Interview

『デジモンアドベンチャー:』再び日曜朝に届ける意味、オメガモン登場、OP演出…制作陣が語る“20年の重み”と新作への志

『デジモンアドベンチャー:』再び日曜朝に届ける意味、オメガモン登場、OP演出…制作陣が語る“20年の重み”と新作への志

『デジモン』ファンの胸を熱くさせるオープニングのワンシーン

オープニング主題歌「未確認飛行船」についてもお聞かせください。この楽曲の選曲意図は?

櫻田 まずはオープニングも挿入曲も、本作のための新しい曲でいきましょうということですね。その上で、スタッフみんなで主題歌候補の曲をいろいろと聴かせていただいたうえで、一番ぴったりだと思ったのが「未確認飛行船」でした。明るい冒険モノの物語に合うだろうなと感じましたし、数々のキッズアニメ主題歌を担当してきた谷本貴義さんに歌っていただくことで、よりその雰囲気が増したように感じました。

OPアニメ上での演出など、映像面ではいかがですか?

三塚 オープニングの演出自体は、若手の宍戸望さんにお願いしました。僕から彼に伝えたイメージは「歌の疾走感とのシンクロ」「太一とアグモンのコンビ感」「バトル要素」。この3つを盛り込んでほしいとお願いしました。特に、今作は主人公とデジモンのバディものである、ということが明確に伝わるものにしたかったんです。序盤のアグモンと太一が仲良く描かれているあたりは、まさにそんなシーンですね。

途中からはバトル要素が描かれ、仲間たちも登場し、それぞれのアクションをかっこよく見せるという流れになっています。意味深な二人組や、今後のパワーアップを予感させるチラ見せといった、オープニングのお約束もありつつ。楽曲の疾走感とシンクロするように、仲良く楽しそうに駆ける太一とアグモンで始まり、サビから展開するデジモンたちのバトルでは、今の技術だからこそできるアクションをお見せできたかと思います。ちなみに裏テーマとしては、2020年の東映アニメーションを担う若いスタッフたちの力を詰め込もうという思いもあったりします。

かつての『デジモンアドベンチャー』を観たファンにとっては、「縦横が4:3になった画面の中、太一がクルクル回りながらデジタルワールドに落ちていく」という冒頭の演出も熱いものがあるのではないかと思います。

三塚 これも宍戸さんと話していく中で、今作にとっての『デジモンアドベンチャー』という原作へのリスペクト要素も込めてみたいという話になったんです。なので角銅監督(角銅博之、『デジモンアドベンチャー』のシリーズディレクター)にも、ちゃんと許可をいただいて使わせていただきました。僕も20年前は一視聴者でしたが、オープニングのあの場面は特に印象深く残ってるんです。『デジモンアドベンチャー:』というアニメを観る子供たちが、最初に目にするのもオープニングのあのシーンであってほしかった。それくらい、『デジモン』というアニメーションとしての象徴だと思っています。

自由な行動が制限されてしまった今だからこそ、広い世界の冒険を子供たちに見せてあげたい

お二人にとって、『デジモンアドベンチャー:』の魅力や軸はどんな点にあるとお考えですか?

三塚 基本にあるのは、子供とデジモンの関係。そして、子供たちが救うべきものを明確に認識したうえで冒険に臨む物語であることです。「なんとかしよう」という子供たちの決意や使命感。それに応えようとするパートナーデジモン。両者の絆というか…「コンビの生き様」が魅力だと思います。だからこそ、子供たちだって戦っているんだってことが描きたいんです。バトルで実際に戦うのはデジモンですが、子供はただ見ているだけだと思われないように気をつけています。あくまでも、「一人と一匹」のコンビで戦っているんだということを描くことが、いままでとは違うスタイルであり、今作の新しい試みですね。もちろんいままでも、子供とデジモンがパートナーとして戦ってはいるのですが……「一人と一匹」で戦いと冒険に臨んでいく描写が、演出面でも軸になっています。

櫻田 そうですね。三塚監督がおっしゃったことが第一にあります。加えて、デジタルワールドという広大な世界を、デジモンと一緒に自由に冒険することを大切に描きたいと思っています。新型コロナウイルスの影響でステイホームになってしまい、自由な行動が制限されてしまった今だからこそ、せめてアニメでは、広い世界をアグモンやグレイモンに乗って飛び回ったり、ジャングルや海を自由に旅したりできるということを、子供たちに見せてあげたい。我々の現実世界では難しくなってしまったことを、作品を通じて体感してもらえたらうれしいです。

まさに“アドベンチャー”を描くということですね。

櫻田 こういう状況下だからこそ、アドベンチャーをのびのびと楽しんでほしいですね。

ありがとうございます。では最後に今後の展開について、お話しいただける範囲でご紹介をお願いします。

三塚 ここから、デジモンたちの一段階上の進化が描かれます。そして今起こっている事件のひとつの原因に向かって近づいていきます。

櫻田 グレイモン、ガルルモン、バードラモンがどんな冒険をしながら完全体になっていくのかが、10話以降の見どころですね。楽曲の面では、完全体の進化に合わせた挿入曲の演出についても楽しみにしていただければと。あとはなによりも、6人の子供たちが一緒に冒険していくのを、楽しんでいただければと思います。


次回・8月16日(日)放送の第11話「砂漠に立つ狼」予告はこちら!

TVアニメ『デジモンアドベンチャー:』

毎週日曜朝9:00~ フジテレビほかにて放送中

【ストーリー】
西暦2020年。ネットワークが人間の生活に深く浸透している現在。その向こう側に広がるデジタルワールドには、未知のデジタル生命体・デジモンが棲んでいる。
主人公・八神太一はある日、ネットの世界に迷い込み、自分のパートナーデジモン・アグモンと出会い、共に東京を襲ったネットワークの暴走事件を食い止めた。事件は無事に解決したが、太一はネットの世界から現実へと戻ってきてしまった。「あれは、夢だったのだろうか?」しかし太一の手には、アグモンとの絆・デジヴァイスが握られていた…。
新たな危機・東京一帯の大停電の原因がデジモンにあるのではないかと考えた太一は、仲間の泉光子郎やクラスメイトの武之内空、石田ヤマトら仲間たちとともに、再びデジタルワールドへ!
そして太一たちは、自分たちが「選ばれし子供たち」と呼ばれる、大きな使命を負った存在であることを知る。太一とアグモンは現実の世界で次々に起こるネットワークの危機を阻止するために、謎に満ちた「聖なるデジモン」を探し求める大冒険に飛び込んでいく!

【キャスト】
八神太一:三瓶由布子
石田ヤマト:浪川大輔
泉光子郎:小林由美子
武之内空:白石涼子
城戸丈:草尾毅
太刀川ミミ:高野麻里佳
高石タケル:潘めぐみ
八神ヒカリ:和多田美咲

アグモン:坂本千夏
ガブモン:山口眞弓
テントモン:櫻井孝宏
ピヨモン:重松花鳥
ゴマモン:竹内順子
パルモン:山田きのこ
パタモン:松本美和
テイルモン:園崎未恵

ナレーション:野沢雅子

【スタッフ】
原案:本郷あきよし
プロデューサー:江花松樹(フジテレビ)、佐川直子(読売広告社)、櫻田博之、高見暁
シリーズディレクター:三塚雅人
シリーズ構成:冨岡淳広
キャラクターデザイン:中鶴勝祥、浅沼昭弘
総作画監督:浅沼昭弘
美術監督:木下了香
美術設定:天田俊貴
音楽:佐橋俊彦
オープニングテーマ「未確認飛行船」 歌:谷本貴義
エンディングテーマ「悔しさは種」 歌:藤川千愛
制作:フジテレビ・読売広告社・東映アニメーション

©本郷あきよし・フジテレビ・東映アニメーション

オフィシャルサイト

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