Interview

月ノ美兎 シーンでトップクラスのVTuber。メジャーデビューという新しい挑戦に、今何を思うのか? 

月ノ美兎 シーンでトップクラスのVTuber。メジャーデビューという新しい挑戦に、今何を思うのか? 

VTuberシーンでトップクラスの人気を得ている月ノ美兎。“高校2年生。性格はツンデレだが根は真面目な学級委員”であり、サブカルチャーやアニソンなどにも造詣が深い彼女が、アーティストとしてついにメジャーデビュー! 1stシングルの表題曲「それゆけ!学級委員長」は、月ノ美兎が以前からファンであることを公言しているササキトモコの作詞・作曲によるポップチューン。さらにササキトモコの音楽ユニット・セラニポージの「ありふれた毎日の歌」のリアレンジカバーも収録されている。
WHAT’s IN? tokyo初登場となる今回は、VTuberとしてのキャリアを振り返りつつ、これまでの音楽活動、さらに記念すべきデビューシングル「それゆけ!学級委員長」について語ってもらった。

取材・文 / 森朋之


今思えば、生配信じゃないとここまでは続かなかっただろうなと思います

月ノ美兎さん は2018年2月にVTuberデビュー。当初はどんなVTuberを目指し、どんな活動ビジョンがあったのでしょうか?

夢のバーチャルアイドル…というのはずっと変わらずですが、その頃バーチャルユーチューバーといえば動画が主流だったので、わたくしも動画で活動するものだと思い込んでいたんです。その後「生配信を主流に」と言い渡されるわけですが、今思えば、生配信じゃないとここまでは続かなかっただろうなと思います。生配信なんてやったことなかったし、取り返しつかないことやったら取り返しつかないしで恐ろしいなと思ってましたが(笑)、初配信を終えたら「なんとかやれるもんだな」って。

2年半の活動のなかで、月ノ美兎さんのなかで“変化したところ”はどこでしょう? また“ここは変わっていない”という部分は?

変化したところは…断然、活動に対する意識ですね! 前は「意識を高くしたぶん(視聴者からの)見返りを求めてしまうから、あえて趣味以上の気持ちを持たないように活動しよう」という、自分の中の約束みたいなものがあって。なぜ求めないようにしたかというと、当時は見返りがとても少なかったからです(笑)。けど今は逆に、見返りに追いつくように頑張ろうと思っています。“ここは変わっていない”と思う部分は…食生活はあんま変わってないですね(笑)。

どんな食生活が気になります(笑)。現在もかなりのペースで配信を続けていますが、テーマ決め、撮影、編集など、どんなスケジュールで動いているんですか?

テーマについては、1日配信休んで、1週間分の内容をずっと考えてることもあります。基本的には思いついたら即日やりたいタイプなんですけど、即席で撮れるものが多いし、編集も頑張って丸1日プラス半日ぐらいで終わらせる感じですね。以前、映像研究会に入ってたんですけど、編集なんてやったことなかったから、最初の方は編集作業の速度が遅くて。でも、そのときの経験が生かせてる部分もたくさんあるので嬉しいですね。

たまに考察の文章とか書いてもらえるんですけど、そういうの嬉しいですね。大抵そういうの全部エゴサして読んでます

現在のYouTubeチャンネル登録者数は60万人以上。完全にVTuberのトップランナーだと思いますが、ずばり、ここまで支持されている理由は何だと思いますか?

単純に始めた時期も良かったと思うし、そもそも「にじさんじ」(月ノ美兎、樋口楓などが所属するVTuberグループ)が絶好調なんで、押し上げてもらってるところはデカいと思います。あと、意外と凝りたいところは凝る方なので、企画とかそういうところも見てもらえたりしてるのかな…? と思います。たまに考察の文章とか書いてもらえるんですけど、そういうの嬉しいですね。大抵そういうの全部エゴサして読んでます。

マンガ、ゲーム、映画などのディープなサブカルチャーのネタも大人気。 月ノ美兎さんが今気になっているコンテンツ、作品を教えてもらえますか?

今さらなんですが、アニメの『涼宮ハルヒの憂鬱』です。実は数話しか観たことがなくて、最近、初めて全話ちゃんと観ました。「ディープなサブカルチャーに詳しい」みたいなことを言っていただくと毎回申し訳ない気持ちになるんですけど、配信って自分の知ってることや、自分に都合のいいコメントだけ拾えばいいんで、全知全能に見せかけるのが簡単なんですよね…すみません、「涼宮ハルヒの憂鬱を全話見たことがなかった、ディープなサブカルチャーに詳しいVTuber」です…。

あんまり自分を知らない人が多い場でオリジナル曲歌ったら「お、ぉ…」みたいな空気になったことがあるので、TPOは考えるようにしました(笑)。

(笑)音楽活動についても聞かせてください。2018年のクリスマスイブの「お歌配信」から、音楽関連の活動がスタート。これまでに小島麻由美さんの「やられちゃった女の子」のカバー、UNISON SQUARE GARDEN「シュガーソングとビターステップ」など、個性豊かな動画をアップしています。最近では「チュルリラ・チュルリラ・ダッダッダ!」のカバーが話題を集めましたし、本当に多岐に渡っていますが、音楽関連の内容はどのように決めてるのでしょうか?

人に勧められた曲だったり、上手く歌えたものだったり、昔から好きだったりといろいろだと思います。特に「こういう曲じゃないと歌わない!」みたいなこだわりは、ない…わけではないけど、少ないと思いますね。一回、あんまり自分を知らない人が多い場でオリジナル曲歌ったら「お、ぉ…」みたいな空気になったことがあるので、TPOは考えるようにしました(笑)。

自分が聴くジャンルは声優さんが歌唱されるアニソンが多いんですけど、ボーカリストよりも作曲者に目が向くことが多いです

それも大事な経験ですね(笑)。もともとはどんな音楽が好きなんでしょうか? 好きな歌手についても教えてください!

ササキトモコさん、小島麻由美さん、最近はアニソン中心に作曲などをされている山崎真吾さんがアツいです! 自分が聴くジャンルは声優さんが歌唱されるアニソンが多いんですけど、ボーカリストよりも作曲者に目が向くことが多いです。好きなアニソンの作曲者さんの別の作品を調べて、そこから「アニメは知らないけど曲が好き」みたいなのが増えますね。調べてるうちにニッチな曲に出会ったりするので、たまにそのアニメのファンから「なんでその曲知ってるの?」って言われます。

わたくしはわたくしだけのものじゃないんだな、って思わされるような曲ですね

オリジナル曲「Moon!!」「アンチグラビティ・ガール」は月ノ美兎さんにとってはどんな楽曲ですか?

どちらもわたくしを代表する曲として最強の歌だと思っています! 「Moon!!」は、わたくしのファンの方が作ってくださった曲です。月ノ美兎のアイデンティティを散りばめて、なんかこう…わたくしはわたくしだけのものじゃないんだな、って思わされるような曲ですね。ファンの方がピースを持ち寄って組み立てたパズルみたいな曲だなって。「アンチグラビティ・ガール」は、「わたくしが目標として思い描いているわたくし」みたいな曲だなって思います。

既に数多くのステージも経験。近いところでは4月に行われた「にじさんじ JAPAN TOUR 2020 Shout in the Rainbow!」の大阪公演(無観客ライブ)が話題になりましたが、月ノ美兎さんにとっては どんなステージだったでしょうか?

長くにじさんじで共にしてきたライバーたちとのライブだったので、自分の中での感動がより一層…という感じはあったと思います。わたくしも後半、華やかなアイドルの衣装でステージに出て、先ほど出た2曲(「Moon!!」「アンチグラビティ・ガール」)歌うことができて…と、月ノ美兎のファンも待ち望んでた選曲になれたのではないか、と思います。

そして、この秋、ついにメジャーデビュー! メジャーデビューの話があったときは、どう思われましたか?

自分…でいいのか? と思いました(笑)。わたくしは歌の実績がそこまである方ではなかったので…。でも、新しい挑戦への背中を押されたような気もしていて、自分なりの方向性で頑張っていこう! とプラスに感じましたね。

可愛いけどそれだけじゃない、気持ちの裏側に入り込むような感じが好きです

1stシングルの表題曲「それゆけ!学級委員長」は、ササキトモコさんの作詞・作曲。ササキトモコさんのファンであることを公言していますが、どんなところが好きですか? 好きな曲も教えてください!

好きな曲を挙げればキリがないので(笑)、先にどんなところが好きかを言うと…まずは歌詞ですね。ソフトな歌詞だなって油断して聴いてると、たまにどきっとすることを言うし、そこから「あれ? じゃあこの部分の意味は」…みたいな。可愛いけどそれだけじゃない、気持ちの裏側に入り込むような感じが好きです。好きな曲はセラニポージの「オチャメカン」、アルバム『MERRY GO ROUND JAILHOUSE』全般とアイマス提供曲全般とひなビタ全般です。もう全部でいいです!

歌うときは本気で「かわいく元気に」を意識しました

「それゆけ!学級委員長」を初めて聴いたときの印象、好きな歌詞、歌うときに意識したことについて教えてもらえますか?

はじめはヒーローソングとお聞きしていたんですが、「わ!! なんか豪華で壮大なオケが来た!!!」って思いました。特に好きな部分はBメロ全般です。曲としてはシリアス調な雰囲気になる部分の歌詞に、「でもわたくし、女子高生っぽくなくて謎配信多くて…」みたいなツッコミどころ満載のことをマジメに歌ってる感じがウケます。あ、月ノ美兎のしっとりBメロの歌詞はそうなるのね、みたいな(笑)。歌うときは本気で「かわいく元気に」を意識しました。アイドルですね…!

家から出ない自分に酔ってる感じの歌詞も物凄く好きです

カップリング曲は、セラニポージの「ありふれた毎日の歌」のカバー。

どこか開き直るように、そして、なるべく高貴な感じで歌うように意識しました。 「Princess Chelseって呼んでくださる?」とか気取った感じもありつつ、実在の人物――宅録ばっかりしてる海外のアーティストとか――も連想しつつで、凄いジーンとくる歌詞ですね。あと、家から出ない自分に酔ってる感じの歌詞も物凄く好きです。

オーディエンスの方には無意識でわたくしの曲を路上で鼻歌して欲しいし、そういう関係でいたいです

今後は音楽ファンの間でも月ノ美兎さんの名前がさらに知られるようになると 思います。オーディエンスのみなさんと、どんな関係を作っていきたいですか?

音楽から入った方が配信を見てしまうかも……という事態になりかねないんですよね? それって凄いことですよね…。音楽で入って来たファンを配信で手放さないように気をつけます(笑)。オーディエンスの方には無意識でわたくしの曲を路上で鼻歌して欲しいし、そういう関係でいたいです。それ関係なのかな…。まぁいいか…。

(笑)アーティストとして、次にどんなことをやりたいですか?

やっぱりライブですね! 客席ダイブしたい!!

その他の月ノ美兎の作品はこちらへ。

月ノ美兎

「にじさんじ」所属のバーチャルYouTuber。2018年より活動を開始。
高校2年生。性格はツンデレだが根は真面目な学級委員。本人は頑張っているが 少し空回り気味で、よく発言した後で言いすぎたかもと落ち込んだりする。

月ノ美兎 Twitter
https://twitter.com/MitoTsukino

YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCD-miitqNY3nyukJ4Fnf4_A