Interview

「ここが自分の変わり時だった」乃木坂46・梅澤美波、『映像研には手を出すな!』金森役に懸けた思い、葛藤、涙の理由

「ここが自分の変わり時だった」乃木坂46・梅澤美波、『映像研には手を出すな!』金森役に懸けた思い、葛藤、涙の理由

乃木坂46の齋藤飛鳥、山下美月、梅澤美波の3人を主要キャストに迎えた、映画『映像研には手を出すな!』(2020年9月25日公開)。「月刊!スピリッツ」で連載中の人気漫画を原作に、今年春に放送され好評だった実写ドラマ版を経て、さらにスケールアップした“最強の世界”が明らかとなる。物語は、“大・生徒会”が牛耳る高校を舞台に、映像研究同好会でアニメ制作に奮闘する3人の女子高生を中心に描く。このうち超人見知りの天才監督・浅草みどり役を齋藤が、カリスマ読者モデルでアニメーターの水崎ツバメ役を山下が、お金儲けが好きで交渉術に長けるプロデューサーの金森さやか役を梅澤が務める。

その3人の中から、170cmの長身を生かし「with」の専属モデルとしても活躍する梅澤美波を迎えインタビュー。彼女はキャラクター設定と同様に長身で美脚だが、「性格は真逆」と話す金森さやかを体当たりで演じている。そして、映画初出演作という理由にとどまらず、撮影期間中は「勝負どころだった」とも打ち明けた。先輩である齋藤からの気遣い、現場で流した涙など、さまざまな思いや出来事が交錯しながら、彼女にとって今につながる大きな転機がここで訪れていた──。

取材・文 / 小畠良一 撮影 / 増田 慶 構成 / 柳 雄大


私が出せる最大の力を出せた、やり切った感がすごくあります

新型コロナウイルスの影響で公開が延期されていましたが、いよいよ初出演映画『映像研には手を出すな!』が公開されます。

梅澤美波 一足先に試写室で、(齋藤)飛鳥さんと山下(美月)と一緒に完成した作品を観たんです。飛鳥さんが1つうしろの席にいて、山下と私は同じ列で2席ぐらい離れていたので、3人がちょうど三角の形になって座っていたんですよ。見終わった直後、私と山下が飛鳥さんの方に振り返ると、3人で見つめ合いながら笑い合うっていう、すごくいい時間が流れたんです! 言葉を交わさずとも、“いいもの、できたね”っていう手応えを3人が同じように感じていたからだと思うんです。

普段、私も飛鳥さんも山下も、自分にすごく厳しいタイプだと思うんですね。やったお仕事に対して、“これは満足のいくものができた!”とはなかなかならずに、“もっとできたんじゃないか……”って思っちゃう気がするんです。そんな3人が同じ気持ちになれて、わかりあえたっていうことに、すごく感動して。3か月間の撮影を通して、それだけ仲が深まったんだなっていうことと、悔いなく自信をもってお客様に届けられる作品を作れたなっていう手応えを、そこですごく感じましたね。

映像研には手を出すな! 梅澤美波 WHAT's IN? tokyoインタビュー

撮影現場でもそんな感じに、言葉を交わさずともわかりあえていた?

梅澤 あ、確かに、お芝居のプランとかを3人で話し合うことはほぼなかったんですよ。話さなくても、3人とも空気がすごく読める人たちだったので。現場でセリフ合わせを実際にやってみて、“あ、こういうふうに来るんだったら、私はこうやろう”みたいなのを、それぞれ空気感で感じ取ってできる人たちだったから、そこのやりやすさはハンパなくて。この3人だったからできたんだろうな、っていうのはすごく感じますね。

なるほど。ひとりの女優として演技をしている自分をスクリーンで見て思ったことは?

梅澤 えー、どう思ったかな……。でも、私が出せる最大の力を出せたなっていう、やり切った感がすごくあります。というのも、映画の中で、3人がそれぞれ演じるキャラクターにちゃんと見えたんですよね。飛鳥さんがちゃんと浅草氏(※劇中、映像研の3人はお互いの名字に“氏”をつけて呼び合う)で、山下がちゃんと水崎氏だったからこそ、私も金森氏としてそこにいれたと思うんです。3人がバラバラではなく、ちゃんと1つになれたからこそ、完成したんだなっていう感じを受けたので、満足のいくお芝居ができたかなって思います。

映像研には手を出すな! 梅澤美波 WHAT's IN? tokyoインタビュー

金森氏の内面の感情を理解しようとするのに必死でした

金森という役柄をどんな風に作り上げていったんでしょうか?

梅澤 きっと、金森氏の見え方って人それぞれなんじゃないかなって思ったんです。内面の感情を表にすることが少ないキャラクターだから、それを読み取るのがすごく難しくて。なので、まず原作ファンの方が抱いている金森氏の印象を調べて、それを前情報として頭に入れました。私が気づけなかったことも原作ファンの方は気づいていたりするから。

例えば、現実主義の金森氏はクリエイター気質の浅草氏に振り回されていて、そのことに対して厳しく当たるんです。でも、深いところで浅草氏を受け入れていて、どうしてそこまで信用しているんだろうとか、金森氏の内面の感情を理解しようとするのに必死でした。

そこからどう演じていきましたか?

梅澤 演じるに当たって、一番気をつけたのはセリフがないところで、その存在感をいかに出せるかっていうことでした。割と浅草氏と水崎氏が2人で盛り上がっているところに、金森氏が見切れて映っていたり、何かいろいろ考えているんだけど言葉にはしないで、オーラみたいなのだけが感じられたりするっていうのが、金森氏の魅力でもあるんですね。そういうところをどう出していくかっていうのは、すごく課題だったかなって思います。

なので、まず形から入ろうと思って、原作漫画を見て、猫背の立ち姿とか、女の子らしくない座り方とかをマネながら、現実世界で生きている女子高生としておかしくないような見え方を研究しました。そこに内面の感情も加えて、みたいな感じでしたね。

そういう役作りを経たからこそ、「満足のいくお芝居ができた」と。

梅澤 でも、クランクインする日まではたぶん、私の中の金森氏っていうキャラクターは、すごくブレブレだったと思います。(撮影は)飛鳥さんと2人のシーン──金森氏と浅草氏が、水崎氏に出会うシーンでクランクインしたんですね。そこで、飛鳥さん演じる浅草氏と役の上で初めて会話のキャッチボールをしたんですけど、セリフを受け取って応えることによって、金森氏っていう役ができたというか、見えたというか。監督がその時、「金森、作ってきたねぇ」って言ってくださったんですよ。“あ、これで合っているんだ”って確信が持てました。

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