Interview

『はたらく細胞!!』前野智昭インタビュー。特別上映版に向け腸内検査へ「健康には人一倍気をつけるようになりました」

『はたらく細胞!!』前野智昭インタビュー。特別上映版に向け腸内検査へ「健康には人一倍気をつけるようになりました」

人間の体内を舞台に、白血球や赤血球など様々な細胞たちが活躍する人気漫画『はたらく細胞』。2015年より月刊少年シリウスにて連載が始まるや否や、引き込まれるストーリーと個性豊かなキャラクターたちが話題を呼び、2018年にはTVアニメが放送された。作品の勢いはとどまることを知らず、原作のエピソードを基にした舞台版も上演。2021年1月にはTVアニメ第2期の放送も決定している。

そして2020年9月5日(土)には、TVアニメ第2期の一部エピソードをまとめた特別上映版『はたらく細胞!! 最強の敵、再び。体の中は“腸”大騒ぎ!』が、各映画館にて公開予定。主人公たちと因縁が深いキャラクターであるがん細胞が再び登場するほか、ファンからの高い人気を持つ血小板ちゃんが登場するショートアニメが同時上映されるなど、非常に見ごたえのある内容となっている。

そんな本作について、「WHAT’s IN? tokyo」では、白血球(好中球)役を演じる前野智昭にインタビューを実施。自身が演じるキャラクターの印象や、作品の見どころ、アフレコを終えた感想など、本作の魅力について大いに語っていただいた。

取材・文 / 島中一郎


これまでの『はたらく細胞』とはまた違った角度から楽しんでもらえる

まず、原作『はたらく細胞』を初めて読まれたときの感想を教えてください。

前野智昭 「細胞の働きについて、ここまで分かりやすく描かれている漫画があるのか!?」と驚きました(笑)。ストーリーが面白く、専門用語もすんなりと頭の中に入ってきますよね。「ぜひとも何かしらのキャラクターに関わりたい」と思いながら原作を読ませていただきました。オーディションで白血球という素敵な役に選んでいただいたときは、本当に嬉しかったです。

ストーリーはもちろん、登場キャラクターも非常に魅力的ですよね。

前野 私たちの体の中の話なので、キャラクターに感情移入がしやすいです。各々の細胞の役割についてなんとなくの知識はあったのですが、本作を通してしっかりと勉強することができました。僕自身、過去にアニサキスという寄生虫が原因で、強い腹痛に苦しんだことがあったんです。この作品を読んでからは、「あの時は体の中で好酸球が頑張ってくれていたんだ」と、細胞たちに感謝のような気持ちを抱くようになりましたね(笑)。

本作で特に印象に残っているエピソードはありますか?

前野 どのエピソードも印象に残っているのですが、特にがん細胞が登場するエピソードは衝撃的でしたね。台本をいただいたときのことなのですが、一般細胞Cというモブキャラクターのような配役名に、大先輩である石田 彰さんがキャスティングされていて、「そんな馬鹿な!?」という驚きから始まったんです。モブキャラにここまで力を入れるとは、なんて潤沢な予算をお持ちの作品なんだろうと(笑)。

それから、一般細胞Cの正体ががん細胞だったという真相が明かされ、二度目の衝撃を受けました。がん細胞本来の恐ろしさとストーリー上のトリックも相まって、今でも忘れられないエピソードになっていますね。

確かに、がん細胞のエピソードは衝撃的でした(笑)。そんながん細胞が再び登場する、『はたらく細胞!! 最強の敵、再び。体の中は“腸”大騒ぎ!』について、見どころを教えて下さい。

前野 特別上映版では乳酸菌という、見た目が可愛らしく、思わず庇護欲を掻き立てられるようなキャラクターと出会う場面から話が始まります。乳酸菌は体に良いという知識はあると思うのですが、具体的にどのような影響を及ぼしてくれるのかが分かりやすく描かれていますので、非常に勉強になりますね。また、小林裕介君が演じる一般細胞は、今回の主人公といっても過言ではないくらいの大活躍が描かれています。なので、これまでの『はたらく細胞』とはまた違った角度から楽しんでもらえるのかな、という気がしています。

TVアニメ(第1期)では、がん細胞との壮絶なバトルシーンもありましたが……。

前野 特別上映版でも、がん細胞との激しいバトルシーンは、ハラハラドキドキさせてくれる展開の連続になっていますので、こちらも注目です。それに衝撃的な展開も用意されていて、色んな楽しみ方ができる内容となっています。

白血球(好中球)といったお馴染みのキャラクター達に、成長や変化などは見られますか?

前野 白血球にとって乳酸菌は菌の一種であることに変わりないので、本来であれば排除すべき存在なんです。ですが、一般細胞が見ている前では攻撃を止めるような配慮をしたりと、他人の気持ちを思いやる一面も見えて、少し変化を感じました。

キラーT細胞(メモリーT細胞)、NK細胞とのやりとりは相変わらずなのですが、心の底では信頼し合っているような温かさが感じられました。あとは、がん細胞も自分なりの正義や信念を持っているキャラクターなので、がん細胞に関するエピソードは1期を通して観て下さっている方にとって、より心に刺さるシーンになっていると思います。

ありがとうございます。同時上映される血小板ちゃんが登場するショートアニメも、ファンにとってはたまらない部分になりそうですね。

前野 映画の効果で血小板ちゃんがまたバズるのではないかと予想しています(笑)。恐らく、本作で一番人気のあるキャラクターですし、実際に可愛いですからね!

演技では細胞たちとの“距離感”を意識

ご自身が演じられている白血球(好中球)について、どのような部分に魅力を感じられていますでしょうか?

前野 細菌やウィルスを排除するといった任務に忠実なところはもちろんですが、赤血球を陰ながら見守ってあげるなど面倒見の良いところも気に入っていますね。他にも菌と対峙したときの迫力のあるアクションと可愛いらしいセリフを言うときのギャップが顕著だったりと、魅力の多いキャラクターです。

魅力がたくさんあるということは、そのぶんだけ演じる側として気に掛けているところもあるかと思います。白血球(好中球)を演じるうえでどういった点に気を付けているのでしょうか。

前野 細菌やウィルスに対しては出来る限りの迫力を持った話し方をする一方で、赤血球など細胞の仲間たちとはフランクに、距離感の近い話し方をするなど、対比を分かりやすくしています。菌やウィルスを演じられているキャストの方々は細かいアドリブをたくさん入れられることが多いので、その存在感に負けないように、アフレコには常に気合を入れて臨んでいますね。また、赤血球は白血球と一番関わるシーンが多いキャラクターですが、二人が男女の関係に見えないように意識して演じないといけないので、他の作品の時とはまた違った難しさを感じています。

なるほど。赤血球との距離感には特に気を使っているわけですね。

前野 そうなんです。接しすぎず、かといって冷た過ぎないような距離感を保つのは、けっこう難しいんです。多くの作品では回を増すごとに仲が深まっていくエピソードが描かれますが、本作の主人公は人間じゃなくて、あくまで細胞たち。仲を深めすぎても駄目なんです。もちろん、本作を演じているキャスト同士の距離感は回を増すごとに縮まっていますのでご安心を(笑)。

監督やスタッフ同士でキャラクターについてお話をする機会はあるのでしょうか?

前野 けっこう多いですね。『はたらく細胞!!』(第2期)の収録はまだコロナの影響がある前だったこともあり、スタッフの皆様のご厚意で軽食を用意して下さったりと、オープンな雰囲気がありました。皆さまのお気遣いが温かく感じられる現場で、役に関してのお話がしやすかったんです。白血球のセリフについては、演技のテンションの高さに関する具体的な要望などもありましたね。

一期の収録で監督から最初に言われたことは、『はたらく細胞』に登場するキャラクター全員が何かしらの役割を持っていて、毎日忙しく働いていることを意識してほしいということでした。そこで作品の世界観を大切にしたいという監督の意図を、しっかりと感じ取ることができました。キャラクターについては様々なディスカッションがあったのですが、監督からは「基本的に皆さんが思った通りに演技して頂ければ、それが正解です」というスタンスでいることをお話してくださいました。そのお言葉もあって、収録現場には自由にのびのびと臨むことができましたね。

アフレコ中で、印象に残っているエピソードはありますか?

前野 マクロファージが細菌を排除するシーンを、井上喜久子さんが本当に楽しそうに演じられていたことが印象に残っています(笑)。先輩方の熱の入った演技は大変勉強になりますし、アフレコにご一緒できて本当に楽しかったですね。小野大輔さんもバリバリの体育会系のノリでキラーT細胞(メモリーT細胞)を演じられているほか、アドリブに関してもしっかりとご準備されているなど周到さを感じました。様々な細菌を演じている福島 潤さんも、作品に寄り添いつつインパクトのあるアドリブをされる方なので、アフレコ現場では毎回たくさんの刺激を受けていますね。

アフレコに熱が入ってくると、キャストの皆さまが演じているキャラクターそのものに見えてくるんです。花澤香菜さんが本当に赤血球に見えるようになり、長縄まりあさんが血小板に見えるようになり……(笑)。なので、とにかく演技がしやすい現場でしたね。

健康には人一倍気をつけるように

本作は個性的な細胞たちを通して、自身の体をより知ることができることが大きな魅力だと思います。前野さんは本作を通して、健康に気を遣うようになったなど、体に対する考え方に変化はありましたか?

前野 今回は舞台が「腸」ということもあって、自分の体について少し不安に思うこともあり……病院まで腸の検査を受けに行きました(笑)。スコープを通して自分の腸を目にするという、貴重な体験ができましたね。検査の結果、特に異常は無かったようなので安心できました。

それは良かったです。

前野 本作のおかげで、自身の体についてしっかりと考えるようになりました。基本的なことですが手洗いやうがいなどはしっかり行っていますし、定期的にジムに通い運動するなど、健康には人一倍気をつけるようになりましたね。

『はたらく細胞』史上、最も注目度の高い戦いになりそうですね。最後に、特別上映版の公開を楽しみにしているファンの皆さんにメッセージをお願いします。

前野 可愛い乳酸菌や恐ろしいがん細胞といったキャラクターや、白熱のバトルシーンなど色んな楽しみ方ができ、娯楽でありながら非常に勉強にもなる作品に仕上がっています。これまでアニメ『はたらく細胞』に触れたことがなかったという方も楽しんでいただける作りになっていますので、ぜひ色んな方にご覧いただければと思います。

特別上映版『はたらく細胞!! 最強の敵、再び。体の中は“腸”大騒ぎ!』

2020年9月5日(土)より全国劇場にて特別上映

【STORY】
そこは人間の体の中――。
たくさんの細胞たちがはたらいている世界。

ある時、白血球(好中球)と赤血球は、迷子の乳酸菌を保護した一般細胞と出会う。
乳酸菌を仲間のもとに送り届けるため、白血球(好中球)と一般細胞は腸へと向かうことに。
だが、そこに待ち受けていたものは、望まざる最強の敵との再会だった。

「僕とキミたちのどちらが正義か、はっきりさせよう」

再び現れたがん細胞。そして悪玉菌により荒らされる腸内環境。
体内はかつてない大ピンチに!?

「やめるんだ、がん細胞──!」

この世界を守るため、白血球(好中球)たちは世界の命運をかけた大血戦に挑む!

【STAFF】
原作:清水 茜(講談社「月刊少年シリウス」連載)
監督:小倉宏文
シリーズ構成・脚本:柿原優子
キャラクターデザイン:吉田隆彦
細菌キャラクターデザイン・プロップデザイン・アクション作画監督:三室健太
サブキャラクターデザイン:玉置敬子
総作画監督:吉田隆彦、玉置敬子、北尾 勝
美術監督:細井友保(スタジオちゅーりっぷ)
美術設定:曽野由大
色彩設計:水野愛子
撮影監督:大島由貴
3DCG監督:石井規仁
編集:廣瀬清志(エディッツ)
音響監督:明田川 仁

【CAST】
赤血球:花澤香菜
白血球(好中球):前野智昭
キラーT細胞/メモリーT細胞:小野大輔
マクロファージ:井上喜久子
血小板:長縄まりあ
制御性T細胞:早見沙織
NK細胞:行成とあ
一般細胞:小林裕介
乳酸菌(クロ):吉田有里
乳酸菌(アカ):高橋李依
乳酸菌(パンダ):藤原夏海
乳酸菌(ブチ):久保ユリカ
がん細胞:石田 彰
ナレーション:能登麻美子

©清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction

『はたらく細胞!!』公開劇場
https://hataraku-saibou.com/theater_gekijou/
『はたらく細胞!!』オフィシャルサイト
https://hataraku-saibou.com/
『はたらく細胞!!』オフィシャルTwitter
https://twitter.com/hataraku_saibou

原作コミック『はたらく細胞』