発掘!インディーゲーム総研  vol. 27

Review

食べて潜って村を救え!『ダングリード』1000回以上面白いダンジョンゲームはまだあった

食べて潜って村を救え!『ダングリード』1000回以上面白いダンジョンゲームはまだあった

二頭身の可愛らしいドット絵キャラがダンジョンを飛び回るローグライクアクションゲーム、『ダングリード』。Nintendo Switch™/PlayStation®4で配信され、Nintendo Switch™盤のみ、初回版購入特典としてフルカラー取扱説明書、特製ステッカー、ゲーム内BGM収録のオリジナルサウンドトラックが付属したパッケージ版が発売されています。可愛らしいピクセルアートのイメージとは違い、難度はかなり高めです。しかし難しいだけに留まらない絶妙なレベルデザインは、やり込むほどにハマってしまう魅力があるのです。まずはトレイラームービーで、スピード感たっぷりのプレイシーンを見てください。きっと、グラフィックから受けるものとは少し違う印象を持つと思います。

文 / 内藤ハサミ


爽快で歯ごたえたっぷりのアクションゲーム

平和な村に突如現れた謎のダンジョン。なんでも飲み込んでしまうそのダンジョンによって住民たちは吸い込まれ、村も破壊されてしまいました。プレイヤーは王国から派遣された新米冒険者となり、ダンジョンに赴きます。人々の救出と村の再建は、プレイヤーの手にゆだねられているのです。

ダングリード WHAT's IN? tokyoレビュー

▲グワッと口を開き、誰かれ構わず飲み込んでしまうダンジョン。恐ろしい!

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▲要所でナレーションのように挿入される“遠くから聞こえる声”。説明的なセリフが可愛らしくて好きです

ダンジョンに潜り、敵を倒しながら最深部を目指すのが本作の目的。道中には多くのモンスターがはびこっています。一部例外はありますが、基本的にすべて倒さないと他の部屋に移動することはできません。戦闘を避けつつ先の部屋へ進むという作戦は使えないことになるので、ひと部屋ごとに気を抜けないプレイとなるでしょう。

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▲苦手な敵とも果敢に戦っていきます!

アクションの手触りは軽快で、ハック・アンド・スラッシュの爽快感があります。二頭身のキャラクターはライトな印象ながら、敵を屠る手ごたえはしっかり味わえる気持ちよさです。最初から主人公が持っているのはショートソードのみで、ダンジョン内に出現する宝箱や店で手に入る武器・防具、ステータスを補助したり有利な効果を付けてくれたりする装着アイテムを身に着け、キャラクターの性能を強化していきます。ダンジョン内ではどんな装備品が出るかは運次第です。使いやすいアイテムが手に入ったときの嬉しさはたまりません。うまく使える装備がなかなか出てこないときももちろんありますが、手持ちの装備で何とか進んでいくことにも違った楽しさが見い出せます。

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▲装着アイテムの効果はさまざまです。一緒に戦ってくれるコウモリを召喚するという楽しいものもあります

道中でHPが尽きて倒れてしまうと持っていたアイテムをすべて失い村に戻されるので、またダンジョンの入口からやり直しです。ただし獲得した経験値は減らず主人公のレベルは持ち越されますし、お金はレベルに応じた上限額まで村に持ち帰ることができます。わずか数体のモンスターを倒しただけで倒れてしまっても残るものがあるため、次のダンジョン探索にも前向きになれます。

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▲ときには、こんな怪しい男に遭遇することがあります。飲んだ薬の効果はそのときによって違い、パワーアップする場合もあれば不利な効果が付いてしまう場合も……

入るたびに構造が変わる自動生成ダンジョンであるものの、各部屋の地形と出てくるモンスターの構成は同じもので、潜るたびに部屋の組み合わせだけが変化します。ローグライクは初めからの繰り返しプレイを前提としたゲームの形式です。プレイを始めた当初は、部屋の内容が全く同じであることと戦闘を避けられないことが、いずれプレイを単調に感じさせる要因になるのではないかと考えました。しかしプレイ時間が数十時間を超えた現在も、マンネリとは無縁で楽しく遊び続けています。その大きな理由のひとつには、絶妙なバランスで固定されている難易度設定が挙げられるでしょう。ダンジョンの深度が進むほど敵も手ごわくなっていくのはもちろんなのですが、たとえ低階層であっても気を抜くと倒されてしまうくらい難しめなのです。難易度設定ができないのでプレイヤー自身が上手くなることが必須となり、これが次のプレイ意欲を招きます。

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▲最初に出会うボスのベリアルがとても強い! 容赦ない攻撃を次々に繰り出してきます。初見でクリアできたプレイヤーは本当にスゴイですね

救済措置がないわけではありません。経験値が溜まれば主人公のレベルはどんどん上がっていきます。ダンジョン内でとあるNPCを助けていれば、村内の訓練場で1レベルを1ポイントに換算し、“憤怒”、“迅速”、“忍耐”、“神秘”、“貪欲”の5種類のステータスをアップさせることができます。レベル上限は30なので、最大30ポイントを振り分けることができるということです。すべてのステータスをMAXまでアップさせることができるわけではありませんが、ポイントはいつでもリセットして振り直せるので、戦いやすい構成の試行錯誤が気軽に行えます。筆者はしばらく武器の威力に関係する“憤怒”と移動や攻撃の速度に関係する“迅速”に極振りしてプレイしていました。プレイに慣れて死ににくくなってきてからは、20ポイントを振り分けると死んだときにアイテムをひとつだけ持ち帰れるスキルが付き、クリティカルと回避性能が上がる“神秘”重視の構成にハマっています。平均的に配分せず、重点的にポイントを振るスキルを決めて個性を出したほうが扱いやすくなる印象でした。ちなみに“忍耐”は防御力、“貪欲”は最大HPをアップする効果があります。

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▲いろいろなバランスを試してみましたが、始めたばかりの頃は“憤怒”と“迅速”で慣れてからポイントの振り直しをしていくのがスムーズではないでしょうか

ステータス強化は、レベルが最大になっても終わりではありません。ダンジョンで助けられるNPCには、レベルを1に戻す代わりに5つの基本ステータスを底上げしてくれる人もいます。レベルアップで得たポイントはすべてなくなるので一時的に弱体化するのですが、失ったぶんはまたダンジョンに潜ってモリモリとレベルを上げればいいのです。最大5回のレベルリセットが可能なので鍛えがいがありますよ!

高難度のダンジョン探索が面白い理由

前段でも述べたとおり、本作は高難度です。プレイを始めたばかりのプレイヤーの多くがスタートから数部屋で倒れ、探索失敗となってしまうと思います。ですが「難しすぎる。やーめた!」とコントローラーを置くまえに、まずは30分頑張ってみてください! たとえ数部屋で倒れようともダンジョンに潜り続け、1体でも2体でも多くの敵を倒してみてください。いずれレベルが上がりますし、それによって活路も見いだせるはずです。特に各ボスは初遭遇時に「まったく勝てる気がしない」と思うかもしれませんが、何回も手合わせしていれば徐々に攻略法の閃きがありだんだんと勝率が上がってくるでしょう。プレイするほど勝機が見いだせる手ごたえこそが本作の醍醐味なので、ぜひ多くのプレイヤーに味わってほしいのです。

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▲モンスターの動きには必ずパターンがあるので、見切ることができれば勝利に近づけます

ダンジョン探索の心強いサポートとして忘れてはいけないのが、各種ステータスを上げる食事です。ダンジョン内の宿屋で購入できる料理は、本作において最も面白く重要な要素のひとつ。メニューによって効能や満腹度、もちろん値段も違います。満腹度のMAXを超えない範囲であれば、何品でも食べられます。できるだけたくさんの食事をして、ステータスを上げたほうが有利なのは言うまでもありません。

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▲気合いの入った料理のグラフィックも見どころです

▲勝利のために食事をしましょう!

満腹度は新しい部屋に入り敵を倒すことでじわじわと減っていきます。探索を進め満腹度が下がってきたら宿に戻り食事をする、というのが効率的ですね。満腹度ゼロのままで探索を続けるとステータスアップのチャンスを逃すことになり、非常にもったいない! ちなみに満腹度ゼロの状態でも問題なく探索は続けられます。倒れてしまったり、ステータスが一時的にダウンしたりなどのペナルティは一切ないのでご安心を。

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▲可愛い犬、その名も“ワンちゃん”!

ふたりプレイの要素も火力アップに繋がります。2Pプレイヤーのキャラクターであるワンちゃんは、犬専用武器で参戦します。村にいる状態でふたつ目のコントローラーを接続していれば、使用できる状態になります。1Pは冒険者、2Pはワンちゃんでキャラクターが固定されているので、冒険者同士あるいはワンちゃん同士の冒険はできません。またオンラインマッチなどのシステムはないので、近くにいる人を誘ってプレイしましょう。ワンちゃんは主人公のように手持ちの武器を持ち替えることができず、新たな武器を入手すると自動的に装備している武器は捨てられます。宝箱を開けることのほか、食事や買い物などもできずサブキャラという扱いではありますが、ワンちゃんを扱うプレイヤーと冒険をすれば確実に火力はアップするので、どうしても攻略が進まない場合は腕に覚えのある身近なプレイヤーと一緒にプレイしてみるのはいかがでしょうか。

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▲実は、主人公が倒れてしまってもワンちゃんだけで攻略を進めることができます

筆者はNintendo Switch™版をプレイしました。デフォルトのボタン設定では、常に押しまくる攻撃ボタンやジャンプボタンなどが軒並み人差し指で押すL、R系のボタンに振り分けられていたため、キーコンフィグは必須でした。攻撃をYボタン、ジャンプをBボタンあたりに設定すると手も疲れず安定したので参考にどうぞ。ワンちゃんはキーコンフィグができないので、デフォルト設定でプレイする必要があります。
希望の装備を整えて強化されたキャラクターを動かす充実感を強く実感できるのは、その装備が常に手に入るわけではないという運の要素があるからこそで、出たとこ勝負が面白いローグライクの良さが上手く取り入れられています。プレイヤーのスキルアップに寄り添うように主人公のステータスアップがなされていくシステムも、遊びごたえのある難しさを生み出していて面白い点です。ダッシュの最中には敵からドロップしたコイン等を取れないという点が唯一の不満だというくらい、完成度が高くダンジョン探索の面白さにズブズブとハマれる『ダングリード』。ダンジョン探索の結果、主人公は次々に村人を助け村を復興させていきます。村が救われるかどうかは、プレイヤーが諦めず何回もダンジョンに潜り最深部を踏破できるかどうかにかかっています!

フォトギャラリー

■タイトル:ダングリード
■発売元:ピッキー
■対応ハード:Nintendo Switch™、PlayStation®4
■ジャンル:2Dアクションゲーム
■対象年齢:全年齢
■発売日:発売中(2020年9月24日)
■価格:ダウンロード版 1,500円(税込)
    Nintendo Switch™パッケージ版 3,000円+税

『ダングリード』オフィシャルサイト

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