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谷水 力の最も楽しい瞬間とは? 舞台「真夜中のオカルト公務員」で味わいたい、観客との“魂”の交歓

谷水 力の最も楽しい瞬間とは? 舞台「真夜中のオカルト公務員」で味わいたい、観客との“魂”の交歓

2019年にテレビアニメ化された、たもつ葉子の大ヒット漫画「真夜中のオカルト公務員」が舞台となって10月29日(木)から11月7日(土)まで新宿FACEにて上演される。
新宿区役所の「夜間地域交流課」に就職した宮古 新(みやこ あらた)が、元イギリス人のオカルトオタク・姫塚セオ(ひめづか せお)と、元ホストの業務リーダー榊 京一(さかき きょういち)というふたりの先輩に影響され、夜の街で未知なる存在「アナザー」と出会い、様々な冒険をする物語。舞台版では脚本を、“おもしろ切ない”をコンセプトに2002年に結成された演劇集団「Bobjack Theater」の守山カオリ、演出を同じく「Bobjack Theater」の扇田 賢が務める。
そこで、宮古 新を演じる主演の谷水 力にインタビュー。本作に挑む心境から、舞台に懸ける想いまで語ってもらった。

取材・文 / 竹下力 撮影 / 冨田望


一読してハマってしまった原作

原作のたもつ葉子さんのコミック「真夜中のオカルト公務員」を読んだ感想はいかがですか。

一読してハマってしまいましたね(笑)。物語は非日常的なのに、日常のエピソードが散りばめられていて、現実世界のどこでも起こりそうなので、共感できる部分がたくさんありました。一般の人の目には見えない「アナザー」という存在も実在しているようなリアリティーがあるから、原作に引き込まれるんだと思います。読んでいると、舞台となっている“新宿”に思わず行きたくなってしまいます(笑)。僕は、「アナザー」の災いの神「琥珀」という破壊的なのに可愛らしい、ギャップのあるキャラクターが好きです。

舞台「真夜中のオカルト公務員」 谷水 力 WHAT's IN? tokyoインタビュー

今作に出演が決まったときのお気持ちを聞かせてください。

もともとアニメは知っていたので、出演させていただけるのが嬉しくて興奮しました。なので、稽古までに原作をしっかり読み込んでおきたいと思います。

演じられる主人公の宮古 新についてどう思われていますか。

彼は「アナザー」の存在を信じていないのに、それが見えてしまう素質があって。今の若者と同じような人柄なのに、特別な能力を持っている姿に惹かれます。とても面白いキャラクターなので、演じさせていただくと思うとワクワクしますね。しかも、彼の家計をたどっていくと、意外な人物にたどり着くんですけど、そこも面白い部分だなと。

舞台「真夜中のオカルト公務員」 谷水 力 WHAT's IN? tokyoインタビュー

先ほどからお話に出ている、現実では目に見えない、通称「アナザー」という存在を舞台上で表現するには何が大切になってくると思いますか。

舞台上では、僕たちだけではなく、お客様からも「アナザー」が見えるわけですよね。「アナザー」の姿が見えるぶん、お客様も舞台にいる僕らの世界に感情移入しやすいのではないかと思います。原作の世界をどういうふうに表現するかは、これからの稽古次第にはなりますが、今作はキャストとお客様の気持ちを違和感なく擦り寄せながら、いかに「アナザー」に共感してもらえるかが“肝”になると思っています。

演じる役の一番の理解者になろう

初めて演出を受ける扇田 賢さんからは、谷水さんのどのような部分を引き出してもらいたいと思いますか。

僕は人見知りですが、慣れると積極的に近づいていくタイプなので、僕の“ガツガツ”した部分を引き出してくれたら(笑)。人見知りのままだと心のこもったお芝居が生まれないので、扇田さんとも早めに意思疎通を図っていきたいと思います。

舞台「真夜中のオカルト公務員」 谷水 力 WHAT's IN? tokyoインタビュー

初めての演出家に演出されるときに意識されることはありますか。

初めてであってもなくても、最初はどういうプランを持っていらっしゃるのかわからないので、なるべく本読み稽古の段階から、演じるキャラクターの演技の構想を自分から提案して、どういったものをチョイスされるか感じ取りながら、演出家の求める演技をしようとします。大切になってくるのはコミュニケーションで、脚本を読んでも、人によって解釈が変わってくると思うので、稽古中はお互いの気持ちを丁寧に照らし合わせたいと思っています。

これまでの俳優人生で、参考になった、心に残っている演出家のアドバイスはありますか。

初舞台の『あんさんぶるスターズ!オン・ステージ』(2016年上演)で、僕が演じる衣更真緒 役になりきれているのかわからなくて、「どうしたらいいんだろう」と悩んでいました。そんなときに演出家の宇治川まさなりさんに言われたのが、「役になることは100パーセントできないけれど、この世の中で、演じる役の一番の理解者でなければいけないよ」と言われたとことがあって。それ以来、演じる役の一番の理解者になろうと心がけています。

舞台「真夜中のオカルト公務員」 谷水 力 WHAT's IN? tokyoインタビュー

舞台「俺たちマジ校デストロイ」(2019年上演)以来、2度目の座長を務めますね。現段階で意識していることはありますか。

まだまだ“座長とはなんぞや”とわからない部分もあるのですが(苦笑)、ただ、気負わずに座長を務めたいと思っています。前回は思いっきり緊張してしまって、何をすればいいのかわからずに混乱したときもありました。僕が積極的にいろいろなところに目配せをしないといけないと焦って、独りよがりになってしまったんですよね。思い返すと、座組み全体でコミュニケーションを綿密にとることができなかった。なので、今回は変な気負いをせずに、肩の力を抜いて座長を務めたいと思います。

ちなみに、これまでに出演した舞台で影響を受けた座長はいらっしゃいますか。

音楽活劇「SHIRANAMI」(2019年上演)で共演した早乙女太一さん。みんなに気合いを入れさせるような言葉を発しなくても、背中を見ているだけで、ついて行こうと思わせるタイプの方だったので憧れています。あと、“あんステ”(『あんさんぶるスターズ!』)の小澤 廉くんは天然な部分があるので、場の空気をなごませてくれながら、やることはやると、座組みを引き締めてくれる存在で。おふたりとも僕にはない部分を持っているので、彼らの良いところを取り入れたくはなりますが、無理をすると空回りしてしまいそうなので、僕らしい座長になりたいと思っています。

舞台「真夜中のオカルト公務員」 谷水 力 WHAT's IN? tokyoインタビュー

舞台の一番の魅力はお客様が目の前にいること

そうして、いろいろな経験を経て、舞台の楽しさを覚えられたわけですね。

そうですね。初舞台のときから、ドラマや映画にはない、舞台だけの面白さに気づかされました。稽古を含めたら、スタッフやキャストと家族よりも長い時間一緒にいて、全員でひとつの作品を作っている意識が強くあります。それに、公演を走り抜けたあとの達成感だったり、お客様からいただくリアクションだったり、毎日少しずつ変わっていくお芝居の楽しさも感じることができる。それが舞台の面白さだと思います。

その中で、谷水さんが感じる舞台の一番の魅力とは?

お客様が目の前にいることです。お客様と同じ空間を共有できることは舞台ならではなので。毎公演、お互いに共感できる特別な何かが舞台にはあるので、お客様もそれを感じ取って、気持ちがたかぶって前のめりになってくださると嬉しいです。それから、本番中もお芝居が変わったり、相手の演技のニュアンスでシーンの空気が変わることを感じられるのも楽しいですね。

舞台「真夜中のオカルト公務員」 谷水 力 WHAT's IN? tokyoインタビュー

役を演じるうえで気を使っていらっしゃることはありますか。

舞台は、公演ごとにアドリブや日替わりシーンがあったりしますが、あまりに本筋とかけ離れてしまうと、お客様の頭に「?」が浮かぶので、そうならないように気をつけています。話の流れや、お客様がイメージするキャラクター像から離れない。けれど、演者として面白いことはチャレンジしたいという意識をつねに持ちながら演じています。

料理を毎日の楽しみにしていました

今現在、世界はコロナ騒動の渦中にありますが、自粛期間中に谷水さんはどのようなことを考えていましたか。

今まで普通に舞台に立っていたのが当たり前ではなくなって、たくさんの舞台が延期や中止になったり、お客様やファンの皆さんに接することも極端に減ってしまったので、なるべくSNSを更新したり、動画に挑戦してみようと思ったり、自分と向き合うことが増えた時期だと思います。今もまだマスクをはずせないわけですし、他人との距離が遠くなってしまった日々は、心がナイーブになるし、なかなかつらいものがありますね。今まで近い距離で皆さんと接することができたことに感謝しなければいけないと感じています。早く、みんなが近い距離で、コミュニケーションが取れるようになれれば嬉しいですね。

動画以外に、自粛期間中にチャレンジしたことはありますか。

料理です。ほとんど自炊をしてこなかったのですが、自粛中にスーパーやコンビニに行くことしかできなかったので、大好きなカルボナーラを作ったり、溶岩プレートを買ってステーキを焼いたり、毎日の楽しみにしていました(笑)。

舞台「真夜中のオカルト公務員」 谷水 力 WHAT's IN? tokyoインタビュー

(笑)。俳優としてご自身を振り返ったりしましたか。

しましたね。今までは、プライベートと仕事を切り離して、仕事のときは仕事の顔、プライベートはプライベートの顔、と使い分けていたところがあったのですが、プライベートで出している顔をお仕事でも出せれば、もう少し俳優としていろいろな“味”が出せるのではと考えるようになって。これからはフランクにお仕事に挑戦することも必要だと思っています。

僕が主体となって、お客様の喜怒哀楽が変わっていくと嬉しい

俳優の面白さを再発見した時期でもあるわけですね。

そうだと思います。僕が歩まないはずの人生や、僕とは違う性格のキャラクターを演じられるのが俳優の面白さです。人の感情を動かすことができる仕事は俳優だけではありませんが、僕が主体となって、お客様の喜怒哀楽が変わっていくと嬉しいですし、そんなお仕事ができるのは幸せだとあらためて感じるようになりました。

舞台「真夜中のオカルト公務員」 谷水 力 WHAT's IN? tokyoインタビュー

ちなみに俳優をしていて最も嬉しい瞬間はどういうときですか?

舞台でいえば、千秋楽のスタンディングオベーションです。身体中が震えるし、それまでの疲れが吹っ飛んでしまう。わざわざお客様が座席から立ち上がってくれて、ダブル、トリプルとカーテンコールをしてくれて、拍手をいただけるのは、このうえない幸せです。

まだまだ谷水さんはお若いですが、役者として、これから演じてみたい役はありますか。

今まで演じたことのない悪役に挑戦したいです。ドラマ『JIN -仁-』(2011)の主演の大沢たかおさんのお芝居に感動して、それ以降、大沢さんが出演されているいろいろな作品を観ると、悪役を演じられたり、任侠作品にも出られていて。多くの個性を出している姿に感心して影響を受けました。僕もヒールな役や、性格が悪い役なども演じて振り幅の大きな俳優になれるように、いろいろな役に挑戦したいです。

皆さんの思い描くような“オカルト公務員”の空気感を舞台で出せるように

それでは、最後にお客様にメッセージをお願いいたします。

今作では再び座長に挑戦するという貴重な機会をいただきましたし、演じることの高揚感を久しぶりに味わうことができるので本番が楽しみです。「真夜中のオカルト公務員」という原作も素敵ですし、原作ファンもたくさんいらっしゃると思うので、皆さんの思い描く“オカルト公務員”の空気感を舞台でも出せるようにみんなで頑張りますので、期待して開幕を待っていてください。


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舞台「真夜中のオカルト公務員」

2020年10月29日(木)~11月7日(土)新宿FACE

原作:たもつ葉子
脚本:守山カオリ(Bobjack Theater)
演出:扇田 賢(Bobjack Theater)

出演:
宮古新 役:谷水 力
榊京一 役:磯野 大
姫塚セオ 役:とまん
仙田礼二 役:田中稔彦
琥珀 役:釣本 南
狩野一悟 役:瀬戸啓太
狩野一茜 役:永瀬千裕
千草健二 役:毎熊宏介
玉緒勝己 役:石賀和輝
清水翔太 役:竹鼻優太
天狗 役:斎藤直紀
蚕神 役:倉田瑠夏

オフィシャルサイト
オフィシャルTwitter(@mayonaka_stage)

©Yohko Tamotsu・KADOKAWA ©2020舞台舞台「真夜中のオカルト公務員」製作委員会

谷水 力(たにみず・りき)

1996年10月16日生まれ、福岡県出身。俳優ユニット「SUNPLUS」所属。主な出演作品には【舞台】『あんさんぶるスターズ!』シリーズ、舞台『弱虫ペダル』シリーズ、舞台『御茶ノ水ロック-THE LIVE STAGE-』、音楽活劇「SHIRANAMI」、舞台『刀剣乱舞』慈伝 日日の葉よ散るらむ、舞台『SUMMER BAZAAR~夏の終わり~』【TVドラマ】『セレンディピティ物語~新しい自分に出会う旅~』博多-大阪編、『御茶ノ水ロック』などがある。テレビ神奈川『猫のひたいほどワイド』に月曜レギュラーとして出演中。

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関連書籍:『真夜中のオカルト公務員』