
家族や友だちとワイワイプレイするもよし、ひとりでコツコツと理想のコース作成に励むもよし。リアルとゲームを自由に行き来できる世界を見せてくれる『マリオカート ライブ ホームサーキット』には、今こそ体験しておきたい新しさとワクワクが詰まっています。

フォトギャラリー

■タイトル:マリオカート ライブ ホームサーキット
■発売元:任天堂
■対応ハード:Nintendo Switch™ 
※プレイヤー1人につき1台の「Nintendo Switch本体」と「カート」が必要です。
■ジャンル:ARアクションレースゲーム
■対象年齢:全年齢
■発売日:発売中(2020年10月16日)
■価格:9,980円+税


『マリオカート ライブ ホームサーキット』オフィシャルサイト

© 2020 Nintendo/ Velan Studios