Review

ダース・ベイダーには弟子がいた!? 最終話配信目前のアニメ『スター・ウォーズ:クローン・ウォーズ』にはシリーズファン大興奮の要素が盛りだくさん

ダース・ベイダーには弟子がいた!? 最終話配信目前のアニメ『スター・ウォーズ:クローン・ウォーズ』にはシリーズファン大興奮の要素が盛りだくさん

2020年6月より日本でのサービスがスタートしたディズニーの公式動画配信サービス「Disney+(ディズニープラス)」。『アナと雪の女王』や『アラジン』などのディズニー作品から、『トイ・ストーリー』や『モンスターズ・インク』などのピクサー作品、『アベンジャーズ』や『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』などのマーベル作品、さらに「ディズニープラス」でしか配信されていないオリジナルドラマ『マンダロリアン』をはじめとするスター・ウォーズシリーズなど、多くの人気作が配信されている。

そんな世界中のファンに支持される人気作が並ぶ「ディズニープラス」の配信作品の中から、今回は映画『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』と『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』の間が描かれた、3DCGアニメーション『スター・ウォーズ:クローン・ウォーズ』(以下、『クローン・ウォーズ』)の魅力を徹底解説。アメリカでは2020年5月のファイナルシーズン(シーズン7)の完結をもって、その歴史に幕を閉じたが、日本では2020年8月28日(金)にファイナルシーズンの最終話が配信予定となっている。

映画『スター・ウォーズ』シリーズのキャラクターも数多く登場し、のちのエピソードに繋がる伏線も盛り込まれた『クローン・ウォーズ』は、『スター・ウォーズ』ファン必見。最終話が間もなく配信される今だからこそ、ぜひ「ディズニープラス」で観ていただきたい。

※本記事には一部、物語のネタバレになる部分もございます。ご注意ください

文 / 斎藤ゆうすけ


まるで兄と妹――アナキンとアソーカの出会いと紡がれる絆

『クローン・ウォーズ』は、映画『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』と『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』の間に起こった「クローン戦争」を描いた作品群だ。1作目は、2008年に同名タイトルのアニメーション映画として公開され、『スター・ウォーズ』ファンにはおなじみのアナキン・スカイウォーカーと、彼のパダワン(弟子)となるアソーカ・タノとの出会いが描かれた。

▲後に制作されたテレビシリーズでは、強い絆で結ばれたアナキンとアソーカの活躍を見ることができる。

この作品で描かれたアナキンとアソーカの姿は、師匠と弟子というよりも、まるで兄と妹のよう。ストーリーの随所で見られる二人が反目しあう姿は、まるで兄妹ケンカのようで微笑ましくさえある。師匠であるアナキンを“スカぴょん”という愛称で呼び、『エピソード2』で自由奔放に振舞っていたアナキンすらも、翻弄する彼女の姿は可愛らしく、ライトセーバーを手にして戦う姿は勇ましい。

▲映画のアソーカはライトセイバーを一本しか所持していなかったが、テレビシリーズでは二刀流で戦う姿が描かかれる。

そんなアソーカの魅力が詰まったこの映画は、後に続くTVアニメシリーズの壮大なプロローグでもあった。この作品を鑑賞していただき、アナキンとアソーカの絆や、アソーカの可愛く勇ましい姿に魅力を感じていただけたら、TVシリーズへと進んで欲しい。

美しきジェダイと個性豊かなクローン・トルーパーたちに注目!

映画に続いて配信されたTVシリーズは、アメリカで劇場版の公開から2か月後の2008年10月より放映がスタート(日本では2009年より放送)。クローン大戦中の様々なエピソードを、バラエティ豊かなストーリー構成と演出で表現してくれている。また、アナキンや彼のマスターであるオビ=ワン・ケノービ、シリーズの顔ともいえるヨーダといった名だたるジェダイの活躍が楽しめるのはもちろん、これまでクローズアップされてこなかったジェダイ達も登場。『エピソード2』では終盤の決戦シーンに登場したルミナーラ・アンドゥリやアイラ・セキュラなど、魅惑の女性ジェダイたちも見どころだ。異種族でありながら、男性ファンをその美貌で虜にし、勇ましい姿で女性ファンの憧れを集める彼女たちの存在にも注目して欲しい。

▲聡明にして美しきジェダイマスターのルミナーラ・アンドゥリは、ミリアランという種族の女性。

▲スター・ウォーズファンに人気の種族・トワイレックのアイラ・セキュラはその美貌で多くの男性ファンを魅了し続けている。

そして、ジェダイの活躍とともに注目して欲しいのが、個性的なクローン・トルーパーたちの姿。シリーズのファンなら、クローン・トルーパーは賞金稼ぎジャンゴ・フェットのクローンであり、顔も姿も声も皆、ジャンゴと瓜二つであることはご存じだろう。しかし、『クローン・ウォーズ』に登場するクローン・トルーパーたちは、それぞれに明確な個性が存在している。

アナキンやアソーカとともに何度も激戦を潜り抜け、二人と深い絆で結ばれるキャプテン・レックス。新兵の頃からその活躍が描かれ、やがてクローンに秘められた重大な秘密を知ることになるファイブス。さらに、戦地で両親を失った少女と出会い保護するも、幼い子供を相手にどう接していいのかわからず戸惑うワックサーとボイル。二人が保護したトワイレックの少女・ヌーマは、後に別の作品でも活躍することになる。

▲同じ顔を持つクローンでありながらも個性豊かな活躍を見せてくれるクローン・トルーパーたち。

彼らの他にも数多くの魅力的なクローン・トルーパーたちが登場する。同じ姿をしていながらも、それぞれが個々として存在し、戦争をする兵器として育成されてなお人間臭さを感じさせる彼らの生き様も『クローン・ウォーズ』の大きな見どころとなっている。

『七人の侍』に怪獣映画!? 日本贔屓の総監督が描く多彩なストーリー!

ファイナルシーズンの最終話まで全133話におよぶTVシリーズの中には、映画『七人の侍』をオマージュしたシーズン2の第17話「七人の傭兵」をはじめとする、一風変わったエピソードも存在する。

『七人の傭兵』では、貧しい村を海賊の手から守るため、村が雇った四人の傭兵とともに、アナキン、オビワン、アソーカも傭兵として村人たちに協力することに。オマージュのもとになった『七人の侍』と同様に、アナキンたちが村人を訓練し、村人と傭兵たちが共に海賊と戦うシーンは、カタルシスにあふれている。ライトセーバーを手に奮戦するアナキンたちジェダイの姿はもちろん、アナキンたちに優るとも劣らない個性をもった傭兵たちの派手な戦闘シーン、当初は海賊におびえてばかりだった村人たちがジェダイや傭兵たちに感化され、勇気を出して戦う姿は感動的ですらある。

他にも『七人の傭兵』の次のエピソードとなる、シーズン2の第18話『いにしえの巨獣』と19話『コルサント炎上』では、新型爆弾の使用によって目覚めた巨獣ジロ・ビーストが大暴れし、ジェダイと激戦を繰り広げる。日本の怪獣映画を彷彿させるこのエピソードは、怪獣映画ファンにはたまらない展開の目白押しだ。

▲シーズン2では『七人の傭兵』のほかにも賞金稼ぎや海賊といったアウトローたちが活躍するエピソードが数多く作られている。中にはシリーズの人気キャラクターであるボバ・フェットの少年時代を描いたものも。

このように特にシーズン2の後半で、ある種特異なエピソードが展開されるわけだが、これは『クローン・ウォーズ』シリーズの総監督で日本贔屓でもあるデイブ・フィローニの趣味が色濃く反映された結果だ。デイブ・フィローニは、シリーズのメインキャラクターであるアソーカについても、インタビューで「『もののけ姫』のサンにインスピレーションを受けた」と語っており、『クローン・ウォーズ』の随所に日本の映画やアニメなどの影響を見てとれる。『クローン・ウォーズ』には、日本の映画やアニメが好きで、スター・ウォーズのファンなら絶対に夢中になるであろう要素がいくつも詰まっているのだ。

1 2 >