LIVE SHUTTLE  vol. 416

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22/7 新風を吹き込んだニューシングルとともに、11人で初のワンマン。次の一歩を踏み出したステージの様子をレポートする。

22/7 新風を吹き込んだニューシングルとともに、11人で初のワンマン。次の一歩を踏み出したステージの様子をレポートする。

デジタル声優アイドル、22/7(ナナブンノニジュウニ:通称ナナニジ)が9月20日(日)にLINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)にて有観客のワンマンライブ『22/7 Anniversary Live 2020』を開催し、同時に初の試みとして昼夜公演の有料生配信も行われた。

2016年のクリスマスイブに結成され、2017年9月20日に1stシングル「僕は存在していなかった」でCDデビューを果たしたナナニジにとっては、この日はデビュー3周年の記念日。リアルメンバーは結成当初から11人だったが、キャラクターが11人揃ったのは2018年9月のデビュー1周年の日。翌年末には、斎藤ニコル担当メンバーが卒業し、新メンバーとして河瀬詩が加入するが、2020年2月に倉岡水巴、同年2月(〜5月)に高辻麗が体調不良のために活動を休止。高辻は8月末に横浜アリーナで開催された無観客のアイドルフェス『@JAM EXPO 2020』(7人で参加)で元気な姿を見せ、倉岡は、グループとしては9ヵ月ぶりの有観客にして、この11人では初のワンマンライブとなる本公演が復帰ステージとなっていた。

開演時間5分前になると、まず、固定カメラで会場の様子が映し出された。客席はひと席ずつ空けられており、収容人数の50%以内の定員とソーシャルディスタンスをしっかりと確保していることがひと目でわかった。やがて、オープニングVTRが流れ、ダークグリーンの制服にネイビーブルーのスカートを履いたメンバーが一人ずつ登場。全員が別々の方向を見て立ち尽くす中でアニバーサリーライブはスタートした。

22/7 帆風千春 WHAT's IN? tokyoレポート

帆風千春

22/7 天城サリー WHAT's IN? tokyoレポート

天城サリー

22/7 海乃るり WHAT's IN? tokyoレポート

海乃るり

22/7 河瀬詩 WHAT's IN? tokyoレポート

河瀬詩

22/7 倉岡水巴 WHAT's IN? tokyoレポート

倉岡水巴

恋の終わりを歌った「Rain of lies」では雨上がりの水たまりを飛び跳ねるようなフリと晴れやかな笑顔も見せ、一人ずつ振り向きざまに上品でおしとやかなポーズを決めた「不確かな青春」ではまるで一緒に校内を歩いてるかのように歌い、踊った。苦悩の表情を浮かべながらも体全体を使うダイナミックな動きが印象的な「空のエメラルド」を歌い終えると、天城サリーはステージを去るメンバーにそっと手を振り、2ndシングルの収録曲を8人体制でパフォーマンス。西條和と宮瀬玲奈を中心に、決して叶うことのない、誰にも言えない初恋を表現した「シャンプーの匂いがした」と、情念を燃やすかのように胸を激しく前後に動かし、ゆっくりと腰を回しながら射るような目つきを投げかける「人格崩壊」。リーダーの帆風千春が早くも汗だくになるほど対照的な2曲を終えた後、再び11人に戻り、「願いの眼差し」ではスカートをひらひらと揺らし、「循環バス」では大きな円となって歩きながら歌唱。会場の観客や画面越しの視聴者にピュアな淡い恋心が持つ爽やかで透明なムードを届けた。

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晴れた日のベンチ

ここからはユーザーアンケートで決定したグループ初のユニットコーナーへと突入。トップバッターは、高辻が「元気元気なハレンチをハッピーにやってます!」と語った、高辻、武田愛奈、海乃るり、倉岡の4人によるハッピータイプユニット“晴れた日のベンチ”による「半チャーハン」。海乃が「今までのナナニジにはない底抜けに明るい曲になってます」と言っていたように、ラップもフィーチャーしたコミカルソングで、チャットでは「半チャーハン!」のコールが湧き起こり、終演(昼公演)後には「半チャーハン」がTwitterのトレンド入りするほどの盛り上がりとなった。

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蛍光灯再生計画

続く、セクシータイプユニット“蛍光灯再生計画”は河瀬、帆風、宮瀬、白沢かなえの4人による「タトゥー・ラブ」。歌謡ラテンといった趣きの懐かしくも新しい失恋ソングで、帆風はそれぞれのセリフに続き、「タトゥー!」と絶叫。白沢は「愛とは一時的な感情で蜃気楼のように儚いもの。それでも振り返らずに、一本道を歩いていく大人の愛の歌です」と艶っぽい言い回しで解説すると場内からは大きな拍手が湧き上がっていた。

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気の抜けたサイダー

そして、最後は西條、天城、涼花萌のゆるふわタイプユニット“気の抜けたサイダー”の「ソフトクリーム落としちゃった」。涼花がセンターを務めるスイートなラブソングで、天城が「平和な、幼稚園児の初恋です」と説明したが、いつもはあまり感情を表情に出すことのない西條が常にやわかい笑顔でいるレアな楽曲ともなっていた。

ここからは後半戦に突入。ニューシングル「風は吹いてるか?」のカップリング曲「ポニーテールは振り向かせない」はこの日が初披露となっており、白沢が「甘酸っぱい夏の恋の曲です。片想いをしながらも、その思いを誰よりも大切にしている主人公の物語になっています」と語り、宮瀬が「初恋の時にしか味わえないときめきや切なさを思い浮かべながら聴いていただけると嬉しいです」と続け、その宮瀬を中心に、白沢と武田が脇を固めるフォーメーションで、この3人が「君が好きだ」「夢を見ていた」「片想いでいいんだ」というセリフも担当。「未来があるから」では会場で振られるペンライトからも熱気が感じられ、大人の心情を歌った昭和歌謡「ロマンスの積み木」はステージ上で横一列に並び、独特のフリを見せると、<僕たちの愛は積み木だ>と歌う倉岡のウィンクも飛び出した。

22/7 西條和 WHAT's IN? tokyoレポート

西條和

22/7 白沢かなえ WHAT's IN? tokyoレポート

白沢かなえ

22/7 涼花萌 WHAT's IN? tokyoレポート

涼花萌

22/7 高辻麗 WHAT's IN? tokyoレポート

高辻麗

22/7 武田愛奈 WHAT's IN? tokyoレポート

武田愛奈

22/7 宮瀬玲奈 WHAT's IN? tokyoレポート

宮瀬玲奈

そして、最後に海乃が「今までは内に秘めた心情を歌った楽曲が多かったんですけど、新曲は自分の殻を突き破って進んでいくぞという強いメッセージソングになっています」と話し、センターを務める西條が「何をするにしても難しい世の中になってしまっていますが、そんな時でももがき、動けば、風は吹く。そんな気持ちを込めて歌わせいただきます」と語り、ニューシングルの表題曲「風は吹いてるか?」を力強く、荒々しく歌い、西條が自分の心の声を聞くように、自身の目を右手で塞いだところで本編は終了した。

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ライブTシャツにグレーのチェックスカートに着替えたアンコールでは、先にステージに上がった西條を10人が取り囲むようなフォーメーションで始まる「何もしてあげられない」で始まった。立ち止まっている西條と、その姿に気づかずに歩き続けるメンバーたち。雑踏の中で、何かに気付いたかのような帆風と天城以外のメンバーが静止。大切な人を救えなかった後悔の念は果たされたのだろうか。曲中にはダンスパートもしっかりあり、最後は再び、1対10になるが、お互いに振り向くような素振りも見せるという、ストーリー性のあるパフォーマンスとなっていた。

そして、帆風が「この曲を11人で歌えることが本当に嬉しく思います」と感慨深そうに語り、フォークバラード「11人が集まった理由」を高らかに歌った。肩を寄せ合い、それぞれのメンバーと目を合わせながら<やっと出会えた/僕らは歩き出す>と声を重ねると、メンバーは「またね」「ありがとう」「おおきに」「半チャーハン」と思い思いの言葉を投げかけ、充実した表情で舞台袖へと消えていったが、倉岡の満面の笑顔とピースサイン、そして、半チャーハンというキラーワードは、会場に足を運んだ観客だけでなく、配信を見ていた多くの視聴者も呟かずにはいられないほどの余韻を残すものとなっていた。この反響を見ると、有観客&生配信というハイブリッドのライブが、次の時代のスタンダードになる日はそう遠くないのかもしれない。

文 / 永堀アツオ 撮影 / 中原幸

『22/7 Anniversary Live 2020』(夜公演)
2020年9月20日(日)@LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)

<SET LIST>

1. Rain of lies
2. 不確かな青春
3. 空のエメラルド
4. シャンプーの匂いがした
5. 人格崩壊
6. 願いの眼差し
7. 循環バス
8. 半チャーハン
9. タトゥー・ラブ
10. ソフトクリーム落としちゃった
11. ポニーテールは振り向かせない
12. 未来があるから
13. ロマンスの積み木
14. 風は吹いてるか?
EN1. 何もしてあげられない
EN2. 11人が集まった理由

22/7

秋元康総合プロデュース、Sony MusicとANIPLEXがタッグを組んだアイドルプロジェクト22/7(ナナブンノニジュウニ)。
日本を代表する有名クリエイターがてがけたキャラクターを演じる声優アイドルを募るオーディションで結成された。
メンバーは、滝川みう、佐藤麗華、斎藤ニコル、立川絢香、神木みかみ、東条悠希、藤間桜、戸田ジュン、河野都、柊つぼみ、丸山あかねからなる。
現在、TOKYO MX、BS11にて毎週土曜日23:00から「22/7 計算中」の第2シーズンも放送されている。

オフィシャルサイト
https://www.nanabunnonijyuuni.com

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