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荒牧慶彦、東山義久、廣野凌大らが魂を込めてリリックをぶつける! 『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rule the Stage -track.3-開幕レポート

荒牧慶彦、東山義久、廣野凌大らが魂を込めてリリックをぶつける! 『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rule the Stage -track.3-開幕レポート

『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rule the Stage -track.3-(以下、ヒプステ)が、10月2日(金)に東京・TOKYO DOME CITY HALLにて開幕した。
本舞台は、音楽原作キャラクターラッププロジェクト『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』が原作である。ヒプステ第3弾となる「track.3」では、荒牧慶彦、里中将道、東山義久、廣野凌大、加藤大悟、青柳塁斗らが出演。オオサカ・ディビジョン“どついたれ本舗”とナゴヤ・ディビジョン“Bad Ass Temple”がラップバトルで会場を盛り上げる。また、星乃勇太、北乃颯希、髙橋祐理が演じる3人の男子高校生の存在と植野堀 誠が演じる新興宗教の教祖が物語の鍵を握る。
“言葉”に魂を込めること、そして、人と向き合うことの大切さを教えてくれる作品に仕上がっていた本作の初日前に行なわれたゲネプロの様子とキャストからのコメントをお届けする。

取材・文 / 高城つかさ


本気で向き合いながら“本物”の言葉を紡ぐ彼ら

魂を込めた“言葉”は、必ず誰かの心に届く。そんなメッセージを受け取った公演だった。誰でも気軽に言葉を発せられる世の中で、ひとつひとつの言葉の重みを噛みしめる機会は少ない。SNSを開けばすぐに誰かと繋がれるこの世の中では、指先からこぼれる言葉に感情を任せてしまうことだってある。だけれど、それで本当にいいのだろうか。私たちは“言葉”の力を、鋭い部分を、もっと感じるべきなのではないだろうか。そう考えさせられた。

時代は、武力による戦争が根絶された【H歴】。女性が権力を握るようになったH歴では、男性が“武力”ではなく、人の精神に干渉する特殊なマイク、【ヒプノシスマイク】を通した“リリック”、つまり“言葉”で闘っている。各エリアは【ディビジョン】と呼ばれ、各ディビジョン代表のMCがヒプノシスマイクを持ち、魂を込めてラップバトルをする。これまで、イケブクロ、ヨコハマ、シブヤ、シンジュク・ディビジョンの物語が上演されてきたが、今回描かれるのは、オオサカ・ディビジョン“どついたれ本舗”とナゴヤ・ディビジョン“Bad Ass Temple”のストーリーだ。

冒頭のラップバトルのあと、舞台はとある学校へ。そこに、緊張しながら生徒に話しかける教師・躑躅森盧笙(里中将道)が登場する。その緊張感が会場に浸透するが、ピン芸人・白膠木 簓(荒牧慶彦)が姿を現すと空気は一変、なめらかな漫才が始まる。かつてコンビを組んでいたふたりはどんなときでも、どんな場所でも、息ぴったりのお笑いを届けてくれるのだ。

すると、彼らの前に生徒の綿本裕孝(北乃颯希)と茜ヶ久保遼太郎(髙橋祐理)が現れる。簓のファンだという彼らは、漫才研究会に所属し、トリオで活動していると言う。そこで簓・盧笙は、彼らのもうひとりの相方である小鳥遊ハル(星乃勇太)の様子がおかしいことを知る。それには、キョウトを拠点に活動する大蜘蛛弾襄が率いる新興宗教「糸の会」が絡んでいた。

続いて、僧侶・波羅夷空却(廣野凌大)の寺、天国 獄(青柳塁斗)の弁護士事務所へと場面は転換する。ある事件の被疑者に“Bad Ass Temple”の仲間である四十物十四(加藤大悟)があがっていることを聞いた獄は、その根元となる「糸の会」に入信した十四を引き戻すことを決意し、空却にも協力を仰ぐ。

一方、簓・盧笙は「糸の会」に入信したハルの行方を突き止めるために天谷奴 零(東山義久)にあるお願いをする。

それぞれのディビジョンが動き出すなか、十四が「糸の会」を脱会することを阻止するためにハルが登場してから物語は大きく展開。次回のディビジョンラップバトルで対峙するはずの“どついたれ本舗”と“Bad Ass Temple”は、3人の男子高校生によって引き寄せられることになるが——。

オオサカ・ディビジョン“どついたれ本舗”は、粉もん・豹柄・金と“攻めまくる”ラップが印象的だった。

荒牧慶彦は、簓の笑顔の裏に隠した切なさを丁寧に魅せた。唯一背中を預けられる存在である盧笙とのコンビ再結成はかなわなくとも、ピン芸人として笑いを届けていく。誰かに笑顔になってもらうことが、彼の力にもなるから。

そんな荒牧と安定した掛け合いを見せた里中将道は、会場を誰よりも引っ張っていたように思う。盧笙は普段は静かだけれど、生徒のことになると熱くなり本気を出す。その“本気さ”が会場の空気を変え、思わず釘付けになってしまうほどだった。

なかでも注目していただきたいのが、東山義久だ。サングラス越しに目が合うと思わず背筋が伸びてしまうほどの緊張感。全体の空気感を肌で受け取りながらも、ひとりひとりに目を向けることを忘れない。静かに、だけれど力強く物語を支えてくれる存在なのだと思った。

そんなオオサカ・ディビジョン“どついたれ本舗”とは打って変わって、ナゴヤ・ディビジョン“Bad Ass Temple”は、心臓に響く重音が特徴的だ。はっきりと言葉ひとつひとつを噛みしめるラップに、言葉に魂を込めていることが伝わった。

加藤大悟は、十四のギャップを演じ切った。十四が不安と焦りをひとりで解決しようと動いてしまう場面では、こちらもひやひやしてしまうけれど、放って置けない彼の魅力が充分に伝わった。

そんな十四の心の支えともいえる獄を演じる青柳塁斗は、登場シーンのラップから観客を魅了。他のキャラクターと比べて感情の変化を表に出すことは少ないが、その内側に秘めた熱い思いが、魂を込めた台詞から伝わってきた。

廣野凌大は、その姿勢で会場を引っ張ったように思う。不器用だけれど、前のめりに“本当”を問いかける空却。“本当”を考え続ける彼の言葉は観客にもまっすぐと響いた。十四、獄とはまた違った形でハルと向き合う姿を熱演した。

高校生漫才トリオ「道頓堀ダイバーズ」がキーパーソンとなる本作は、ラップや言葉が彼らの絆を確かなものにすることを教えてくれる。空却がハルと向き合う場面では、観客にもその“言葉”の力を届けてくれたように思う。ついつい意地を張ってしまったり、守りたいもののために自分に嘘をついてしまったりと、口から出る言葉が自分の内側とつながっているとは限らない。加えて、気軽にコミュニケーションをとれてしまう世界を私たちは生きている。その言葉は“本物”か? 自分や誰かに嘘をついていないか? そんなことを考える暇もなく、日々は流れていく。けれど “リリック”に命を懸ける彼らから、“言葉”についてどれほど考えているか、問いかけられたような気持ちになった。

様々な葛藤や切なさを抱えながら、私たちは日々を歩まなければならない。できれば現実から目を背けたいと思うこともあるほど、“本物”と向き合うには労力がかかるし、何より苦しい。気軽に言葉を発せられる世界だけれど、本気で向き合いながら“本物”の言葉を紡ぐ彼らを見て、我々はひとりでは生きられないからこそ、もっと他者を信じ、理解しようと動き、言葉でつながろうと向き合うことが大切なのだと思った。時代設定は違えど、現代に共通する課題であると感じた作品だった。

開演前には前作同様にオリジナルのフェイスシールドも配布され、【インフォメーション】と称して感染症対策の呼びかけやハンドサインの説明が行なわれた。コール&レスポンスこそなくとも、“どついたれ本舗”のハリセンのようなハンドサインで突っ込んでみたり、“Bad Ass Temple”のBATマークで心の声を届けたりと、会場が一体感に包み込まれた公演だった。

今までとは一味違う各ディビジョンのラップやリリック

下記は開幕とともに届いたキャストたちのオフィシャルコメント。彼らが本公演にどんな想いで臨んでいたのかを感じてほしい。

●白膠木 簓 役:荒牧慶彦
ヒプステtrack.3。いよいよ幕が開きます。
track.1、2と凄まじい盛り上がりを魅せたヒプステに参加することができて光栄です。
今まで同様の豪華絢爛な舞台セットと、今までとは一味違うディビジョン達のラップやリリック。
オオサカ・ディビジョン、ナゴヤ・ディビジョンの奏でる雰囲気を思う存分堪能していただけたら嬉しいです!
一緒に楽しみましょう! どついたるから覚悟しいや!

●躑躅森盧笙 役:里中将道
track.2に続き、無事にtrack.3を迎えられる事を嬉しく思います。
ファンの皆さま、そして関係者スタッフの皆さまの力があってこそなので、しっかり感謝を込めて1公演1公演全身全霊で、繋いできたものをしっかり繋いでいきたいと思います。
是非楽しんでもらえればと思います。

●天谷奴 零 役:東山義久
ミュージカル、ライヴ、ダンス公演、ディナーショー、トークショー等々、これまで様々なことを経験させていただいたが、ここに来ての…ラップ。未知のジャンルへの挑戦です。
数多くの方々に愛されている作品の中の天谷奴 零。
皆様が持つイメージを大事にした上で、自身のオリジナリティを加えた零をご披露したい。
カンパニースタッフ、キャスト、ご来場の皆様が、千秋楽まで何事もなく素晴らしい時を共有する思い出の公演となることを心から祈って。

●波羅夷空却 役:廣野凌大
皆様の前でナゴヤ・ディビジョンリーダー、波羅夷空却を演じることができるこの日を楽しみにしていました。
しっかりと土台から作って、生まれた感情に真っ直ぐに生きることができるこのキャラクターに勇気をもらいながら今まで頑張ってきました。幕が開く今日からはそのもらったものを皆様に全力でお届けしたいです。
キャスト一同、バチバチにキャラクターに向き合って作ってきたので、あとは皆様に観ていただくだけです! 是非お楽しみください。

●四十物十四 役:加藤大悟
『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rule the Stage-track.3-
長かったようであっという間に初日開幕の日が来ました。何もかも初めてで、右も左も分からなかった僕ですが、共演者の皆さん、スタッフの皆さんが暖かく色々と教えてくださり、無事にこの日を迎えることができました。本当に楽しくて充実した時間の中、十四に向き合う事ができたので、僕が感じた全てを舞台上にぶつけて、でらかっこいい十四を演じさせていただきます! 是非よろしくお願いいたします!

●天国 獄 役:青柳塁斗
稽古場で毎日笑いが絶えない、そして毎日『すっげぇーー!』『うわぁー面白い!』『かっこいいー』の連発でした。それがヒプステ。
最近は舞台やエンターテインメントなど幕を開けるのも難しい…でも『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rule the Stage -track.3-はこの日まできました。初日。皆様へ届けられる日。沢山の方の支えがあって幕を開ける事ができます。ありがとうございます。本当に感謝です。本当に嬉しい。
初日! ワクワクとドキドキとブルブルな初日。でもとにかく楽しみ!
初日! ついにきたか! 最高なパフォーマンスを届けます! 是非劇場や配信でお楽しみください。

『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rule the Stage -track.3-の公演は、TOKYO DOME CITY HALL にて10月11日(日)まで上演された。

『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rule the Stage -track.3-

2020年10月2日(金)〜10月11日(日) TOKYO DOME CITY HALL

原作:EVIL LINE RECORDS
演出:植木 豪
脚本:亀田真二郎
音楽監督:Ts
テーマソング:井手コウジ

出演:
オオサカ・ディビジョン“どついたれ本舗”
白膠木 簓 役:荒牧慶彦
躑躅森盧笙 役:里中将道
天谷奴 零 役:東山義久

ナゴヤ・ディビジョン“Bad Ass Temple”
波羅夷空却 役:廣野凌大
四十物十四 役:加藤大悟
天国 獄 役:青柳塁斗

大蜘蛛弾襄 役:植野堀 誠
小鳥遊 ハル 役:星乃勇太
綿本 裕孝 役:北乃颯希
茜ヶ久保 遼太郎 役:髙橋祐理

ディビジョン・ダンス・バトル“D.D.B”
Toyotaka RYO gash! SHINSUKE Dolton KENTA GeN KIMUTAKU

主催:『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rule the Stage製作委員会

オフィシャルサイト
オフィシャルTwitter(@hm_rtstage)

©『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rule the Stage製作委員会

『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rule the Stage -track.3- Blu-ray&DVD発売

発売日:2021年5月21日(水)
価格:[初回限定版]Blu-ray ¥11,800(税別) DVD ¥10,800(税別)
[通常版]Blu-ray 価格:¥8,800(税別) DVD ¥7,800(税別)

『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rule the Stage -track.3- ビジュアルブック発売

発売日:2021年5月21日(水)
価格:¥4,400(税別)