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もしユージオが生きていたら……『SAO アリシゼーション リコリス』で原作、アニメとは異なる展開を堪能

もしユージオが生きていたら……『SAO アリシゼーション リコリス』で原作、アニメとは異なる展開を堪能

筆者が初めて『ソードアート・オンライン』(以下、『SAO』)に触れたのは、2012年7月にスタートしたTVアニメだった。世界初のVRMMORPG『ソードアート・オンライン』の世界に閉じ込められた、主人公のキリトやヒロインのアスナたち。ゲーム中での死が現実世界での死につながるという絶望的な状況の中で、現実世界への帰還を目指して必死に戦い、懸命に生きようとする登場人物たちの姿に感銘し、原作の小説を大人買いしたのを覚えている。筆者の“『SAO』熱”はしばらく続き、コンシューマーゲームの『SAO -ホロウ・フラグメント-』や『SAO -ロスト・ソング-』、『SAO -ホロウ・リアリゼーション-』などをプレイした。

今回レビューする『SAO アリシゼーション リコリス』(以下、『リコリス』)は、シリーズ最新作にあたるアクション・RPG。仮想世界“アンダーワールド”を舞台に、主人公キリトの新たな戦いが描かれる。『リコリス』の魅力を、原作ファンのライター・ジャイアント黒田が解説していく。

文 / ジャイアント黒田


ゲームでのみ描かれるオリジナルストーリーに注目!

『SAO』を刊行している電撃文庫は、筆者がもっとも好きなレーベルだった。とくに高校生だった2000年代前半は本の虫で、『コールド・ゲヘナ』や『レベリオン』(作者の三雲岳斗先生のファン。角川スニーカー文庫の『ランブルフィッシュ』もハマった)、『悪魔のミカタ』、レーベルは異なるが、『戯言』シリーズなどを愛読していた。上京してゲームライターとなり、自然と読書よりもゲームに割く時間のほうが増えていったが、TVアニメ化やゲーム化で気になった作品は、原作もチェックするようにしていた。

冒頭お伝えしたように、『SAO』もそんな作品のひとつ。ゲームの世界を舞台にしていることで興味を惹かれたし、何よりも主人公のキリトがかっこいい。ズバ抜けた実力のプレイヤーで、レアな二刀流使いで、異性にモテまくる(さらに同性にも慕われている)のにヒロインのアスナを一途に愛している……と、男でゲーマーなら、自分もこうなりたいと思う要素がてんこ盛りなのだ。『リコリス』に限らず、『SAO』のゲームは、キリトになりきって冒険できるのが大きな醍醐味と言える。

ソードアート・オンライン アリシゼーション リコリス WHAT's IN? tokyoレビュー
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▲『リコリス』の主人公もキリトだが、ストーリーを進めるとキャラクターの外見をキャラメイクで変更できるようになる

さらに本作では、オリジナルストーリーが展開されるのもポイントだ。そもそも『リコリス』は、原作の「アリシゼーション編」をもとに制作されているが、原作やTVアニメの第3期が、アリシゼーション→アリシゼーション新章 アンダーワールド大戦へと続くのに対して、アリシゼーション→ゲームオリジナルのストーリーに進行する。原作では、キリトの親友・ユージオが命を落としてしまうものの、ゲームでは引き続きいっしょに冒険ができるなど、ファンにはうれしい展開が多数用意されているのだ。分岐後のオリジナルストーリーがボリューミーだったのも好印象。ユージオはもちろん、アスナやリーファ、シノン、リズベット、シリカたちお馴染みの仲間や、アリシゼーション編では敵だった整合騎士たちとのイベント、冒険を堪能できた。前半のアリシゼーション編も、オリジナルヒロインのメディナが登場することにより、新鮮な気持ちで遊べたのもうれしい。

ソードアート・オンライン アリシゼーション リコリス WHAT's IN? tokyoレビュー
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▲特定のイベントでは、美麗なCGが挿入されることも! 胸躍る展開をよりいっそう盛り上げてくれる

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▲仲間になるキャラクターには、それぞれ友好度が設定されている。この友好度をLv5まで上げると、“添い寝イベント”が楽しめるのだ。恋人のアスナはもちろん、ほかのヒロインと添い寝することも!?

プレイするほどハマる奥の深い戦闘システム

広大なフィールドには多種多彩なモンスターが徘徊しており、こちらから攻撃したり、敵に狙われたりすると、シームレスにバトルへ移行する。戦闘では、通常攻撃とジャンプ攻撃をくり出せるほか、強力なソードスキル、多種多彩な効果を持ったバトルスキルなどを発動可能。序盤はアクションがもっさりした印象だったが、できることが増えたり、システムの理解度が深まったりすると印象が激変。ソードスキルの使用後の隙をなくし、連続での発動を可能にする“スキルコネクト”で攻め続ける。仲間とソードスキルを連携して“チェインバースト”を発動させ、攻撃のチャンスを作る。必殺技の“フィニッシュアーツ”で大ダメージを与えつつ、敵を一定時間無防備にできるハザード状態に追い込む……。さまざまなシステムを駆使することで、『SAO』ならではの爽快なバトルが堪能できた。タイミングよくガードや回避、受け流しを行うことで、戦いが有利になるシステムも戦闘のいいスパイスに。キリトのような立ち回りが楽しめるし、何よりも成功したときの気分は爽快だ。

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▲ハザード状態にした敵は打ち上げが可能になり、無防備な時間を増やすこともできる

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▲フィニッシュアーツは、専用のアーツゲージを使って発動させる。フィニッシュアーツのほかに、スーパーアーツやスキルアライドも発動でき、前者は操作キャラクター以外の時間がスローになる、後者はパーティメンバーと連続攻撃がくり出せる

バトルだけではなく、キャラクターのカスタマイズも奥が深い。キリトは、片手直剣やアリシゼーション編をクリアーすると解放される二刀流のほかに、細剣、短剣、片手棍、鞭、カタナ、両手剣、弓の武器が装備できる。当然ながら、それぞれアクションや発動可能なソードスキルが異なるので、武器ごとに相性のいいバトルスキルやパッシブスキルが変化するのだ。スキルの習得と強化は、レベルアップや敵を倒したときなどに得られるスキルアップポイントを割り振って行うのだが、どのスキルを優先して習得&強化するかはプレイヤーの自由。スキルの効果を確認しながら、愛用する武器の特徴に合わせてあーでもない、こーでもないとスキルの組み合わせを考えるのは、いい意味で時間泥棒だった。ちなみに、特にお気に入りなのは二刀流とパッシブスキルの“闇の武器”の組み合わせ。闇の武器は、ダメージを与えたときにHPを吸収する効果を持ったパッシブスキル。手数の多い二刀流の武器と組み合わせると、回復薬要らずの狂戦士のできあがり。ダメージを与えていれば回復できるので、反撃を恐れず攻め続けられるのが非常に楽しい。

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▲スキルの習得と強化は、スキルマップの画面で行う。中央にアタッカーやディフェンダーなど、役割に応じたスキルが並び、外側に武器に関連したスキルが広がっている。スキルの中には、条件を満たすと習得できるものもある

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▲習得したスキルのセットは、パレットの画面で行う。ここでスキルをセットすると、バトルで使用できるほか、スキルが効果を発揮する

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▲キリトだけではなく、仲間のカスタマイズも行える。好みのキャラクターと理想のパーティーを生み出すことも夢ではない

広大なアンダーワールドにはやり込み要素が満載!

先述した通り、ストーリーを追うだけでもたっぷりと遊べるが、クリアー後のやり込み要素が満載なのもうれしい。美しく再現されたアンダーワールドには、ラスボスよりもレベルの高い敵が数多く徘徊している。さらに、“神獣”と呼ばれる伝説上の敵も存在し、撃破できれば強力なレジェンドクラスの装備品が手に入るのだ。神獣は、ほかのプレイヤーと共闘するマルチプレイでの討伐が推奨される難度だが、装備品を整えたプレイヤーの中には、ソロで神獣を倒す猛者の姿も。筆者はそのレベルに到達していないが、いずれソロで倒してみたい。ほかにも、多彩なクエストのクリアーや宝箱の回収、スキルのコンプリート、最強の装備品の収集など、やり込める要素はバラエティ豊か。そのうえ、アップデートで高難度のレイドダンジョンが追加されるなど、新要素も追加されている。ローディングやフレームレート、カメラ挙動の改善など、アップデートで遊びやすさも向上していく予定なので、末永く楽しめるタイトルになりそうだ。今後の動向に注目しながら、アンダーワールドでの刺激的な冒険を堪能してほしい。

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▲フィールドを探索していると、高レベルの敵に遭遇することも! ハードルが高ければ高いほど、燃えるプレイヤーにはたまらないはず

フォトギャラリー

■タイトル:ソードアート・オンライン アリシゼーション リコリス
■ジャンル:RPG
■発売元:バンダイナムコエンターテインメント
■発売日:発売中(2020年7月9日)
■対応ハード:PlayStation®4/Xbox One/STEAM®
■価格:
・PlayStation®4
通常版(パッケージ版・ダウンロード版):7,600円+税
デラックスエディション(ダウンロード版):11,800円+税
初回限定生産版(パッケージ版):10,980円+税
・Xbox One
通常版(ダウンロード版):7,600円+税
デラックスエディション(ダウンロード版):11,800円+税
・STEAM®
通常版(ダウンロード版):オープン価格
デラックスエディション(ダウンロード版):オープン価格
■対象年齢:15歳以上
■プレイ人数:1人(オンライン時 1~4人)

『ソードアート・オンライン アリシゼーション リコリス』オフィシャルサイト
https://al.sao-game.jp/
『ソードアート・オンライン』ゲームオフィシャルTwitter
@sao_gameinfo

©2017 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/SAO-A Project
©BANDAI NAMCO Entertainment Inc.