LIVE SHUTTLE  vol. 427

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YuNi 3rd VR Liveで魅せた“音楽の旅”をレポート。透明感あふれるボーカルと引き込まれた世界を振り返る

YuNi 3rd VR Liveで魅せた“音楽の旅”をレポート。透明感あふれるボーカルと引き込まれた世界を振り返る

(自称)世界初の“バーチャルシンガー”として2018年6月にYouTubeで活動スタートさせたYuNi。オリジナル楽曲、“歌ってみた”“動画など音楽系のコンテンツを次々とアップし、YouTubeチャンネル登録者数は約35万人、動画総再生回数は約1億回を記録している。バーチャルシンガーとしてトップクラスの人気を獲得している彼女が10月24日、YuNi 3rd VR Live「eternal journey」を開催。人気曲「透明声彩」、新曲「Dawn」などを披露し、カラフルなポップセンスと透明感のある美しいボーカルを軸にしながら、“音楽の旅”を表現してみせた。

開演と同時に壮大なオーケストラサウンドによるSEが響き、近未来的なデザインのステージが出現。“ゆにゆに!”“楽しみ”“きちゃあああああ”といったコメントが画面に並ぶ。「eternal journey」は、航行中の空飛ぶ船の上で開催される(という設定)のライブ。「みんなようこそ! この船はセカンドステージに向かって出航します!」というYuNiの挨拶とともにライブはスタートした。オープニングを飾ったのは、動画投稿を始める前のYuNiの体験をもとに制作された「フィルモノローグ」。切なさと愛らしさを含んだメロディ、<選ばれなかった 日々が 痛みと強さをくれた>というエモい歌詞、そして、「今日は“eternal journey”にお越しいただき、ありがとう! 心の準備は出来ていますか?」という言葉が共鳴し、オーディエンスの感情を強く揺さぶる。可愛さとカッコ良さを兼ね備えたステージングは、やはり唯一無二だ。

次の曲のイントロが聞こえてきた瞬間、舞台の奥に置かれたスクリーンに“充電切れ”の文字が映し出され、サイレンが鳴り響く。「え?ちょっ?」と驚きつつも、「この船は歌が動力になってます。とにかく応援頼む!」と呼びかけ、2曲目の「Erased」へ。凛とした強さを感じさせる声で<君もっと感じてたい>というフレーズを真っ直ぐに届けるYuNiに対し、オーディエンスのテンションもさらに上がっていく。

「みんなのおかげで動力がいっぱいになったみたい。旅もまだまだ序盤、どんどん行きましょう!」というMCを挟み、船は宇宙空間をワープ。数分後、「YuNiの夢がたくさん詰まった、宝石のような世界です」というステージへの移動が完了し、リリースされたばかりの「ココロノック」へ。TVアニメ『宇崎ちゃんは遊びたい!』のエンディングテーマに起用されたこの曲は、正統派のアイドルポップ。“トントン”という音に合わせた、ドアをノックするような振り付けもかわいい。さらに第1弾オリジナル楽曲「透明声彩」は、ピアノと歌だけのアレンジで披露。空中に漂うYuNiが儚さと透明感のある歌声を響かせると、オーディエンスからは「歌の良さがわかる」「美しい声」といったコメントが送られた。歌うことへの強い意思を刻んだこの曲は、まさにYuNiの原点。特に「響いてゆけ」という最後のフレーズは、すべての観客に大きな感動をもたらしたはずだ。

ここで再びストーリーが展開。雨と雷の音が聞こえてきて、「なんか天候が悪くなってきたな……。ルートを間違えた?」「みなさん、危険エリアに突入しちゃったっぽいです」と焦るYuNi。そこになんと、巨大なドラゴンが襲来! 「船の動力を上げるべく、歌います! みんな、力を貸して」と訴え、「花は幻」を放つ。生き生きとした躍動感をたたえたビート、心地よくうねるベース、起伏に富んだメロディが一つになったアッパーチューンだ。ローアングルでYuNiの全身を捉えた映像のバックには、花火やハートが舞い踊る。MCのときのワチャワチャした声と、歌唱時の凛としたボーカルのギャップも楽しい。

歌のパワーと観客の応援で船の動力を上げてドラゴンを振り切った後は、2度目のワープ。今度は「新たな旅が生まれる世界」という場所に辿り着き、「冒険者たちは必ず、この世界で祝福を受けて旅立つのです!」という決意の言葉とともに新曲「Dawn」(VRゲーム『ALTDEUS:Beyond Chronos』EDテーマ)を初披露。壮大なメロディ、エモーショナルなサウンドによって、儚さのなかにある強さを表現した英語詞のロックバラードだ。神聖なムードを感じさせるボーカルも絶品。この曲によってYuNiは、海外のオーディエンスにもさらに強くアピールすることになりそうだ。

「Dawn」のエンディングで夜が明け、美しい朝日が差し込んでくる。「まもなくこの船は2nd STAGEに到着します」というアナウンスを挟んで届けられた最後の曲は、「Beautiful World」。煌びやかなトラックとノスタルジックな旋律、<溢れ出した心 そのままに 咲き誇れ>という歌詞が高らかに鳴らされ、ライブはフィナーレを迎えた。

「eternal journey 2nd STAGE」という文字が映し出され、ライブの最後に「YuNiはこれからが本当のスタートです。みんな、ついてきてね!」と元気よく宣言したYuNi。

この冬、TOY’S FACTORYからメジャーデビューアルバムをリリース予定の彼女はここから、さらに大きなフィールドに向かって進んでいくはず。可愛さ、カッコ良さをダイレクトに示したYuNi 3rd VR Live「eternal journey」は、YuNiがメジャーな存在になっていくための大事なターニング・ポイントだったと思う。

文 / 森朋之
©2019 YuNi

YuNi
3rd VR Live「eternal journey」
2020年10月24日(土)

セットリスト

1.フィルモノローグ 
2.Erased
3.ココロノック 
4.透明声彩(Acoustic ver.)
5.花は幻 
6.Dawn 
7.Beautiful World

YuNi(ユニ)

2018年6月にYouTubeで活動開始。歌ってみた動画が特徴で、同年10月にはプライベートレーベルyunion.waveを発足し、オリジナルソング「透明声彩」をリリース。iTunesランキング 総合3位、エレクトロニック部門1位を記録した。
2019年4月にリリースしたアルバム『clear / CoLoR』は、iTunesランキング 総合4・5位、エレクトロニック部門1・2位、オリコンデイリーランキング8位など、数多くの音楽配信サービスで上位にランクインした。
トークや前口上ではなく、歌に真摯に向き合った活動を続け、昭和の歌謡曲、アニソン、ボカロ、洋楽など、幅広いジャンルの楽曲を透明感のある歌声で表現し、バーチャルシンガーの先駆者として業界を牽引している。
2020年8月14日レコード会社TOY’S FACTORYへの所属を発表。

オフィシャルサイト
https://yunionwave.com
YuNi – official channel

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