Interview

Rude-α 地元の街の子供たちに夢を見させてあげたいと語る彼の音楽感とシンガーとしての側面を押し出したプロポーズ・ソングの新作について訊く

Rude-α 地元の街の子供たちに夢を見させてあげたいと語る彼の音楽感とシンガーとしての側面を押し出したプロポーズ・ソングの新作について訊く

2019年5月にEP「22」でメジャーデビュー。恋愛リアリティーショー「オオカミちゃんには騙されない」への出演で知名度を高め、今年3月に1stフルアルバム『23』がスマッシュヒットを記録するなど、確実に存在感を増しているRude-αから、ニューシングル「マリーミー」が届けられた。ドラマ『マリーミー!』主題歌として制作されたこの曲は、ヒップホップ的なトラックと切ないドラマ性を感じさせるメロディ、愛する人に対するピュアな思いがひとつになったプロポーズ・ソングだ。
ヒップホップとJ-POPを行き来しながら、幅広いリスナーに訴求し続けるRude-αに、「マリーミー」の制作、“お茶の間の人たちに届けたい”という活動スタンスなどについて訊いた。

取材・文 / 森朋之 撮影 / 荻原大志


「自分がプロポーズするとしたら、どういう感じなのかな?」とか想像しながら

Rude-α WHAT's IN? tokyoインタビュー

まずは新曲「マリーミー」について聞かせてください。ドラマ『マリーミ—!』の主題歌ですが、制作の入り口はどこだったんですか?

台本と原作のマンガを読むところからですね。完全に架空の設定(ドラマ『マリーミー!』は、国家公務員の男性とニートの女性が法律で結婚させられるというストーリー)で、すごくおもしろいんですけど、「これ、歌詞にできるのかな?」と思って(笑)。「自分がプロポーズするとしたら、どういう感じなのかな?」とか想像しながら、なんとかドラマの世界観をズラさず曲にできたかなって思います。

Rude-αさん23才なので、まだ結婚は早いかもしれないけど……。

今年24才になる年なんですけど、地元(沖縄)の友達はほとんど結婚しているし、子供がいるヤツも多くて。親父、おふくろも、今の自分の年齢のときは結婚してたし、「ちょっと遅いかも」って思ってるくらいです(笑)。おばあちゃんにも「早く結婚しなさい」って怒られるし……。お見合いしようかな(笑)。いい人がいたら、よろしくお願いします。

(笑)。「マリーミー」は結婚式にもピッタリですね。

そうなんですよ。来年、親友が式を挙げる予定で。そいつも奥さんも中学のときから知ってて、しかも中学時代から付き合ってたんですよ。「結婚式のために曲を作ってよ」って言われたから、「マリーミー」を聴かせてやりました。「おまえのために作ったんだぞ」って(笑)。その友達は普段ヒップホップしか聴かないヤツだから、「マリーミー」を聴いて、どう感じるかはわからないけど。

「マリーミー」、めちゃくちゃメロディアスですからね。作曲はEQ さん、SUNHEE さん、Rude-αさんのコライト。

プロデューサーのEQさんがトラックを作ってくれて、SUNHEEさんと一緒にメロディを考えて。まずSUNHEEさんが「こういう感じでどう?」ってメロディを付けてくれたんですけど、それがすごくよくて。俺も意見を出させてもらって、3人で作っていった感じです。

ビートメイカー、トップライナー、シンガーの共作なんですね。

そうですね。自分一人でメロディを作るとどうしても時間がかかるし、SUNHEEさんはいつも良いメロディを考えてくれて。「それでいきましょう!」ということも多いですね。最初は「歌うのが難しそう」と思ったりするんですけど、何度か歌ったり、聴いたりしてると、いつの間にか馴染んでるんですよね、SUNHEEさんのメロディは。「マリーミー」のレコーディングもスムーズでしたね。自粛期間が明けてすぐに録ったんですけど、体調も良かったし、いい感じで歌えました。

ジャンル分けは考えてなくて、素直に作ってるだけなんですよね

ラッパーというより、シンガーとしての側面を押し出した曲ですよね。Rude-αさんの音楽性の中心はヒップホップだと思いますが、「マリーミー」は完全に歌モノなので。

ジャンル分けは考えてなくて、素直に作ってるだけなんですよね。ときどき「どんなジャンルなの?」って聞かれるんですけど、何て答えたらいいかわからないんですよ(笑)。ヒップホップだけをやってるわけではないし、J-POP系というわけでもなくて、でも肩書はラッパーで。ややこしいんですよ(笑)。

確かに(笑)。ラッパー=ヒップホップというわけでもないですからね。

そうなんですよね。こういう感じで活動してると、「おまえはラッパーじゃねえ」って言ってくる人もいて。そんなのは全然気にしないし、ずっとラッパーって名乗ってやろうと思ってます(笑)。こっちは4才から腰パンだし。

お茶の間でテレビを観ている人にも刺さる、みんなに届くような音楽をやりたいんです

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腰パンが大事(笑)。

まあ、それは冗談ですけど、俺に文句言ってくる奴に対しては、「おまえら、J-POPで盛り上がったことないのかよ」って言いたいですね。同じくらいの世代だったら、湘南乃風やORANGE RANGEでブチ上がってるはずなんですよ。お茶の間でテレビを観ている人にも刺さる、みんなに届くような音楽をやりたいんですよね、俺も。子供の頃にグッと来た曲って、大人になっても覚えてるし、歌えるじゃないですか。そういう曲を作れるアーティストになりたいなって。だからラブソングやプロポーズソングを作るのもまったく抵抗がなくて。それもルーツの一つですからね。

万人に届く曲を作りたいというのは、音楽活動を始めたときから意識してたんですか?

いや、最初は違ってましたね。もともとはラップよりダンスが先で、ファンクやソウルを聴きながら育って。ラップに出会ったのは高校のときなんですけど……。

公園でいきなりフリースタイルラップを挑まされたんですよね?

そうです。そこからヒップホップを聴くようになって、「俺はこの音楽で成り上がってやる」と思うようになって。その頃の自分が「マリーミー」を聴いたら、「何だこの曲。絶対歌わない」って思ってたかも(笑)。

ヒップホップは精神性だって気づいたのも大きいかも

なるほど(笑)。

その後、東京に出てきて、先輩のアーティストのみなさんに出会って、話をさせてもらうなかで、好きな音楽の幅も広がってきて。もともとはJ-POPが好きだったし、いろんな音楽を愛せるようになったんですよね。あと、ヒップホップは精神性だって気づいたのも大きいかも。

精神性というのは……?

「ヒップホップって何だろう?」ということなんですけど、以前は「尖ったことを言う」とか「ごついネックレスをする」みたいな感じだったんです。でも、そういう表面的なことじゃないなと思うようになって。人の評価は関係なくて、自分のなかにブレないものがあればそれでいいんだなと。他人の物差しでは測れないし、「これが自分のヒップホップだ」という軸を持っていることが大事だと思うんですよ。……まあ、いろいろめんどくさいですよね、ヒップホップは(笑)。

日々、学んでますね、アーテイストやラッパーと話すのもいいんですけど、近所のお年寄りと話すのもすごくタメになるんですよ

Rude-α WHAT's IN? tokyoインタビュー

(笑)「自分の価値観が大事」という考え方は、Rude-αさん自身の経験のなかで辿り着いたものなんですね。

うん、そうですね。今までに出会った人、いい人も悪い人も含めて、全員が師匠というか。日々、学んでますね、アーテイストやラッパーと話すのもいいんですけど、近所のお年寄りと話すのもすごくタメになるんですよ。今年の春、近くの公園でおばあちゃんと話したんですけど、「いまは遊びが足りない。若いうちはもっと遊ばないと」って言われて、深いなって。

公園でお年寄りと交流……Rude-αさんの日常、楽しそうですね。

楽しいですよ(笑)。どんなにカオスな日常も楽しめる自信があります。

自粛期間中も落ち込んだりしなかった?

ぜんぜん落ち込まなかったです。それまではずっと忙しかったし、チームのみんなの前でこういうことを言うのはどうかと思うけど(笑)、自粛期間中はけっこう楽しかったんですよ。普段から料理はしてたんですけど、作ったことがないパエリヤをいきなり作ってみたり。あとルームシェアしてる仲間と組体操したりとか(笑)。

何ですか、それ?

YouTubeで子供たちの運動会の映像を観て、みんなでやってみて(笑)。意識もかなり変わりましたね。人に見られる仕事をさせてもらってるから、街で話しかけられることもあるし、常に“Rude-α”として生活していたところもあって。でも、ずっと部屋にいると、人の目を気にすることもなくなるし、「コーヒー美味しいな」とか「夕陽が綺麗だな」とか、当たり前のことにも気づけるようになって。以前は自分自身とRude-αを分けてたんですけど、今は一つになってますね。合体しました(笑)。

やるべきときにバシッとぶちかませばいいと思っていて。このノリのまま武道館までいって、全員を驚かせてやりますよ(笑)

Rude-α WHAT's IN? tokyoインタビュー

“自分=Rude—α”という感覚になると、ラクに生きられそうですね。

ラクというか、もっとふざけるようになりました(笑)。さっきの組体操もそうなんですけど、子供の心を持ち続けるって大事だと思うんですよ、もし自分に子供ができたら、「この子みたいになりたい」って憧れたいし、子供にも「こういう大人になってほしい」と思ってほしくて。全員に対して、同じ目線でいたいというか。あと、ノリの良さも大事だと思っていて。マジメに考えすぎるとどうしても凝り固まってしまうし、ちょっとふざけるくらいのノリでやったほうがいいなって。レーベルの先輩の久保田利伸さんもめっちゃノリがいいんですよ。だからこそ、あんなに素晴らしい曲が作れるんだなって。これは僕の考え方なんですけど、やるべきときにバシッとぶちかませばいいと思っていて。このノリのまま武道館までいって、全員を驚かせてやりますよ(笑)。

最近はどんな音楽が気になってるんですか?

SNSでチェックすることが多いですね。インスタのストーリーに上がっている曲だったり、TiKToKだったり。あとはJ-WAVE(FMラジオ)でかかってる曲や、友達がたまたまYouTubeで流してる曲を聴いて、「いいな」と思ったり。映画のサウンドトラックも好きですね。

日常のなかで自然に音楽に触れているというか。

そうですね。そう言えばこの前、トランスのイベントに行ったんですよ。初めてだったんですけど、めっちゃ楽しくて。それ以来、自分のリズムが早い4つ打ちになってます(笑)。

(笑)USヒップホップのトレンドをチェックしたりは?

あー、それはあんまり。好きなラッパーもいますけどーーいちばん好きなのはチャンス・ザ・ラッパーですねーートレンドはそれほど意識してなくて。再生回数が少なくても、拡散してなくても、「自分はこれが好き」という曲があるじゃないですか。そっちの方が大事なんですよね、自分にとっては。あ、でも、Netflixの「リズム+フロウ」というドキュメント番組はおもしろかったです。チャンス・ザ・ラッパー、カーディ・Bが司会と審査員をやってるオーディション番組なんですけど、出演者の「いまの生活から抜け出したい」「売れたい」という気持ちがすごくて。ああいうハングリーさは学ぶところがあるなって思います。

お金が欲しいというより、地元の街の子供たちに夢を見させてあげたいんですよね

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売れたいという気持ちは負けないのでは?

そうなんですけど、お金が欲しいというより、地元の街の子供たちに夢を見させてあげたいんですよね。ORANGE RANGEが自分に見せてくれたものを下の世代の子たちに見せて、それがつながっていけばいいなって。「こういう小さい街に生まれても、高く飛べるぜ」「デカいことができるぜ」って言いたい。自分としては、先祖からつながって、バトンを年下の人に渡してる感じなんですけどね。ただ“つなぐ”だけの役割だと思ってるんですよ。

いいですね、その考え方。歴史の流れのなかに自分がいる、というか。

そうそう。沖縄のアーティストといえば、安室奈美恵さん、DA PUMPさんの名前が挙がるけど、自分たちの世代も盛り上げないと。まずは自分の音楽を好きでいてくれる人に楽しんでほしいですね。何のために音楽をやってるんだろう?と考えると、やっぱり家族の為、仲間の為で。ワンマンライブをやって、1000人くらいのお客さんが集まってくれるのはもちろん楽しいし、打ち上げも楽しいから(笑)。ファンの人たちもぜひ、ライブでいろんな出会いをしてほしいですね。もし結婚することになったら、「マリーミー」を歌ってもらって(笑)。

間違いないですね(笑)。ヒップホップ的な“レペゼン沖縄”みたいな気持ちもある?

俺が沖縄代表だ!とは思ってないですけどね。沖縄はもちろん好きだけど、「沖縄がやばい」よりも「俺がやばい」って感じで音楽をやってるので(笑)。俺は典型的な沖縄の男なんで――家事が出来ないとか、だらしないとか(笑)――そういう意味では“レペゼン沖縄”かも。

「絶対にひっくり返してやる」という気持ちはさらに強くなってます

最後に今後の活動について。まだまだライブは難しそうですが、この先はどんな活動になりそうですか?

「今年はイケる」という確信があったんですよ。予定していた全国ツアーもほぼソールアウトだったし。コロナですべて止まりましたけど、こういう経験をしたからこそ得られたものもたくさんあって。「絶対にひっくり返してやる」という気持ちはさらに強くなってますね。「マリーミー」の後も、いい曲がどんどん出てきるし、調子はめちゃくちゃいいです。あと、海外にも行きたいんですよね。去年、アニメ『Dr.STONE』のエンディング曲(「LIFE」)を担当させてもらったんですけど、海外のリスナーからすごく反応があって。状況が落ち着けば、台湾やメキシコにもちゃんと足を運んで、現地の人たちの前で歌いたいですね!

期待してます!

楽しみにしてください。まず「マリーミー」がTiKToKでバズってほしいですね。「香水」を越えたいです(笑)。

その他のRude-αの作品はこちらへ。

ABCテレビ ドラマL『マリーミー!』
https://www.asahi.co.jp/marryme/

Rude-α(ルードアルファ)

1997年2月8日生まれ。23歳。沖縄県沖縄市出身。
高校1年の時からストリートダンスを始め、各種ダンスバトルやイべントに出演。高校2年の時、近所の公園でフリースタイルを仕掛けられたことをきっかけにラップを始める。翌年、第6回全国高校生ラップ選手権に出場し準優勝。東京上京後2017年からはバンド編成でのライブ活動をスタート。

2018年2月、東京上京後初のEP「20」(Nijyu)をリリースし、iTunesヒップホップアルバムチャートで初登場1位を獲得。3月にはアメリカ・オースティンで行われている音楽フェスSXSW(サウス・バイ・サウス・ウエスト)、そして全米7都市を廻るSXSWジャパンツアーに参加し、初の海外ライブを敢行。
2019年5月、メジャーデビューEP「22」(Nijyuni)をリリース。先行配信シングル「wonder」が、ストリーミング550万回、MV視聴280万回を突破。7月からはABEMAの超人気恋愛リアリティーショー『オオカミちゃんには騙されない』に出演し、独特なキャラクターがティーンエイジャーの間で大きな注目を集め話題に。9月、デジタルシングル「It’s only love」をリリース。現在までにYouTube750万回再生、ストリーミングでは1,500万回再生を超え、自身最大のヒット曲となっている。12月20日(金)東京・渋谷O-WESTで開催された『Rude-α Christmas One Man Live 2019』には、会場500人のキャパに対して、約5,000通を超える応募があり、発売と同時にSOLD OUT。追加公演として実施され自身最大規模となる東京・渋谷O-EAST(1,300人キャパ)でのワンマンライブも即日完売。

2020年2月にはシングル「アイスクリーム」、3月には1stアルバム「23」、8月には最新シングル「真夏の女神」とコンスタントに作品をリリース。さらに8月26日には、自身初の書下ろしエッセイ『何者でもない僕たちに光を』(KADOKAWA)発売した。

オフィシャルサイト
https://www.rude-alpha.com

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