Interview

水瀬いのり、松岡禎丞、石川界人 声優界最旬の3人がコメディに本気出したらこうなった!? アニメ『魔王城でおやすみ』スペシャル鼎談

水瀬いのり、松岡禎丞、石川界人 声優界最旬の3人がコメディに本気出したらこうなった!? アニメ『魔王城でおやすみ』スペシャル鼎談

魔王城に囚われた姫が、「…寝る以外…することがない」という理由で、よりよい安眠を求めて自由気ままに好き勝手し放題!?の睡眠ファンタジーコメディ『魔王城でおやすみ』(小学館「週刊少年サンデー」にて連載中)。10月よりTVアニメが放送開始となった本作で、主人公“スヤリス姫”を演じる水瀬いのり、姫をさらった“魔王タソガレ”を演じる松岡禎丞、魔王に仕える“あくましゅうどうし”を演じた石川界人の3人にインタビュー。

数々の作品で共演してきた3人だからこそ理解度の深い、お互いの芝居の魅力とは? また、囚われの姫らしからぬ行動、魔王なのにハートフルなど、新感覚ファンタジーとしての本作の見どころも語ってもらった。

取材・文 / 実川瑞穂 撮影 / 松浦文生 構成 / 柳 雄大


個性を生かしたキャスティングに「これは面白い作品になるなと確信しました」(水瀬)

スヤリス姫(CV:水瀬いのり)

国民から慕われるカイミーン国の姫君。魔王にさらわれて囚われの身になるが、他にすることがないため安眠を求めて魔王城を探索する。眠りのためならば手段は選ばない。

魔王タソガレ(CV: 松岡禎丞)

魔王城の主で、スヤリス姫をさらった張本人。姫が寝ているときにさらってきたため、実は起きている姿を見たことも、会話したこともあまりない。繊細な性格で、特に女性相手にたじたじしてしまう。

あくましゅうどうし(CV:石川界人)

魔王城の地下にある悪魔教会を取り仕切っている悪魔族の魔物。魔王直属の十傑衆のひとり。魔王城で出た死者は、彼が魔法で蘇らせている。一見穏やかな青年に見えるが、実はけっこうなお歳である。

魔王城でおやすみ 松岡禎丞 水瀬いのり 石川界人 WHAT's IN? tokyoインタビュー

(写真左から)松岡禎丞、水瀬いのり、石川界人

まずは、お互いのキャスティングを知ったときの感想をお聞かせください。

石川界人 僕は、オーディションのときからスヤリス姫役は絶対に水瀬さんだと思ってました。

水瀬いのり なんでですか……?

石川 スヤリス姫は、囚われの姫らしからぬ大胆さと魔物を振り回す行動力があるキャラクターで。 水瀬さんご自身も、ギャップ感があるじゃないですか。例えば、かわいらしい雰囲気なのに、バラエティ番組などではけっこう鋭いツッコミをしてくれるところとか(笑)。

松岡禎丞 僕も、水瀬さんが演じることによってスヤリス姫の恐怖性が増していると思うんです。いやもちろん、いい意味で、ですからね!?

水瀬 ふたりしてそこばっかり(笑)。でも、言いたいことは何となくわかりました。私は、魔王とあくましゅうどうしが松岡さんと石川さんに決まったとお聞きして「アクのあるふたりだ!」と納得しました。いい意味で(笑)!

松岡石川 (笑)

水瀬 そういう個性があることって、お芝居するうえですごく大事じゃないですか。いろんな作品で共演させていただいてきましたが、おふたりともキャラクターを活かしつつ個性を出すことにとても長けている役者さんというイメージがあったので、これは面白い作品になるなと確信しました。

禎丞さんの絶叫には愛がある(石川)

ここからは他己紹介形式で、お互いの演じるキャラクターの魅力と、キャストさんのお芝居の魅力をお聞かせください。まずは松岡さんと魔王タソガレについて。

水瀬 魔王様は、カッコつけようとしてるのにカッコつかないところ、ハートフルなところが魅力。松岡さんが声を当てることで、そんな魔王の人間くささがより引き立っている気がします。悠然・毅然とした態度をとっているように見えても、内心では焦っていたり必死に考えたりしてるんだろうなって思えるんですよね。隙を見せてくれるところが魔王の魅力であり、スヤリス姫もたぶんそこにつけこんでいる気がします(笑)。

石川 振り回されて困惑しながら「なぜなんだー!」って声を張り上げるときの、禎丞さんの迫力が実にちょうどいいんです(笑)。タソガレは、魔族としても魔王としてもまだ若め。その塩梅が伝わる声を出せるのがすごいなと思っていて。この作品はコメディなので、キャラクターとしては本気で怒っていたとしても、実際にマジ切れする芝居をするとちょっとおかしな感じになってしまうと思うんです。でも禎丞さんの絶叫には、愛があって、キャラクターの感情を表現しつつ、コメディとしても成立させることができる叫び声が出せるのは、禎丞さんならではの「超絶技巧」だと思います。

石川さん演じるあくましゅうどうしについてはいかがでしょうか?

水瀬 あくましゅうどうしさんはとにかく苦労人。頑張りに見合うだけの報酬や評価がもらえていなさそうで、あまりの報われなさに私は哀愁を感じています。ツッコミ役でもあるんですが、冷ややかなツッコミではなく、笑顔でツッコミを入れることが多いんです。それが石川さんの声と合わさると、いい意味で冷ややかに刺さってくるんです。

石川 あ、ありがとう(笑)。

水瀬 決して突き放されているような印象はなくて……愛のある冷ややかさなんですよね。そういうツッコミの技術は、普段からツッコミをすることの多い石川さんならではだと思うので、いろんなタイプのツッコミを聞くたびに勉強させていただいています。

松岡 あくましゅうどうしは、魔王城になくてはならないキャラクターだと思います。彼がいないと誰も蘇生できないですしね。姫に角をゴリゴリ擦られたり(第1話)しながらも、なんだかんだ優しい性格は界人に通じる部分があると思います。

石川 (まんざらでもない風に指をパチンと鳴らすジェスチャーで答える)

松岡 鳴ってないじゃん(笑)! 界人のお芝居の方向性があくましゅうどうしというキャラクターにぴったり合っているので、収録現場で掛け合いのシーンを演じていてもめちゃくちゃ楽しいんです。なんといっても、界人はこちらがやったぶんだけ、ちゃんと拾ってくれますから。

石川 どうも! 拾い上手です!

一同 (笑)

姫がやらかしたことに関しては、我々魔族側が責任を取ればいいだけ(松岡)

では続いて、主人公・スヤリス姫と水瀬さんのお芝居の魅力をお聞かせください。

石川 スヤリス姫の、こちらのことを全く気にせず行動する様は、まるで小動物を見守っているような愛嬌があるんです。何をしでかすかわからないのもあって、とにかく目が離せない。そこに、水瀬さんが淡々と声を当てられると、ギャップが生まれていい相乗効果が生まれるんです。

松岡 「魔王城とはこうあるべき」っていうものを根底からぶち壊してくれるキャラクターですよね。やや縦横無尽すぎるところはありますが、姫がやらかしたことに関しては、我々魔族側が責任を取ればいいだけなので。自分で言っていても意味がわからないですけど、そうやって成り立っているパワーバランスなんです(笑)。水瀬さんの演技も相まって、魅力的なキャラクターになっていると思います。

魔王城でおやすみ 水瀬いのり WHAT's IN? tokyoインタビュー

魔族たちに振り回されず我が道を行くスヤリスだからこそ、演じる面では大変そうですね。

水瀬 そうなんです。なので、スヤリス姫の行動の結果、周りがどうなってしまうのかは、なるべく意識しないようにしています。スヤリス姫にとってはそんなの想像がつかないですし、誰が後片付けするはめになるのかはどうでもいいことなので(笑)。時々、魔族側の皆さんのお芝居の熱量に刺激されて、「私もなにかやりたい……!」と思うこともあるんですが、ぐっと我慢しています。そこであえて同じテンションのお芝居にしないことが、スヤリス姫らしさであり面白さになると思うので。だから、アフレコ現場で皆さんの悲鳴を聞くたびに、「大変だろうな」と思いながら安眠しています(笑)。

松岡 とある話数なんて、ほぼほぼ叫んでましたからね。

水瀬 本当にすごかったですよね。

松岡 すごすぎて、その話数から参加した先輩が困惑されていました(笑)。

石川 「一体どうしたの!?」

松岡 「こういう現場なの!?」ってね(笑)。

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