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必殺シュートとタックルが飛び交う異世界!?『キャプテン翼 RONC』唯一無二の怪作サッカーゲームが爆誕

必殺シュートとタックルが飛び交う異世界!?『キャプテン翼 RONC』唯一無二の怪作サッカーゲームが爆誕

日本を代表するサッカーマンガ&アニメであり、世界中で多くのファンを獲得し、そして国内外の現役サッカー選手にも多大な影響を与えたことでも知られる『キャプテン翼』。その『キャプテン翼』の中学生編をベースにしたサッカーゲーム『キャプテン翼 RISE OF NEW CHAMPIONS』(以下、『キャプテン翼RONC』)が、PlayStation®4/Nintendo Switch™で発売された。すでにご存じの人も多いかもしれないが、本作はマンガ&アニメで描かれた『キャプテン翼』の世界におけるサッカーを現行家庭用ハードの映像技術で忠実に再現した結果、いままでのサッカーゲームにはないビジュアルインパクトを生み出すことに成功。激しいタックルの応酬で敵味方が吹き飛び続ける光景や、必殺シュートで相手のゴールキーパーごとゴールを決めるといったシーンがSNSを中心に拡散され、既存の『キャプテン翼』ファンのみならず多くのゲーマーの注目を集める一作になった。
本稿ではそんな『キャプテン翼RONC』でしか味わえない試合パートの楽しさと、ビジュアル面で派手にバズったがゆえに若干陰に隠れがちな“ドラマチックストーリー“の作りこまれた魅力について語っていきたい。

文 / マンモス丸谷


ファウルの存在を消す“英断”が生んだサッカーアクションの極致

まず本作が『キャプテン翼』のゲームとして新しいのは、ピッチ上のキャラクターたちを既存のサッカーゲームの感覚で自由に動かせ、そのうえで『キャプテン翼』らしいアクションをシームレスにくり出せるという点。これまでにも『キャプテン翼』の世界観をうまく表現した作品はリリースされてきたが、選手同士が1対1で対峙したときやゴールまえでの攻防になると、 “シュートを撃つ”、“パスを出す”などのコマンドを選んで決定する、つまりプレイが一瞬止まってしまうような形式が主流だった。しかし本作では試合の流れを止めることなく、必殺シュートや超絶テクニックのドリブルといったアクションをボタンひとつ、多くてもレバー入力+ボタン1、2個の同時押しのような簡単入力で実行できるようになっている。加えて基本操作に関してはサッカーゲームでおなじみのボタンに振り分けられており、ショートパス(守備時はチェイシング)はPlayStation®4版 ×ボタン/Nintendo Switch™版 Bボタン、ロングパス(スライディング)は〇/Aボタン、ダッシュはR1/Rボタン……と、プレイヤーが操作面で戸惑うことがないような配慮もなされている。

キャプテン翼 RISE OF NEW CHAMPIONS WHAT's IN? tokyoレビュー

▲基本的な試合画面。ふつうにパスやドリブルでボールを運んでいる際は、既存のサッカーゲームでおなじみの視点で試合が進んでいくが……

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▲必殺シュートやドリブルフェイントといった“ムーブ”を発動させると、試合の流れを止めることなくカメラが切り替わり『キャプテン翼』らしい選手の動きが挿入される

しかしパッと見が既存のサッカーゲームのようなルックスであっても、本作を実際にプレイして感じる肌触りはまったく異なる。その一端を担っているのは、やはり本作が持っているビジュアル面の強さ。ドライブシュート、タイガーショットを筆頭とした必殺シュートの数々が放たれるゴールまえ(本作の場合、敵陣の2/3ぐらいは得点が期待できるエリア)、激しいタックルと華麗なドリブルフェイントが飛び交う中盤などピッチ上のどこにボールがあっても、試合が続く限り派手なムーブが断続的に発生する(ムーブの発動には選手個々に設定されたスピリットゲージを消費するが、数秒あれば完全回復。事実上、使用制限はない)。この派手さとテンポの良さが、本作でしか味わえない “サッカーアクション”を形作っている。
このサッカーアクションを我々プレイヤーが気持ちよく遊べるよう、現実のサッカーには存在するがゲームには必要ではないと判断した要素は大胆にカットしていることも特筆すべきポイントだろう。その最たるものが、本作のサッカーには“ファウル”という概念が存在しないという事実。ボール保持者の真後ろからスライディングやタックルを仕掛けて止めることも、本作ではチームメイトの翼くんや岬くんから「ナイスプレー!」と称賛されるアクションという扱い。ボールの有無に関わらず、1対1の攻防を制し続けることが『キャプテン翼RONC』でのサッカーではとにかく重要なのだ。

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▲オフサイドやスローインを指示する審判はいても、過度なフィジカルコンタクトを咎める者はいない。タックルやスライディングが正当なディフェンステクニックとなる様相は、まさに「サッカーは格闘技」というコンセプトを再現している

コースを狙ってシュートを撃つというアクションが、あまり重要ではないのも特徴のひとつ。基本的に必殺シュートはゴールキーパーに向かって飛んでいき、そこからゴールが成立するかどうかはシュートの威力、キーパーの能力と残り体力に応じて決定される。そのためシュートを放った選手とキーパーによほどの能力差(ドイツ代表シュナイダーくんのハイファイヤーショットvs本作では最弱候補な明和東のキーパー・村沢くんとのマッチアップ)がない限り、“体力があるうち”は自動でキーパーがシュートをキャッチ、悪くてもパンチングで防いでくれる。よって本作の世界ではキーパーへ必殺シュートをぶつけ続けて弱らせ、体力を奪いきったところでトドメの一撃を加えるのがゴールを決めるためのセオリー。ボールがあるところでは常にド派手な何かが起こるハイテンションさは、ゲームとして楽しいのはもちろん、つねに試合が動いている感覚は有料配信で毎週サッカーを観戦している身としてはちょっと羨ましくもあった。

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▲驚異的な威力のシュートをぶつけられ続けるという損な役回りのゴールキーパー。しかしアニメーションパターンの豊富さなど、ビジュアル面においては優遇されていると言ってもいいポジション。必殺シュートをセービングするシーンは本作の見せ場のひとつだ

ビジュアル面だけではなくゲームシステムからも『キャプテン翼』らしさを追求している姿勢は、作品への愛はもちろん、「いま『キャプテン翼』のゲームを発売して注目されるにはどうすればいいのか?」という問題を考え抜いた末に開発陣が出した解答であると個人的には感じている。一見すると粗削りだがじつは作りこまれているというバランスは、本作のメインモードであるドラマチックストーリーにも通じているように思う。

物語に沿った激戦と選手育成を並行して楽しむ

中学3年生時の翼くんたちが活躍するストーリーモード”ドラマチックストーリー”には、ふたつのエピソードが用意されている。ひとつは翼くん率いる南葛中を操作する、”EPISODE OF TSUBASA”。こちらでは2018~2019年に放映されたTVアニメシリーズと同じ順番でライバル校と対戦していき、南葛中の全国中学生サッカー大会3連覇を目指していく。
EPISODE OF TSUBASAは物語の追体験がテーマになっているため、試合中に頻繁にイベントが起こるのが特徴。通常のゲームプレイ時に発生することはないが、『キャプテン翼』を知っている人ならおなじみなシーン(?)である”大友カルテットvs翼くんの4対1のマッチアップ”、”ドライブシュートでボールごとゴールに押しこまれる若島津くんをつかんで引き止める日向くん”、”必殺シュートに一歩も動けずに呆然とする森崎くん”などをハイクオリティな映像で堪能することができる。逆にプレイヤーの腕しだいでは物語の展開を覆すこともでき、”ボールを回し続けて相手の良さを消すサッカー(必殺シュートを撃たせない)で勝利”、”東邦学園より多く点を取って南葛中を単独優勝”させるなんてことも可能になっている。

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▲作中の時代設定、キャラクターの声を務めるキャスト陣などは2018年にリメイクされたTVアニメ版に準拠している

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▲ドライブシュートが完成するまでの過程、タイガーシュートをドライブシュートで撃ち返すといったアニメでも印象に残るようなシーンは、試合中に条件を満たすことでイベントとして再現される

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▲イベントで得点が動くことが多いEPISODE OF TSUBASAだが、試合中のキャラクター操作はプレイヤーが担当するため、アニメと違った展開で勝利することも珍しくない。筆者の場合は、力強いタックルでエース級の選手からでもボールを奪取してくれたディフェンダーの高杉くん、体力の続く限り必殺シュートを止めてくれた森崎くんなど、守備陣の活躍が印象に残った

中学サッカー全国大会で南葛中と戦うチームをすべて収録、アニメで印象的なシーンもほぼもれなくイベントとして再現しつつ試合も楽しめるEPISODE OF TSUBASAだが、ドラマチックストーリー全体のボリュームからするとまだ入口で、本作特有のルールや操作を理解してもらうためのチュートリアルに近い。そんな本作のメインディッシュとも言えるのが、ゲームオリジナルのストーリーを追いつつエディット選手を育成する”EPISODE OF NEW HERO”編だ。
EPISODE OF NEW HERO編は2部構成になっており、前半は全国中学サッカー大会直後に開かれることになった日本代表選手を選抜する大会、ニューヒーローリーグに強豪校の1年生選手として参戦。自身が所属する中学の中心選手とともに大会全勝と日本代表入りを目指していく。ニューヒーローリーグ編で特徴的、かつ『キャプテン翼』ファンとしても興味をそそられるポイントは、加入するサッカー部を南葛中ではない3校(ふらの中学校、武蔵中学校、東邦学園)から選べるという点。各校にはそれぞれ『キャプテン翼』を代表する人気キャラクターが中心選手として在籍しており、プレイヤーはそんな彼らから一目置かれた“ニューヒーロー”として南葛中をはじめとした他の強豪校と試合を重ねていけるのだ。

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▲ニューヒーローことエディット選手のポジションや外見などは、プレイヤーが自由に設定可能。明らかに校則に引っかかるであろうファンキーな髪形など、頭部のパーツはかなり充実している

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▲どの中学のサッカー部員になるかで、当然ながら対戦相手や試合間のストーリーは変化。さらにエディット選手に育成ボーナスが加算される条件も異なってくる。松山くんが率いるふらの中学校編では、チームスタッツの評価を上げることで溜まる団結ゲージでの育成ポイントボーナスが発生

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▲武蔵中学校編では、心臓病の影響で30分しか出場できないガラスのエース・三杉くんをサポートしつつ、ニューヒーローリーグを勝ち上がっていく。このルートでは三杉くんが試合ごとに出すミッションをクリアすることで育成ポイントが増加する

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▲東邦学園には、日向くん、沢田くん、若島津くんと日本代表クラスが複数人所属。このルートでのボーナス条件はシンプルで、とにかく点差をつけて勝利することでプライドゲージが蓄積。エディット選手、チームの両方が強化されていく

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▲エディット選手を育成する意味では、試合まえに選択するアピールグループも重要な要素。ここでアピール対象に選んだ選手とは試合を重ねるごとに絆(ランク)が深まっていき、一定のレベルまで達すると育成ポイント、アピール対象選手が持つ必殺シュートやドリブルムーブ、スキルなども継承できる

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▲アピールグループを利用すれば、他校の選手との会話イベントを見ることもできる

ニューヒーローリーグを制すると、エディットキャラと各中学校の中心選手は日本代表として選ばれ、そのまま物語はクライマックスの”WORLD CHALLENGE”編へとなだれ込んでいく。WORLD CHALLENGE編は、ジュニアユース編を現代向けにアレンジしている。フランスで開催されるはずだった国際ジュニアユース大会が突如として中止。その代替大会としてアメリカにて開催される”ジュニアユース ワールドチャレンジ”に、中学オールスターチームともいえる顔ぶれの日本代表が参戦する……という流れでスタート。大会にはジュニアユース編で翼くんたちのライバルとして立ちはだかり大きなインパクトを残したチーム(イタリア、アルゼンチン、フランス、(西)ドイツ)に加え、アメリカやセネガルといった『キャプテン翼』が連載されていた当時は強豪国ではなかった地域の代表チームも加入。よりワールドワイドな陣容になった大会を舞台に、本作オリジナルのストーリーが展開されていく。

▲セネガル、アメリカ、ブラジルの参戦により、国際ジュニアユース大会よりスケールの大きい戦いが展開されるジュニアユース ワールドチャレンジ

WORLD CHALLENGE編では若林くん、岬くんといった“海外組”の合流、さらには国際ジュニアユース大会で描かれたエピソードをベースにしたイベントなどが多数用意されており、ニューヒーローリーグ以上にテンションが高く熱い戦いを体験できるのがストーリー的な見どころ。『キャプテン翼』のファンとしてはこのストーリーを追っていくだけでも十分楽しめるのだが、ゲーム的には最終目標である強いエディット選手の作成も佳境に入ってヒートアップ。こちらの楽しみも増してくる。

▲ドイツから若林くん、フランスから岬くんがやって来ることでフルメンバーの日本代表が完成。戦力の底上げに加えて、イベントやアピールグループもさらに充実する

ジュニアユース ワールドチャレンジのグループリーグあたりにまで差しかかってくると、エディット選手には代表の主力(松山くん、三杉くん、日向くんのような能力コスト100を超える選手)に匹敵する能力と、絆を深めて得た選手の各種ムーブが備わっているはず。つまりメインストーリーを進めているうちに“次藤くんのフィジカルと翼くん直伝のドライブシュートを持つ点取り屋”、“1試合通して三杉くんのボールキープ術を披露しつつ、シュートは石崎くんの顔面ブロックで防ぐ万能ミッドフィルダー”、“最終ラインからイーグルショット+松山くんとの連携シュートでゴールを狙うセンターバック”といったような、異能の戦士がいつの間にか日本代表に加わっているのである。そんな無法ともいえる力を持ったエディット選手と日本代表選手たちを自由に操作できる試合が、楽しくないわけがない(それでいて相手チームも強いため、ダレた展開にはなりづらい)。

▲エディット選手が主力として申しぶんない能力まで成長すると、各ポジションの穴(2トップの一角、ボランチ、右サイドバック)が確実にひと枠埋まり、試合運びが楽になる

▲WORLD CHALLENGE編を進めていくと、翼くんや日向くんは作中最高クラスの必殺シュート、連携シュートを習得できる

さらにWORLD CHALLENGE編では、試合中にイベントを起こすことで日本代表選手たちにも新しいムーブやスキルを覚えさせられるという、『キャプテン翼』オリジナルキャラクターの育成ともいえる要素も搭載。ここで習得したムーブ、スキルは他のゲームモード、オンライン対戦などにも引き継がれるというお得仕様だ。
エディット選手作りという観点から見れば、ゲームプレイを重ねることで得られるポイントを消費して購入できるカードパックを利用してのアピールグループの強化拡大や、EPISODE OF NEW HERO編2周目プレイから解禁されるシナリオ分岐(決勝トーナメントの対戦相手の変化)の存在も大きい。対戦相手やアピールグループを変えればエディット選手の習得ムーブ、スキルもほぼ必然的に変化するため、ゲームプレイを重ねてカードパックを多く入手すればするほど、思い描いた選手や最終的には日本代表の各ポジションのエースを控えに追いやるような選手(翼くん超えはなかなかに難しいが、日向くん、岬くん、次藤くんあたりを上回るのは容易)も作れるようになる。『キャプテン翼』ファンを満足させるボリュームのストーリーとイベントを盛り込みつつ、周回プレイを見越したやりこみ要素にも対応するという離れ業のようなことをやってのけている。

▲どこの国の代表選手と絆を結ぶかはエディット選手の最終的な能力に大きく関わり、2周目以降は決勝トーナメントで戦う対戦相手にも影響を与える

手塩にかけたエディット選手+成長した日本代表選手たちを披露する場として、本作にはオンライン対戦が用意されている。本作のディビジョンマッチ(ランクマッチ)はランクに応じて設定されたチームコスト内に収めさえすれば、ゲーム内に収録されている選手から自由に引き抜きをし、文字どおりの “ドリームチーム”を結成して戦えるのが大きな魅力になっている。
また対人戦ということでCPUが相手だった各種ストーリーモードでは、ド安定だった戦術(ドリブルムーブ連発でのボール運び、チェイシング+タックルでのボール奪取など)だけでは安定したゲームメイクができないのも厄介ではあるが楽しいポイント。2種類のドリブルorタックルの使い分け、各種ムーブをどのタイミングで仕掛けるかの読みあいが成立するのは、やはり対人戦だからこそ。そしてリアル寄りのサッカーゲームも好きな自分のようなプレイヤーにとっては、フォーメーションを自由に設定できる点やふつうのショートパスによるボール回しが意外と有効だったのもうれしかった(困ったときはロングパスムーブやドリブルムーブも使わせてもらったが)。

▲対CPU戦ではあまり意識する必要がなかったドリブルやタックルを仕掛ける位置、タイミングなどが対人戦では重要になってくる

これはあらゆる対戦ゲームがはらんでいるジレンマのようなものだが、超強いドリームチームを結成して操作することはできても試合に勝てるかどうかは別の話。とくに本作では純粋なプレイスキルに加えてエディット選手の質と量、つまりEPISODE OF NEW HEROの育成力も勝敗に多大な影響をおよぼす。また極まったエディット選手のあらゆるムーブが強烈(並の選手ではボールを奪うことも難しい)なうえ、各国代表の主力選手が放つ超強力な必殺シュートに対抗するために一部ポジションの選手が固定化しているのも残念といえば残念。「フォワード最強候補はシュナイダーくんよりスカイラブツインシュートが撃てる立花兄弟+エディット選手の3トップが濃厚。いないなら次藤くんで妥協するのもアリ」、「対人戦のディフェンダーはパワーよりスピードが重要。よって一番信じられる守備者はフランス代表のジャンくん」、「ゴールキーパーは先発デューターのミューラーくん、体力が尽きそうになったら若林くんと交代するのが鉄板」といったような、対人戦独自のセオリー(?)らしき要素をSNSで見聞きしたり、ガチ勢との対戦で感じ取れると正直ワクワクはするのだが、前提条件となるエディット選手の作成&プレイスキルの向上を両立させるのは正直言って茨の道。筆者も「俺だってスカイラブツインシュートでミューラーくんをKOしたい!」と意気込んではみたものの、スカイラブツインシュートを習得しつつ対人戦で満足のいく活躍ができそうな能力値のフォワードを完成させるには至らず。これは本作のエディット選手育成がストイックにやりこめることの裏返しでもあるが、個人的には悔いが残る結果になった。

▲同レベルの腕前やチーム力のプレイヤーとマッチングできた対戦の楽しさは本物。しかし育成したエディット選手の人数と質に差がありすぎると、一方的な試合展開になりやすいのは残念

▲対人戦ならではの読みあいをカジュアルに楽しみたいという人には、ルームマッチでの対戦がおすすめ。一流選手の必殺シュートを止められるキーパーがいる代表チーム(日本、ドイツ、ブラジル、アメリカ、イタリアあたり)をお互いが選ぶと、プレイヤーの操作スキル重視の対戦が楽しめるはず

▲ルームマッチでは2対2のチーム戦も行なえる。ひとりでプレイするときよりも圧倒的に連携シュートが撃ちやすいため、1対1の対戦時以上に派手な必殺シュートの応酬を楽しめる

多くのゲーマーの目を引くキャッチ―さで話題を集めた試合パートだけでなく、『キャプテン翼』ファンが満足いくボリュームのストーリーモードに、やりこみがいのある選手育成まで盛り込まれた『キャプテン翼RONC』。既存のサッカーゲームや『キャプテン翼』ゲームにはなかった“新しすぎる”サッカーを生み出すことにチャレンジしたがゆえに、ところどころ(通常シュートに対するキーパーの反応や一部選手のドリブルムーブ後の挙動など)に粗さを感じることはあるものの、本作はそんな粗ささえも魅力に感じてしまうほどのパワーを秘めた作品であるように思う。加えて不具合に近いような現象に関しては、開発チームが修正に当たることを本作の公式Twitterアカウントで明言している。ゲームそのものの魅力だけでなく、開発サイドの本気度も感じられるタイトルなので、発売直後に拡散された動画で興味は持ったものの購入までには至らなかった人、一部のネガティブな声が気になって購入をためらっている人は、近い将来行なわれるであろうバージョンアップ時やダウンロードコンテンツが配信されるタイミングなどに合わせてぜひプレイしてみてほしい。

フォトギャラリー

■タイトル:キャプテン翼 RISE OF NEW CHAMPIONS
■発売元:バンダイナムコエンターテインメント
■対応ハード:PlayStation®4、Nintendo Switch™
■ジャンル:サッカーアクション
■対象年齢:全年齢
■発売日:発売中(2020年8月27日)
■価格:パッケージ版・ダウンロード版 各7,600円+税


『キャプテン翼 RISE OF NEW CHAMPIONS』オフィシャルサイト

©高橋陽一/集英社・2018キャプテン翼製作委員会
©BANDAI NAMCO Entertainment Inc.