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阿久津仁愛が“テニミュ”への想いのすべてを込めた、ミュージカル『テニスの王子様』Dream Stream

阿久津仁愛が“テニミュ”への想いのすべてを込めた、ミュージカル『テニスの王子様』Dream Stream

“2.5次元ミュージカル”の金字塔ともいえる人気シリーズ、ミュージカル『テニスの王子様』(通称・テニミュ)。2014年に始動した「3rdシーズン」のファイナルを飾る予定だったミュージカル『テニスの王子様』コンサート Dream Live 2020は新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止となってしまったが、ミュージカル『テニスの王子様』Dream Streamが、11月15日(日)~11月21日(土)に配信される。
キャストたちの卒業を共有できるものとして企画され、出演予定だったキャストたちによる歌唱やダンスなど、コンサートで予定されていた20曲以上の楽曲が詰め込まれた撮り下ろし映像作品。配信までの期間は、投票によって配信作品が選ばれるミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン「みんなで繋がる!テニミュ3rdシーズン ファイナルロード」が好評配信中だ。
越前リョーマ役の阿久津仁愛に、コンサートが中止になったときの正直な気持ちや本作の撮影エピソード、今後の展望についてもたっぷり明かしてもらった。

取材・文 / 片桐ユウ 撮影 / 冨田望
ヘアメイク / 大西トモオ


「ありがとうございました!」と頭を下げた瞬間に、泣きました

5月に予定されていたミュージカル『テニスの王子様』コンサート Dream Live 2020(以下、ドリライ)は残念ながら中止ということになりました。その決定を聞いたときの心境は?

最初は信じられなかったです。中止という話を聞いたあとも、公演が予定されていた日程まで間があったので「もしかしたら……?」の気持ちで備えておこうと思ったりもして。渋谷の109に大きな広告のポスターが飾られて、自分が載っている姿を見て感動した直後だったので、悔しくもありました。泣いたりはしませんでしたが、お風呂に入っているときとかに悔しくなることはありましたね。

その替わりとして、テニミュキャストたちの“卒業”を飾る撮り下ろしの映像作品、ミュージカル『テニスの王子様』Dream Streamの制作が決まったときのお気持ちは?

これまでの楽曲をやれると聞いて嬉しかったです! “テニミュPVコレクション”のCMを見ていて「カッコいいな」とも思っていたので、映像で自分たちの姿が残せるのが楽しみになりました。ただ舞台とは違うので、表情がどう見えるのかはちょっと気になりました、口の開け方とか(笑)。

ミュージカル『テニスの王子様』Dream Stream 阿久津仁愛 WHAT's IN? tokyoインタビュー

青学(せいがく)メンバーと会ったのは、この撮影が久々でしたか?

はい、久しぶりでした! みんな変わっていなかったですね。僕は単純に寂しかったので、ひとりで嬉しくなっちゃっていたかも(笑)。でもみんなも嬉しそうだったという印象があります。いろいろな楽曲をやったので、「懐かしいね」と話しながら、ドリライでやれない切なさもちょっと感じたり。複雑な気持ちもありながらでした。

撮影中、楽しかったことは?

TDCホール(東京ドームシティホール)での撮影が1番楽しかったです! 公演のときにやっていたアップも同じようにやって、これまでの公演期間の“日常”を感じられたとき、自分の中でグッときました。

ミュージカル『テニスの王子様』Dream Stream 阿久津仁愛 WHAT's IN? tokyoインタビュー

これまで「公演中はファンの方の声援に支えられた」と多くのインタビューでお答えされていましたが、今作は収録。撮影中は何をモチベーションにされていましたか?

どうしても反応がないなかだったので、「今の感じで大丈夫だったのかな?」と不安になることもありました(笑)。でも青学(せいがく)メンバーたちとのロケでは、学校を使用させていただいたことがあったんです。実際にその学校に通う生徒の方々が部活をやっている中での撮影だったので、ちょっと注目をされながらの収録になり、そこでモチベーションが上がりました(笑)。やっぱり見てくださる方がいるというのは嬉しかったですね。

ミュージカル『テニスの王子様』Dream Stream 阿久津仁愛 WHAT's IN? tokyoインタビュー

撮影はどんな気持ちで臨みましたか?

この衣裳は、今後もう着られなくなるんだな……と思うと、遠い存在になってしまうような、寂しい気持ちはありました。例えると、実家から離れるみたいな感じ(笑)。チームのみんなとは家族みたいな距離感で過ごしていたので、最後になるのだと思うと「イヤだなぁ」という寂しさが大きかったです。だからこそ舞台上、収録中では「寂しい気持ちを出さないぞ。絶対に泣かない!」って決めていました。お客様の方がドリライを楽しみにしてくださっていただろうし、舞台で泣いてしまうのは違うなと思って。涙を見せないように頑張りました!

では、泣いていない?

……泣きました(小声)。青学(せいがく)のみんなが最後のナンバーで泣くからー!(笑)「僕は泣かない、清々しい気持ちで終わるんだ!」と堪えていたんですけど……撮影後にスタッフの皆さんへ「ありがとうございました!」と頭を下げた瞬間に、泣きました。「俺は泣かないから」と宣言していたので、みんなから「泣いてるじゃん(笑)」と写真を撮られてイジられましたね(笑)。

ミュージカル『テニスの王子様』Dream Stream 阿久津仁愛 WHAT's IN? tokyoインタビュー

センターとして誇りを持って、必死に頑張ってきた

3rdシーズンを振り返ってのお気持ちは?

楽しかったです! 稽古も公演も。楽しかったという気持ちが最初に出てきます。これだけ歌って踊ってラリーをする作品は今後ないと思いますし、自分にとっては初舞台だったので技術ではなく、気持ちや熱量でここまできたんだなと。真ん中として引っ張っていけたという自信はないけど、センターとして誇りを持って、みんなが「お前がセンターで良かった」と思ってもらえるように、みんなに認めてもらえるように、必死に頑張ってきたなと思います。

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投票企画、ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン「みんなで繋がる!テニミュ3rdシーズン ファイナルロード」にご自身が投票するとしたら、選ぶ公演は?

全部ですね!(笑)でもやっぱり僕は、最新の公演(ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン 全国大会 青学(せいがく)vs立海 後編)かなと。自分で言うのは恥ずかしいですけど、自分でも自分のことを「カッコいい!」と思えたシーンがあるんです。みんなが「未来へ向けて~どこーまーでも~」と歌って、パコーンッとリョーマがショットを決めて……すごく細かいんですけど(笑)。それで審判の声が掛かったあと、リョーマは“天衣無縫の極み”に達しているのですごく無邪気なオーラを纏いつつも、そこから幸村精市に振り向いたときの顔が……“戦い”の顔だったんです。その表情が、自分(阿久津仁愛)に見えなかった。「越前リョーマ、カッケー!」と思えたので、一番見て欲しいところだなと思っています。あー! でも、もうひとつ挙げてもいいですか?

ミュージカル『テニスの王子様』Dream Stream 阿久津仁愛 WHAT's IN? tokyoインタビュー

ぜひお願いします(笑)。

ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン 全国大会 青学(せいがく)vs氷帝! 全部最高です! 本当に部活をしているような、本気で試合に挑んでいる気持ちでした。千秋楽では熱が入り過ぎてしまった感じもしているのですが、それも僕らしいのかなと。“テニミュ”に出演した最初の頃はまだ探り探りで、自分の表現が定まっていなかったのですが、自分でもそこからスキルアップしてどんどん良くなってきたなと感じています。本当はドリライでさらに更新したかったっていう気持ちもあるんですけどね。そこは、今作の映像作品にその気持ちを込めました!

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あらためて“テニミュ”から学んだことや、“テニミュ”で過ごせて良かったなと思うことは?

もう、全部です。阿久津仁愛が誕生したのは“テニミュ”です! 特に気持ちの面で成長させていただきました。公演期間が長いことや、真ん中に立つ存在になったことで、プレッシャーには絶対に強くなったと思います。最初は中心に立つことが気恥ずかしかったというか……きっと自分に自信がなかったんでしょうね。変わったタイミングは自分ではなかなかわからないので、見ている方から聞いてみたいです(笑)。でも俯瞰して過去の作品を見てみると、良くなってきているなと思えて。普段はまったくないんですけど(笑)、オーラとか存在感も出るようになったのかなとか。それでもまだ足りないな、と思いながらこれまでやってきた感じですが、“テニミュ”は、僕にとって“阿久津仁愛という存在”を作れる場だったなと思います。

ミュージカル『テニスの王子様』Dream Stream 阿久津仁愛 WHAT's IN? tokyoインタビュー

リョーマは憧れ。ライバルみたいな存在でもある

“越前リョーマ”は阿久津さんにとってどんな存在でしたか?

憧れでした。舞台上に立っているときはそんなこと考えないんですけど、たどり着けない存在というか。もし同じ部活にいたら生意気なキャラクターだと思うんですけど(笑)、それでも手を出せないくらいのテニスのセンスと強さを持っている。その自信などが自分にはないものだったので、リョーマみたいに自分の思っていることを伝えられるようになりたいとつねに思っていました。ずっと追い続けているし、いつかは勝ちたいとも思うライバルみたいな存在でもあります。

ミュージカル『テニスの王子様』Dream Stream 阿久津仁愛 WHAT's IN? tokyoインタビュー

ミュージカル『新テニスの王子様』や4thシーズンも発表された“テニミュ”シリーズですが、情報はご覧になりましたか?

はい。早く次の作品も観に行きたいし、頑張ってもらいたいです!

配信を楽しみにしているお客様へメッセージをお願いします。

“みんなで観るテニミュ”が一番楽しいと思うので、ぜひ一緒に見たいです! 映像で卒業となるのは新しい試みだと思いますが、本当にすべてをかけて臨んだので、絶対に満足していただけると思います! 僕もまだ完成形を見ることができていないのですが、CGが入ったり、ドローンで撮影もしていたので、きっと面白いものになっていると思います。この作品で僕たちは卒業となるので、これにすべてをかけたという気持ちはチームとしてあります。僕ら青学(せいがく)は「これで卒業だ」という気持ちを込めていました。力を出し切りました!……久々に踊ったので疲れましたけど(笑)。でも、それだけ全力を出せたのだと思っています。楽しみにしていてください。

ミュージカル『テニスの王子様』Dream Stream 阿久津仁愛 WHAT's IN? tokyoインタビュー

没頭できるという強みを持てた

“テニミュ”を経て、阿久津さんの強みになったことは?

んー、なんだろう? でもこうして3rdシーズンを駆け抜けたことを思うと、ひとつのことに没頭できるという強みを持てたかもしれません。“諦めない”ところだと思います!

ミュージカル『テニスの王子様』Dream Stream 阿久津仁愛 WHAT's IN? tokyoインタビュー

俳優・阿久津仁愛として、今後の目標は?

もともとは人前で何かをやることが得意ではなかったのですが、“テニミュ”を通して人前で表現することが好きになりました。ミュージカルということもありましたし、今後は歌などにもいろいろ挑戦していきたいです! それとできることをもっと増やしたい。例えば英語とか。できるようになれたら絶対に武器になると思うので。今の状況が落ち着いてからにはなりますけど、いろんなところに行っていろんなことを知って、表現力を豊かにしていきたいです!

ミュージカル『テニスの王子様』Dream Stream

配信:2020年11月15日(日)〜11月21日(土)
内容:Dream Live 2020に代わる20曲以上の楽曲を詰め込んだ撮り下ろし映像作品
配信サイト:SUPERLIVE by OPENREC
特設サイト:https://www.tennimu.com/special/memorial/

原作:許斐 剛『テニスの王子様』(集英社ジャンプコミックス刊)

出演:
<青学(せいがく)>
越前リョーマ 役:阿久津仁愛/手塚国光 役:青木 瞭/大石秀一郎 役:江副貴紀/
不二周助 役:皆木一舞/菊丸英二 役:田口 司/乾 貞治 役:竹ノ内大輔/
河村 隆 役:岩田知樹/桃城 武 役:大久保 樹/海堂 薫 役:中島拓人/
堀尾聡史 役:琉翔/加藤勝郎 役:中三川歳輝/水野カツオ 役:奥田夢叶

<立海>
幸村精市 役:立石俊樹/真田弦一郎 役:田鶴翔吾/柳 蓮二 役:井澤巧麻/
仁王雅治 役:後藤 大/柳生比呂士 役:大隅勇太/丸井ブン太 役:大薮 丘/
ジャッカル桑原 役:川﨑優作/切原赤也 役:前田隆太朗

<四天宝寺>
白石蔵ノ介 役:増子敦貴/小石川健二郎 役:安東秀大郎/千歳千里 役:江本光輝/
金色小春 役:森田力斗/一氏ユウジ 役:谷津 翼/忍足謙也役:千田京平/
石田 銀 役:森 一平/財前 光 役:廣野凌大/遠山金太郎 役:平松來馬/
渡邊オサム 役:碕 理人

<不動峰>
橘 桔平 役:青木空夢/伊武深司 役:健人

<聖ルドルフ>
木更津 淳 役:佐藤祐吾/不二裕太 役:大原海輝

<山吹>
千石清純 役:森田桐矢/亜久津 仁 役:川上将大

<氷帝>
跡部景吾 役:三浦宏規/忍足侑士 役:井阪郁巳/宍戸 亮 役:小早川俊輔/
向日岳人 役:北乃颯希/芥川慈郎 役:田村升吾/滝 萩之介 役:山﨑晶吾/
樺地崇弘 役:八巻貴紀/鳳 長太郎 役:渡辺碧斗/日吉 若 役:内海啓貴

<六角>
葵 剣太郎 役:矢代卓也/佐伯虎次郎 役:二葉 要

<比嘉>
木手永四郎 役:武藤賢人/甲斐裕次郎 役:吉澤 翼/平古場 凛 役:岩城直弥/
知念 寛 役:雷太/田仁志慧 役(田仁志 慧の「慧」は旧字体):高田 誠/不知火知弥 役:園村将司/
新垣浩一 役:松井遥己

<特別出演>
越前南次郎 役:森山栄治

オフィシャルサイト
テニミュ・モバイル

©許斐 剛/集英社・NAS・新テニスの王子様プロジェクト ©許斐 剛/集英社・テニミュ製作委員会

阿久津仁愛(あくつ・にちか)

12月23日生まれ、栃木県出身。「C.I.A.」メンバー。第27回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト準グランプリ。近年の主な出演作品には、TVドラマ『俺のスカート、どこいった?』などがあるほか、2021年初春放送予定Huluオリジナルドラマ「マイルノビッチ 」、2021年2月より上演予定の音楽劇『プラネタリウムのふたご』、2021年春公開予定映画『ツナガレラジオ〜僕らの雨降Days〜』への出演を控える。

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オフィシャルTwitter(@nichika20001223)

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