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『わたナギ』『おじカワ』でハマった”おじキュン”初心者にすすめたいドラマを一挙紹介!

『わたナギ』『おじカワ』でハマった”おじキュン”初心者にすすめたいドラマを一挙紹介!

ここ数年、“おじさん”にフィーチャーしたドラマが増えており、日本はいま「空前のおじさんブーム」といわれている。以前とはおじさんの描かれ方も変わり、「かわいい」「癒される」という声が聞かれるように。最近になって「おじさんにキュンとする」という感覚に目覚めた人も多いのではないだろうか。

そこで今回は、近年放送された連続ドラマの中から、おじさんのかわいさに思わずキュンとしてしまう作品をピックアップ。”おじキュン”ポイントとともにご紹介する。

文 / 上條真由美


視聴者を夢中にさせた2020年上半期の“おじキュン”ドラマ!

2020年上半期はおじさんが主役のドラマが目立ち、多くの視聴者の心をつかんだ。特に話題となったのは最終回視聴率19・6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録した『私の家政夫ナギサさん』(TBS)。仕事はできるのに家事と恋は不器用な相原メイ(多部未華子)が、スーパー家政夫のおじさん・鴫野ナギサ(大森南朋)を雇うことから巻き起こるハートフルコメディだ。手際良く料理をつくるナギサさん。正座で洗濯物を畳むナギサさん。エプロン姿で鼻歌でも歌い出しそうなくらい楽しそうに家事をするナギサさんは癒し効果抜群。また、メイに喜んでもらえたときのうれしさを噛みしめているような顔を見ると、こちらまで幸せな気持ちになる。大森といえば、幅広いジャンルの作品で存在感を発揮しているが、これまで「かわいい」といわれるような役はなかったように思う。しかし、ナギサさんを表情豊かにチャーミングに演じ、大森以外考えられないほどしっくりきていた。アクセサリーを仕分けたり、取れかけのボタンを繕ったりなど、老眼と戦っている姿もたまらなくかわいい。

©TBS

また、深夜帯の放送にも関わらず大きな話題を呼んだのが、『おじさんはカワイイものがお好き。』(YTV・NTV)容姿端麗で紳士的、仕事もできる“イケオジ”でありながら「カワイイものが好きすぎる」という秘密を抱えて生きる小路三貴を、塩顔でスタイル抜群、まさに“イケオジ”である眞島秀和が演じた。ぬいぐるみに話しかけたり、ぎゅうっと抱きしめたり。推しキャラ「パグ太郎」を愛でる小路の姿は悶絶必至! パグ太郎を前にしたときにだけ見せる、ふにゃっとした笑顔もたまらない。カワイイもの好きの同志・河合ケンタ(今井 翼)と出会ってからは、恋する乙女のごとくLINEの返信文に悩み、自分の送ったスタンプが相手に引かれてしまったのではないかとヤキモキ。本心ではないことを口走ってしまう不器用さには愛おしさすら感じた。「パグ太郎」好きの小路、「くまのがっこう」好きの河合、さらに桐山 漣が演じる大の猫好き“おじさん”鳴戸 渡と、それぞれ違った魅力を持つ“おじさん”が登場。思わず「かわいすぎて反則!」と叫びそうになる、3人の振り切った演技が見られるのも本作の大きな魅力だ。

©YTV

ドラマ『おじカワ』で大注目の藤原大祐。”カワイイ”だけじゃない、底なしの魅力に迫る

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2020.09.02

そして、2020年上半期スタートのドラマで異彩を放っていたのが『きょうの猫村さん』(TX)。物語は猫村ねこが飼い主のぼっちゃん(濱田 岳)との再会を果たすため、お金を貯めるべく村田家政婦紹介所の門をたたくところからはじまる。メス猫の猫村さんを演じるのは、なんと松重 豊! 長身かつコワモテの松重が着ぐるみと猫耳つきのかぶりもの、フリルのついた割烹着を身につけているだけでもギャップに萌えるのだが、手の甲で顔を掻いたり、のどをゴロゴロと鳴らしたり、爪を研いだりなど、ときおり見せる猫らしいしぐさが最高にかわいい! 「〜だわ」「〜かしら」といった話し方にまったく違和感がないのもすごい。おじさんと猫、かわいいのハイブリッドは癒しの極み。意外性がありつつもこれ以上ない絶妙なキャスティングに感謝したいくらいだ。

©テレビ東京

おじさんのかわいさに胸がときめく!おすすめの4作品

『おっさんずラブ』(18/EX)

女好きだけどモテない春田創一(田中 圭)が、上司の黒澤武蔵(吉田鋼太郎)と後輩の牧 凌太(林 遣都)に告白されたことからはじまる、おっさん同士の恋模様を描いたラブコメディ。注目はヒロイン(!)の黒澤で、表向きは情熱的でリーダシップがある理想の上司だが、中身は春田に恋するピュアな乙女。上目遣いで見つめたり、愛情たっぷりのお弁当をつくったり、会いたくて会いたくて震えたり(笑)。愛しの”はるたん”の前では乙女モードが全開になる。恥ずかしそうに身をよじる姿などは、もはや乙女より乙女。ヒゲを蓄えた貫禄のある風貌とは裏腹にどんどんかわいく見えてくるのは、吉田の演技力の高さによるものだろう。2019年10月には舞台を航空会社に移した新シリーズの『おっさんずラブ-in the sky-』が放送されたが、設定は違えど黒澤の乙女っぷりは健在。春田の行動に一喜一憂しながら一途にアタックを続ける姿は、健気で応援せずにはいられない。

©テレビ朝日

『きのう何食べた?』(19/TX)

料理上手で倹約家な弁護士の「シロさん」こと筧 史朗(西島秀俊)と恋人で人当たりのいい美容師の「ケンジ」こと矢吹賢二(内野聖陽)のほろ苦くもあたたかい同居生活を、毎日の食卓を通じて描いたドラマ。エプロン姿で料理をするシロさんのビジュアルが完璧なのは言うまでもないが、特筆すべきはケンジの女子力の高さだ。できあがった料理を見ては歓声をあげ、食べては歓声をあげ、女子顔負けのかわいいリアクションをする。そして、「こんなに喜んでもらえたらつくる側もうれしいでしょう」とシロさんを見てみると、静かな微笑みでケンジのことを見つめているのだ。その光景の尊さといったら! 西島と内野は撮影合間もイチャイチャしていた(!)そうで、そのふたりの空気感が物語をよりリアルなものにしたのだろう。原作ファンをも虜にした本作は、2021年公開予定で映画化が決定しているので、ドラマ未見の人はぜひともチェックしてほしい。

©「きのう何食べた?」製作委員会

『デザイナー 渋井直人の休日』(19/TX)

仕事も恋もまだまだ現役、52歳独身のデザイナー・渋井直人(光石 研)。こだわりのものに彩られスマートに生きているように見えるが冴えない場面も数多い彼がおりなす、クスっと笑いながらも応援したくなる、ちょっぴり切ない日常物語。仕事や恋に右往左往する姿も、期待に胸を膨らませては残念な結果に終わる姿も、かっこ悪いのに愛おしさを感じるのは、渋井が人間味にあふれ、なによりピュアだから。何人もの女性に玉砕した末にようやくできた彼女とのデートは初々しく、その後のぎこちない告白にもほっこり。「おじさんの恋にこんなにときめくとは!」と思ったほど、青春ラブコメドラマを観ているような胸キュンを味わえる。光石は本作が俳優生活40年にして連続ドラマ単独初主演。渋井を本人の私生活なのではないかと思うほどナチュラルに茶目っ気たっぷりに演じて好評を博した。

『私のおじさん〜WATAOJI〜』(19/EX)

過酷なロケを行なうことで有名なバラエティー番組に配属された新人AD・一ノ瀬ひかり(岡田結実)が、突如現れた「妖精」を名乗るおじさん(遠藤憲一)から毒のある応援を受けながら仕事に奮闘する社会派コメディ。妖精は口に出せない本音や愚痴を代弁してくれ、大事な場面ではきちんと諭してくれ、上司に詰め寄られたときには「この子弱いからやめて」と守ろうとしてくれる(相手には聞こえていないが)。さらに落ち込むことがあったら頭をポンポンとなでてなぐさめてくれる(これはさすがにおじさんでも妖精でも惚れてまうやろ!) スーツ姿のコワモテのおじさんが妖精という難しい設定も、遠藤があまりにもキュートに演じるからすんなりと受け入れられた。むしろ、「こんな妖精がいたらどれだけ心強いか。もっと仕事を頑張るから、私の前にもおじさんの妖精が現れてほしい」とさえ思ってしまう。

©テレビ朝日

上記以外にも、おじさん達のわちゃわちゃに癒される『バイプレイヤーズ』や『メゾン・ド・ポリス』、クセは強いがかわいい一面もある建築家が主人公の『まだ結婚できない男』、“おっさん×柴犬×会話劇”の最強ほっこりドラマ『柴公園』など、同じおじキュンドラマでも、ジャンルや登場人物のタイプはさまざまだ。となると、「どんなおじさんが見たいか」で作品を選んでみるのもいいかもしれない。