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作品ファンに夢を見せてくれる最高傑作! ゲーム『FAIRY TAIL』のボリュームがものすごい

作品ファンに夢を見せてくれる最高傑作! ゲーム『FAIRY TAIL』のボリュームがものすごい

魔導士ギルド“妖精の尻尾(フェアリーテイル)”に所属する主人公・ナツがギルドの仲間たちとさまざまな敵に立ち向かう、真島ヒロ氏による漫画・アニメ『FAIRY TAIL』が、PS4で初のゲーム化。開発は『アトリエ』シリーズでお馴染みのコーエーテクモゲームス・ガストブランドが担当しており、RPGとしてのクオリティに期待がかかる。いったいどのようなゲームに仕上がっているのか。『FAIRY TAIL』を全巻読破している筆者が、実際にプレイして感じた本作の魅力をお届けする。

文 / 竹内白州


大魔闘演武編~黒魔術教団(アヴァタール)編までのストーリーを追体験!

本作では、原作コミックスだと31巻~51巻、アニメだと第2期234話~277話にあたる“大魔闘演武編”~“黒魔術教団(アヴァタール)編”までのストーリーを追体験できる。ゲームを開始すると、大魔闘演武編の直前の話である“天狼島編”のクライマックスの場面に。いきなりフェアリーテイルの2代目マスターで現在は闇ギルド“悪魔の心臓(グリモアハート)”のマスターであるハデスとの最終決戦が始まるが、これはチュートリアル。

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▲プレイ開始1分で天狼島編のラスボスと対峙。こんなに豪華なチュートリアルがあっていいのか

操作を覚えつつハデスを倒したところで、今度は世界最強の竜・アクノロギアが襲来。絶体絶命の危機に陥るが、フェアリーテイル初代マスター・メイビスの発動した魔法“妖精の球(フェアリースフィア)”によってギルドの面々は守られた。

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▲アクノロギアの超強力なブレスによって島ごと消滅させられかける

しかし、その魔法によりその場にいたメンバーは封印凍結され、解除に7年間を要した。そのあいだに主要メンバーを欠いたフェアリーテイルは落ちぶれ、フィオーレ王国で最弱のギルドになり果ててしまう。ここから再度力をつけ、フィオーレで一番のギルドを目指すのが本作の大きな目的のひとつとなる。

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▲ギルドの順位は逐一確認可能。プレイ開始時点では168位(最下位)である

そこで、フェアリーテイルはフィオーレ最強のギルドを決める祭典“大魔闘演武”に出場することに。まずは7年間の遅れを取り戻すべく修業を始めるところから、本格的にゲーム開始だ。

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▲優勝賞金の3000万ジュエルに目がくらむフェアリーテイル3代目&6代目マスター・マカロフ

さて、原作の『FAIRY TAIL』は漫画・アニメともにすでに完結した作品だ。筆者のようなファンはもちろん物語をすべて知っている。本作をプレイするうえで、少なくとも「この先の展開はどうなるんだろう!?」というワクワクは少ないわけだ。では、本作の魅力はどこにあるのか。それは、『FAIRY TAIL』の世界を内側から見られることだ。

筆者がそれを強く感じたのは、大魔闘演武での伝説ともいうべきシーン。エルザの伏魔殿(パンデモニウム)100体斬りである。一応、原作を知らない方のために解説しておくと、パンデモニウムは大魔闘演武の3日目に行われたゲーム。全部で100体のモンスターが用意され、各チームの代表者が順番に1度に相手をするモンスターの数を指定し、最終的に倒した数が一番多いチームが勝ちとなる。

これをフェアリーテイルの妖精女王(ティターニア)こと最強女魔導士エルザ・スカーレットが1巡目にいきなり100体すべてを相手すると宣言。無謀でしかない挑戦に会場が静まり返るが、エルザは死闘の末に100体すべてを討伐。ほかのチームに挑戦権を与えることなく勝利するという化け物じみたエピソードである。

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▲挑戦順を決めるくじで1番を引いたエルザ。彼女いわく“くじ運ですべての勝敗がつくゲーム”らしい

もちろん、漫画やアニメでも十二分に衝撃的なシーンなのだが、ゲームで体験すると「やっぱりエルザって化け物だわ……」と改めて思い知る。分かりやすく、スクリーンショットを中心に説明していこう。まずは、この時点での一般的なモンスター戦が以下。

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▲こちらが4人に対してモンスターは3体程度。基本的に先制で倒しきれる数なので苦戦はしないが、攻撃されるとHPがけっこう削られる

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▲大魔闘演武のマスコットキャラクター・マトーくんも困惑

画面の圧が凄すぎる。なんかもうめちゃくちゃいる。物語的にはエルザが勝つはずなのだが、ゲーム的にこれは勝てるのかどうか不安になってくる。「一人で全滅できるようには設定されてません!」って言われているし……。ちなみに、上の画像に写っているのはまだ半分である。

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▲さらに倍!

思わず「うわぁ……」と声が出た。このモンスターの量にではない。これを倒せてしまうエルザにである。

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▲エ、エルザつええ……

おかしいな、本作はガストブランドの由緒正しきRPGだと聞いていたのだが。こんな画面、RPGであり得るんだっけ? ここだけ『無双』シリーズの開発チームが関わっているのではないだろうか、と思ってしまうほどの戦闘画面だ。とまぁこんな感じで、ゲームになったことで我々が持つゲーマーとしての常識でキャラクターたちを測れるようになり、そして彼らはその常識を軽く超えていってくれる。そのためフェアリーテイルの魔導士たちの“ヤバさ”がより分かりやすくなっているのだ。

原作・アニメを忠実に再現した魔法バトルがアツい!

本作では、目的に合わせてギルドがあるマグノリアの街から外へ出て、フィールドを探索。モンスターと戦ったりアイテムを採集したりして目的を遂げたらギルドに戻って準備を整え、再度探索へ向かうというのが本作の基本的なサイクルだ。敵との戦闘はシンボルエンカウントシステムが採用されており、フィールドを徘徊するモンスターのシンボルに接触するとバトルに移行する。

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▲探索できるフィールドは物語の進行に合わせて増えていく

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▲“アタック”でフィールドの敵シンボルを攻撃すると、プレイヤーが有利な状態でバトルを始められる

バトルは最大5人編成で戦うターン性のコマンドバトルシステムで、敵はマス目で区切られたバトルフィールド上に展開される。味方キャラクターたちの魔法にはそれぞれ攻撃範囲が決められているので、なるべく多くの敵を巻き込むように、状況に合わせて最適な魔法を選択するのがバトルの基本となる。

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▲敵の配置を見て、どの魔法が有効か見極めよう

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▲たとえば、縦に並んだ敵にはナツの“紅蓮鳳凰剣”が有効

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▲エルザの“天輪・五芒星の剣”は十字に攻撃できるので対応範囲が広くて便利

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▲ルーシィの“カプリコーン召喚”はそれ単体ではさほど強力な魔法ではないが、攻撃した敵を1列後方にノックバックさせる効果がある。味方の攻撃範囲に押し込むように使えるのだ

魔法を使うには、MPを消費する。HPが0になると戦闘不能になるのは当然として、本作ではMPが0になった場合も戦闘不能になるのがおもしろいところ。なお、MPは敵を倒したりアイテムを使ったりして回復できる。また、MPを消費しない通常の“攻撃”もあるが、正直なところ敵に与えられるダメージはかなり心もとない。使うのはギリギリのHPで耐えられてしまった敵にとどめを刺すときくらいで、基本は魔法で攻撃する。だって魔導士だもの。

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▲ルーシィの“ウラノ・メトリア”は、敵全体を攻撃できる強力な技。詠唱シーンがカッコイイこともあり、ついつい連発したくなるが、消費MPは96とかなり激しいのでご利用は計画的に

そしてバトルにおける醍醐味は、なんといっても“魔法連携”! バトル中、敵にダメージを与えると画面右下の“フェアリーゲージ”が溜まっていき、最大まで溜まるとR1ボタンで発動可能。味方全員で強力な魔法攻撃を連続して行う、とっておきのアクションだ。

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▲魔法連携が発動可能になるとフェアリーゲージが光りだし、R1ボタンのアイコンが出る

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▲魔法連携が発動すると、攻撃モーション中にボタン入力を受け付ける時間ができる。そこで入力するボタンによって、発動する魔法の種類や威力が変化する

魔法連携の攻撃範囲は敵全体。連携の最大回数はギルドのランクが上がるにつれて増えていくので、プレイを進めれば進めるほど大ダメージを出せるようになっていく。また、魔法連携の最後を“フィニッシュ技”で締めれば、さらにダメージが高くなる。

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▲魔法連携中に×ボタンを押すと、より強力なフィニッシュ技をくり出す

さらに、一定の確率でフィニッシュ技が特別な“超魔法”に変化。マカロフやカナなどが“妖精三大魔法”をはじめとする超強力な魔法で攻撃してくれる。魔法連携は必ずしも最大回数まで連携が成功するわけではなく途中で終わってしまうこともあるので、超魔法が選択肢に表れたら、まだ連携回数が残っていても超魔法でフィニッシュしてしまうのもアリだ。

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▲超魔法は演出もカッコイイので、筆者は“超魔法”の文字が見えたらすぐに×ボタンを押してしまう

この強力な魔法連携、ボス戦などで有効なのは言わずもがなだが、ほかにも使いどころがたくさん。そのひとつがオブジェクト破壊だ。フィールドの特定の場所で戦闘を行った際、近くにあるオブジェクトを巻き込んで攻撃することが可能になるのだが、オブジェクトは定められたダメージ量以上の攻撃を受けると破壊され、道が開けたり貴重なアイテムが手に入ったりする。

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▲1回の攻撃で3万以上のダメージを出すのは難しいが、魔法連携は最後にすべてのダメージがまとめて入るので大ダメージを出しやすいのだ

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▲1回1回は1万にも満たないダメージでも、8回繋げばこのとおり

道をふさいでいる木や岩ならまだしも、中には人工的な建造物など「え、これ壊していいの……?」と思うようなオブジェクトもしっかり壊せてしまう。しかし、ここで遠慮しているうちはまだまだフェアリーテイルの魔導士としてはひよっこ同然。気にせずド派手にぶっ壊してこそ、一人前のフェアリーテイルの魔導士というものだ。

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▲モンスターを倒すついでに、街道に建っている塔を破壊。うーん、やっぱりやりすぎ……かも

さて、バトル関連のシステムはてんこ盛りすぎてなかなかすべては書ききれないのだが、もうひとつ“覚醒”も紹介しておきたい。敵から攻撃を受けると“覚醒ゲージ”が溜まっていき、最大まで溜まると覚醒状態になることができる。

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覚醒時にはHPが回復するほか、ステータスが上昇、以降はターンの開始時にもHPとMPが回復する。ピンチをいっきにチャンスへと変える切り札だ。なお、キャラクターによっては覚醒時にモードチェンジが選択可能。たとえば、ナツなら“ドラゴンフォース”や“モード雷炎竜”などが選択可能で、この状態でのみ使用可能な魔法も存在する。

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▲モード雷炎竜のときのみ使える“紅蓮爆雷刃”。威力も演出もド派手でカッコイイ!

なお、覚醒時に魔法連携を発動させると、“ユニゾンレイド”が発動。特大のダメージを与えられるほか、特定のキャラクターの組み合わせでは特別なユニゾンレイドが発動することも。フェアリーテイルファンなら、特別なユニゾンレイドが発生する組合せがなんとなく分かるはず。

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▲エルザとジェラールでのユニゾンレイド。ジェラールの得意魔法“七星剣(グランシャリオ)”をふたりで詠唱する。7本の指を立てる決めポーズもユニゾンしているのが最高にエモい!

本作のプレイアブルキャラクターは、他ギルドの魔導士も含めて16人(DLCでの追加キャラを除く)。ユニゾンレイドに限らず、さまざまな組み合わせで自由にチームを組めるのが本作の大きな魅力のひとつ。ナツ、ルーシィ、グレイ、エルザの“最強チーム!(ミラジェーン談)”を組むのもいいし、滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)だけでチームを組むこともできる。さらには、あえて漫画やアニメでは見られなかった意外な組み合わせで戦えるのも、本作ならではの魅力と言えるだろう。

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▲どうしても女性キャラクター中心にチームを編成してしまうのは、悲しき男の性

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▲ちなみに、キャラクターの衣装は変更可能。画面映えのために全員に水着を着てもらいました。ええ、決して筆者の個人的な趣味ではありませんよ。なお、こちらは後述のフォトモードで撮影したもの

ところで、16人もプレイアブルキャラクターがいると、全員を育成するのはたいへんだと思う人もいるかもしれないが、そこはご安心あれ。チームに編成していないメンバーも一定の経験値が獲得できるようになっているし、メインストーリーや一部の依頼では編成できるキャラクターが決まっているものがあり、自然とすべてのキャラクターが平均的に育つようになっている。

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▲メインストーリーとは別に、ギルド内のリクエストボードから依頼を受けられる。内容はモンスター討伐や人探し、アイテム集めなどさまざま

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▲依頼を達成すると報酬金がもらえるほか、ギルドの名声も高まり、ギルドの順位が上がっていく。なお、ギルドランクが上がると、より高難度の依頼が受けられるようになる

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