Interview

鈴木拡樹が舞台『時子さんのトキ』で改めて感じた演劇の楽しさ。「演劇の灯を絶やさぬように続けていきたい」

鈴木拡樹が舞台『時子さんのトキ』で改めて感じた演劇の楽しさ。「演劇の灯を絶やさぬように続けていきたい」

9月に上演を待つ舞台『時子さんのトキ』。主演は今年で歌手デビュー30周年を迎え、女優としても活躍する高橋由美子。作・演出はONEOR8『ゼブラ』、東宝『雪まろげ』などで評価を受ける田村孝裕が手掛ける。

高橋演じる主人公・時子は離婚後、旦那、息子と離れ一人で暮らしている。その時子が1000万円を超える金を貸している路上シンガーの男・翔真と、息子・登喜(トキ)の二役を演じるのが、数々の舞台や映像に出演、人気を博している鈴木拡樹だ。

歳の離れた女性の心の隙間、寂しさを埋める存在として登場する青年を鈴木拡樹がどう演じるのか。稽古が始まったばかりという8月中旬にソロインタビューを敢行。

「お稽古をやっているということが楽しい!」と微笑む鈴木が作品にかける意気込み、演劇への想いを聞いた。ちょっと脇道に逸れた「1000万の使い道」と「スイカ」の話題も合わせてお届け。

取材・文 / 片桐ユウ 撮影 / 増田 慶


100対0で時子さん派。翔真は“敵”になってしまうかもしれません。

本作に出演すると決まった時のお気持ちからお聞かせください。

プロットをいただきまして、一般的には理解できない愛の様子であったりとかを描くとお聞きし、まず面白そうだなと思いました。僕はあまり恋愛モノの作品に出演したことがなかったので、とりわけ難しそうな作品に挑戦するのは大冒険だなと思っています。

時子さんのトキ 鈴木拡樹 WHAT's IN? tokyoインタビュー

鈴木さんはヒロイン・時子の“心の隙間を埋める存在”である青年・翔真役を演じます。ふたりの関係性は“恋愛”なのでしょうか?

掘り下げていくと、恋愛……とはまた違うものかもしれません。お互いに欠けたピースを埋め合っているような、依存に似た関係性だと思います。

誰かに“依存”するような関係性、鈴木さんとして共感できるものはありますか?

そうですねえ。実家から出て一人暮らしをした時ですかね。家族関係も補い合って生活するものだと思うので、東京に出てきてから家族のありがたみをより感じました。今回の台本を読んでいて、その当時の気持ちを思い出すものがありました。寂しさもそうですし、洗濯機のボタンのどこを押せばいいのかすら分からなかったあの頃を(笑)。

自分でやらなければいけない状況になってから、知らなかったことに気が付きますよね(笑)。

今まで、やっていてくれていたんだなあと思いました(笑)。人ってひとりでもどうにか生きていくことは可能かもしれないけど、人が居てくれることの大切さやありがたみってやはりあるなあと。居てくれると、そこにどんどん甘えてしまう部分もあると思うんですけど……。今作のテーマもそこを扱っています。ただ、僕から見えている範囲はどうしても男目線だと思うので、時子さん側からの感情は絶対に「分かる」とは言えないですね。女性の方には、よりシンパシーを感じていただけるような気がします。舞台を観終えた方々は、おそらく100対0で時子さん派になっているのではないかと。翔真は“敵”になってしまうかもしれません。

女の敵になる鈴木拡樹さん……。

という可能性も、なくはないです(笑)。

時子さんのトキ 鈴木拡樹 WHAT's IN? tokyoインタビュー

そんな翔真の心情はどう捉えていますか?

読み合わせを重ねていく度、徐々に理解していっています。初見の時には見えていなかったものが、皆さんと台本を読むと最初の距離感から変化していって、ひとつクリアする度に「もっと行けるんじゃないか?」となっていく。それは僕自身も芝居のやり取りとして「もう一歩踏み出せるかも」と感じる瞬間と重なるので、さらに深めていける気がしています。

共演者とのセッションで見えてくるものが。

台本を読んで「こうなのかな」と自分の中での解釈はして臨んだのですが、足りなかったというか、浅かったなと思っています。気付かされる毎日です。

時子を演じる高橋さんとのお芝居で引き出されることがある?

はい、すごく包容感を感じます。コロナ禍なので、読み合わせもマスクをしてフェイスシールドを着けて、さらに間はアクリル板の仕切りで囲われている状態でやっていて。正直お互いの顔がハッキリ見えているわけではないんですよ。そんな中でも隣からオーラを感じることができます。

今、語る様子がとてもイキイキされていらっしゃるように感じます。

楽しいです、今すごく! 自粛期間もあって演劇から離れていた時期もあり、“演劇の稽古”自体が久々なので、稽古をやっているということに、とにかく喜びを感じています。お芝居について考えて、追求する過程が楽しい。休んでいる時は何も考えないで過ごしてしまうので(笑)。やっぱり好きなんだなとあらためて感じています。皆さんも自粛期間でセーブしなければいけないものがたくさんあったと思いますし、まだ大変なことが多い中だと思いますが、僕にとっては演劇をやっていないと日々が充実しないものなんだと思いました。

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現時点で、脚本・演出の田村さんからリクエストされていることは?

昨日(取材日前日)の稽古では「(役を)あえて悪くしなくていいからね」と言われて、僕もなるほどなと思いました。すごく繊細に作り込まれていく方なので、台詞ひとつに関しても「ここでこの話題を持ち出すのは、わざと言っているところがあって……」とか、その台詞を発する理由などまで細やかに伝えてくださるので、僕もきちんと受け取って、時間をかけて考えていきたいです。翔真って、台本を読み直す度に「こうかもしれない。いや、こういうことかもしれない」と、いろんな見方ができるんです。最初は騙しているように感じたけれど、実は本心だったのではないかと思えたり。いろんな選択肢がある役なので、田村さんにも積極的に意図を尋ねて、稽古場で試すことができたらと思います。

時子の息子・登喜(トキ)と二役演じられますが、見どころは?

今までにひとつの作品の中で何役か演じることもあったのですが、メインの役があって、その他のキャラクターはちょっとにぎやかしというか、お客様とのじゃれ合いのような時間を楽しむ要素が強かったんですよね(笑)。今回はどちらも重要な役どころだなと。登喜くんの幼少期はカラテカの矢部太郎さんが演じるので、矢部さんの登喜くんが成長した姿として「なるほどね」と思わせるのか、「え、そうなる!?」と思わせた方が面白いのか……ご期待いただければ!

期待が膨らみますね(笑)。

楽しみどころも笑いどころも、けっこうあると思います。僕も最初に内容を聞いていた時は「固めの作品かな?」と思っていたのですが、笑っていただける場面もあると思いますし、風刺的な表現もあります。ご覧になる方の生活や感情とリンクするようなところも感じていただけるのではないかなと思っています。

物語の設定はまさしく“今”、現在を舞台に繰り広げられるとお聞きしています。「状況が落ち着かない」という世の中の状況も、無視できない内容になっていくかと。

とても繊細な部分に触れることになりますので「しっかり考えた上で台本に反映させたい」と、田村さんもお話をされていました。僕らも今後稽古が進む中で、そのテーマ性を共有していかねばと思っています。自分自身もしばらく演劇から離れていましたし、お客様も観劇をする気持ちになるのが難しい時期が続いたと思うので、どうしても演劇の感覚、体で感じる部分が薄れてしまったようなところがあると思うんです。その感覚や生の迫力の良さを是非また劇場で感じていただければ……という想いはあるのですが、やはり体調が一番ですので。「劇場でお待ちしています」と言いたいところではありますが、まず皆様にはご自身のお身体を大事に考えていただければと思います。そして劇場にお越しいただける方々には、最高の時間を過ごしていただき、健康にお帰りいただけるということを目指してキャスト・スタッフ一同取り組んでいきます。

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「1000万の使い道」から見えてきた意外な素顔。

作品にちなんだ質問になりますが、翔真は1000万円以上のお金を時子さんから借りています。鈴木さんは1000万円あったら何に使いますか?

ふだんだったら、豪華に旅行したいと答えるところなんですけど(笑)。癒やしの南国とか、フランスの文化に興味があるのでフランス辺りに……でも今は難しいですからねえ。貯蓄とかも考えなくはないですが、ポンッと目の前に出されたら、上手く使える自信がないです(笑)。家を買う程ではないですし、車の免許は持っていますが買うほどの興味はないですし……。家具を揃えるくらいしか、大きい出費ってない気がします。一定レベルまで買い揃えたら満足しちゃって、多少古くなっても使い続けますし。大金を持つことになっても、小分けにしておいて何か買う物を思い付いたら使うとかが現実的かもしれません(笑)。

時子さんのトキ 鈴木拡樹 WHAT's IN? tokyoインタビュー

この夏の過ごし方は?

とにかくエアコンをつけて熱中症にならないように過ごしていました。エコでは無いですが……今はニュースでもエアコンをつけるように言われていますよね。ひと昔前とは変わったんだなあと思います。26度くらいが良いと聞いたことがあったので、室内はそのくらいの温度で過ごしています。

大好きなスイカは食べました?

食べました! でも最近は季節を問わず手に入るようになったので、自粛期間に入る前の現場でもスイカをいただけたりしていたんですよ。だから年中食べている気がします(笑)。スイカ味のドリンクやスイーツもたくさん出ているので、もう楽園のようですね。やっと時代が来たな、と! 夏場は体温を下げてくれるので特にオススメですし、スイカ味でオススメのものがあれば皆さんから教えていただきたいです!

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最後にメッセージをお願いします。

改めてになりますが、今、演劇ができていて楽しいです。今回の作品テーマとは別に、自分が改めて思っている演劇や舞台に対する想いもどこかに出てくると思っています。それを受け取ってくださいというのはおかしいんですけど、その感覚を持ってやっていますので、また明るい時代になったら堂々と「観に来てください」と言いたいですし、その日が来るまで演劇の灯を絶やさぬように演劇を続けていきたいと思っています。


【募集終了】抽選で1名様に鈴木拡樹さんの直筆サイン入りチェキをプレゼント!

鈴木拡樹さん直筆サイン入りチェキ
応募期間

※募集期間は終了致しました。

9月8日(火)~9月15日(火)23:59


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・プレゼントキャンペーンは予告なく変更・中止することがあります。あらかじめご了承ください。
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・複数のアカウントで応募された場合は、1アカウントのみ有効となります。
・Twitterアカウントを非公開にしている場合は、応募対象外となります。
・落選者へのご連絡はございませんのでご了承ください。
・応募は日本国内にお住まいの方に限らせていただきます。
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鈴木拡樹

1985年6月4日生まれ、大阪府出身。近年の主な作品には【舞台】「刀剣乱舞」シリーズ、『どろろ』【映画】『映画刀剣乱舞─継承─』、『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』、東映ムビ×ステ 映画『死神遣いの事件帖』【TV】アニメ『どろろ』、ドラマ『カフカの東京絶望日記』などがある。

オフィシャルサイト
https://suzuki-hiroki.jp/

オフィシャルTwitter
@hiroki_0604

フォトギャラリー

舞台『時子さんのトキ』

<東京・よみうり大手町ホール>
2020年9月11日(金)~ 9月21日(月・祝)

<大阪・サンケイホールブリーゼ>
2020年9月26日(土)~ 9月27日(日)

出演:高橋由美子/鈴木拡樹/矢部太郎 伊藤修子 山口森広 豊原江理佳
作・演出:田村孝裕
企画・製作:エイベックス・エンタテインメント

<東京公演・アフタートーク>
9月13日(日)13:00 登壇:矢部太郎、伊藤修子、山口森広
9月15日(火)14:30 登壇:鈴木拡樹、伊藤修子、豊原江理佳
9月16日(水)18:30 登壇:高橋由美子、鈴木拡樹、田村孝裕(作・演出)
9月17日(木)14:30 登壇:矢部太郎、山口森広、豊原江理佳
9月18日(金)18:30 登壇:高橋由美子、鈴木拡樹、山口森広

<大阪公演・アフタートーク>
9月26日(土)17:00 登壇:高橋由美子、鈴木拡樹、山口森広

<チケット>
全席指定(動画配信視聴券付):11,500円(税込)
全席指定:9,500円(税込)
動画配信視聴券①:2,500円(税込)
※販売期間:8月16日(日)10:00~9月28日(月)23:59
動画配信視聴券②:3,300円(税込)
※販売期間:9月29日(火)10:00~10月3日(土)23:59

※動画配信視聴期間:10月2日(金)10:00~10月4日(日)22:00
※動画配信視聴券で視聴できる映像は、東京公演期間中に収録した本編映像。

オフィシャルサイト
https://tokikosan.com

オフィシャルTwitter
@tokiko_stage