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SixTONES まるで青春ドキュメントを見ているような爽やかな感動をもたらしてくれるライブステージを収めた初の単独映像作品。

SixTONES まるで青春ドキュメントを見ているような爽やかな感動をもたらしてくれるライブステージを収めた初の単独映像作品。

2020年1月22日にYOSHIKIプロデュース「Imitation Rain」でCDデビューを果たした6人組のグループ、SixTONES(ストーンズ)が初の単独ライブDVD&Blu-ray『TrackONE -IMPACT-(トーンインパクト)』をリリースした。本作に収録されたのは、2020年1月4日から7日にわたり7公演が行われた横浜アリーナ公演のファイナルである7日の夜公演。次なるツアーの地、マリンメッセ福岡公演は1月26日だったため、これがデビュー直前、つまり“ジャニーズJr.”として最後のステージとなっていた。

念のために少しだけ補足しておくと、ジャニーズ事務所においては、どんなにキャリアを積み、単独公演を開催するほどの人気と実力があったとしても、CDデビューするまでは“ジャニーズJr.”所属のグループやタレントという認識となる。SixTONESは2015年5月に結成したため、グループとしての“ジャニーズJr.”での活動歴は5年になる。しかし、この日のMCでジェシーが、「一度バラバラになって集まった6人」と語っていたように、2012年にはドラマ『私立バカレア高校』に出演した6人として「バカレア組」として活動していた。また、個人としては、森本慎太郎(23)とジェシー(24)、京本大我(25)が2006年、田中 樹(25)が2008年、松村北斗(25)と髙地優吾(26)が2009年2月に入所し、様々な先輩たちのバックダンサーを務めており、全員が10年以上の下積みを経て、念願だったCDデビューを掴んだグループということになる。だからこそ、デビュー直前に開催されたこの日のライブは、コロナの影響で3都市12公演となったツアーの1公演以上の尊さがあった。彼らがこれまで歩んできた道のりの険しさを振り返りつつ、未来への希望や仲間への厚い信頼も感じる、まるで青春ドキュメントを見ているような爽やかな感動をもたらしてくれた。

オープニングでは地上15メートル!の高さに設置された巨大なゴンドラに乗ってド派手に登場した。メタリックなハードロックナンバー「Rollin’」ではメンバー6人でゴンドラを回転させ、和の要素をフィーチャーしたEDM「JAPONICA STYLE」では炎と桜吹雪が舞った。続く「“Laugh”In the LIFE」では早くも場内を周回して観客を楽しませ、「RAM-PAM-PAM」では一転してハードにセクシーにパフォーマンス。“ジャニーズJr.”時代のオリジナル曲を4曲続けたあと、デビューシングルのカップリング「NEW WORLD」へ。6人は客席に背中を向けて、右手を高々と掲げた。そして、カウントに合わせて、指を1つずつ折りたたんで行き、親指だけを残して“6”という合図を送った。仲間との絆を歌うジェシーのシャウト、アップブートながらも切ない田中のラップからは、この6人で新しい世界を見たいんだという熱い思いが伝わってきた。

ライブの中盤は先輩たちのカバーが中心。赤西 仁「SUN BURNS DOWN」ではマスクを巧みに使い、マスクからサングラスへと変化したKAT-TUN「RIGHT NOW」ではヴォイパも炸裂。テクノハウス仕様にミックスされたSMAP「Battery」やKAT-TUN「THE D-MOTION」では先鋭的なロボットダンスを繰り出し、V6「KEEP GOING」ではメンバーカラーに照らされた照明と大きな鏡を使いながらセクシーにダンス。オーデェンスの大合唱となったオリジナル曲「この星のHIKARI」では、ファンの協力を得て、ペンライトによるウェーブを実現させたと思いきや、メンバーはいつの間にか3階席に移動。KAT-TUN「喜びの歌」をトロッコで回りながら歌い、オリジナルのミクスチャーロック「IN THE STORM」では激しいサウンドながらも見事なハーモニーも響かせていた。

最初のMCでは田中が「Jr.最後のステージですから。嬉しいような寂しいような複雑な感じ」と話し出すと、メンバーから『「NEW WORLD」、泣きそうだった』いう声も上がったが、京本は「でも、これを目指してきたわけだからね」とコメントし、前を向いた。デビュー日を跨ぐライブは、感傷と希望がないまぜになる特別な感情が湧き起こるのだろうな、と思いながら見ていたが、その後は他愛もないトークを延々と続け、最終的には照明さんが暗転し、メンバーの素のやりとりが感じられるMCコーナーは強制終了となった。

怒涛の終盤を前に、再び観客の心に火を灯す狙いがあったのだろうか。「皆さんの近くでしっとりと歌と音楽を楽しんでいただけたら」という田中の言葉から、オリジナルの「Beautiful Life」、KAT-TUN「Lovin’ U」、嵐「明日の記憶」とじんわりと温まるバラードを続けた。そして、デビューシングルのカップリングに収録されたベースミュージック「Telephone」ではハットを華麗に操り、ジェシーがMr.ズドンに扮したパーティーソング「Mr.ズドン」では観客が1つとなってズドンポーズと盛大なコール&レスポンスで盛り上がり、山下智久「PARTY’S ON」では巨大なLEDボードに貼り付けられた6人が逆さとなり、エビゾリで歌うという圧巻の演出もあった。

そして、どこまでもついてきな!と呼びかけるオリジナル曲「Amazing!!!!!!」では松村をジェシーが後ろからハグすると場内から悲鳴にも似た歓声が沸き起こった。KAT-TUNのロックナンバー「WILDS OF MY HEART」ではメインステージからセンターステージへ続く花道を猛ダッシュし、オリジナル曲「BE CRAZY」のRock Ver.ではヘドバンしながらもジェシーが「これらもよろしく」と呟けば、京本が田中をバックハグし、森本と髙地は美しいハイトーンを響かせ、松村は「SixTONESのトラックはこの先も続いていきます。一緒に歩いてくれませんか! 一緒に新しい道を作りませんか!」と真っ直ぐなメッセージを届けた。

そして、雷が鳴り、雨が降り始めた中で、事前に収録された6人の音声が流れた。田中は弱音や不安、戸惑いを、髙地はデビューに対しての重圧を正直に吐露。かつて、スノープリンスとしてジャニーズ史上最年少ユニットとしてデビューしている森本と、11歳での入所以来、常に京本政樹の息子として見られ続けてきた京本はこれまでの辛い経験を振り返りながらSixTONESに出会えた奇跡と喜びを語った。松村は「SixTONESは最強です。だって、この6人だから」と改めて宣言し、ジェシーは「正直デビューなんかできないと思いながら、粘ってジャニーズをやってきた」とJr.時代の葛藤を明かしながらも、応援し続けてきてくれたファンへの感謝を伝え、「SixTONESと最高な旅を始めよう!」という雄叫びで締めくくった。

本編最後のナンバーとなったデビュー曲「Imitation Rain」では、氷のような雨が降り、大きな炎が立ち上がる中で熱唱するジェシーの目には涙がたまり、田中や松村も泣いているように見えた。仁義を切るような振り付けには、デビューに向けた挨拶の意味も込められているのだろう。また、X JAPANの代表曲「紅」や「ENDLESS RAIN」を想起させる<紅に染まるまで 雨に打たれて>というフレーズと、YOSHIKI節満載のメロディラインには、楽曲提供者であるYOSHIKIからの期待と継承も感じた。抽象的で悲しくダークな曲ではあるが、心の雨を降らせたあとは晴れるしかないし、彼らはこの日の他のハードロック楽曲でも示してたいたように、乱雑の中から美を、力強さや前向きさを浮かびあがらせることができるグループだ。彼らの輝かしい未来はここからはじまるのだと強く思わせてくれる1曲だった。

アンコールではこの日2度目となる「NEW WORLD」で森本が<みんながいればSixTONESは強くなれるんだ>と歌詞を変えて歌うと、髙地も<みんなと作りたいんだ!>と絶叫。「“Laugh”In the LIFE」は涙で歌えなくシーンもあり、「光る、兆し」では、松村が<僕らは いつも迷いながら歩いてきた>とこれまでの道のりに思いを馳せて熱唱。Wアンコールでは京本が「みんなで、“俺たちがジャニーズJr.!! ”をやりたい」と言い出し、この日が最後となる締めのあいさつ“俺たちがジャニーズJr.!! ”が実現。マイクを置いた6人は恋人つなぎをし、万歳をしながら大きな声を張り上げた。円陣を組んだ6人は森本以外は大号泣。みんなの背中を優しく叩き続ける森本の笑顔が印象的だった。場内にこの日、一番と言っていいほどの「SixTONES」コールが沸き起こる中で、目を濡らした6人は一人ずつステージを降り、最後はジェシーが“ドナルドダックビートたけし”を披露し、涙と笑いが交錯する中で、“ジャニーズJr.のSixTONES”としてのラストステージは幕を閉じた。

この日のセトリは、被りを外し、全26曲中、デビュー後の新曲が3曲、Jr.時代の代表曲が11曲、先輩のカバーが12曲という構成だったが、この割合は変わっていくだろう。半年後となる7月22日には2ndシングル「NAVIGATOR」がリリースされたが、彼らはこの激しくもクールな楽曲において、歌、ダンスともに進化、成長した姿を見せてくれていることを記しておきたい。

文 / 永堀アツオ
©ソニー・ミュージックレーベルズ

リリース情報

2020年10月14日発売
SixTONES
DVD&Blu-ray「TrackONE -IMPACT-」

<初回盤>
※DVD・Blu-ray共にパッケージデザインは共通となります
[DVD]SEBJ-1~2
[Blu-ray]SEXJ-1~2

2DISCS
6,500円+税
■三方背、デジパック仕様
■48Pフォトブック付

<通常盤>
※DVD・Blu-ray共にパッケージデザインは共通となります
[DVD]SEBJ-3~4
[Blu-ray]SEXJ-3~4

2DISCS
6,000円+税
■8Pリーフレット付き

商品の詳細はオフィシャルサイトにて。
https://www.sixtones.jp