LIVE SHUTTLE  vol. 425

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TRICERATOPS 2年半ぶりのライブ。待望の再会と3人の勇姿。バンドとオーディエンスの交歓を振り返る

TRICERATOPS 2年半ぶりのライブ。待望の再会と3人の勇姿。バンドとオーディエンスの交歓を振り返る

2018年春の“MIRACLE GLITTER TOUR”以来、2年半ぶりのTRICERATOPSのライブが間もなく開演になる。インターバルの間はそれぞれがソロ活動を展開していたが、ファンにとって待望のライブであることは間違いない。コロナ対策を万全に施したZepp DiverCity TOKYOのゲートをくぐったオーディエンスたちは、市松模様を描いて椅子席に座って待っている。ライブのタイトルは“THREE HORNS IS BACK 2020”。暗転になると、和田 唱(vo&g)、林 幸治(b&cho)、吉田佳史(dr&cho)がステージに現われた。果たして3人はこれからどんなライブを見せてくれるのだろうか。

和田が笑顔でギターのコード・カッティングを開始。オープニング・ナンバーは、何とデビューシングル「Raspberry」だ。このサプライズに会場は大きな拍手で応える。ドラムのサウンドが非常に良い。他の楽器の音も非常に分離が良く、3ピースバンドならではのシンプルなアンサンブルが快適だ。おそらくオーディエンスたちも久しぶりに浴びる爆音に、歓びを感じていることだろう。それも大好きなバンドのデビューシングルなのだから、たまらない。全員が早くも立ち上がって、ハンドクラップしながら身体を揺らし始めた。楽しそうに歌う和田が、ギターソロでステージの前に出ていくと、フロアはさらに盛り上がる。

TRICERATOPS WHAT's IN? tokyoレポート

最近、日本ではようやく有観客ライブが行われるようになったが、1曲目からオーディエンスが立ち上がることは珍しい。観客を半分しかいれられない制約や、三密に対する警戒感が強く、ライブの前半はおそるおそるステージを見守るケースが多いからだ。またアーティスト側も、感染の危険を減らすためにわざわざ“盛り上がりにくいセットリスト”を用意する場合がある。きっとTRICERATOPSは、ライブを我慢してきたオーディエンスの心を一瞬で解放させてあげたくて、このセットリストを組んだのだろう。ハッピーなオープニングとなった。

2曲目の「Good Times」は2ndアルバムからのナンバー。この曲がライブで演奏されることは滅多にない。このサプライズ2連発で、Zepp DiverCity TOKYOはすっかり“いつものライブハウス”になったのだった。

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「Woo! 久しぶり!! 皆さん、ようこそ。この状況の中、集まってくれて嬉しいです。ご無沙汰してました。TRICERATOPSです。配信のみんなも見てくれてます。PCやケータイの前で、自由にやっちゃってください。この感じ、久しぶりだね。制約はあれど、気持ちは伝わってきます。盛り上がってください!」と和田。コロナ禍の中、2年半ぶりの再会はこうして始まった。

「Mascara & Mascaras」、「Fever」とダンサブルなナンバーが続く。言ってみれば攻撃的なセットリストを思い切って組んだバンドの意図が伝わって、フロアはリラックスして楽しんでいる。

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「どうも、こんばんは、TRICERATOPSです!」。今度は林がMCの口火を切る。「久しぶりだけど、集まってくれてありがとう。俺はベースの林だぁ!」。このあまりにも当たり前なセリフに、会場から小さな笑いが起こる。「みんな、笑うの、我慢してる?」と吉田。「砕けてきたね。ついつい声が出ちゃうよね」と和田。「でもアオっちゃダメだよ」と林。楽しい掛け合いに会場が和む。

「次はみんなが好きそうなヤツを歌います」と和田が言って、ミディアム・テンポの「Pumpkin」を歌い出した。6曲目「スターライト スターライト」では4つ打ちのグルーヴィーなリズムに合わせてミラーボールが回り、楽しい気分がどんどん増大していく。完全にTRICERATOPSのペースだ。

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そのTRICERATOPSの3人は、確実にバージョンアップしている。吉田のドラムは切れが鋭くなり、林のベースは自信に満ちてパワフルになり、和田の歌は力が抜けて優しさと説得力が増している。続くアコースティック・コーナーで、その成果が発揮されたのだった。

アコギに持ち替えた和田が歌う「Guatemala」は南米風の曲調ともあいまって、ゆったり歌う和田のボーカルが冴える。初めて見る“脱力系・和田”がそこにいた。いや、初めてではない。インターバルの間、ソロ活動に励んでいた和田は、たった一人で音楽を作り、ライブにも挑んだ。そして音楽の表現の幅を広げた。その成果が、バンドになっても活かされている。アコギからピアノに楽器を替えた「虹色のレコード」もまったりとしたボーカルが良く、林と吉田のコーラスが加わって、深みのあるボーカル・サウンドにオーディエンスは聴き入った。

3人の前にはタブレットが置いてあり、配信を見ているオーディエンスたちのチャットを紹介したりしながら、ファミリアーにライブが進行していく。

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「楽しんでる? 俺らの役目は、みんなを楽しくさせること。不安じゃない? 不安になったら今日のことを思い出してよ。こんな時代だからこそ、明るい波動を出していかなきゃ。次の曲を作ったときは、こうなる(コロナ禍の状況)とは思っていなかった。未来のラブソングとして作ったんだけど、俺らと応援してくれてるみんなとの関係にも聞こえる。2002年にもインターバルがあって、その後にリリースした曲です」と、和田。「2020」の♪進まなきゃ意味がないのさ これより先へ♪という歌詞が耳と心に突き刺さる。歌うのが難しいと思われるこの曲を、和田はこれまでで一番の歌唱で聴かせてくれ、この夜のハイライトとなった。

ここからライブは終盤に入る。ハードでヘヴィーな「Milk & Sugar」で和田は、ロック・スピリットあふれるギターソロを披露する。その和田がステージから去って始まった林と吉田のリズムセクションの恒例のパート「Hayashi & Yoshifumi Groove」は、以前より迫力を増していて、オーディエンスは2人の熱演に大きな拍手を贈る。会場が熱くなったところで和田が戻り、豪華なダンスロック・メドレーでさらにフロアを熱くする。

「ありがとう! 俺たちもエネルギーをもらえた感じ。オッケー、まだ行ける? もうひと盛り上がりしようぜ」と和田が叫んで、本編ラストの「Going To The Moon」に突入。いよいよバンドとオーディエンスの交歓が白熱する。

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アンコールで再登場したTRICERATOPSから、嬉しいプレゼントがあった。

「楽しんでくれましたか?・・・あ、声を出せないから話しかけてほしくないですよね(笑)。今回のライブのためのリハは、やるたびにグルーヴ感が固まっていった。このライブは1回だけじゃもったいないと思ったので、12月にあと3本やることになりました」と和田が発表すると、拍手が起こる。“還ってきたTRICERATOPS=THREE HORNS IS BACK”がまた見られるのだ。そのニュースの余韻が残っているフロアを、TRICERATOPSきっての名バラード「if」が満たす。

「今日はすごく嬉しかったです。あの頃のフレッシュさは、残っているかな?」と和田が言って、ラストは22年前の3rdシングル「ロケットに乗って」で締めた。2時間半近い見応え十分のライブは、和田の言うとおりバンドのフレッシュさをアピールして幕を閉じたのだった。きっとTRICERATOPSの勇姿に、元気づけられた音楽ファンがたくさんいたに違いない。

文 / 平山雄一 撮影 / 山本倫子

TRICERATOPS
THREE HORNS IS BACK 2020 
2020年10月16日 Zepp DiverCity TOKYO

SET LIST

1. Raspberry
2. Good Times
3. Mascara & Mascaras
4. Fever
5. Pumpkin
6. スターライト スターライト
7. Guatemala
8. Any Day
9. Happy Saddy Mountain
10. 虹色のレコード
11. 2020
12. Fly Away
13. Milk & Sugar
14. Hayashi & Yoshifumi Groove
15. Medley~
      Groove Walk
      Future Folder
      I Go Wild
      Silly Scandals
      Rock Music
16. Going To The Moon
〈ENCORE〉
1. if
2. ロケットに乗って

ライブ情報

TRICERATOPS 12月のライブが決定!

THREE HORNS IS BACK 2020″MORE!”
12月14日(月) 愛知/Zepp Nagoya
12月26日(土) 大阪/なんばHatch
12月30日(水) 東京/新木場STUDIO COAST

INFORMATION
https://triceratops.net/

TRICERATOPS

和田 唱(Vo&G)、林 幸治(B)、吉田佳史(Dr)により結成。1997年、シングル「Raspberry」でメジャーデビュー。胸を締め付けるラヴソング、ロックの苦悩に刃向かうようなポジティブなリリック、そしてたった 3人で演奏しているとは思えないサウンドと、リフを基調とした楽曲は、 良質なメロディセンスとライブで培った演奏力により、唯一無二の存在感で新たな可能性を拡げ続けている。2018年からソロ活動に重点を置き、個々に音楽の幅を拡げ、2020年10月16日のZepp DiverCity TOKYOで2年半ぶりにに活動を再開した。多くのミュージシャンにもリスペクトされている国内屈指の3ピース・ロックバンドである。

オフィシャルサイト
https://triceratops.net

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