Interview

ときのそら 初めて自身が作詞作曲を手がけた作品から、多彩でライブ映えする曲ばかりを詰め込んだ力作。キャラクターの魅力も存分に楽しめる2ndアルバムについて訊く。

ときのそら 初めて自身が作詞作曲を手がけた作品から、多彩でライブ映えする曲ばかりを詰め込んだ力作。キャラクターの魅力も存分に楽しめる2ndアルバムについて訊く。

VTuberシーンで圧倒的な支持を得て、2019年3月にメジャーデビューを果たしたときのそら。“ライブ映えする曲”“みんなと一緒にステージを作り上げたい”という思いを込めた2ndアルバム『ON STAGE!』には、王道のアイドルソングから昭和歌謡風のナンバー、彼女自身が作詞作曲を手がけた曲まで、カラフルな楽曲が収められている。
アーティストとして着実に成長している彼女に、メジャーデビュー以降の手ごたえ、アルバム『ON STAGE!』の制作などについて語ってもらった。

取材・文 / 森朋之
© 2017-2020 cover corp.


歌って踊れるアイドルになりたいという目標はずっと同じだし、応援してくれるみなさんとの距離感、配信のスタイルは変わらないですね

昨年3月のメジャーデビュー以降、デビューアルバム『Dreaming!』、ミニアルバム『My Loving』をリリース。順調な活動が続いていますが、この1年半はそらさんにとって、どんな期間でした?

ずっと“アイドルになりたい”と思っていたんですが、最初はまだプロ意識は芽生えてなかったのかなって。メジャーデビューして、レコード会社のスタッフのみなさんとお話したり、リリースやライブ活動を続けるなかで、歌うこと、表現することに責任感を感じるようになったんですよね。“楽しい”というのは変わらないんですけど、より良いものを目指すようになって。楽曲に対して「こういう表現をしてみよう」という気持ちも増えてきて、デビューの頃に比べると、歌い方もだいぶ変わってきたと思います。ライブのアーカイブを観ると、「CDと全然歌い方が違うな」って。

特に印象に残っているライブは?

いちばんはやっぱり、初めてのワンマンライブ(2019年10月6日に行われたワンマンライブ「Dream!」)ですね。「来てくださったみなさんは全員、私を応援してくれてる」という状況が初めてだったし、ステージに出た瞬間、みなさんがすごい熱気で声援してくれて。ふだんは(YouTubeの)コメントを通して会話してるんですけど、「本当にこんなにたくさんの人が応援してくれてるんだな」と実感できたんですよね。

では、メジャーデビュー後も変わらないところは?

歌って踊れるアイドルになりたいという目標はずっと同じだし、応援してくれるみなさんとの距離感、配信のスタイルは変わらないですね。(メジャーデビュー後も)「遠くなった」「距離が開いた」と感じてほしくなかったし、一貫して自然体の姿を見せたいと思っていて。活動の中心は音楽ですけど、みなさんとのコミュニケーションも同じくらい大切にしているので。「週に1回は配信する」というのも変わらないです。

週1ペースを続けるって、大変ですよね。

高校生のときは、学校と並行していろんなことをやっていたので、ちょっと大変でした(笑)。以前は木曜日に配信してたんですが、卒業してからは自由度が増して、いろんな時間に配信できるようになって。歌の練習もいくらでもできるので、自分で挑戦して、無理しすぎないように気を付けてます。今年は世界が大変なことになって、おうちにいることが増えて。家族に遠慮する気持ちもあるし(笑)、思うように練習できない時期もありました。こういうなかでも楽しんでもらえるコンテンツを作りたいという気持ちも膨らんだし、プラスの部分もありましたね。自分と向き合って、“私は何がしたいんだろう?”って考える時間もあって……そこはいいところだったと思います。

ステージで輝く曲、みんなで一緒に作り上げる曲が集まっていますね

そして2ndアルバム『ON STAGE!』がリリースされます。このタイトルにはどんな思いが込められてるんでしょう?

「みんなと一緒にステージを作りたい」「みんなに元気になってほしい」というテーマが一番ですね。自分の活動は、みんなで作るものだと思ってるんですよ。ステージの上に立っているのは私だけですけど、ライブはみんなと一緒に作るものだなって。今回のアルバムに入っているのは、ライブで歌って、初めて成立する曲ばかりなんです。テンポが早かったり、合いの手をたくさん入れられる曲だったり。ステージで輝く曲、みんなで一緒に作り上げる曲が集まっていますね。

ライブを観たい!というファンのみなさんの声もあった?

ありましたね。配信で音楽の話をするたびに、「ライブに行きたい」「みんなで盛り上がりたい」というコメントが届いて。私もライブに行くのが好きなので、会場に行けないというストレスはすごく感じてます。

そらさん、ライブに行ったときはどんなふうに盛り上がってるんですか?

アイドルのライブのときは、ペンライトと双眼鏡を持っていってますね。盛り上がる曲ではペンライトを振って、しっとりした曲では双眼鏡で見て。ペンライトを使わないアーティストのライブは、拳を上げて盛り上がってます(笑)。

お客さんの気持ちがわかるのは、アーティスト活動にも役立っている?

あ、そうですね! 自分がときめいた場面、かわいいポーズだったり、ターンして服がヒラッとなるのがかわいいなって思うと、「私もやりたい!」って。音楽番組を見ていても「これを取り入れてみたい」と思ったりします。

では、『ON STAGE!』 の収録曲について。1曲目はリード曲「Step and Go!!」。

最初に聴いたときは、“きれいなメロディだな”と思って。サビでキーが上がるし、ライブで盛り上がれるだろうなって。実際に歌ってみると、力強く歌うクセがあるせいか、すごくパワーがある曲になりましたね。“みんなで明るく”というイメージかなと思ってたんだけど、みんなの背中を押すような曲になったなって。ライブでみんなが手を振り上げて、一緒に歌っているところを意識しながらレコーディングしてました。

気になる言葉があれば、ぜひ歌詞カードを見てほしいですね

歌詞もかなりエモーショナルですからね。

そうなんですよ! 私はよく「ここの歌詞に注目して!」って言うんですけど、この曲もまさにそうで。<ねえきっと 君は大丈夫>という歌詞があるんですけど、つらいことがあっても、この曲で奮い立ってもらいたいなって。気になる言葉があれば、ぜひ歌詞カードを見てほしいですね。

そらさん自身は、きついことがあったときにどうやって乗り越えてるんですか?

そうですね……。まず、人前では絶対に泣かないって決めてるんです、うれし涙以外は。きついときは部屋で「がんばれ!」って言ってくれる曲を聴いて、思い切り泣いて、ストレスを発散して気分を変えてます。がんばりたいときに聴く曲、癒されたい曲があるんですよ、私のなかで。

2曲目の「Chu-Chu-Lu」は超ラブリーなポップチューン。<ずっとここで 一緒だよ>など、ドキッとするような歌詞もあって。

ホントに可愛い曲ですね。最初に聴いたときから大好きだし、ときめく曲だなって。歌うときは、“自分に好きな人がいたら、どう言うんだろう?”って意識してました。

妄想も交えながら?

そうかもしれないです(笑)。私は“正確に歌いたい”と意識しすぎるところあって、気持ちを入れないと淡々と歌っちゃいがちなんですよ。「Chu-Chu-Lu」も妄想じゃないけど、しっかり自分の感情を込めて歌いました。正確さも残しつつ、自分の表現も入れて歌えるようになってきたと思います、少しずつ。

続く「リア/リモシンパサイザー」は、ちょっと懐かしい雰囲気の楽曲ですね。

 歌謡曲みたいなイメージですよね。私、お母さん世代の曲も好きで、配信サイトでダウンロードすることもあるんです。「リア/リモシンパサイザー」はお母さん世代から私のファンのみなさんまで、家族で聴いてもらえる曲じゃないかなって。歌詞もすごくおもしろいんですよ。造語みたいな言葉もあって、どういう意味だろう?って。

“シンパサイザー”って何?みたいな。

そうですね(笑)。今の時代を表わしている感じもするし、「リア/リモシンパサイザー」という曲名の意味も考えてみてほしいなって。

ラップは初挑戦だったんですけど、恥ずかしかったです(笑)

「ブルーベリームーン」はラップを取り入れたナンバー。めちゃくちゃ新鮮だし、すごくカッコいい曲だなと。

ラップは初挑戦だったんですけど、恥ずかしかったです(笑)。(ラップの要素が入った)ボーカロイドの曲をカバーしたことはあるんですけど、ここまでしっかりラップをやったのは初めてだったし、“私、こんなにカッコいい曲を歌っちゃうんだ”って思って、余計に照れちゃって。歌うときは照れちゃダメだし、“私、カッコいいぞ!”と思い込んで全力でやりました。もともと私は、どんな曲にでもチャレンジしたいと重いっていて。こういう新しい雰囲気の曲を歌えるのは嬉しいですね。

ファンの人たちもビックリするかも。

以前から「ラップやってみて」という声はいただいていたので、「やってる!」って思われるでしょうね(笑)。

ファンのみなさんの意見も取り入れたい?

すごく取り入れたいです! みんなが見てみたい、聴いてみたいというものをやりたいので。音楽は一人だけでは完成できないし、なるべく皆さんの意見を取り入れて、「全員が楽しい」というものを作りたいんですよね。

私の名前(空)も入ってるので、レコーディングでも“私のお祭り曲だ!”ってテンションが上がりました(笑)

© 2017-2020 cover corp.

超カッコいい曲のあとは、お祭りモード全開の「空祭り」。

最初に聴いたとき、「こんなにハイテンションな曲があるんだ?!」ってビックリしました(笑)。アルバムのなかでも、いちばんライブでやりたい曲ですね。みんなで「それそれそれそれ!」って盛り上がりたいし、私の名前(空)も入ってるので、レコーディングでも“私のお祭り曲だ!”ってテンションが上がりました(笑)。3時間くらい歌ってたんですけど、ずっとノリノリでしたね!

<諸行無常 世知辛いこの世で息抜くために>みたいな渋いフレーズもあって。

そうですね。その歌詞のところはリズムが独特で、その意外性や奇抜さも楽しいんじゃないかなって。そこに強めの言葉が入ることで、すごく印象に残ると思います。

“アイドル、アイドル”してる曲になりました

6曲目の「ぐるぐる・ラブストーリー」は超アッパーでキュートな楽曲ですね。

アッパーで早口でかわいい曲なんですけど、じつはこういうタイプの曲って苦手なんですよ。カバー曲を選ぶときも、避けがちな曲というか(笑)。「アイドルになりたい」って言ってるのに、かわいい曲に自分の声が合うとは思えなくて……。ただ、実際に歌ってみるとすごく楽しいですし、歌詞には女の子のキラキラが表現されていて、PVの振り付けもかわいくて、いちばん“アイドル、アイドル”してる曲になりました。“アイドル・ときのそら”を応援してくれる方は、「好き!」って言ってくれると思いますね。

苦手意識はなくなった?

レコーディングでは大丈夫ですね(笑)。「ぐるぐる・ラブストーリー」はまだあまりパフォーマンスしたことがないので、どうなるか逆に楽しみになってます。

<フィーバータイムカモーン!>なんて歌詞、普通の曲にはないので(笑)

「マイオドレ!舞舞タイム キノシタ feat. そらみこ (ときのそら&さくらみこ) 」は、音楽ゲーム『maimai』とのコラボレーション曲。

私も音ゲーが大好きなので、自分達の曲がそこに入るのはすごく嬉しいですね。<フィーバータイムカモーン!>なんて歌詞、普通の曲にはないので(笑)。仲良しのさくらみこちゃんと掛け合いも楽しかったです。みこちゃんの歌い方、本当に可愛いんですよ。私は強めの歌い方なので(笑)、それぞれの個性が分かりやすく出ていると思います。もしカラオケに入ったら、覚えて歌ってほしいですね。

アルバムの最後は、そらさんが作詞・作曲した「青空シンフォニー」。オリジナル曲が収録されるのは、これが初めてですね。

はい。メロディ自体は、以前からあったんですよ。「曲を作ってみよう」という企画だったんですけど、そのときに適当に歌ったメロディに伴奏を付けて、アップしてくれる人がたくさんいて。“19才のうちに、作詞・作曲にチャレンジしたい”と思ったときに、そのときのメロディを使って曲を作りたいと思ったんです。みなさんに愛されてるメロディだし、ぜひ形にしたいなって。

ファンのみなさんと一緒に作った曲と言えるかも。

そうですね。歌詞もそのときの企画のとき考えたものをあえて残して。それを基準にして作っていったんです。

この曲を喜んでくれる人がいることのうれしさ、むずがゆさを含めて、特別な曲だなって

自分で作ったオリジナル曲を歌うのは、どんな感じですか?

何度歌っても、まだ恥ずかしさが消えないですね(笑)。自分の全部をさらけ出している感じがするし、なかなかなれなくて。この曲を喜んでくれる人がいることのうれしさ、むずがゆさを含めて、特別な曲だなって思います。

そう思うくらい、正直に表現したと。

ウソがつけない性格なんですよ、私。歌詞にもぜんぜんヒネリがないんですけど(笑)、いまの私の最大限の気持ちをそのまま伝えるのがいいのかなと。正直すぎて損をすることもあるかもしれないけど、正直に生きていきたからこそ、人に恵まれた生活ができていると思うし、基本的には“この性格で良かった”と思ってます。

作詞・作曲も続けたい?

「青空シンフォニー」の作曲は奇跡的に出来ましたけど、音楽の知識もないし、まだまだ勉強だなって。もっと自分の知識をつけて、まずは作詞からやっていきたいですね。好きな言葉をスマホにメモったりしてるので、いつかそれを曲にできるようにがんばります。

私が歌が好きなことをお母さんは知っていて、「いつか、そらが横浜アリーナに立っているところを見てみたいな」と言ってくれたんです

今後の活動についても聞かせてください。以前から「目標は横浜アリーナ」を掲げていますが、どうして横アリなんですか?

小学校のとき、初めて観に行ったライブの会場が横浜アリーナだったんです。お母さんと一緒だったんですけど、舞台の上がキラキラしていて、“いいな!”と思って。私が歌が好きなことをお母さんは知っていて、「いつか、そらが横浜アリーナに立っているところを見てみたいな」と言ってくれたんです。そのことを鮮明に覚えていたので、目標にしています。

いままでは応援してくれるみんなに“来てもらう”ことが多かったから、私からみんなのところに行きたいとずっと思っているんです

次のアクションとしては、まずアルバム『ON STAGE!』の曲をライブで披露すること?

そうですね。せっかくアルバムが出来たので、まずはオンラインでアルバムの曲をいっぱい披露する機会を作りたいなって。あと、この状況が落ち着いて平和になったら、全国に自分から行きたくて。いままでは応援してくれるみんなに“来てもらう”ことが多かったから、私からみんなのところに行きたいとずっと思っているんですよね。

最後に、アルバム『ON STAGE!』で初めて、そらさんと出会う人たちに向けてメッセージをいただけますか?

はい! 先ほども言ったようにライブ映えする曲ばかりなんですけど、すごくバラエティに富んでいるんですよ。スロウな曲、アップテンポの曲、可愛い曲もカッコいい曲もあるので、必ず1曲はお気に入りが見つかるんじゃないかなって。その曲をリピートしてもらってもいいし、日によってとか、気分によっていろんな曲を楽しんでほしいです!

その他のときのそらの作品はこちらへ。

▼ときのそら「ON STAGE!」特設サイト
https://www.jvcmusic.co.jp/tokinosora/65433/

ライブ情報

ときのそら 2nd LIVE「パラレルタイム」
・2020年11月29日 (日)
OPEN:18:30 / START:19:00
詳細はオフィシャルサイトにて

ときのそら(TOKINO SORA)

5月15日生まれの20歳。2017年9月から活動開始。YouTubeチャンネルでのライブ配信や動画投稿を中心に活動するバーチャルYouTuber。
夢は横浜アリーナでの単独ライブ!ファンからの提供楽曲の“歌ってみた“動画や、ボカロPとのコラボレーション楽曲のミュージックビデオなどを公開し、音楽のフィールドへも活動範囲を拡げ、2019年3月27日に夢への第一歩となるデビューアルバム『Dreaming!』を発表した。同年10月6日には、Veats Shibuyaにて自身初のワンマンライブ『Dream!』を成功させ、そこで披露した新曲、「フレーフレーLOVE」を配信リリース。
そして、2020年3月4日には、その配信シングル「フレーフレーLOVE」を含む全6曲のオリジナル曲を収録したミニアルバム『My Loving』をリリース。その他、自身を題材にしたライトノベルの発売や、写真集の発売、テレビ東京ドラマ『四月一日さん家の』で女優デビューを果たすなど活動の幅を広げている。

オフィシャルサイト
https://site.nicovideo.jp/tokinosora/index.html