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宅間孝行が仕掛ける涙と笑いと感動に包まれる極上エンターテインメント作品、タクフェス第8弾『くちづけ』東京公演がスタート!

宅間孝行が仕掛ける涙と笑いと感動に包まれる極上エンターテインメント作品、タクフェス第8弾『くちづけ』東京公演がスタート!

俳優・脚本家・演出家として活躍する宅間孝行が仕掛けるエンターテイメントプロジェクト「タクフェス」の第8弾『くちづけ』東京公演が2020年10月29日(木)に池袋・サンシャイン劇場にてスタートした。
『くちづけ』は、自立支援のためのグループホーム「ひまわり荘」を舞台に、知的障がい者とその家族の日常や地域の人々との交わりを通して、現実にある様々な問題を浮き彫りにする、涙なしには見られない感動ストーリー。
実話を元に書かれたという本作は、社会に対する問題提起をしつつも、全体をコミカルなトーンで描くことで単なる社会派ドラマの枠を超えて、観る者を笑いと涙の感動へと誘うなど、高い評価を受けてきた宅間の代表作のひとつだ。
2010年に東京セレソンデラックスが初演し、2013年には堤 幸彦 監督によって映画化。2015年秋に「タクフェス第3弾」として再演され、5年ぶり・3度目の上演となる本作より、今回は、10月29日(木)東京公演初日の観劇レポートをお届けする。

取材・文 / 近藤明子


じゃんけん大会&宅間孝行による観客いじり!
“タクフェス名物”「ふれあいコーナー」

毎回、本編の上演前に行われる“タクフェス名物”の「ふれあいコーナー」には、宅間、柴田理恵、松村龍之介、若林元太が登壇。松村がキャストから集めた(楽屋からくすねてきた?)ジュースやお菓子をプレゼントする柴田vs観客のじゃんけん大会や、宅間による観客いじりなど、絶妙なトークとアットホームな雰囲気で場の空気を和ませる。
続いて、4人に代わって登壇した岸田タツヤとはるはるが、テーマ曲『くちづけとともにI LOVE YOU』の曲に乗せて、本作の概要やセットの間取りなどをザックリと説明。
「このご時世なので、客席降りなどの演出がなくなってしまい残念ですが、泣いて、笑って、拍手で皆さんの気持ちを私たちに届けてください!」と、笑顔で観劇時の注意点なども伝え、いよいよ本編の幕が開いた。

時を経ても色あせない大切なテーマを描く、笑って泣ける極上エンターテインメント

©タクフェス第8弾「くちづけ」製作委員会/友澤 綾乃

クリスマスの日、今は使われていない「ひまわり荘」で仲間と共にパーティーの準備を進める元・住人の“うーやん”(宅間孝行)。同じくひまわり荘の住人だった恋人・マコ(小島藤子)の誕生日であるこの日にふたりは結婚する約束をしたのだが、うーやんは妹の智子(倉田茉美)から「マコちゃんは来ない」と言われたことがショックで泣き出してしまう。

©タクフェス第8弾「くちづけ」製作委員会/友澤 綾乃

暗転後、場面はかつて大ヒット作品を1度だけ世に送り出した漫画家の“愛情いっぽん”(金田明夫)が、タウン誌の編集者・夏目ちゃん(岸田タツヤ)に案内され「ひまわり荘」を訪ねた数か月前へと変わる――。住み込みのスタッフとして、娘のマコと共にひまわり荘で暮らすことになったいっぽん先生は、明るい入居者たちや個性的な先輩スタッフの袴田さん(柴田理恵)ともすぐに打ち解け、新たな生活をスタートさせる。

©タクフェス第8弾「くちづけ」製作委員会/友澤 綾乃

初演と再演でも同役を演じ、今回が3度目となる金田は、ユーモアに溢れ、惜しみない愛情を娘に注ぐ優しい父親を演じる一方で、自身が亡くなった後のマコの将来を案じ、次第に精神的に追い詰められていくのだった。
一方、マコ役の小島はどこまでもピュアで愛らしい。うーやんの隣にちょこんと座っておしゃべりし、いっぽん先生に甘え、仲間たちと無邪気に笑い合う姿は、まさに「天使」!

©タクフェス第8弾「くちづけ」製作委員会/友澤 綾乃

©タクフェス第8弾「くちづけ」製作委員会/友澤 綾乃

グループホームの経営者で小児科医の国村先生(斉木しげる)と妻の真理子さん(かとうかず子)、娘のはるか(松田るか)、通いのスタッフの袴田さんに見守られながら、のびのびと暮らしている入居者たちだが、時に世間の無理解や偏見の視線にさらされることも…。
そんな彼らを守ろうと、きゃしゃな体で盾になるはるかが頼もしい。

©タクフェス第8弾「くちづけ」製作委員会/友澤 綾乃

先のインタビューで「入居者たちの“ボス”として、悪いことをしたらちゃんと優しさを持って怒る…そんな“ボス”になれと宅間さんからアドバイスをいただきました」と語っていた松田。聞き分けの悪い子供のように駄々をこねるうーやんを叱り飛ばしながらも、ちゃんと理解できるように粘り強く諭したり、年上のマコに甘えられると姉のように優しく受け止める様子は、幼い頃から障がい者と家族同然に過ごしてきた彼女だからこそ、入居者たちをまとめる要(かなめ)としての役目をしっかり果たしているのが伝わってきて、とてもリアルだった。

©タクフェス第8弾「くちづけ」製作委員会/友澤 綾乃

岸田も、「空気を読めない夏目ちゃん」を体を張って熱演! 観劇した公演では2階に上がったうーやんからエナジードリンク(本物!)を浴びせられたり、不意をついたほっぺへの張り手(かなりの音に観客もビックリ!)に涙目になったり、宅間からの「もっとだ!」とでもいうような過酷な試練の数々に果敢にくらいついていく姿を見て、気づけば心の中で声援を送っていた。

©タクフェス第8弾「くちづけ」製作委員会/友澤 綾乃

また、本作が初舞台とは思えない圧巻の演技で物語の序盤から観客を物語の世界観に引き込んだのは、うーやんの妹・智子役の倉田茉美。婚約者との幸せな結婚を夢見つつも、障がい者の家族という逃れられない現実と真正面から向き合った結果、「自分にとって大事なものは何なのか」をという答えに行きつき、前を向いて生きていく決意をしたその表情からは、強さと同時にすがすがしさすら感じられた。

©タクフェス第8弾「くちづけ」製作委員会/友澤 綾乃

この地域の安全を守る巡査・酒巻くん役の松村龍之介は、警官の制服を着ている時のキリリとした男らしい佇まいから一転、私服で登場した時のキャラクターとのギャップに、会場から笑いが起こる一幕も。そんな彼は、ひまわり荘の入居者への理解を示しつつも、社会の偏見や障がい者を取り巻く残酷な現実を、いっぽん先生や夏目ちゃんに突き付けるという重要な役割を担っていた。

©タクフェス第8弾「くちづけ」製作委員会/友澤 綾乃

同様に、はるかの同級生・みなみ(はるはる)の障がい者に対する考えや対応は、障がい者と接する機会のない多くの人を代表する意見としてハッとさせられるものがあるし、逆に入居者たちを決して特別扱いしない袴田さんのちょっとしたひと言や物語の後半に見せる不器用な優しさが胸を打つ。

©タクフェス第8弾「くちづけ」製作委員会/友澤 綾乃

今回の再再演に当たり、宅間が「五年に一度は発信していくべき芝居」とコメントを寄せたように、本作には時を経ても色あせない大切なテーマが込められている。
そのメッセージを、ぜひとも自分の目で見て、心で感じて、しっかりと受け取って欲しい。

©タクフェス第8弾「くちづけ」製作委員会/友澤 綾乃

最後に、東京公演に向けて寄せられたキャストからのコメントをお届けする。

■金田明夫(愛情いっぽん 役)
初演から早10年。人として、また役者として少しは成長している芝居をお見せできればと思っております。

■小島藤子(阿波野マコ 役)
東京生まれ東京育ちの身としては東京で初日を無事迎えられたこと、とても嬉しく思います。マコちゃんの真っ直ぐな愛情表現やうーやんとの可愛らしいやり取り、父であるいっぽんとの触れ合うシーンは、全てが切なく愛おしいもので、毎公演大切に演じています。人と触れ合うことを躊躇してしまうこんな時だからこそ、個々の思いで感じとれる何かがあるのだと思います。観てくださった方々の心に残る舞台になると嬉しいです。

■松田るか(国村はるか 役)
舞台も2度上演され、映画にもなった作品なので、楽しみにされている方もたくさんいらっしゃるかと思います。飯能・刈谷公演で学んだことを活かし、「再再演も良かったね」「再再演はもっと良かったね」と言って頂けるよう全力で演じます。常にベストな状態で、回を重ねるごとにアップデート出来るように頑張ります。どうぞ楽しみにしていて下さい。

■岸田タツヤ(夏目ちゃん 役)
万全の体制で皆様をお待ちしております。このような状況下でお越しくださる皆様の想いに負けないように演じさせて頂きます!

■倉田茉美(宇都宮智子 役)
「お客さんにどうしたらもっと喜んでもらえるか、自分の出来じゃなく、自分がどう見られるかじゃなく、お客さんに。それを考えたら、緊張する暇もないですよね。」と大切な人に言われた言葉を思い出して、誠心誠意やりきります。

■松村龍之介(酒巻くん 役)
埼玉、愛知公演を経ていよいよ東京公演。これまで培ってきたモノをしっかりと劇場へお越しの皆様に届け、昇華するつもりです。『くちづけ』はより多くの方に観劇して貰いたい、感じて貰いたい作品。劇場でお待ちしております。

■若林元太(島ちん 役)
飯能、刈谷でお客様からたくさんのパワーをいただき東京でも最高の『くちづけ』を皆さんと一緒に楽しみたいと思います! 全力で届けるので、この時期に足を運んでくださるお客様も安心して楽しんでください。頑張ります!

■はるはる(みなみ 役)
このご時世に舞台に立てること、そして足を運んでくださるお客様がいることに本当に感謝です! ありがとうございます! 私が演じるみなみちゃんは、出番こそ少ないものの『知的障がい』と向き合うにあたって重要な役だと思っています。みなみちゃんの言動によって決して他人事ではなく、皆さんの日常の中でハッとさせられるような、そんな気づきのきっかけになれるように頑張ります!

■北代祐太(頼さん 役)
さぁ! いよいよ東京公演が始まります! 沢山の方に見て頂きたい作品です!! 演者一同心を込めて! 熱量を持って!! あつ~~い『くちづけ』お届けします!! 唇磨いて待っててねー!!!

■Moeka(ちーちゃん 役)
“くちづけ”のちーちゃんと同じ障がいのある私がちーちゃん役を演じる機会をいただき、とても嬉しいです。
“くちづけ”は私のような障がいがある人と、あまり係わることがなかった方も、当事者とその家族の思いを感じるきっかけになるお話です。たくさんの方に観て欲しいです!

■柴田理恵(袴田さん 役)
人にやさしくしたくなる芝居です。大切な人を大切にしたくなる芝居です。

■かとうかず子(国村真理子 役)
ラスト、スクリーンに流れるいっぽん先生とマコちゃんのアルバムとても素敵です。劇場に勇気を持っていらして下さった皆様に、深く感謝し、サンシャイン劇場で皆さまと共に過ごせる幸せを心から喜ぶ私です。頑張ります! 今年の『くちづけ』は、貴重な体験になりました。

■斉木しげる(国村先生 役)
演劇で社会性をテーマにした舞台は初めてなので、大変身が引き締まるような思いをしています。とは言えエンターテインメントとして楽しんで頂けるのが一番です。この時世で舞台の上に立てることは役者冥利に尽きます。これを喜びとして、僕自身も楽しみながら、皆さんの胸に残るものをお届けできればと思います。

■宅間孝行(うーやん 役)
3回目の主人公愛情いっぽん演じる金田明夫が最高の円熟味を披露し、小島藤子が歴代ヒロインに負けないマコを堂々と演じています! いぶし銀の斉木しげる、かとうかず子がきっちり脇を固め、柴田理恵は爆発的に物語に笑いを巻き起こします。
美少女・松田るかがフレッシュに女子高生を演じ最年少ながら物語を引っ張り、バチェラーの覇者・倉田茉美が泣き所をきっちり演じ初舞台とは思えない堂々とした芝居を見せております。若手たちもきっちり要所をこなし、3度目にして決定版の『くちづけ』ご披露致します! 劇場でお待ちしてます!

©タクフェス第8弾「くちづけ」製作委員会/友澤 綾乃

タクフェス第8弾『くちづけ』東京公演は、11月8日(日)までサンシャイン劇場にて上演。
その後は、11月20日(金)から11月21日(土)まで道新ホールで札幌公演、11月25日(水)から11月29日(日)まで梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて大阪公演がそれぞれ上演される。
残念ながら劇場に来られない方のため、今回の公演ではタクフェス初の映像配信も後日予定している。
【本編映像】と【稽古場の様子や劇場の裏側などを収めたメイキング映像】の2パターンあり、配信期間は、2020年12月18日(金)10:00~12月20日(日)22:00までで、期間中は何度でも視聴が可能。
視聴券の購入方法・販売期間は、公式サイトを要チェック!

タクフェス第8弾『くちづけ』

【埼玉(プレビュー)公演】
2020年10月16日(金)
飯能市市民会館 大ホール

【愛知公演】
2020年10月23日(金)~10月25日(日)
刈谷市総合文化センター アイリス 大ホール

【東京公演】
2020年10月29日(木)~11月8日(日)
サンシャイン劇場

【札幌公演】
2020年11月20日(金)~11月21日(土)
道新ホール

【大阪公演】
2020年11月25日(水)~11月29日(日)
梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ

【映像配信】
2020年12月18日(金)10:00~12月20日(日)22:00
視聴チケットの詳細はこちら
http://takufes.jp/kuchiduke2020/streaming.html

【キャスト】
金田明夫:愛情いっぽん
小島藤子:阿波野マコ

松田るか:国村はるか
岸田タツヤ:夏目ちゃん
倉田茉美:宇都宮智子

松村龍之介:酒巻くん
若林元太:島ちん
はるはる:みなみ
北代祐太:頼さん
Moeka:ちーちゃん

柴田理恵:袴田さん
かとうかず子:国村真理子

斉木しげる:国村先生

宅間孝行:うーやん

【スタッフ】
作・演出:宅間孝行

【STORY】
天使のように純真なハートをもつマコは、なぜ…

知的障がい者たちの自立支援のためのグループホーム「ひまわり荘」では、身体は大人、心は純真な子供のままの人たちが楽しく暮らしている。そんなホームに、かつて大ヒット作品を1度だけ世に送り出した、漫画家の愛情いっぽんが、娘のマコを連れて住み込みで働くことに…。
ひまわり荘の住民となったマコは、30歳だが心は純真な子供のまま。そんなマコの心の扉を開けたのは、ひときわ明るく元気なうーやんだった。
惹かれあった2人は、マコの誕生日であるクリスマスの日に、“結婚しよう”と指きりを交わす。そして約束の日、うーやんはひまわり荘の仲間と一緒にマコがやって来るのを待つが…。

オフィシャルサイト
http://takufes.jp/kuchiduke2020/

オフィシャルTwitter
@TAKU_FES_JAPAN